交通事故で打撲の慰謝料はいくら?弁護士が解説|計算機付
交通事故による打撲の慰謝料は、通院期間1ヶ月だと19万円、2ヶ月36万円、3ヶ月53万円、4ヶ月67万円、5ヶ月79万円、6ヶ月89万円です。
また、後遺障害に認定された場合の後遺障害慰謝料は110万円(14級)です。
交通事故で打撲傷を負った場合の慰謝料には、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料などがあります。
入通院慰謝料は実際に入通院した期間に応じて、後遺障害慰謝料は後遺障害等級に応じて、それぞれ算定されます。
交通事故で打撲のケガを負った場合、どの程度通院するべきか、痛みや痺れに関する証拠をどのように残すべきか、保険会社とはどのように話をすればよいか、など、対処すべきことがたくさんあります。
今回の記事では、交通事故に遭った場合に受け取れる慰謝料のことについてご説明し、打撲傷の場合の対処法、注意点などについて解説しています。
交通事故でケガをした場合、気を付けるべきポイントについて知っておかないと思わぬ損失を被ったり、トラブルに巻き込まれたりしてしまいます。
この記事を、そうしたトラブルに遭わないためにお役立ていただければ幸いです。
目次
交通事故の打撲の慰謝料はいくら?
交通事故の打撲の慰謝料は、打撲の程度によって大きく異なります。
打撲の場合に支払われる慰謝料は、多くの場合、入通院慰謝料となります。
痛みや痺れなどが治りきらず、治療をしても改善しない症状(後遺症)として残ってしまった場合は、後遺障害慰謝料の支払を受けられる可能性もあります。
まずは、入通院慰謝料についてご説明します。
軽い打撲で、通院のみで治療をした場合、入通院慰謝料の額は次のようになります(弁護士の示談交渉や裁判で用いられる弁護士基準(裁判基準)の場合)。
通院期間 | 慰謝料額 |
---|---|
1か月 | 19万円 |
2か月 | 36万円 |
3か月 | 53万円 |
4か月 | 67万円 |
5か月 | 79万円 |
6か月 | 89万円 |
ただし、通院期間が長くとも実際に通院した回数が少ない場合は、慰謝料額は減らされてしまいます。
とはいえ、弁護士基準の場合、週2回程度通院していれば、慰謝料が減額されることはほぼありません。
1~2週間の通院で治る軽傷の打撲もあり、その場合、慰謝料額の相場は4万円~10万円程度(弁護士基準の場合)となります。
逆に、全身打撲など重傷だった場合の慰謝料額は、上の表よりも高額になってきます。
詳しくは、「交通事故の打撲の慰謝料の相場」で解説します。
次に、後遺障害慰謝料についてご説明します。
後遺障害慰謝料は、痛みなどの後遺症が残ってしまった場合に支払われる慰謝料です。
後遺障害慰謝料は、後遺障害等級によって変わってきますが、110万円~2800万円(弁護士基準)程度となっています。
ケガが打撲のみの場合に認定される可能性があるのは14級9号(慰謝料額は110万円)です。
慰謝料とは?
そもそも慰謝料とは何でしょう?
慰謝料は、ケガなどにより被った精神的な苦痛を償うために支払われる損害賠償金のことをいいます(民法710条)。
ケガをすると、痛みによる精神的な苦痛がありますし、入通院を余儀なくされるという不利益も被ります。
後遺症が残れば、身体的な不自由や苦痛に耐え続けなければならないという大きな苦痛を受けることになります。
さらに、もし死亡してしまった場合には、生命を失うという甚大な苦痛を受けることになります。
こうした苦痛に対して金銭的に償いをさせるため、加害者に慰謝料の支払が義務付けられます。
民法(財産以外の損害の賠償)
第七百十条 他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。
慰謝料には3つの種類がある
交通事故で支払われる慰謝料には、以下の3種類があります。
- 入通院慰謝料(傷害慰謝料)
- 後遺障害慰謝料
- 死亡慰謝料
入通院慰謝料は、ケガをして入通院を余儀なくされた場合に支払われる慰謝料です。
実際に入通院した期間に応じて支払われます。
後遺障害慰謝料は、交通事故によるケガで後遺症が残ってしまった場合に支払われる慰謝料です。
後遺障害慰謝料の額は、後遺障害等級によって決まってきます。
死亡慰謝料は、被害者が亡くなってしまった場合に支払われる慰謝料です。
死亡慰謝料の額は、被害者の家族内での立場(一家の収入を支える立場だったか否かなど)、年齢などによって変わってきます。
交通事故の慰謝料の相場や計算方法について、詳しくは以下のページをご覧ください。
交通事故の打撲の慰謝料の相場
交通事故の打撲による慰謝料の相場は、次のようになっています。
入通院慰謝料の相場
強い打撲(全身打撲など)により比較的重傷となった場合、入通院慰謝料は以下の表によって算定されます(弁護士基準の場合)。
軽い打撲など比較的軽傷の場合の入通院慰謝料は、以下の表によって算定します(弁護士基準の場合)。
具体的なケースでの算定方法を解説!
