示談書が無効になる場合とは?条件をわかりやすく解説
示談書が無効になる場合は、示談内容が公序良俗に反しているような場合や、全くの別人が示談したような場合です。
また、詐欺や脅迫によって示談してしまったような場合には、示談を取り消すことができます。
この記事では、示談書が無効になる場合、取消すことができる場合について、解説していますので参考にされて下さい。
交通事故の示談書とは
交通事故の示談書とは、交通事故により発生した賠償責任等について、当事者間で合意に至った内容を記載する書面です。
合意は口頭でも成立しますが、後々、言った言わないの問題が生じ、紛争が蒸し返される可能性があります。
示談書という形で書面で合意することで、こうした紛争蒸し返しのリスクを回避することができるのです。
加害者や保険会社との示談は慎重にする
示談交渉は、加害者本人あるいは加害者側の任意保険会社の担当者と行うことになります。
ここで注意していただきたいのが、安易に示談書にサインしてはいけないということです。
示談金の初回の提示額は、一見すると高額に見えるのですが、十分な賠償額ではないというケースが大半です。
その理由としては、示談金額の基準として、自賠基準、任意基準、裁判基準があるのですが、任意保険会社は、裁判で認められる裁判基準ではなく、それよりも低い金額である自賠基準や任意基準で示談金額を提示してくるからです。
また、任意保険会社の担当者は、示談交渉のプロです。
知識や経験が豊富であるため、気付かないうちに自身が望まない示談をしてしまうということが多いです。
そして、一度示談してしまうと、上記の通り、示談をやり直すことは困難なため、安易に示談すべきではないのです。
自賠責保険基準、任意保険基準、弁護士基準の詳しい説明については、こちらをご覧ください。
示談が無効・取消しになる場合
示談内容が公序良俗に反する場合は無効になる
示談の内容が、公序良俗に反する場合には示談書は無効になります(民法90条)。
公序良俗に反するとは、一方の当事者に極めて不利益な内容であったり、犯罪行為を要求するような内容等である場合をいいます。
錯誤、詐欺、脅迫がある場合は取り消しの対象になる
錯誤とは、当事者が示談の重要な部分について、事実と異なる認識をもっていた場合に取り消すことができる考え方です。
詐欺は、一方の当事者が虚偽の説明をするなど、相手を誤信させて示談したような場合に取り消すことができるものです。
脅迫は、相手方や第三者によって、示談しないと危害を加えるといった害悪の告知をすることで示談に至った場合に取り消すことができる考え方です。
錯誤、詐欺、脅迫を基礎づける事実があれば、示談を取り消すことができますが、その事実の証明をする必要があるため、簡単に取消しができるわけではありません。
示談にあたっては、内容を十分吟味の上、示談するようにしましょう。
まとめ
保険会社が関わっている場合で、示談書が無効や取り消しの対象になることは、ほとんど無いと思います。
一度、示談してしまうと、それで全て解決したと評価されますので、示談をする場合には、弁護士に相談するなどして、慎重に対応することをお勧めします。
当事務所では、交通事故を日常的に取り扱う弁護士が、示談書の内容や保険会社からの提示内容に関する相談をお受けしています。
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