妊娠中に事故に遭い、慰謝料を裁判基準で獲得できた事例
※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。
なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。
受傷部位 | 首(頸椎捻挫)、股関節(右股関節捻挫) |
ご依頼後取得した金額 |
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約158万円(約75万円増額) |
損害項目 | 保険会社提示額 | 弁護士介入後 |
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傷害慰謝料 | 55万円 | 約98万円(裁判基準) |
休業損害 | 17万円 | 約60万円 |
合計 | 82万円 | 158万円 |
状況
Dさんは、見通しの悪いカーブを走行していたところ、道路外の駐車場から公道に出ようとしていた車が飛び出してきたため、Dさんの車の助手席側と相手方の車両の前方とが衝突する事故に遭いました。
事故は、相手方が侵入に当たって、左右の安全を十分に確認していないことが原因でした。
当時、Dさんは妊娠9か月で、事故後すぐに通院していた産婦人科を受診しました。幸い、胎児には影響はありませんでした。
しかし、Dさんはこの事故で、首と股関節に捻挫を負いました。
Dさんはその後、出産のために治療できない期間が2週間ほどありましたが、レントゲンで骨に異常がなかったため、整骨院で施術を受けていました。右股関節については、お腹に胎児がいたこともあり、負担がかかっていたので、骨盤ベルトをしばらく装着していました。
事故から6か月半ほどして、相手方保険会社からの話もあり、治療を終了し、相手方保険会社から示談書を受け取りました。
この段階で、Dさんは提示された賠償額が正当かどうか知りたいと弁護士に相談されました。
弁護士の対応
弁護士が、相談時に示談書を確認すると、休業損害と傷害慰謝料が不十分な内容となっていました。
休業損害については、主婦の休業損害として1日5700円(※)の1ヶ月分が提示されていました。
1日5700円(※)は、自賠責保険の基準です。
※自賠責基準の休業損害の1日単価は、2020年3月31日までに起きた事故の場合、5700円です。2020年4月1日以降の事故は、1日単価6100円に改定されています。
また、傷害慰謝料についても裁判基準の60%程度の提示でした。
弁護士は、相手方保険会社から、Dさんの事故関係書類一式を取り寄せた上で、損害を計算し直しました。
休業損害については、Dさんの家事や育児への負担を具体的に聞き取った上で、補償期間として1ヶ月は短すぎること、1日単価は、女性労働者の賃金センサス(平均賃金)を前提として計算すべきであることを主張しました(1日約1万円)。
そうしたところ、休業損害は、事故から最初の1ヶ月は、満額の約30万円で事故から2〜3ヶ月間ぶんは、50%分で月額約15万円となり、合計60万円を補償してもらうことができました。
傷害慰謝料については、Dさんが事故当時、妊娠中であり事故により大きな不安を抱えることになったことなどを具体的に主張しました。
その結果、示談交渉で、裁判基準(裁判をした場合の水準で最も高い水準)の傷害慰謝料を補償してもらうことができました。
最終的に約75万円を増額することができ、Dさんにも喜んで頂くことができました。
弁護士のアドバイス
家事労働も金銭的に評価されており、主婦(夫)休損として請求することができます。
どの程度の主婦休損が認められるかは、具体的にどの程度、家事に支障が出ていたかを具体的に主張していく必要があります。
主婦休損について、詳しく確認されたい方は、こちらをご覧ください。
本件では、傷害慰謝料も裁判基準で解決することができました。
示談交渉の段階なので、裁判基準の90%程度で解決に至ることもありますが、本件では、妊娠中の事故ということもあり、示談交渉の段階ではありましたが、裁判基準で解決することができたのです。