脳挫傷による後遺症のポイント|弁護士が解説
交通事故で脳挫傷のけがを負ってしまった方、そのご家族の皆様は大変なけがを負ってしまい、生活状況も変わってしまって、これからのことがとても不安なことと思います。
脳挫傷により後遺症が残った場合には、後遺障害に認定される可能性があります。
脳挫傷の症状や、適切な賠償金を得るポイントなどを、弁護士が解説していきます。
少しでも参考にしていただき、気になることがあればぜひ弁護士に相談されてみてください。
目次
脳挫傷とは
脳挫傷(のうざしょう)とは、脳そのものにダメージを負ってしまうけがです。
脳が揺れることで起こる脳震盪(のうしんとう)に比べて、脳そのものに損傷が生じているため、脳挫傷は重症といえます。
脳は頭蓋骨という骨の内側にあり、その間にも髄液という液体の中に浮かんでいる状態で守られていますが、強い衝撃が加わると、その衝撃が加わった場所と反対側にも損傷が起こることもあります。
そして、脳がダメージを受けてから数時間から数日をかけて広がっていくこともあります。
そのため、頭に強い衝撃を受けた場合には、数日間は体調の急変などに特に気を付けておかなければなりません。
脳は一度ダメージを負ってしまうと、現在の医学をもってしても再生できないとされています。
ですので、脳そのものにダメージを負ってしまう、この脳挫傷というけがはとても重大なけがということになります。
脳にダメージがあるかどうかについては、まずはCT検査をして脳の画像をチェックするのが一般的です。
脳挫傷の生存率
脳挫傷のけがは脳そのものにダメージを負うというものであるため、命に関わる重症です。
大学のデータによれば、脳挫傷のうち重症と評価されるものについては、死亡率が44%とされています。
引用元:広島大学脳神経外科
逆にいえば、生存率は56%となります。
そして、そのうちの3割しか自立して社会生活に戻ることができないと報告されています。
こうしたデータからすると、脳挫傷のけがを負うと、けがを負う前と同じような生活を続けることはとても難しいといえるでしょう。
脳挫傷の日常生活への影響
このように、脳挫傷は脳そのものにダメージを負うけがですので、日常生活への影響もとても大きくなります。
どのような影響が出るかについては、脳のどの部分を損傷したかによって変わってきます。
先ほど解説したように、脳にはそれぞれの場所で、担当している役割がある程度決まっているからです。
意識が戻らない
脳の損傷が軽度であれば、頭痛といった症状はあっても意識を失うことまではないでしょうが、損傷の範囲が広く、腫れや出血がすぐに止められないといった場合には、意識そのものを失ってしまうことも十分にあり得ます。
意識を失うほどの脳挫傷の場合、手術をして、脳の圧を下げて腫れを少しでも抑えたり、血のかたまりを取り除いて、出血を止めたりといった措置をして、ダメージが広がらないような治療を行います。
その結果、数時間から数日で意識を取り戻す方もいらっしゃいます。
しかしながら、長期間意識が戻らず、意識障害が続いてしまう方も少なからずいるのも事実です。
このあと解説する、脳挫傷の後遺症については、意識を失っていた、記憶障害があった期間が長ければ長いほど残ってしまう可能性が高いとされています。
したがって、脳挫傷のけがを負った場合には、できる限り意識が早く戻るように医師も全力で治療を行います。
手足に麻痺が出る
脳は自分の体を動かす司令塔です。
そのため、運動機能を担当している部分にダメージを負うと麻痺が生じて、うまく動かせないということが起こり得ます。
うまく言葉が出てこない
発語についても、もちろん脳が重要な役割を果たしています。
そのため、脳挫傷によって、言葉がうまく話せないという影響が出ることがあります。
記憶できない
脳は人間の記憶に深く関わっています。
そのため、脳挫傷により、物事が覚えられない、何回聞いても忘れる、記憶ができないといった影響が出ることがあります。
性格への影響
脳はその人の感情も司っています。
そのため、脳挫傷のけがで感情を司る部分に損傷が生じてしまうと、けがの前後で性格が変わる、人格が変わってしまうということがあります。
特に、怒りの感情を抑えることが難しくなり、すぐ怒る、我慢できないといった影響もあります。
なかなかけがをした本人は気づかないことも多く、家族や友人から、しばらくして、「何か変わった」と指摘されることもあります。
しかし、ご本人は変わったことがわからないので、こうしたご家族の指摘を受け入れられず否定したり、ショックを受けたりするということもしばしばあります。
衝動を抑えられず、不適切な行動をする
性格が変わるという話にも関係しますが、脳挫傷のけがを負うと自分の衝動を抑えることができなくなることがあります。
それによって、その場に相応しくない行動をしてしまって、日常生活でうまく人とコミュニケーションが取れない、集団生活に馴染めないということが起こってしまうこともあり得ます。
脳挫傷の原因
交通事故や労災事故で脳挫傷を負うのは、以下のような場合が多いでしょう。
歩行者の交通事故
歩行者が自動車やバイクにひかれてしまう事故の場合、歩行者が転倒した際にアスファルトに頭を強く打ち付ける可能性が高いため、脳挫傷のけがを負ってしまうことがあります。
高所作業中に転落した場合