実際に入通院慰謝料額がどの程度になるか、具体的なケースごとに見ていきましょう。
具体例① 比較的重傷となった打撲で1か月入院し、その後5か月間通院を続けた場合
この場合、重傷の場合の表を用いて算定しますので、入通院慰謝料は141万円となります。
具体例② 軽傷の打撲で3か月通院した場合
この場合、軽症の場合の算定表が用いられますので、53万円の入通院慰謝料が発生します。
具体例③ 入通院期間に1か月に満たない端数がある場合
入通院期間が10日、20日など1か月に満たない場合には、上の表に記載された入通院1月の入通院慰謝料を30日で割って1日当たりの額を出し、通院した期間の分の入通院慰謝料を計算することになります。まず、この場合の1日当たりの慰謝料額を計算すると、
重症の場合
入院1日当たり 53万円 ÷ 30日 = 1万7666円
通院1日当たり 28万円 ÷ 30日 = 9333円
軽症の場合
入院1日当たり 35万円 ÷ 30日 = 1万1666円
通院1日当たり 19万円 ÷ 30日 = 6333円
となります。
つまり、
比較的重傷で20日間入院した場合は、1万7666円 × 20日 = 35万3320円
比較的軽傷で15日間通院した場合は、6333円 × 15日 = 9万4995円
となります。
入通院期間が1か月以上となっているけれども、端数も生じている、という場合は、また違う算定方法が使われます。
例として、比較的重症の打撲で通院期間が1か月と20日になった場合の計算方法をご紹介します。
この場合、まずは1か月分の通院慰謝料(19万円)を確認します。
その後、端数となっている20日分の通院慰謝料を計算します。
このとき、1日分の通院慰謝料は、通院1か月(19万円)と通院2か月(36万万円)の差額(36万円 - 19万円 = 17万円)を30日で割るという方法で定めます。
そうすると、17万円 ÷ 30日 ✕ 20日分 = 11万3333円となります。
これを、最初に確認した1か月分の通院慰謝料と合算することになるので、1か月と20日分の通院慰謝料は、
19万円 + 11万3333円 = 30万3333円
になります。
具体例④ 通院が不規則で、回数も少なかった場合
①~③でご紹介した算定方法はいずれも、ある程度規則的に通院し、通院回数も十分な場合のものです。通院が不定期で、回数も少ない場合は、入通院慰謝料の算定方法が変わってきます。
この場合、比較的重症であれば実通院日数の3.5倍、軽症なら3倍程度を慰謝料算定のための通院期間の目安とします。
具体例でいうと、通院期間は3か月あったけれども実際に通院した日数は10日だけであった場合、比較的重症であれば10日×3.5=35日、軽症なら10日×3=30日程度を通院期間として入通院慰謝料を算定することになります。
後遺障害慰謝料の相場
後遺障害慰謝料は、後遺障害等級によって、相場が以下の表のように決まっています(以下の表は弁護士基準のもの)。
後遺障害等級 | 後遺障害慰謝料 |
---|---|
第1級 | 2800万円 |
第2級 | 2370万円 |
第3級 | 1990万円 |
第4級 | 1670万円 |
第5級 | 1400万円 |
第6級 | 1180万円 |
第7級 | 1000万円 |
第8級 | 830万円 |
第9級 | 690万円 |
第10級 | 550万円 |
第11級 | 420万円 |
第12級 | 290万円 |
第13級 | 180万円 |
第14級 | 110万円 |
打撲の場合の後遺障害等級はどうなる?
後遺障害等級は、自賠責に申請して認定を受けます。
打撲の場合に認定される可能性のある後遺障害は、主に次のものになります。
認定基準 | 後遺障害等級 |
---|---|
局部に神経症状を残すもの | 14級9号 |
ここにいう「神経症状」とは、痛みや痺れのことを指します。
つまり、打撲の場合、「痛みや痺れ」が残っていることを認めてもらう必要があるのです。
ところが、打撲を原因とする「痛みや痺れ」は、被害者自身は間違いなく感じていても、外からの見た目や検査結果からは分かりにくい症状になります。
後遺障害には他に「一上肢を手関節以上で失ったもの」(5級4号)「脊柱に著しい変形又運動障害を残すもの」(6級5号)などのように、外見や検査結果によって客観的に後遺症を確認できるものもあります。
これに対し、「痛みや痺れ」は、被害者自身の訴え(主訴)のほかには症状を確認できるものがないので、他者に認めてもらうためには、工夫や配慮が必要になる場合があります。
例えば、後遺障害等級認定で重要な資料となる「後遺障害診断書」を医師に作成してもらう際、自分が感じている痛みの具体的な場所、程度、痛みが発生するタイミング、痛みのために日常生活に生じている支障などをメモにまとめ、医師に渡して説明をする、ということが考えられます。
こうした対処を怠ったまま、漫然と医師に後遺障害診断書の作成を任せてしまうと、痛みに関する記述が不十分になり、十分な後遺障害等級認定を受けることができなくなってしまいかねません。
後遺障害等級認定申請の方法についても、加害者側の保険会社に手続きを任せるのではなく、被害者自ら被害者請求の方法によって申請し、自らの主張を裏付ける資料等を積極的に提出する方が有利になる可能性もあります。
このように、打撲の場合の後遺障害等級認定の申請の際には、ポイントを押さえた対応をしないと、不利な結果を招いてしまうことがあります。
