後遺障害の慰謝料とは?相場や請求方法を解説【計算機付】
後遺障害の慰謝料とは、後遺障害が残存することによって受けた被害者の精神的な苦痛を金銭に換算したものです。
後遺障害等級は1級〜14級まで定められており、認定された等級によって請求できる慰謝料額が異なるため、適切な後遺障害等級の獲得が重要になります。
この記事では、後遺障害の相場や請求方法、後遺障害の慰謝料を獲得するためのポイントについて解説していきます。
この記事でわかること
- 後遺障害慰謝料の内容
- 後遺障害の慰謝料の相場
- 後遺障害の慰謝料等の決め方や手続き
後遺障害の慰謝料とは
後遺障害とは
後遺障害とは、治療を続けても完治することがなく、身体的あるいは精神的な不具合が将来にわたって残ってしまう状態をいいます。
この後遺障害の等級は、自動車損害賠償保障法(いわゆる自賠法)で規定されており、最も重い1級から最も軽い14級までの等級があります。
各等級には、それぞれ該当する症状が定められており、その数は140種類に上ります。
後遺障害について詳しくはこちらをご覧ください。
慰謝料とは
交通事故の慰謝料とは、交通事故によって受けた精神的な苦痛を金銭に換算したものです。
交通事故の慰謝料には、後遺障害慰謝料に加えて、入通院慰謝料、死亡慰謝料があります。
入通院慰謝料は、交通事故で怪我をした人が、入院や通院をした場合に請求できる慰謝料です。
事故のために入院・通院することになったことや、怪我によって生じた痛み、苦しみに対する精神的な苦痛に対する慰謝料です。
死亡慰謝料は、交通事故によって被害者が死亡した場合の被害者自身やそのご遺族の精神的苦痛に対する慰謝料のことをいいます。
この記事では、後遺障害が残存することによって受けた被害者の精神的な苦痛を金銭に換算したものである、後遺障害慰謝料を中心に解説していきます。
慰謝料について詳しくはこちらをご覧ください。
後遺障害の慰謝料の相場
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交通事故に遭われた方の中には、いくら請求できそうかを早く知りたいという方もいらっしゃるかと思います。
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なお、他のWEBサイトの計算ツールの中には、慰謝料しか算出できないものが散見されますが、上記のとおり、交通事故被害者の方は他の賠償金を受け取ることができる可能性があるので注意してください。
当事務所の自動計算機は慰謝料以外の賠償金についても計算可能です。
交通事故にくわしくない方(専門弁護士以外の方)については、まず、このページを最後まで読んでもらった上で自動計算機を使うことをお勧めいたします。
後遺障害等級別の慰謝料一覧表
後遺障害の慰謝料は、残った障害の重さ(後遺障害等級)に応じて慰謝料の金額が決まっており、その相場は弁護士基準で110万円〜2800万円となります。
後遺障害等級ごとの慰謝料は下表のとおりです。
等級 | 弁護士基準 | 自賠責保険基準 |
---|---|---|
14級 | 110万円 | 32万円 |
13級 | 180万円 | 57万円 |
12級 | 290万円 | 94万円 |
11級 | 420万円 | 136万円 |
10級 | 550万円 | 190万円 |
9級 | 690万円 | 249万円 |
8級 | 830万円 | 331万円 |
7級 | 1000万円 | 419万円 |
6級 | 1180万円 | 512万円 |
5級 | 1400万円 | 618万円 |
4級 | 1670万円 | 737万円 |
3級 | 1990万円 | 861万円 |
2級 | 2370万円 | 998万円 (要介護の場合、1203万円) |
1級 | 2800万円 | 1150万円 (要介護の場合、1650万円) |
例えば、交通事故による後遺障害の等級が12級と認定された場合、弁護士基準での慰謝料は290万円となります。
一般的に、加害者側の保険会社が提示してくる慰謝料の金額は、自賠責基準、もしくは自賠責基準に少し上乗せした額であることが多いです。
弁護士基準で算出した慰謝料額と自賠責基準で算出した慰謝料額では、慰謝料額が大きく異なってくるため、注意が必要です。
後遺障害の慰謝料額について納得できない場合は、交通事故に詳しい弁護士に相談されることをオススメします。
むち打ちの慰謝料はいくら?〜2つの等級の可能性〜
