鉛筆で書いた遺言(自筆証書遺言)も有効です。
遺言書とは
人が自分の死後、その効力を発生させる目的で、あらかじめ書き残しておく意思表示のことを遺言といい、遺言書はその遺言が記された書面のことをいいます。
遺言書は、法律上、一定の要件を満たした書き方をしていなければ、無効となってしまいます。
そのため、注意が必要です。
遺言書の書き方についてはこちらのページをご覧ください。
鉛筆で書いてもよいか?
有効な遺言として認められるには様々な要件がありますが、鉛筆で書くことは禁じられていませんが、以下のようなリスクもあるため注意が必要です。
最近は「消せるボールペン」なども便利な筆記具として話題になっています。
しかし、こと遺言に関しては、消せるボールペンで書いてしまうと鉛筆と同じリスクが生じますので、ここで使うペンは消せないものにしましょう。
遺言に使う筆記用具の色も決められていませんので、赤いペンや青いペンでも有効な遺言を書くことができますし、ボールペンやサインペン、万年筆で遺言を書くことも可能です。
便箋などに書いてもよいか?
では、遺言に使う紙はどうでしょうか。
遺言に使う紙も、法律上特に限定はされていません。
自筆証書遺言の場合、便箋に書かれたものを目にする機会が多いですが、便箋に書いたものであっても、メモ用紙に書いたものであっても、色つきの紙に書いたものであっても、しわくちゃの紙に書いたものであっても、それが原因で無効となることはありません。
紙の大きさも指定はありませんので、大きな紙でも小さな紙でも、書いた内容さえ確認できれば問題はありません。
しかし、遺言は長期間保管する可能性があることを踏まえると、耐久性の高い紙を使ったほうが良いことは言うまでもありません。
なお、きちんとした紙に、きちんとしたペンで自筆証書遺言を書いた場合でも、遺言の要件を欠き、無効と判断されることがあります。
遺言書の注意点
上述したように、遺言書は、鉛筆で書いても、メモ用紙などに書いたものでも、法律上は問題ありません。
しかし、遺言書はできるだけきちんとした紙に、きちんとしたペンで書くようにすべきです。
遺言書は、被相続人(亡くなった方のこと)の死後、その信用性が問題となることが多々あります。
メモ用紙や便箋などに、鉛筆などで走り書きをしたものは、他の相続人から見てどう思われるでしょうか?
遺言書を発見した人に有利な内容となっていれば、その発見者が偽造したものだと思われる可能性があります。
また、そのような内容でなかったとしても、被相続人の真剣さが伝わらないかもしれません。
後々、トラブルを避けるためには、きちんとした紙に、きちんとしたペンで、記載したほうが良いでしょう。
まとめ
以上、鉛筆の遺言書について、くわしく解説しましたがいかがだったでしょうか?
遺言書は、鉛筆で便箋に書いても無効とはなりませんが、トラブルの防止を考えるときちんとした紙に記載すべきです。
また、遺言書は法定の要件が決まっており、この要件を満たさないと、せっかくきちんとした紙に書いていても、無効となってしまいます。
そのため、遺言書の記載については、相続問題に詳しい弁護士に助言をもらわれることをお勧めいたします。
当事務所の相続対策チームは、相続問題に注力する弁護士・税理士のみで構成される専門チームであり、遺言書の作成やその有効性の判断について、強力にサポートしています。
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