後遺障害等級認定を受けようとする場合は、交通事故に詳しい弁護士に相談しアドバイスをもらうなどのサポートを受けることをお勧めします。
当事務所でも、後遺症が気になる方へのサポートを行っております。
詳しくは、以下のページをご覧ください。
スマホで簡単!慰謝料の自動計算ツール
打撲の場合の慰謝料の相場についてご紹介してきましたが、複数の項目があり、一般の方にとってはご面倒に感じられたかもしれません。
しかも、交通事故に遭った場合に請求するべき賠償金は慰謝料だけではなく、休業損害、逸失利益なども計算する必要があります。
交通事故に遭ってただでさえ治療や生活の立て直しで忙しい被害者の方が、こうした計算を全て行うのは大変です。
しかも、頑張って計算してみても、後にご説明するとおり、被害者にとって最も有利な弁護士基準での算定額の損害賠償を示談交渉で請求するには、結局のところ、弁護士に依頼することが必要になります。
そうであれば、損害賠償の算定の段階から、早めに弁護士に依頼してしまう方が得策です。
交通事故の被害に遭った場合には、早いうちから弁護士に相談することをお勧めします。
ただ、そうはいっても、弁護士をどう探せばよいのかわからず、時間もかかりそうだから、まずは簡単に慰謝料額などの相場を知りたい、弁護士に相談する前に一度自分でも慰謝料額などの相場を見ておきたい、という方もおられるかと思います。
そうした方々のために、当事務所では、スマホからも手軽にご利用いただける交通事故賠償金計算シミュレーターを設けております。
このシミュレーターでは、ご年収、入通院期間、休業日数、後遺障害等級などについて入力すると、賠償金に関する算定結果をご覧いただくことができます。
しかも、賠償金の総額だけでなく、
- 傷害慰謝料(入通院慰謝料)
- 後遺障害慰謝料
- 休業損害
- 後遺障害逸失利益
といった費目の内訳もご覧いただくことができます。
過失割合も入力すれば、過失相殺を行った後の賠償金額をご確認いただくことも可能です。
計算結果は、その場ですぐにご覧いただくことができます。
後日当事務所からご連絡することはありませんし、メールアドレス、電話番号などの個人情報を入力する必要もございません。
ぜひ一度、どうぞお気軽にお試しください。
打撲の慰謝料の計算方法
慰謝料の計算は3つの基準がある
慰謝料の算定方法には、次の3つの基準があります。
- 自賠責基準
- 任意保険基準
- 弁護士基準
それぞれ簡単に解説します。
自賠責基準について
自賠責基準は、自賠責が賠償金を算定する際の基準です。
自賠責は自動車の所有者が加入を義務付けられる強制保険であるため、保険料を上げすぎるわけにはいきません。
そのため、賠償金の支払も低額に抑えられており、自賠責基準による算定額は、3つの基準の中で最も低額になる傾向にあります。
任意保険基準について
任意保険基準は、運転者が加入している自動車保険(任意保険)の保険会社が使用している算定基準です。
加害者の保険会社が示談案を提示してくる際は、この任意保険基準によって算定されていることが多いです(たまに自賠責基準で算定されていることもあります。)。
任意保険基準は、各保険会社が内部で定めているため、外部からはその内容がはっきりとは分かりません。
ただ、任意保険基準による算定額は、自賠責基準によるものよりは高いけれども、弁護士基準によるものよりは低くなっているのが一般的です。
弁護士基準について
弁護士基準は、弁護士が賠償金を算定する際に用いる基準です。
裁判で用いられる基準と同一のものとなっていますので、裁判基準とも呼ばれます。
弁護士基準の具体的な内容は、「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準 上巻(基準編)」(通称「赤い本」)に記載されています。
弁護士基準は、一見すると、一覧表などで示された基準を当てはめていけばよいように見えます。
しかし、実際には多くの例外が設けられているなど複雑なものとなっており、専門知識を有し、さらに、多くの裁判例や文献に当たらなければ、適切な算定ができないものとなっています。
実際、弁護士であっても、依頼を受けたそれぞれのケースについて、相応の時間をかけて賠償金額の算定を行っています。
このように、弁護士基準は使いこなすことが難しいものであるため、弁護士基準を用いて適切な賠償金額を算定するためには、専門家である弁護士に依頼することが必要になります。
慰謝料は弁護士基準が最も高額で適正であること
3つの基準の中では、弁護士基準により算定した賠償金額が最も高額であり、被害者にとって一番有利なものとなります。
内容の面でも、弁護士基準は、裁判でも使用される基準であり、実際に生じた損害について入念に査定していくものなので、最も適切なものになります。
そのため、被害者の方にとっては、弁護士基準での賠償金を請求することが、最も有利で公正な解決を得られる道となります。
弁護士基準での賠償金を請求するには、上でもご説明したとおり、弁護士に依頼することが必要になります。
交通事故に遭った場合には、示談の際にトラブルになることを避けるために治療中から注意しておくべきポイントなどもありますので、早めに交通事故に強い弁護士に相談することをお勧めします。
打撲があるときは慰謝料以外も請求する
打撲があるケースの損害賠償項目一覧
交通事故での打撲がある場合、慰謝料以外にも、以下のような費目の損害賠償を請求できます。