むち打ちとは、頚椎捻挫や腰椎捻挫などを総称したもので、交通事故による衝撃により、首が鞭(むち)のようにしなることによって生じる症状のことです。
むち打ちは、交通事故によるケガで、最も多いケガのうちの一つです。
むち打ちについては、後遺障害が残る場合もあり、下表のうち第14級9号の「局部に神経症状を残すもの」、第12級13号の「局部に頑固な神経症状を残すもの」に該当することが考えられます。
等級 | 後遺障害 |
---|---|
第14級 |
|
第12級 |
|
14級9号と12級13号の認定基準の違い
14級9号との違いは、文言だけでいえば、「頑固な」という文言の有無だけです。
14級9号の場合は、事故によって症状が生じたことが、医学的に「説明可能」であれば認められます。
12級13号の場合には、神経症状が残っていることが医学的に説明できるだけでは足りず、「医学的に証明」できなければ認定されません。
「医学的に証明」するには、レントゲンやCT、MRIなどの画像所見に異常が明確に指摘できることが必要です。
むち打ちの場合には、首の椎間板などに異常な所見がみられ、その異常が神経学的検査の結果と整合的であるような場合に12級13号が認定される可能性があります。
しかし、むち打ちの場合、レントゲンやMRI等で交通事故が原因であると明確にいえる異常所見が認められることは稀です。
首や腰の椎間板の変性は、日頃の活動あるいは加齢によっても生じるため、交通事故が原因と断定することは難しいのです。
従って、むち打ちで12級13号の認定を得ることは容易ではありません。
14級9号の認定の判断要素
上記したように、14級9号認定されるには、残っている痛みや痺れが医学的に説明できなければなりません。
医学的に説明できるかどうかは、当該事故に関する事情を総合考慮して判断されることになります。
考慮される主な事情は以下のとおりです。
- ① 交通事故の規模・態様
- ② 症状の発症日
- ③ 治療の経過・内容
- ④ 症状の一貫性・連続性
- ⑤ 通院期間・頻度
- ⑥ 神経学的検査の結果
- ⑦ 画像所見の有無
- ⑧ 治療終了後に残った症状
- ⑨ 事故後の生活状況
交通事故の規模は、判断要素の中でも重要な要素です。
車が大破している場合と、擦り傷しかついていない場合では、乗車している人に加わるエネルギーは全く違うからです。
事故の規模が最も分かりやすい資料は、破損した車両の写真や修理見積書になります。
事故の規模が大きいことを伝えたい場合には、必ずこれらの資料も提出すべきです。
また、事故態様も大切です。
どのように衝突されたかによって、乗車している人の体の動きは変わってきますので、ドライブレコーダーの映像や、車両の損傷状況、車両修理費から、交通事故の態様を明らかにします。
事故後、どの時点で、どのような症状を訴えていたかが重要になります。
事故後しばらくしてから症状が発生した場合、事故とは別の機会で負傷した可能性が疑われます。
事故直後に、病院で適切な検査を受診することが重要になります。
どのような治療の経過をたどり、どのような内容の治療がなされたのかも大切です。
痛み止めの処方が継続している場合には、痛みが継続していることが推察できますし、ブロック注射をしている場合には、痛みが強かったとも推察できます。
こうした治療の経過内容も重要な判断要素となります。
症状が事故後から一貫・連続して続いているかどうかも判断要素になります。
途中で痛みが消失して、一定期間経過してから、再び痛みが生じているような場合には、交通事故以外が原因で痛みが生じている疑義が生じます。
症状が一貫連続していることは、病院のカルテなどで明らかにする必要があります。
通院期間が短かい場合や、通院頻度が空きすぎると、そこまで症状が重くなかったとして、後遺障害が認定されにくくなります。
通院期間は6ヶ月以上、通院頻度は週に2〜3回以上の場合には、14級9号に認定される可能性があります。
通院期間が6ヶ月よりも短い場合には、14級9号の認定を受けることは難しいでしょう。
神経学的検査は、神経に異常がないかを調べる検査です。
むちうちの場合には、ジャクソンテストやスパーリングテストなどを実施することが考えられます。
こうした検査で陽性となった場合には、認定に有利な事情となります。
画像所見の有無も考慮要素の一つです。
ただし、上記したように、むち打ちの場合には、画像の異常所見はないことが多いです。
後遺障害の認定は、症状固定日(これ以上治療を行っても症状の改善を期待することができないであろうという時点)に残っている症状が対象となるため、どのような症状が最終的に残ったかが重要となります。