建設現場などで、高所作業をしている際に転落すると地面に頭部を打ちつけてしまい脳挫傷を負ってしまう可能性があります。
自転車、バイクの事故
歩行者と同じく、自転車やバイクでの事故も脳挫傷のけがが起こる可能性が高い事故といえます。
衝撃で身体が自転車やバイクから投げ出されると、その勢いで頭を地面に打ちつける可能性があるためです。
配達中など仕事中の事故であれば労災事故になります。
高速道路での事故
高速道路での交通事故は、速度が出ている中で起こることも多く、車内にいる人に対する衝撃も大きくなります。
そのため、車が横転したり、後部座席も含めてシートベルトをきちんとしていなければ、車外に投げ出されたりしてしまう危険もあります。
そのため、脳挫傷のけがを負ってしまうリスクのある事故類型といえるでしょう。
トラック運送中などで業務中の場合には、労災事故となります。
脳挫傷の後遺障害認定の特徴と注意点
ここまで解説してきたとおり、脳挫傷は一命を取り留めても何らかの後遺症が残る可能性の高いけがです。
交通事故で脳挫傷のけがを負った場合には、入院・手術などの治療を一定期間行い、その後は機能回復に向けたリハビリをしていくことになりますが、完治が難しく事故前の状態に戻るのは難しいことも多いです。
この場合、残ってしまった後遺症について、後遺障害の認定を受けることになります。
それでは、脳挫傷の後遺障害としては、どのようなものがあるのでしょうか?
以下では、認定される可能性のある後遺障害について説明していきます。
①高次脳機能障害
脳挫傷による後遺症としては、脳に関する後遺症である「高次脳機能障害」という後遺障害が認定される可能性があります。
高次脳機能障害とは、交通事故や労災事故などで頭部に外傷を負ったことで、認知障害、行動障害、人格変化などが起きる障害です。
等級 | 認定基準 |
---|---|
1級1号 | 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの |
2級1号 | 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの |
3級3号 | 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの |
5級2号 | 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの |
7級4号 | 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの |
9級10号 | 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの |
脳挫傷による後遺症で認定される可能性があるのは、1級、2級、3級、5級、7級、9級となります。
具体的に何級になるかについては、被害者の方の症状によって変わってきます。
症状が重篤で、自立して生活ができない場合には、1級や2級、3級などの重い後遺障害が認定される可能性もあります。
仮に、自立して生活、仕事ができていたとしても、物覚えが悪く、前みたいに仕事ができなくなった、注意を度々受けてしまう、トラブルを起こしてしまい転職を繰り返しているなどの事情があれば、7級や9級の後遺障害が認定される可能性もあります。
②てんかん
脳挫傷のけがをしたことをきっかけとして、てんかんの症状が出ることがあります。てんかんとは脳の神経細胞が異常を来すことで発作が起こるというものです。
こうしたてんかんについて、交通事故の後遺障害としては、以下の等級が認定される可能性があります。
等級 | 認定基準 |
---|---|
5級2号 | 1ヶ月に1回以上の発作があり、かつその発作が意識障害の有無を問わず転倒する発作又は意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作 |
7級4号 | 転倒する発作等が数ヶ月に1回以上あるもの又は転倒する発作等以外の発作が1ヶ月に1回以上あるもの |
9級10号 | 数ヶ月に1回以上の発作が転倒する発作以外の発作であるもの又は服薬継続によりてんかん発作がほぼ完全に抑制されているもの |
12級13号 | 発作の発言はないが、脳波上に明らかにてんかん性棘波(きょくは)を認めるもの |
このように、脳挫傷の後遺症として、てんかんが起こった場合には、その頻度や発作の程度によって等級が決まってきます。
③遷延性意識障害
脳挫傷の症状が重く、意識が戻らない、いわゆる植物状態のことを遷延性意識障害(せんえんせいいしきしょうがい)といいます。
このような状態の場合には、後遺障害が一番重たいものとして、別表−という別の表の1級が認定されます。
等級 | 認定基準 |
---|---|
別表−1級 | 神経系等の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの |
脳挫傷で後遺障害が認定される確率
脳挫傷は脳そのものに損傷があるというけがで、脳はダメージを受けた部分は回復せず、その他のダメージを受けていない脳の部分でその部分を補うということになります。
そのため、多くのケースでは何らかの後遺症が残るため、後遺障害が認定される可能性は高いといえます。
脳挫傷でも後遺障害が認定されないケースがある?