- 休業損害
- 逸失利益
- 積極損害
それぞれの内容は、以下のとおりです。
休業損害
交通事故によるケガのために休業しなければならず減収が生じた場合に、それを補償するために支払われるのが休業損害です。
休業損害は、被害者の職業により算定方法が異なります。
なお、主婦など実際には収入を得ていない方でも、休業損害を請求することができる場合があります。
また、会社員が有休休暇を使用した場合、実際には減収は生じていなくても、有休を使用した日数分の休業損害を請求することができます。
休業損害の計算方法、それぞれの職業での休業損害の算定方法など、休業損害の詳細については、以下のページをご覧ください。
逸失利益
逸失利益は、交通事故で後遺症を負った場合や、不幸にして亡くなられてしまった場合に、それによって得ることができなくなった収入のことをいいます。
逸失利益も、被害者の職業などによって算定方法が変わってきます。
逸失利益の詳しい解説、算定方法などについては、次のページで詳しく解説しております。
治療費などの積極損害
治療費などのように交通事故により必要となった出費を積極損害といいます。
積極損害には、治療費、薬剤費、付添費用、入院雑費、通院交通費、弁護士費用、遅延損害金などがあります。
積極損害に関する詳しい説明は、以下のページをご覧ください。
打撲の慰謝料等を受け取るための手続
打撲の慰謝料等の請求の流れ
打撲の慰謝料等の請求手続の流れは、次の図のようになります。
事故発生・治療
交通事故を起こしてしまったら、警察への届け出を行い、病院もなるべく早く受診しましょう。
打撲の場合、「軽いケガだ」「病院に行くほどのことではない」と思ってしまう方もおられるのですが、なるべく早期に病院で検査や診断を受けて状態を記録してもらっておかないと、慰謝料や治療費を払ってもらえなくなってしまう危険があります。
病院に行った結果治療が必要だとなれば、治療を開始します。
治療中には、加害者側の保険会社から治療費を病院に直接支払う一括対応が取られることが多いです。
この一括対応は、ある程度の期間が経過すると打ち切られる場合があります。
その場合は、そこで治療終了とするか、治療を続けて後に治療費を加害者側に請求するかを決める必要があります(後に請求する場合、支払ってもらえるかはわからないので要注意)。
こうした方針決定の際には、交通事故に詳しい弁護士に相談し、アドバイスをもらうことをお勧めします。
治癒・症状固定・死亡
痛み等がなくなった(治癒した)、治療を続けてもこれ以上痛み等が良くならない状態(症状固定)になった、又は、不幸にして被害者がお亡くなりになった、となると、保険会社の治療費対応は終了となります。
症状固定となってもまだ痛み等(後遺障害)が残っているようであれば、後遺障害等級認定の申請をします。
なお、症状固定となった後も、自費で治療を継続することはできます。
後遺障害等級認定
治療が終わっても痛み等が残った場合は、自賠責保険に申請し、後遺障害等級認定を受けます。
後遺障害等級が何級になるかによって後遺障害慰謝料や逸失利益の額が大きく変わってきますので、有利な後遺障害等級認定を受けられるようにしたいところです。
そのためには、後遺障害診断書に適切な内容を記載してもらうことが大変重要になります。
適切な後遺障害診断書を作成してもらうには、弁護士のアドバイスを受けながら、医師と十分に話し合う、痛みなどの詳細についてはメモにして渡す、といったことが重要になります。
当事務所でも、後遺障害診断書に何を記載してもらうかに関するアドバイスを提供しております。
詳しくは、以下のサイトをご覧ください。
後遺障害等級の認定に対しては、何度でも異議申立てができますので、不本意な認定を受けた方もあきらめる必要はありません。
弁護士に相談するなどして異議申立てをし、納得のいく認定が得られるようにしましょう。
示談交渉
示談交渉では、加害者側の保険会社から示談案を提示されることが多いです。
この示談案は、実は、必ずしも被害者にとって十分な内容にはなっていないことが多いです。
「保険会社なのだから妥当な金額を出してくるだろう」と考える被害者も多いのですが、残念ながらそうとは限らないのが実情です。
保険会社の示談案は、任意保険基準又は自賠責基準で算定されているので、弁護士基準で得られる、被害者にとって最も適切かつ有利な金額より低額になっていると考えた方が良いのです。
十分な賠償を得るためには、被害者自身も弁護士に依頼して、示談交渉を行うことが大切です。
示談成立又は訴訟提起
賠償金についての合意ができれば、示談成立となります。
示談成立後、保険会社から免責証書、承諾書といった書面が送られてきますので、それに署名して返送します。
そうすると、1週間程度で賠償金を受け取ることができます。
示談ができなければ、訴訟を提起することになります。
訴訟の場合の手続きの流れなどについては、以下のページをご覧ください。
打撲の慰謝料等の請求に必要な書類
打撲の慰謝料等の請求に必要な書類は、主に下の表のものになります(場合によっては不要なものもあるので、必要に応じて準備します。)。
保険会社が一括対応(治療費を直接病院に支払う対応)をしている場合には、ほとんどの必要書類は相手の保険会社が取得しています。
