半月板損傷により後遺障害14級に認定された事例
※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。
なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。
受傷部位 | 首(頚椎捻挫)、両膝(半月板損傷) |
等級 | 併合14級 |
ご依頼後取得した金額 |
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約390万円 |
損害項目 | 弁護士によるサポート結果 |
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傷害慰謝料 | 約100万円 |
休業損害 | 約100万円 |
後遺傷害慰謝料 | 約110万円 |
後遺障害逸失利益 | 約81万円 |
回収額 | 約390万円 |
※その他にも治療費など表には記載していない損害があります。
交通事故による半月板損傷の後遺症で日常生活に支障がでていたSさん
Sさんは、駐車場を歩いていたところ、突然、加害者の車が後退してきた結果、Sさんに衝突し転倒させられる事故に遭いました。
Sさんは、事故後、整形外科に通院を開始しましたが、膝の痛みで階段の上り下りにも苦労する状態で日常生活に支障が出ていました。
こうした状況であったので、Sさんは後遺障害が残ってしまった場合にきちんと補償してもらうえるのか不安になり、当事務所に相談に来られました。
弁護士の対応で併合14級に認定、裁判基準での賠償金を獲得
Sさんが、当事務所に来られたのは事故後数週間経過したところでした。
弁護士は、後遺障害についてや、最終的な解決までの流れを説明した上で、Sさんに、医師の指示に従ってしっかりと治療を継続するようアドバイスを行いました。
その後、弁護士は受任通知(弁護士が依頼を受けたことを知らせる通知)を相手方の保険会社に送付しました。
受任通知を送付して以降は、全て弁護士が保険会社の窓口になることから、直接Sさんに連絡がいくことがなくなるため、Sさんは安心して治療に専念することができるようになりました。
Sさんは、治療を継続しましたが、やはり両膝や首の痛みは治りませんでした。
こうした状況の中、Sさんは、事故発生から、約8か月間の通院を継続したところで、医師から症状固定(治療を継続しても改善の見込みがない状態)の診断がされました。
そこで、弁護士において、後遺障害の申請に必要な書類を収集し、後遺障害の申請を行いました。
そうしたところ、首と右膝、左膝において、14級9号が認められ併合14級の認定を受けることができました。
弁護士は、この結果に基づき、Sさんの損害を裁判基準(裁判をした場合の水準で最も高い水準)で計算して、保険会社に提示しました。
保険会社は、当初、裁判基準の80%程度の金額の提示をしてきました。
しかし、Sさんは、本件事故によって、首、左膝、右膝の合計3カ所について後遺障害14級9号が認定されていることや、その当時においても日常生活に支障が出ていること等を具体的に説明し、交渉段階であっても裁判基準での解決をすることが妥当であることを主張しました。
そうしたところ、相手方保険会社も弁護士の主張を認め、全ての項目で裁判基準での解決をすることができました。
また、Sさんは専業主婦であったことから、主婦休損(事故により家事に支障が出たことに対する補償)の請求もしており、約100万円の主婦休損を回収することもできました。
弁護士のアドバイス
交通事故において弁護士が介入するメリット
全ての事案に概ね共通することですが、交通事故において弁護士が介入するメリットは、大きく分けて、以下の3点です。
- ① 相手方保険会社に受任通知を送ることによって、交渉を一切弁護士に任せることができる。
- ② 慰謝料等を裁判基準で請求し、賠償額の増加が期待できる。
- ③ 後遺障害の申請についてサポートし、適切な等級獲得に努める。
本件のSさんの事例でも、上記の①〜③について、弁護士が全てにおいて役割を果たせております。
主婦の休業損害について
休業損害とは、交通事故による傷害のため、休業又は不十分な就労を余儀なくされ、減収した場合、その減収額を損害とするものです。
そうすると、現実収入のない専業主婦は、休業損害がそもそも生じていないとも考えられます。
しかし、裁判例上、専業主婦でも女性の平均賃金(賃金センサス)をもとに、休業損害を認めています。
後遺障害等級の併合ルールについて
後遺障害等級の認定には、「併合」という概念があります。
例えば、9~13級の等級が2部位に認められた場合には、重い方の等級を1つ作り上げて認定するのです。
10級と11級が認定された場合には、併合9級という認定になるのです。
しかし、後遺障害14級の場合、2部位以上認められたとしても、全て併合14級というに認定になります。
したがって、3部位に後遺障害14級が認められたとしても、後遺傷害慰謝料は基本的には110万円(裁判基準)しか認められません。
もっとも、現実問題として、1部位に14級の後遺障害を残している場合よりも、複数部位に14級の後遺障害を残している場合の方が、辛いに決まっています。
したがって、裁判になった場合には、慰謝料の増額を主張したり、また後遺障害逸失利益の算定にあたり、労働能力喪失率を加算して計算したりするなど、実態に合った賠償の主張をすべきであると思います。
後遺障害等級併合ルールまとめ