もっとも、損傷した部分がごくわずかで腫れや出血もほとんど生じず、意識障害もなく経過した場合などでは、後遺症が特になく、後遺障害も認定されないということはあり得ます。
このケースでは、症状もなく日常生活に支障がないため、問題ないのですが、高次脳機能障害という脳挫傷による後遺障害については、本人や家族も気づきにくい、見えにくい後遺障害という特徴があります。
脳挫傷の後遺症は事故から数年後に見つかることも
脳挫傷は、本人の自覚がほとんどなく、周りの人から何となくおかしいと指摘されて初めて、「確かにおかしい気がする」ということもあります。
そのため、事故からしばらく経って、こうした後遺症を自覚するということもあります。
脳挫傷というけがを負った場合、後遺症が数年後に見つかることがあるため、注意して経過観察をすることが必要と言えます。
数年後に見つかった場合に慰謝料等請求できる?
通常、交通事故の慰謝料請求の時効は5年です(民法724条、724条の2)。
ただし、交通事故被害者がその損害及び加害者をしらなかったときは20年となります(同)。
参考:民法|eーGOV法令検索
では、脳挫傷の後遺症が事故から5年以上経ってから見つかった場合、時効は成立するのでしょうか。
このような事案で、当初予想し得なかったような後遺症が生じた場合は、当初の損害とは別に賠償請求でき、時効も別個に進行すると判断している判例があります(最判昭42.7.18)。
したがって、状況にもよりますが、慰謝料を請求できる可能性はあります。
脳挫傷の慰謝料などの賠償金
交通事故で脳挫傷のけがを負った場合に、慰謝料などの賠償金はどの程度になるでしょうか。
以下では主な賠償項目と相場を解説していきます。
休業損害
脳挫傷は脳そのもののけがですので、多くのケースでは、入院をすることになります。
そのため、仕事を休んだり、家事ができなかったりする可能性が高いといえます。
特に、損傷を受けた範囲が広い場合には、腫れや出血をできるだけ抑えるために頭蓋骨を開けて手術をします。
また、そもそも意識を失ってしまっていると、入院する期間も当然長くなります。
特に、交通事故にあったのが一家の大黒柱であった場合、扶養している家族の生活にも大きな影響を与えることになります。
こうした交通事故による収入減少に対する補償が休業損害です。
休業損害は、1日あたりの収入額 × 休業した日数で計算することになります。
慰謝料
脳挫傷による慰謝料には、大きく分けて入通院慰謝料と後遺障害慰謝料、死亡慰謝料の3つがあります。
このうち、後遺障害慰謝料については、後遺障害が認定された場合に請求することができる慰謝料です。
また、死亡慰謝料については、亡くなった場合が対象になります。
後遺障害が認定された場合には、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料の2つの慰謝料を請求することができることになります。
入通院慰謝料
まず、入通院慰謝料についてですが、交通事故により脳挫傷のけがをして、入院、通院による治療をした期間に応じて、慰謝料の金額が変わってきます。
例えば、入院3か月、その後のリハビリ通院を半年ほど行った場合、弁護士基準では211万円となります。
入院する期間や治療の期間が長ければ長いほど入通院慰謝料は高くなります。
ただし、1か月に1回程度の定期的なフォローだけといったように、通院期間は1か月でも通院の日数がほとんどない状態の場合には、1か月密にリハビリをした場合と比べて慰謝料も低くなります。
後遺障害慰謝料
次に、後遺障害慰謝料については、脳挫傷の後遺症として認定される高次脳機能障害の後遺障害の等級に応じて金額は変わります。
例えば、高次脳機能障害で3級と認定された場合、後遺障害慰謝料の目安は自賠責保険の基準では861万円、弁護士基準では1990万円となります。
この差は1000万円以上になります。
後遺障害慰謝料については、認定される等級が重くなるのに応じて、その慰謝料の相場も高くなっていきます。
