膝蓋骨骨折、膝前十字靭帯損傷により後遺障害14級に認定された事例
※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。
なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。
受傷部位 | 首、膝(右膝蓋骨骨折、右膝前十字靭帯損傷) |
等級 | 14級9号 |
ご依頼後取得した金額 |
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約255万円 |
損害項目 | 弁護士によるサポート結果 |
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傷害慰謝料 | 約125万円 |
後遺傷害慰謝料 | 約110万円 |
後遺障害逸失利益 | 約80万円 |
過失割合 | 10% |
回収額 | 約255万円 |
※その他にも治療費など表には記載していない損害があります。
右膝蓋骨骨折、右膝前十字靭帯損傷などの重傷を負ったAさん
Aさんは、バイクで走行し、交差点を直進していたところ、対向車線から右折してきた普通乗用車に衝突されるという事故に遭いました。
Aさんは、この事故により右膝蓋骨骨折、右膝前十字靭帯損傷などの重傷を負いました。入院はせずに済みましたが、会社を数カ月にわたり休業せざるを得なくなりました。
事故後、整形外科にて通院を継続したところ、幸い骨折の癒合(骨と骨がくっつくこと)は良好でしたが、膝の痛みは中々とれませんでした。
事故から9カ月を経過する頃に医師から症状固定(医学的にみてこれ以上すぐには治らないという状態)の診断がされ、後遺障害の申請をすることになりました。
Aさんは、後遺障害の申請を相手方の保険会社に任せてよいのか不安になり、当事務所に相談に来られました。
後遺障害の申請を行い、後遺障害14級9号認定
弁護士が、Aさんに後遺障害の申請の方法や流れを説明し、賠償の見通しを説明したところ、ご依頼を受けることになりました。
弁護士は、相手方保険会社に受任通知(弁護士が依頼を受けたことを保険会社に伝える通知)を発送して、保険会社が所持しているAさんの医療記録や物損資料などの全てを開示してもらいました。
その上で、弁護士において、申請書類を取りまとめて後遺障害の申請を行ったところ、右膝について後遺障害14級9号が認定されました。
膝の骨や靭帯の修復が、うまくいっていない場合には、後遺障害12級13号を目指して異議申立てをすることも検討すべき(理由は「神経症状の後遺障害」で説明します)ですが、本件では、Aさんの膝の骨や靭帯は、幸いきれいに修復されていたことから、異議申立てをせずに相手方保険会社と示談交渉をすることになりました。
弁護士は、後遺障害の結果を踏まえて、裁判基準(裁判をした場合の賠償水準であり最も高い水準)にて、Aさんの損害を計算し、相手方保険会社に賠償の提示を行いました。
そうしたところ、相手方保険会社からは、傷害慰謝料(通院したこと等に対する慰謝料)と後遺傷害慰謝料(後遺障害が残ったことに対する慰謝料)について、裁判基準の90%での提示がなされました。
しかし、Aさんには、膝の痛み強く残っていたため、弁護士において、Aさんの状況を具体的に主張して、裁判基準での解決を求めました。
そうしたところ、傷害慰謝料は裁判基準の90%の提示でしたが、後遺傷害慰謝料は裁判基準の100%の金額となり、また後遺障害逸失利益(後遺障害があることで減収することに対する補償)も裁判基準で解決をすることができました(後遺障害逸失利益は労働能力喪失期間5年、喪失率5%での解決でした)。
弁護士のアドバイス
後遺障害の申請について
症状固定を迎えても痛みが残存している場合は、後遺障害の申請を検討すべきです。
後遺障害の申請は、大きく分けて2つあります。
1つは、保険会社が行う「事前認定」、もう1つは、被害者(被害者の代理人弁護士も含む)が行う「被害者請求」というものです。
事前認定にしろ、被害者請求にしろ、後遺障害申請をするためには、主治医に後遺障害診断書を記載してもらう必要があります。
後遺障害等級は1〜14級まであります。最も等級が低い14級でも、認定されれば別途後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益が請求できます。
神経症状の後遺障害
骨折や靭帯を損傷しているような場合で、痛みが残存している場合(神経症状)には、12級13号あるいは14級9号に認定される可能性があります。
12級13号は、痛みがあることが医学的に証明されなければなりません。
14級9号では、痛みがあることを証明することまでは求められませんが、医学的に説明できることが必要となります。
「医学的に証明」と「医学的に説明」の違いは、簡単に申し上げると、画像所見の有無です。
症状固定時に、骨の癒合状態(くっついている状態)に異常があり、レントゲンなどでそれが分かる場合には、12級13号に認定される可能性があるので、少しでも異常が疑われるのであれば、画像鑑定をするなどして確認すべきでしょう。
本件では、幸い骨の癒合も問題なく、靭帯の損傷も修復されていましたので、14級9号の認定は妥当な認定でしたので、異議申立てはせずに示談交渉を進めることになったのです。