交通事故自体に関するもの | 交通事故証明書 | 交通事故の事実を確認したとの証明書。自動車安全運転センターにより発行されます。取得には、事故時に警察に届け出たことを要します。 交通事故証明書に「人身事故」との記載がない場合は、次の人身事故証明書入手不能理由書が必要。 |
人身事故証明書入手不能理由書(交通事故証明書に「人身事故」との記載がない場合) | 事故当時ケガがあると思わず、物損事故と届け出てしまった場合などに、人身事故証明書入手不能理由書を提出します。 当事者、事故の内容、届出先の警察署、人身事故扱いの交通事故証明書を入手できない理由などを記載します。 |
|
実況見分調書 | 警察官が作成します(人身事故のみ)。現場や事故車両の写真、事故現場、事故車両の状況に関する説明などが記載されています。 | |
事故発生状況報告書 | 被害者請求の場合に必要となります。書式は保険会社から提供されますので、被害者が必要事項を記入して作成します。 | |
ケガに関する必要書類 | 診断書 | 担当医に作成してもらい、傷害の状態、治療経過、入通院期間などを記載してもらいます。 加害者の保険会社が治療費を支払っていた場合、保険会社が診断書を取得していることがありますので、確認してみましょう。 |
診療報酬明細書 | 診療報酬点数、治療内容、薬剤の処方などが書かれています。 加害者側の保険会社が治療費を支払っていた場合、保険会社が取得していることがあるので、問い合わせてみましょう。 そうでない場合は、病院に作成を依頼します。 |
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損害に関する書類 | 通院交通費明細書 | 通院時に利用した電車、バスなどの公共交通機関の料金、自家用車のガソリン代、タクシー代などを記入します。 保険会社から書式が送られてきます。 |
タクシー代・駐車場代の領収証 | タクシー代・駐車場代を請求するには領収証が必要です。 | |
休業損害証明書 | 休業した日の日付、事故前の収入などを記載します。 会社員であれば、勤務先の会社に書類を渡して記入してもらいます。 |
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確定申告書・収支内訳書・青色申告決算書の写し | 被害者が自営業者の場合、休業損害、逸失利益を算定するため、前年度の確定申告書等の写しを提出します。 | |
後遺障害に関する書類 | 後遺障害診断書 | 後遺症の症状などに関する診断書です。 後遺障害等級認定申請の際に重視される書類になります。 打撲の場合は特に、痛みに関する被害者の主張を十分に反映させてもらう必要があります。 弁護士からアドバイスを受け、適切な診断書としてもらえるよう医師と話をしましょう。 |
物損資料 | 事故車両の事故後の状況、現場の状況などに関する写真などの資料。事故の激しさ視覚的に示し、身体へのダメージについても感覚的に理解してもらえるようにします。 | |
レントゲン、CT、MRIなどの画像 | 病院で検査をした際の画像。病院に開示を請求します。加害者側の保険会社が治療費を支払っている場合は、保険会社に請求します。 | |
カルテ | 診療経過、検査結果、看護記録など。病院(加害者側の保険会社が治療費を支払っている場合は保険会社)から開示を受けて提出します。 | |
被害者の陳述書 | 事故状況、治療中の経過、痛みのある個所、痛みの出るタイミング、後遺症の症状、生活への影響などについての被害者の説明をまとめます。 | |
支払請求書 | 保険会社から送られてきた書類に必要事項を記入して提出しましょう。 | |
印鑑証明書 | 被害者の印鑑証明書。 |
交通事故の慰謝料を請求する際に準備する明細について、次のページでも詳しく解説しています。
打撲の慰謝料の証拠
打撲の慰謝料の証拠は、通常、上にご紹介したもので足りますので、特別に他の証拠を用意する必要はありません。
ただ、打撲の場合、症状は痛みや痺れのみであることが多いので、診断書や検査結果だけでは状況を十分に伝えきることができないおそれがあります。
そのため、加害者側の保険会社に痛みなどについて十分に理解されず、「打撲だけなんだから、仕事や家事に大きな支障はなかったでしょう」「痛みがあったなんてどこにも書いていない」などと言われ、休業損害や慰謝料の減額を主張されることがあります。
そのような主張に対抗するため、被害者から積極的に、どのような痛みがあるか、それにより生活や仕事・家事にどういった支障が出ているか、どんな精神的苦痛を被っているか、といったことを主張したり、陳述書にまとめたりすることがあります。
痛みなどについて立証するのには、日記をつけておくことも効果的です。
ごく簡単なもので構わないので、どこにどのような痛みなどがあったか、痛みなどによって生活などにどんな不都合が生じているのか、といったことを日々記録しておくと、有力な証拠になります。
特に、主婦の方は、家事ができない状況は外からは見えづらいため、日記で記録をつけ、相手方にも実情が分かるようにしておくことが効果的です。
後遺障害等級認定を受ける場合にも、上の表にある後遺障害診断書に痛み等に関する内容が十分に反映されるよう、医師とよく相談をする必要があります。
弁護士にも相談してアドバイスを受けておくと、より安心です。(打撲の場合の後遺障害等級はどうなる?参照)
