解決事例
更新日2020年8月21日

保険適用外の治療費の負担、慰謝料も裁判基準満額で合意した事例

執筆者:弁護士 鈴木啓太 (弁護士法人デイライト法律事務所 パートナー弁護士)

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。
なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

ご相談者Aさん

受傷部位頸椎捻挫、歯冠破折など
ご依頼後取得した金額
153万円

内訳
損害項目 弁護士によるサポート結果
傷害慰謝料 約109万円(裁判基準)
休業損害 約32万円
通院交通費(タクシー) 約12万円
結果 約153万円

 

状況

解説図Aさんは、原動付自転車で走行中、スーパーマーケットの駐車場から突然出てきた車両と出合い頭に衝突しました。

この事故により、Aさんは、頸椎捻挫、歯冠破折(歯冠の半分以上が破損)などの傷害を負ったことから、Aさんは整形外科と歯科医院に通院することになりました。

整形外科では、物理加療とともに、投薬治療を受けていました。

歯科医院においては、破折部分を歯冠の形を整える必要がありました。

その際に、Aさんは、いわゆる銀歯を使用するのではなくセラミックでの治療を希望されてました。

しかし、保険会社は、セラミック治療は保険適用外の治療であることを理由にセラミック治療の費用負担を拒否しました。

納得のできないAさんは、何とかセラミックでの治療ができる方法はないか、弁護士に相談に来られました。

 

弁護士の対応

解説図弁護士は、Aさんと面談し事情を聴取した上で、電話で保険会社とセラミック治療の費用負担について交渉したところ、やはり、保険適用外の治療費は負担できないとのことでした。

しかし、銀歯での治療では、見た目の問題やその後の虫歯リスクなどデメリットがあり、何より、Aさん自身が強くセラミックでの治療を望まれていました。

そこで、弁護士は、歯科医に直接連絡をとり、セラミック治療の必要性とその効果について確認し、歯科医に医療照会をしました。

医療照会の中では、今回のAさんの歯冠の修復治療においてはセラミック治療が必要かつ有用であること、セラミック治療をしない場合のデメリットなどを記載してもらうことができました。

その結果、保険会社もセラミック治療を認め、Aさんは無事に保険会社の負担でセラミック治療を受けることができました。

その後、Aさんが治療が終了したことから示談交渉に入りました。

タクシー示談交渉の中では、傷害慰謝料と通院交通費(タクシー代)が主な争点となりました。

タクシー代は 12万円と通院交通費としては高額になりましたが、その必要性を説明することで、全額を保険会社に支払ってもらうことができました。

また、傷害慰謝料についても、事故の規模やAさんの傷害の程度を丁寧に説明することで裁判基準の満額で合意することができました。

 

弁護士のアドバイス

保険証保険適用外となる治療方法に関しては、費用が高額になりがちなため、保険会社が費用を負担することを拒否することが多々あります。

確かに、その治療の必要性や相当性が認められないような場合に、保険会社に費用負担をさせることは困難です。

しかし、医師の診断などにより、保険適用外の治療方法が妥当であるという判断がなされているのであれば、保険のように医師と十分に協議した上で、資料を作成し保険会社に費用負担するよう主張していくことが大切です。

 

 


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