弁護士のサポートを受け、頚椎捻挫で後遺障害が認定された事例
※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。
なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。
受傷部位 | 首(頚椎捻挫)、肩(左肩関節打撲)、腰(腰椎捻挫) |
等級 | 併合14級(首痛14級9号 肩痛 14級9号 腰痛14級9号) |
ご依頼後取得した金額 |
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330万円 |
損害項目 | 弁護士によるサポート結果 |
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傷害慰謝料 | 87万円 |
後遺障害慰謝料 | 110万円(裁判基準100%) |
逸失利益 | 15万円(収入資料×5%×7年) |
結果 | 212万円 |
状況
Eさんは、横断歩道のある道路を手を上げて歩いて渡っていたところ、Eさんに気づかなかった自動車にひかれる交通事故にあいました。
Eさんはそのまま救急車で搬送され、レントゲンやCT検査を受けましたが、幸い骨折などはなく、全身打撲と診断されました。
事故にあって以降は、整形外科と整骨院に通院をして治療を続けていました。
相手方の保険会社もEさんが歩行者の事故ということもあり、治療の打ち切りなどを行わずに半年間ほど治療費の支払をしてくれていました。
ところが、事故から半年ほど経過するタイミングでEさんにそろそろ症状固定としてほしいと連絡が入りました。
Eさんは70代と高齢であり、保険会社の話している「症状固定」のことや今後のやり取りなどに不安を感じ、娘さんと一緒に弁護士に相談することとし、デイライト法律事務所の弁護士にご相談されました。
弁護士の対応
弁護士は、Eさんから事故の状況と現在の症状を確認しました。
すると、Eさんは首や肩、腰の痛みが残っているということでしたので、後遺障害の申請も視野に入れる必要があると判断しました。
また、事故以降、顎が痛いという症状もあるということでしたので、保険会社が治療費を支払ってくれているうちに歯科医に念のため見せておいたほうがよいとアドバイスしました。
そして、Eさん自身は自動車を運転しないのですが、同居している娘さんが自動車をもっており、その自動車保険に弁護士費用特約がついていたので、娘さんの保険を使用して弁護士に依頼していただくことになりました。
弁護士は、保険会社にすぐに受任通知を送り、以降のやり取りを弁護士の方で行いました。
その中で、症状固定の時期について協議し、事故から7か月の時点まで治療費の支払いをしてもらうことで合意しました。
Eさんには7か月目まで治療を続けていただき、その上で後遺障害診断書を医師に作成してもらいました。
そして、弁護士が書類のチェックや整理をして、自賠責保険に被害者請求を行いました。
整形外科の通院がそれほど多くなかった点が懸念点でしたが、事故当初から継続して痛みを訴えていたことと事故態様も踏まえ、頚部痛と肩痛、腰部痛についてそれぞれ14級9号という後遺障害の認定を受けることができました。
この結果を踏まえて、保険会社との示談交渉に移りました。
Eさんから事情を伺うと、長年されていた建築の仕事を事故以前までアルバイト程度の収入ではあるものの続けていたということでした。
しかし、現金処理をしており、ほとんど証拠が残っていない状況でした。確定申告も行っていませんでした。
それでも弁護士は少しでも逸失利益を認めてもらえるように、領収書など残っている限りの資料を準備してもらい、それを利用して保険会社と交渉を行っていきました。
その結果、領収書のある部分を収入として認定してもらい、Eさんの平均余命の2分の1に当たる7年分の逸失利益を認定してもらうことができました。
また、慰謝料についても裁判基準をベースとしたもので、最終的には200万円を超える示談金を受け取ることができました。
弁護士のアドバイス
弁護士特約について
今回のEさんのように、歩行者の交通事故でも弁護士特約が使用できます。
しかも、Eさんは自動車を運転しておらず、自動車保険に加入してはいませんでした。
しかしながら、同居の娘さんの自動車保険の弁護士特約を使用することができたため、Eさんは弁護士費用のご負担なく、後遺障害の申請や示談交渉を弁護士に任せることができました。
このように、一見すると事故とは無関係の保険として、見逃してしまいそうなものですが、弁護士特約の範囲は広くカバーされていることが多いです。
弁護士特約を使用できるかどうかは、保険証券を確認し、保険会社や弁護士にまずは確認することが大切です。
逸失利益について
今回、Eさんには後遺障害が認定されました。
後遺障害が認定されると、後遺障害慰謝料と逸失利益という補償が請求できます。
逸失利益については、今後の収入に対する後遺障害の影響を補償するものですので、高齢者の場合、見落とされやすいものです。
特に、Eさんは確定申告を行っておらず、昔の付き合いで仕事を引き受けていた状況でした。
それでも、収入資料などの証拠となるものがないか検討した上で、保険会社と交渉を行う余地はあります。
金額にすると今回Eさんは15万円ほどでしたが、それでもきちんと補償をしてもらうことが大切で、弁護士のサポートにより適切な補償が得られた部分といえるでしょう。