自損事故による怪我は保険で補償される?【弁護士が徹底解説】

執筆者:弁護士 鈴木啓太 (弁護士法人デイライト法律事務所 パートナー弁護士)

自損事故の場合、自損事故傷害保険による補償を受けることができます

また、加入していれば人身傷害保険、搭乗者傷害保険による補償を受けることもできます。

このページでは、自損事故傷害保険について、解説していますので参考にされてください。

自損事故傷害保険(自損事故傷害特約)

自損事故傷害保険とは、任意自動車保険の対象である被保険自動車での運行中の事故により死傷した場合、自賠法3条や政府保障事業によって給付を受けることができない場合に支払われる保険のことです。

自賠法3条や政府保障事業によって給付を受けることができない事故とは
  • 停車中の車に追突し、自分が怪我をした
  • 不注意で電子柱にぶつかり、怪我をした
  • センターラインをオーバーして対向車と正面衝突し、死亡した

電話をする男性のイラスト以上のような事故の相手がいない事故や、怪我をした運転手に一方的な過失のある事故での運転手自身の怪我は、任意自動車保険の対人賠償責任保険から補償されないのはもちろん、自賠責保険からの支払いや政府保障事業などからの怪我の補償がありません。

自損事故傷害保険はこのような運転手自身の怪我に対して、支払われる補償の一つです。

 

 

自損事故傷害保険が付帯されるとき

自動車保険のイメージ画像事故の相手がいない事故や、怪我をした運転手に一方的な過失のある事故で、運転手自身の怪我に対して支払われる補償は、自損事故傷害保険以外にも人身傷害補償保険でも補償されます。

そこで、自損事故傷害保険は、対人賠償責任保険を契約し人身傷害補償保険を契約しないときに自動的に付保されます。

人身傷害補償保険を契約した場合、自損事故は人身傷害補償保険で補償されるので、自損事故傷害保険がない保険内容になります。

 

 

自損事故傷害保険の保険金

自損事故傷害保険の補償額は定額方式で支給されます。

死亡 1500万円
後遺傷害 50万円~1500万円(介護不要のとき 350万円が上限)
事故によるケガで入院した場合 1日あたり 6000円
事故によるケガで通院した場合 1日あたり 4000円(入院・通院は上限 100万円)

 

 

免責事由

免責事由とは、保険者である任意保険会社が保険金の支払いを免れることになる事実をいいます。

自損事故傷害保険の免責事由には、被保険者や保険金を受け取る人が以下の場合は免責となります。

  1. わざと事故を起こした場合
  2. けんかや自殺による事故を起こした場合
  3. 飲酒や薬物の影響の下で事故を起こした場合
  4. 又貸しや盗難車など正当な権利を有する者の承諾を得ないでの搭乗中の事故
  5. 熱中症、自動車車事故で受傷後破傷風などの感染症が発症した場合
  6. 箱乗りなどの姿勢で搭乗中のとき

また、戦争や騒乱、暴動、地震、噴火、津波、台風、洪水、高波等の自然災害、核燃料の事故、放射能の汚染による事故、自動車を使用した曲芸やレースなどの事故による損害支払いの対象外です。

 

まとめ

自損事故の場合は、請求する相手がいないため、自分が加入している保険を使用できないか確認することが大切です。

自損事故に遭った場合には、ご自身が加入されている保険会社に連絡して、使用できる保険がないか確認してみましょう。

 

 

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