加えて、上の表でもご紹介している「被害者の陳述書」の中で、痛みなどの症状について、痛みがある箇所、痛みが出るタイミング、痛みによる生活や仕事への影響などを詳しく説明することに留意する必要があります。
そうしないと、後遺障害等級認定の際、審査の担当者に痛みの状況が伝わらず、適切な後遺障害等級認定を受けることができなくなってしまいます。
打撲の慰謝料の請求にかかる費用
実費
打撲の慰謝料を裁判で請求する場合は、裁判所に納付する費用として、申立手数料、郵便費用が必要となります。
交通事故(被害者1人)の場合の実費は、以下のようになります。
申立手数料 | 数万円~35万円程度(請求額によって異なる) |
郵便費用 | 数千円~数万円(被告の人数、訴訟代理人の有無により異なる) |
示談交渉により請求する場合でも、通信費、郵便切手代などの実費は必要になってくる場合があります。
弁護士費用
示談交渉や裁判を弁護士に依頼する場合、弁護士費用が必要になります。
弁護士費用には、次の3種類があります。
- 法律相談料
- 着手金
- 報酬金
法律相談料は、弁護士に法律相談をする場合に支払うことになるものです。
多くの法律事務所では、30分5000円の法律相談料を設定しています。
ただ、自治体や弁護士会、法テラスなどで無料法律相談を実施していることもありますし、法律事務所でも、初回相談無料としているところもあります。
そうした無料法律相談を上手く利用すれば、経済的な負担を減らしつつ弁護士に相談することもできるでしょう。
なお、法律相談料は、示談交渉などを弁護士に依頼した後の打ち合わせなどについては発生しません。
法律相談料を支払う必要があるのは、弁護士に依頼することを決める前のみとなるのが普通です。
着手金は、弁護士に示談交渉や裁判を依頼することを決めた時、最初に支払うものとなります。
着手金の額は、請求金額や事案の難易度によっても変わってきますが、最低でも10万円程度からとなってきます。
報酬金は、示談交渉や訴訟によって賠償金を得られることが決まった後に支払うことになります。
報酬金の額は、弁護士に依頼したことで回収できた金額の10%程度~となります。
このように、弁護士に依頼するには、一定の弁護士費用が必要になります。
ただ、弁護士に依頼することで、被害者に最も有利な弁護士基準での賠償金請求が可能になりますので、弁護士費用を支払ったとしても、弁護士に依頼して交渉した方が得られる利益が大きい場合が多くなっています。
さらに、交通事故の場合、被害者の方が加入している自動車保険に付帯した弁護士費用特約を使うことにより、実質的に弁護士費用を負担することなく弁護士に依頼できる場合も多いです。
一度ご自身の保険をご確認ください。
ご参考に、以下のページで当事務所の弁護士費用について詳細にご説明しております。
弁護士費用特約がある場合とない場合のそれぞれについて解説しておりますので、ぜひ一度ご覧ください。
打撲の慰謝料を請求するために注意すべきこと
きちんと通院する
軽い打撲などだと、被害者自身で「もう放置しておいても治りそう」と判断し、医師の指示もないのに通院を止めてしまう方がおられます。
軽症だということで、痛みはあるのに無理をして、病院に行かないまま、仕事や家事をしてしまう方もおられます。
こうして通院をしていない間に症状を悪化させてしまい、事故後時間が経ってから通院を始める、いったん通院を止めていたが治療を再開する、といったことがあります。
ところが、このように通院していない期間があると、加害者側の保険会社から、「期間が空きすぎていて、本当に交通事故によるケガでの不具合かがわからない」と主張され、治療費や慰謝料を払ってもらえない可能性があります。
軽症だと思っても、治療については安易に自己判断はせずに、少しでも痛みがある場合は一度病院を受診し、医師の指示があれば、それに従った通院を欠かさないようにしましょう。
そうすることで、十分な治療費、慰謝料の支払を受けることもできるようになります。
整骨院に通院する場合は要注意!
打撲の場合、整骨院に通院したいと希望する被害者の方も多くおられます。
整骨院は、開院している時間も長く、待ち時間も少ないことが多く、立地も良いことが多いため、整骨院の方が便利だという面があるのでしょう。
ただ、整骨院に通院する場合、ポイントを押さえた対応をしないと、整骨院での施術費を賠償の対象とできるかなどで、加害者側の保険会社とトラブルになってしまいます。
整骨院に通う場合は、次のポイントを押さえておくようにしましょう。
- ① 事故に遭った後、最初は病院で診察・検査を受ける
- ② 病院にも医師の指示通り(最低でも月1回)通い、必要な検査を随時受けておく
- ③ 加害者側の保険会社にも事前に伝えておく
①事故に遭った後、最初は病院に行く
事故直後には、一度病院に行って診察・検査を受けましょう。
事故直後の診断・検査結果がないと、ケガがあったとしても、それが交通事故によるものであることを立証できなくなってしまいます。
加えて、整骨院への通院を考えている場合は、医師に相談し、整骨院への通院をするようにとの指示をもらうようにしましょう。
医師からの指示があれば、整骨院への通院についての必要性・相当性が認められやすくなります。
逆に、医師からの指示もなく整骨院に通院してしまうと、加害者側の保険会社から、「ケガの治療に役立っていない」「過剰な通院だ」などと言われ、整骨院での施術費の支払いを断られ、トラブルになってしまいかねないので、注意しましょう。