自賠責保険での慰謝料 | 弁護士基準での慰謝料 | |
---|---|---|
1級 | 1150万円 | 2800万円 |
3級 | 861万円 | 1990万円 |
5級 | 618万円 | 1400万円 |
7級 | 419万円 | 1000万円 |
9級 | 249万円 | 690万円 |
逸失利益
また、脳挫傷による後遺症が残った場合の賠償項目としては、逸失利益というものも請求できます。
逸失利益とは、交通事故による後遺症によって、将来得られたはずの収入が減ってしまうことに対する補償をいいます。
症状固定までの収入補償が休業損害、症状固定と診断された以降の収入補償が逸失利益となります。
脳挫傷による後遺障害の場合、そもそも寝たきりになって全く仕事ができなくなったり、仕事はできるけど、仕事が覚えられなかったり、コミュニケーションが取れずに転職を繰り返して、安定した収入がなかなか確保できないといった可能性があります。
例えば、先ほどと同様に高次脳機能障害で3級の場合は以下の計算式になります。
というのが逸失利益の一つの目安ということになります。
もちろん、あくまで目安ですので、年収をどのように算定すべきかというのは具体的なケースによって変わってきます。
そのため、まずは交通事故に詳しい弁護士に相談すべきでしょう。
慰謝料や逸失利益の目安が知りたいという方は弊所のシミュレーターも是非ご活用してみてください。
高齢者の場合は減額されることがある?
高齢者の場合には、「高齢者だから減額」ということはありませんが、先ほどの逸失利益の補償がない、低くなることが考えられます。
すなわち、逸失利益というのは将来の収入に対する補償のため、すでに定年退職をして仕事をしていない高齢者の方の場合、「将来の収入の減少がない」ということになります。
年金については、生きていればそれまでの掛け金によって支給額が決まるため、減収がないことになります。
このように、高齢者の場合には、賠償項目のうち、逸失利益が現役世代よりも低くなるため、適切な賠償金の相場というのも現役世代に比べると少し低くなってしまいます。
脳挫傷で適切な賠償金を得る4つのポイント
①まずはしっかりと治療を受ける
脳挫傷は、脳そのものにダメージを負ってしまうという、とても重大なけがです。そのため命に関わります。
頭が痛いといった程度であっても、脳のダメージは数時間から数日かけて広がっていく可能性もあります。
したがって、交通事故にあった場合、くれぐれも大丈夫だからと自分で判断して、病院に行かないということがないようにしないといけません。
何かあってからでは手遅れですので、病院でCT検査を受けましょう。
また、脳挫傷が見つかった場合には、医師の指示にしたがって、速やかに治療を受けましょう。
特に、手術が必要なケースでは、ご家族はとても不安だと思います。ですが、医師の説明をしっかりと聞いて、治療をしていただくようにしましょう。
手術後は脳の機能の回復のため、リハビリをしっかりと行いましょう。脳の機能回復はリハビリが早ければ早いほど、期待できるとされています。
②適切な後遺障害の認定を得る
脳挫傷では、何らかの後遺症が残ってしまう可能性が高いけがといえます。
そのため、適切な賠償金を得るためには何よりも適切な後遺障害の認定を得ることがとても大切になります。
特に、高次脳機能障害については、先ほど解説したとおり、その症状が見えにくいケースもあります。
後遺障害の調査は書面による調査なので、いかに見えにくい症状を見えるかできるかがポイントになってきます。
そのために、以下の点を押さえておく必要があります。
適切な医療記録(カルテなど)と診断書の提出
高次脳機能障害として後遺障害等級が認められるためには、まず脳にダメージを負ったことを示す画像所見が必要となります。
したがって、脳挫傷が確認できる画像資料を提出する必要があります。
多くのケースでは救急搬送された段階で脳のCTを取っています。