病院に行った際には、具体的にどのような症状が残っているか、医師に伝えることが重要になります。
事故後、どのようにして生活が変わり、家事労働や趣味に対して、どのような影響が出たのかが重要になります。
症状が残ったことによる日常生活に対する影響が明確になれば、後遺障害が残っていることを推認させます。
また、症状固定後も、痛みが残ったことにより通院していることも、後遺障害が認定されるための、一つの判断要素になります。
後遺障害14級に該当する場合の慰謝料
後遺障害14級に該当する場合の慰謝料は、下表のとおりです。
等級 | 弁護士基準 | 自賠責保険基準 |
---|---|---|
14級 | 110万円 | 32万円 |
弁護士基準で考えた場合、後遺障害14級に認定されるかどうかで、慰謝料だけでも100万円程異なってくるため、決して軽視できるものではありません。
むち打ちの治療終了後に痛みが残る場合、弁護士に相談されることをオススメします。
後遺障害12 級に該当する場合の慰謝料
後遺障害12級に該当する場合の慰謝料は、下表のとおりです。
等級 | 弁護士基準 | 自賠責保険基準 |
---|---|---|
12級 | 290万円 | 94万円 |
後遺障害12級については、弁護士基準と自賠責基準とで100万円以上の開きがあります。
保険会社から提案される賠償額については、自賠責基準の額か、それよりも少し多い額で提示されることが多いです。
後遺障害12級に該当する可能性がある場合は、弁護士に相談されることをオススメします。
慰謝料の他に請求できる賠償金
後遺障害が認定された場合、後遺障害の慰謝料の他に、後遺障害が残ったことによる逸失利益を請求できる場合があります。
逸失利益とは、後遺障害がなければ、将来得られるはずであった利益のことをいい、後遺障害による労働能力の低下率によって具体的な額が決められます。
後遺障害による労働能力の喪失率は下表が参考になります。
等級 | 労働能力喪失率 |
---|---|
第1級 | 100% |
第2級 | 100% |
第3級 | 100% |
第4級 | 92% |
第4級 | 92% |
第5級 | 79% |
第6級 | 67% |
第7級 | 56% |
第8級 | 45% |
第9級 | 35% |
第10級 | 27% |
第11級 | 20% |
第12級 | 14% |
第13級 | 9% |
第14級 | 5% |
参照:別表Ⅰ 労働能力喪失率表|労働省労働基準局長通達(昭和32年7月2日基発第551号)
被害者の方の職種によっては、後遺障害による業務に対する影響が異なってくるため、認定等級以上の労働能力喪失率が認められる場合があります。
また、専業主婦の方については、女性の全年齢平均賃金を参考に、逸失利益を請求することができます。
この点については、弁護士に相談されることをオススメします。
後遺障害による逸失利益について、詳しくはこちらを御覧ください。
交通事故の被害者の方については、慰謝料以外にも治療費、入通院の交通費、装具費用、付添介護費用等の様々な損害賠償金を請求することが考えられます。
慰謝料以外の損害賠償金について、詳しくはこちらを御覧ください。
後遺障害の慰謝料等の請求方法
後遺障害に対する慰謝料等を請求するためには、損害保険料率算出機構の自賠責損害調査事務所による等級認定を受ける必要があります。
後遺障害の等級認定を受けるための手続きには、加害者側の任意保険会社から損害保険料率算出機構に対する照会によってなされる「事前認定」の手続きと、被害者側が相手方の自賠責保険に対して直接請求する「被害者請求」の手続きがあります。
「事前認定」の手続き
「事前認定」は加害者側の任意保険会社が主体となって行う手続きであるため、後遺障害認定手続きに必要な書類は、基本的には加害者側の任意保険会社が収集します。
「事前認定」の手続きの流れについては、以下の図表のようになります。
後遺障害申請をするには、「症状固定」になっていなければなりません。
症状固定とは、簡単に言うと治療を継続しても症状が一進一退の状態で改善が見られない状態のことをいいます。
症状固定は、医学的概念なので、原則としてその時期は医師に判断してもらうことになります。
治療を継続しても症状が一進一退の状態で改善が見られず、主治医が後遺障害があると判断した場合、主治医に後遺障害診断書の作成をしてもらうことになります。
