※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。
なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。
状況
被相続人 | 66歳で死亡(男性Sさん) 遺産:複数の土地・建物(固定資産評価額約1200万円) |
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相続人 | Mさん,Yさん,Cさん,Aさん |
相談者 | Mさん |
相談の経過
Mさんの父親は、Sさん(Mさんの叔父で、Mさんの父親の兄弟)が死亡した後、Sさんの遺産について遺産分割協議をしようとしましたが、資料等を集めている段階で亡くなられてしまいました。
そのため、MさんもSさんの相続人となり、遺産分割協議を進めようとしましたが、共同相続人であるY,Cさんとはほぼ交流がなく、Aさんにいたっては一度も会ったことがないという状況でした。
そこで、どのように遺産分割協議を進めていけばよいか困ったMさんは、当事務所の弁護士に遺産分割協議の代理交渉をご依頼されました。
弁護士の関わり
弁護士は、まず、Y,C,Aさん(以下「Yさんら」いいます。)と連絡をとることから始めました。
これまで、MさんとYさんらは全くと言っていいほど連絡を取っていなかったため、連絡が取れた際には、遺産分割の話だけではなく近況の説明をする等、できる限り紛争とならないように交渉を進めていきました。
Yさんらは、遺産不動産がYさんらのいずれも居住していない県に所在していたため、基本的にはMさんが遺産不動産を取得することに納得をしてくれていました。ただ、Aさんは、Mさんが遺産不動産を取得してもいいけれど、その代償金を支払ってもらえないかとの提案をしてきました。
しかしながら、今回、Mさんは、亡き父の代わりに遺産分割を進めていこうと決意したものの、積極的に遺産不動産を取得したいと望んでいたわけではないですし、また遺産不動産の所在地からして遺産不動産を取得しても売却が困難な可能性もありました。
そのため、弁護士は、Aさんにその旨説明し、粘り強く交渉をすることで、なんとか代償金を支払うことなく遺産分割協議を成立させることが出来ました。
補足
相続においては、全く会ったこともない親族が共同相続人になっているというケースも珍しくありません。その場合には、お互いの信頼関係が一切ない状況ですので、協議すなわち話合いで遺産分割を成立させるためには、最低限の信頼関係を築いていく必要があります。
そして、最低限の信頼関係を築くためには、双方冷静に話合いを行なう必要があり、間に弁護士を立てた方がスムーズに協議が進む可能性が高いと考えられます。
また、本件のように遺産が不動産である場合、当事務所では遺産不動産の査定や売却についてもご協力できる場合がございます。
遺産分割について悩まれている方は、是非一度、弊所の相続専門弁護士にご相談ください。