その画像を後遺障害の際にもCDで焼いてもらって提出することになります。
あわせて、高次脳機能障害の認定に当たっては、事故後に一定期間、意識障害(気を失っていた等)があったことも必要となります。
この点については、医師に「頭部外傷後の意識障害についての所見」という高次脳機能障害特有の書面を作成してもらう必要があります。
この書類を作成する前にカルテを開示して、被害者の側で意識がなかった期間などをチェックした上で内容を踏まえて医師に書類を作成してもらうようにしましょう。
日常生活報告書という書類を作成する
脳挫傷による高次脳機能障害について、何級が認定されるかは、その症状の程度によって決まります。
後遺障害の調査は書類審査のため、直接被害者や家族に会って話を聞いてくれるわけではなく、日常生活状況報告書という書類を調査資料の一つとして、判断していきます。
そのため、日常生活報告書という書類が重要になります。
この書類には、具体的なエピソードを踏まえて、交通事故の前後で被害者の生活状況がどのように変化したのかを詳細に作成する必要があります。
なぜなら、医師は特に退院後の被害者の生活について、詳細に把握はできないからです。
日常生活や仕事や学校でどの程度の支障があるかで等級は変わってくるため、被害者の状況をもれなく記載して、伝えておかなければいけません。
③適切な賠償金の金額を知る
当たり前の話ではありますが、適切な賠償金を獲得するためには、まず適切な賠償金がどのくらいかを知らなければいけません。
しかしながら、脳挫傷のけがを負った被害者ご本人やそのご家族の方だけでは、それを判断するのは難しいはずです。
なぜなら、多くの被害者はどのくらいが妥当な賠償なのかを判断する基準を知らないためです。
そのため、「保険会社からの提示だからこれが相場なのだろう」と思われる人も多くいらっしゃるのです。
特に、脳挫傷のけがを負った方は、後遺症が残る可能性がとても高く、賠償金の金額はその後の生活にも大きな影響を与えることになります。
保険会社から送られてくる示談書にサインをしてしまってからでは、手遅れです。
保険会社から提示された示談内容を鵜呑みにせず、示談書にサインする前に、交通事故に強い弁護士に相談して、適切な賠償額といえるのかどうかチェックしてもらいましょう。
④高次脳機能障害や後遺障害に詳しい弁護士に早い段階で相談する
交通事故というのはそんなに日常的に何回もあうものではありません。
まして、脳挫傷というとても大きなけがを負う交通事故については、なおさらです。
ただでさえ、重いけがに苦しみ、今後の家族も含めた生活のことで不安でいっぱいの中で、被害者の方が自ら保険会社と話したり、そのご家族が代わりに保険会社と話したりすることは、肉体的にも精神的にも大きな負担になります。
そもそも保険会社とどのようなやりとりが必要になるのか、後遺障害の認定を受けるにはどうすればいいかなど、被害者ご本人やそのご家族の方にとっては、知らないことだらけだと思います。
こうした不安や保険会社とのやり取りの負担を少しでも解消した上で、被害者の方には治療に専念してもらい、ご家族の方にはご本人のサポートに専念してもらい、かつ、先々の後遺障害の申請を適切に行っていくためには、できるだけ後遺障害に詳しい弁護士に治療中の早い段階で相談しておくことが大切です。
特に、脳挫傷の後遺症は、脳に関する後遺障害ということで、必要な書類も通常と異なり、高い専門性が必要になります。
そのため、できるだけ早い段階から弁護士によるサポートを受けるようにしましょう。
まとめ
ここまで脳挫傷とはどのようなけがなのか、脳挫傷による症状と日常生活への影響、交通事故で脳挫傷が起こる原因、その後遺症や賠償金の相場について、弁護士の目線で詳しく解説をしてきました。
デイライトでは、交通事故案件を数多く取り扱う人身障害部の弁護士が、相談から事件処理の全てを行います。
初回無料のLINEや電話相談を活用した全国対応も行っていますので、脳挫傷のけがでお困りの方、そのご家族の方は、お気軽にご相談ください。