②病院にも医師の指示通り(最低でも月1回)通い、必要な検査を随時受けておく
整骨院の通院中も、病院には通っておきましょう。
整骨院の柔道整復師では、診察・診断・検査をすることはできず、症状に関する医学的な記録を残すこともできません。
そのため、病院通いを止めてしまうと、医師の診察や検査を受ける機会がなくなり、治療経過を証拠に残すことができなくなります。
そうすると、慰謝料の請求や後遺障害等級認定の申請の際に、通院や後遺症が交通事故に起因するものであることを示すカルテ、検査結果などを用意することができなくなってしまい、最終的に十分な額の損害賠償が得られなくなってしまうおそれがあります。
そのようなことにならないためにも、整骨院に通院する場合でも、医師の指示に従った回数(最低でも月1回)は病院に通院しておきましょう。
③加害者側の保険会社にも事前に伝えておく
整骨院に通院する場合は、加害者側の保険会社にも事前に伝えておきましょう。
保険会社の了承が得られれば、なお良いです。
こうしておけば、整骨院の施術費についても、一括対応で保険会社が直接整骨院へ支払ってくれる可能性が高まります。
逆に、保険会社に一言も伝えないまま整骨院通いを続けてしまうと、保険会社が整骨院通院に関する施術費、慰謝料などの支払いに難色を示す危険が高まってしまいます。
整骨院に通院する場合の注意点については、以下のページでも詳しく解説しております。
通院が長引くようなら、後遺障害等級認定の申請も視野に入れる
軽症だと思っていたけれども、いつまでも痛みや痺れが引かず、通院が長引いてしまう場合があります。
そのような場合は、治療期間6か月を目安に、後遺障害等級認定の申請をすることも考えましょう。
「単なる打撲で、後遺症が残るようなものじゃないはず・・・」と思われる被害者の方も多いのですが、痛みが6か月以上続くようでは、客観的にみると軽症とはいい難いです。
それに、痛みが長引くことは被害者の方にとってもちろん大きな苦痛ですし、仕事や家事にも影響が出てきてしまいますので、加害者に、そうした苦痛や不具合に対してもきちんと補償してもらわなければなりません。
後遺障害等級の認定を受けることができれば、後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益も賠償の対象となり、長引く痛みに対する補償も受けることができます。
ただ、後遺障害等級認定申請をする時期については、慎重に検討しなければなりません。
後遺障害等級認定申請をしてしまうと、これ以上治療を続けても症状が良くならない状態(症状固定)になったと扱われてしまい、その後治療を継続しても、治療費が加害者側から支払われることはなくなってしまいます。
治療を続けることで症状が良くなっている手ごたえがある場合は、通院6か月を超えても治療を継続し、なるべく痛みを緩和する方が良いかもしれません。
そうして、もうこれ以上良くなりそうにない、という状態になった段階で、後遺障害等級認定の申請を行うこととすることもでき、その方が良い場合もあります。
ただ、治療期間が長くなる場合は注意が必要です。
治療期間が長くなってくると、加害者側の保険会社から、治療費の支払い(一括対応)を打ち切られてしまうことがあります。
そうなると、その後の治療費の支払いは、自腹での負担になってきます。
もちろん、その後治療を続けて症状が改善し、「症状固定日は保険会社の治療費打ち切りよりも後だった」と認められれば、自腹で負担した治療費についても加害者に負担させることができます。
しかし、そのように認められるかどうかは、治療をしている時点ではわかりません。
たとえ主治医が「まだ良くなるから治療を継続しよう」と言っていても、法律的な観点からは違う見方がされることもあり、主治医の言うとおりの症状固定日が認定されないこともあり得ます。
また、一括対応が打ち切られていなくとも、後になって、加害者側の保険会社から、「〇か月を超えて治療していた分は余分だった」と主張され、その間に立替払いした治療費を最終的な賠償金から差し引くと主張されることもあります。
6か月を超えて治療を継続する場合は、一度交通事故に詳しい弁護士に相談してみて、治療方針と注意点についてアドバイスをもらうことをお勧めします。
なお、後遺障害等級認定を受けることができれば、後遺障害逸失利益(後遺症が残ったことにより減少した収入分の利益)も賠償の対象となります。
ただし、後遺障害が痛みや痺れのみの場合、仕事に支障が出て収入が減る期間(労働能力喪失期間)は5~10年程度とされ、一生涯とはみなされないことが多いです。
打撲の慰謝料の5つのポイント
日記をつける
比較的軽傷の打撲の場合、症状が痛みや痺れのみとなるので、検査などの客観的な所見を得ることができません。
そこで、痛みなどの状況を証明するために、ごく簡単でよいので、日記をつけることをお勧めします。
「立ち上がる時に腰に強い痛みがあり、しばらく動けなくなった」「背中が痛くて動きづらく、洗濯物を干すと特に痛む」などと日記につけておくと、後に被害者の陳述書を作る時にも役立ちます。
症状はしっかりと医師に伝える
打撲の場合、主な症状は痛みや痺れになりますが、これらの症状は外見や検査結果からははっきりと分かりません。
そのため、症状については医師にしっかりと伝えておく必要があります。
特に、治療しても治らない痛みが残ってしまい、後遺障害診断書を作成してもらう際には、痛みの箇所、痛みが出るタイミング、痛みによる生活への支障などを具体的に伝え、診断書に反映してもらうようにお願いしましょう。