加害者側の任意保険会社が「事前認定」のために必要となる書類を集めたうえ、同書類を損害保険料率算出機構に提出します。
後遺障害等級は、損害保険料率算出機構の自賠責損害調査事務所によって審査が行われ、等級が決定されます。
損害保険料率算出機構の会員は、損害保険会社で構成されているため、保険会社に有利な判断をするのではないかと疑念をもたれる方もいるかと思いますが、損害保険料率算出機構は、制度的には損害保険会社から独立した中立的な団体です。
そのため、自賠責損害調査事務所が恣意的に相手方保険会社にとって有利に判断することはありません。
自賠責損害調査事務所において後遺障害等級の該当性について調査した後、相手方の任意保険会社に対して、結果を通知します。
後遺障害等級該当性について事前認定を受けた加害者側の任意保険会社は、被害者に対して事前認定の結果を通知します。
「事前認定」の結果をもとに、後遺障害慰謝料や逸失利益について示談交渉を行っていきます。
「事前認定」の結果に納得がいかない場合、相手方の保険会社を通して異議申立手続を行うこともできます。
後遺障害認定は、損害保険料率算出機構が行うことになりますが、その認定に必ず従わなければならないわけではありません。
認定が不服である場合には、訴訟提起をして裁判所に判断してもらうことも可能です。
裁判官は、損害保険料率算出機構の判断にかかわらず、別の等級の認定をすることができます。
「事前認定」のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
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後遺障害診断書以外の必要書類を加害者側の任意保険会社が収集するため、ほとんど手間がかからない |
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「被害者請求」の手続き
「被害者請求」は、被害者が主体となって行う手続きであるため、後遺障害認定手続きに必要な書類は、被害者自身が収集する必要があります。
「被害者請求」の手続きの流れについては、以下の図表のようになります。
①症状固定、②主治医が後遺障害診断書を作成については、事前認定の場合と同じです。
被害者の方は、主治医から後遺障害診断書を作成してもらった後、必要書類を相手方の自賠責保険に提出することになります。
「被害者請求」の必要書類について、詳しくはこちらを御覧ください。
被害者側から必要書類を受領した相手方の自賠責保険は、損害保険料率算出機構に対し後遺障害等級の調査を依頼します。
自賠責損害調査事務所によって審査が行われ、等級が決定された後、損害保険料率算出機構から相手方の自賠責保険に対し調査結果が通知されます。
損害保険料率算出機構から相手方の自賠責保険に対し調査結果が通知された後、相手方の自賠責保険から被害者へ後遺障害等級の結果が通知されます。
後遺障害等級が認定された場合、被害者の方が指定した口座に対して、自賠責基準による賠償金が振り込まれることになります。
「事前認定」の結果に納得がいかない場合、自賠責に対して異議申立手続を行うことや、訴訟提起をして裁判所に判断してもらうことも可能です。
後遺障害の異議申し立てについて、詳しくはこちらを御覧ください。
「被害者請求」のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
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慰謝料等を適切に獲得する5つのポイント
①交通事故の初期の段階から適切な検査を受けましょう
交通事故の初期の段階から、レントゲン写真やMRI画像などの検査を受けることが重要になります。
交通事故から数ヶ月以上経過した段階で、レントゲン写真やMRI画像で異常が見つかったとしても、交通事故とは別の原因で生じたものだという疑いが生じます。
また、医学的な治療という観点から必要な検査と、後遺障害の認定を得るために必要な検査とは異なる場合があります。
つまり、医師は、ケガの治療に主眼をおいて必要な検査をしますが、後遺障害の立証という観点からすると、そうした検査だけでは不十分な場合があるのです。
従って、必要な検査について不安がある場合には、交通事故に詳しい弁護士に相談されることをお勧めします。
②通院頻度を空け過ぎないようにしましょう
通院頻度が空き過ぎてしまうと、後遺障害は残っていないのではないかという疑いを持たれてしまいます。