こうしたことをまとめたメモを作成し、医師に渡すのも有効です。
適切な後遺障害診断書を作成してもらうための注意点は他にもありますので、医師に後遺障害診断書を作成してもらう前に、一度交通事故に詳しい弁護士に相談してみることをお勧めします。
そうすれば、どうした内容をメモにしたらよいか、他に頼んでおくべき検査などはないかなどについて、それぞれの方の状況に応じたアドバイスがもらえるでしょう。
治療費の打ち切りがあってもすぐにあきらめない
治療しても痛みが長引き治療期間が長くなってくると、ある日、加害者の保険会社から、「これまで病院への治療費を支払ってきたが、これ以降は負担できない」として治療費の打切りを通告されてしまいます。
こう言われると、被害者の方は、「もう治療を止めなければいけないのか・・・」と思ってしまうかもしれません。
しかし、治療費を打ち切られたからといって、すぐに治療をあきらめる必要はありません。
上でもご説明しましたが、今後も治療を続けることで症状の改善が見込めるということであれば、自腹で治療を続け、後から治療費の支払いを保険会社に請求する選択肢もあります。
ただ、この場合、治療しても良くならない状態(症状固定)となった時期について、加害者の保険会社が治療費を打ち切った時期だと判断されてしまう状況だと、いったん自腹で負担した治療費を加害者に請求することができなくなってしまうリスクがあります。
治療が長引いてきた場合は、弁護士や医師に相談し、今後の方針を検討するようにしましょう。
保険会社から提示された示談内容は専門家に確認してもらう
加害者側の保険会社から提示される示談金額は、自賠責基準や任意保険基準で算定されており、被害者にとっては不十分な内容となっていることが多くあります。
保険会社から提示された示談案は、そのまま認めてしまうことなく、一度専門家である弁護士に見てもらうようにしましょう。
交通事故に強い弁護士に相談する
交通事故で打撲などのケガを負ってしまうと、治療もしなければなりませんし、生活や仕事に生じた影響にも対処しなければなりません。
その上、交通事故では、治療中から、通院時にタクシーを利用しても大丈夫か、整骨院への通院時には何に注意したらよいか、医師から勧められた珍しい器具の購入費は加害者に請求できるか、治療はいつ終了すべきか・・・など、様々なポイントに注意して、その都度行動を選択していかなければなりません。
うっかりしていると、後になって保険会社から「そのタクシー代は負担できない」「整骨院への施術費や器具代は払えない」「この日以降の治療費は賠償の対象外」などと言われ、トラブルになったり、思わぬ損をしたりしてしまいます。
そのようなことがないよう、交通事故でケガをした場合は、なるべく早く交通事故に強い弁護士に相談しましょう。
そうすれば、注意すべきポイントについてのアドバイスも受けることができますし、疑問が出た時にすぐ弁護士に相談することもできます。
保険会社とのやり取りも任せてしまえるので、安心して治療や生活の立て直しに集中できるというメリットもあります。
以下のページでは、交通事故に強い弁護士の探し方、弁護士に依頼するメリットなどについてより詳しく解説しております。
ぜひ一度ご覧ください。
打撲の慰謝料請求についてのQ&A
打撲で一ヶ月通院したら慰謝料はいくらですか?
1か月通院した場合の入通院慰謝料は、弁護士基準では、入通院慰謝料の相場でご紹介した表のとおり19万円程度になります。
自賠責基準では、3~13万円程度です。
交通事故の打撲で全治1週間の慰謝料はいくら?
軽症の場合 通院1日当たり 19万円÷30日=6333円
(いずれも弁護士基準)
つまり、全治1週間の打撲の場合、弁護士基準での入通院慰謝料は、
軽症の場合 6333円×7日=4万4331円
重症の場合 9333円×7日=6万5331円
となり、4~7万円程度が相場となります。
自賠責基準では、1~3万円程度です。
交通事故の打撲で全治2週間の慰謝料はいくら?
重症の場合 9333円×14日=13万0662円となるので、8~10万円程度が相場となります。
自賠責基準では、2~6万円程度です。
まとめ
今回は、交通事故で打撲傷を負った場合の慰謝料についてご説明しました。
交通事故でケガをすると、病院にどのように通ったらいいのか、整骨院へ行ってもいいのか、保険会社とはどう対応すれば良いのかなど、悩むことがたくさん出てきます。
慰謝料などの賠償額についても、どの程度の金額が妥当なのか、どういった資料を用意すれば自分の主張が通るのか、といったことについて考えなければなりません。
ただでさえ身体を傷め、生活や仕事にも支障が出ている中で、こうしたこと全てに被害者自身だけで対応するのは大変なことです。
交通事故に遭った場合は、なるべく早く交通事故に詳しい弁護士に相談し、サポートを受けるようにしましょう。
そうすることで、治療や生活の立て直しに専念できますし、弁護士基準による適切な損害賠償金を獲得することができるようにもなります。
当事務所も、交通事故に精通した弁護士を集めた交通事故チームを結成し、被害者の方のサポートに力を注いでおります。
事故直後からのサポートはもとより、治療の打切りに遭った方へのサポート、後遺障害等級申請のサポートなども行っております。
交通事故に遭われた方は、ぜひ一度、当事務所までご相談ください。