後遺障害の認定のためには、一般的には通院期間が6ヶ月以上、通院頻度が週2〜3回程度で通院されたいところです。
また、通院の頻度が少ないと入通院慰謝料にも影響しますので、医師の指示に従った通院頻度を守るようにしましょう。
仕事の関係で通院する時間が取れない場合は、勤務先や自宅近くの病院に転院することも考えた方が良いでしょう。
③状況によって人身事故の届出を行いましょう
交通事故にあった場合、運転者は道路交通法72条1項により、警察に届出を行う必要があります。
また、人身事故の届出をせず、物件事故のままにしておくと、自賠責は人身事故の届出をするまでもない軽微な事故と考え、後遺障害の認定にとって不利になる可能性があります。
さらに、物損事故として扱われた場合、「被害者請求」をする段階において、物件事故の交通事故証明書に加え、人身事故証明書入手不能理由書の提出が必要になります。
人身事故証明書入手不能理由書について、詳しくはこちらをご覧ください。
④後遺障害診断書の内容に注意しましょう
適切な後遺障害慰謝料を補償してもらうには、適切な後遺障害認定を受ける必要があります。
適切な後遺障害認定を受けるには、適切な後遺障害診断書を医師に作成してもらう必要があるのです。
後遺障害の審査の対象は、後遺障害診断書に記載されていることのみです。
後遺障害診断書に記載されていないことは審査の対象になりません。
従って、自分の症状がきちんと記載されているか、必要な検査はされているかなど内容をしっかり確認する必要があります。
記載漏れが散見される項目としては、関節の可動域検査の結果、醜状障害の記載、自覚症状の一部などがあります。
心配であれば、交通事故に詳しい弁護士に後遺障害診断書を確認してもらいましょう。
⑤交通事故に詳しい弁護士に相談・依頼を検討しましょう
適切な後遺障害認定が期待できる
弁護士が後遺障害申請をする場合には、後遺障害申請にあたって必須の書類だけでなく、認定に有利となる証拠も添付して申請します。
例えば、事故の規模・態様を具体的に証明するために、実況見分調書や被害車両の修理見積り、被害車両の破損状況が分かる写真などを添付して申請することもあります。
ケースによっては、医療照会の結果や医師の意見書、画像鑑定書なども提出することがあります。
そのため、交通事故に詳しい弁護士に被害者請求を依頼することで、適切な後遺障害認定が期待できるのです。
賠償額の増額が期待できる
仮に後遺障害が認定されたとしても、相手側の保険会社は、自賠責基準に少し上乗せした程度の慰謝料額を提示してくることが多いです。
弁護士が入ることによって、弁護士基準に近い慰謝料額を請求することができ、賠償額の増額が期待できます。
弁護士費用特約の活用
弁護士費用特約とは、交通事故に遭った場合に相手方との交渉や裁判等を弁護士に依頼する際の費用を保険会社が被害者の方に代わって支払うという保険です。
つまり、被害者の方は、自己負担なく交通事故に対する対応を弁護士に依頼することができるということです(なお、保険金額には 300万円の上限金が定められていることがほとんどです。)。
弁護士費用特約は、自動車保険を契約している契約者(被保険者)のみだけではなく、家族や同乗者も使用することができます。
弁護士費用特約について、詳しくはこちらを御覧ください。
まとめ
- 後遺障害の慰謝料とは、後遺障害が残存することによって受けた被害者の精神的な苦痛を金銭に換算したものである。
- 後遺障害等級は、自動車損害賠償保障法(いわゆる自賠法)で規定されており、最も重い1級から最も軽い14級までの等級がある。
- むち打ちについては、後遺障害が残る場合もあり、第14級9号の「局部に神経症状を残すもの」、第12級13号の「局部に頑固な神経症状を残すもの」に該当することが想定される。
- 後遺障害が認定された場合、後遺障害の慰謝料の他に、後遺障害が残ったことによる逸失利益を請求できる場合がある。
- 被害者の方の職種によっては、後遺障害による業務に対する影響が異なってくるため、認定等級以上の労働能力喪失率が認められる場合がある。
当法律事務所の人身障害部は、交通事故に精通した弁護士のみで構成されており、後遺障害に悩む被害者を強力にサポートしています。
弁護士費用特約にご加入されている場合は、特殊な場合を除き弁護士費用は実質0円でご依頼いただけます。
LINEや電話相談を活用した全国対応も行っていますので、後遺障害診断書でお困りの方は、お気軽にご相談ください。