逸失利益と損害賠償の違いは何?弁護士が解説
逸失利益は、交通事故の損害賠償に含まれる項目の一つです。
交通事故の被害に遭うと、被害者は、加害者に対し、損害賠償を請求する権利を獲得します。
その損害賠償の中には、積極損害(治療費、通院のための交通費など)、休業損害、慰謝料など様々な項目が含まれます。
逸失利益は、そうした項目のうちの一つとなります。
逸失利益は多額になることが多いので、損害賠償の項目の中でも重要度の高いものとなっています。
今回は、逸失利益と損害賠償のそれぞれの意味、両者の違いについて解説し、逸失利益の計算方法、取得するための手続などについてもご紹介していきたいと思います。
逸失利益と損害賠償の違い
逸失利益とは?
逸失利益とは、交通事故による後遺症又は死亡がなければ、将来得られたであろう利益のことをいいます。
逸失利益は多額に上ることも多く、損害賠償の項目の中でも重要なものの一つとなっています。
逸失利益を認めた判例
逸失利益の請求は、多くの裁判例で認められています。
例えば、次のような裁判例があります。
①中学生(男性・15歳)が後遺障害等級10級10号(左肩関節機能障害)の後遺障害を負ったケースで、賃金センサスの男性学歴計全年齢平均賃金を基礎収入とし、19歳から67歳までの逸失利益を認めた事例。(大阪地判平成25年1月24日交通事故民事裁判例集46巻1号103頁)
②小学校教員(女性・50歳)が死亡したケースで、事故前年の年収を基礎収入として67歳までの逸失利益を認めた事例(東京地判平成26年11月26日自保ジャーナル1939号108頁)
③家事に従事していた女性(67歳)が死亡したケースで、賃金センサスの女性学歴計全年齢平均賃金を基礎収入として、10年間分の逸失利益を認めた事例(横浜地判平成13年12月21日自保ジャーナル1441号22頁)
このように、様々な年齢、立場の被害者について逸失利益が認められています。
損害賠償とは?
損害賠償とは、加害者が、故意または過失によって被害者の権利又は法律上保護される利益を侵害した場合に、これによって生じた損害について、加害者に金銭で償わせることです(民法709条)。
損害賠償の具体的な金額を決める際には、個別のケースごとに、実際に生じた損害を、項目ごとに金銭的に評価し、一つ一つ積み上げていく形で算定します。
交通事故の場合の損害項目には、主に以下のようなものがあります。
- 治療費、葬祭費など(積極損害)
- 休業損害
- 逸失利益
- 慰謝料
損害賠償額を確定する際には、こうした項目について一つ一つ、「治療費は○○円、休業損害は○○円、逸失利益は○○円、慰謝料は○○円・・・」と算定していき、最終的にこれら全てを合算します。
逸失利益は、こうした損害賠償の項目のうちの一つとなっています。
逸失利益等の損害項目と損害賠償の関係を図にすると、以下のようなイメージになります。
逸失利益はいくらもらえる?
逸失利益の相場とは?
逸失利益は、事故により生じた結果(死亡したか、後遺障害が残ったか。後遺障害が残った場合、後遺障害等級は何級か、後遺症の具体的内容は何か、など)と、被害者の基礎収入、年齢によって大きく異なります。
いくつかの例をご紹介します。
具体例① 被害者(50歳、会社員、年収700万円)が後遺障害等級9級の後遺症を負った場合
逸失利益は、以下の計算式で算定します。
基礎収入 × 労働能力喪失率 × 喪失期間に対応するライプニッツ係数
後遺障害等級9級の場合、労働能力喪失率(後遺障害によって失った稼働能力の割合)は35%となります。
労働能力喪失期間は、原則として就労可能年数(67歳までの年数)となるので、このケースでは17年となり、対応するライプニッツ係数は13.1661(令和2年4月1日以降に発生した交通事故の場合)となります。
以上より、このケースでの逸失利益は、
700万円 × 0.35 × 13.1661 = 3225万6945円
となります。
具体例② 被害者(35歳、会社員、独身男性、年収600万円)が死亡した場合
死亡事故の場合、逸失利益は以下の計算式で算出します。
基礎収入 ×(1-生活費控除率)× 就労可能年数に対するライプニッツ係数
被害者が死亡している場合は、生存していれば必要であった生活費が不要になっているので、その分は損害賠償の対象から外されます。
その生活費の計算のために用いられるのが、生活費控除率になります。
独身男性の場合、生活費控除率は50%となります。
就労可能年数は32年で、対応するライプニッツ係数は20.3888です。
以上によると、このケースでの逸失利益は、
600万円 ×(1 - 0.5)× 20.3888 = 6116万6400円
となります。
逸失利益の計算方法の詳細については、以下のページで解説しております。
具体例③ 後遺障害等級14級のむち打ちの場合
むち打ちの場合、後遺障害等級は12級か14級となることが多いです。
後遺障害等級14級となった場合は、労働能力喪失率は5%とされます。
また、むち打ちの場合は、多くの場合、生涯にわたって症状が継続するわけではなく、ある程度年月が経つと症状が軽減していきます。
そのため、後遺障害等級14級のむち打ちの場合、労働能力が失われている期間(労働能力喪失期間)を5年として逸失利益を計算することが多いです。
以上より、被害者が会社員(年収500万円、45歳)だった場合、逸失利益は以下のようになります。
500万円 × 0.05 × 4.5797(5年に対応するライプニッツ係数)= 114万4925円
これらの3つのケースをご覧いただけば、逸失利益の額には、被害の程度、被害者の年齢、年収などによって大きな違いがあることが、お分かりいただけるかと思います。
逸失利益をシミュレーターで簡単に計算
上でご紹介したとおり、逸失利益の算定額は、それぞれのケースで大きな差があります。
その上、交通事故の損害賠償について考える場合には、逸失利益だけでなく、慰謝料、休業損害などについても考える必要があります。
これらの全てについて、一般の方が調べて算定していこうとすると、大変な手間がかかります。
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ただ、交通事故賠償金計算シミュレーターでご覧いただける金額は、あくまで原則的な計算方法を当てはめて算定した額になります。
個別のケースに特有の事情を考慮して賠償金を計算するには、弁護士に相談する必要があります。
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逸失利益の計算方法
逸失利益の計算には3つの基準がある
逸失利益の計算には3つの基準があり、場面に応じてそれらの基準が使い分けられています。
逸失利益の計算基準は、以下の3つです。
①自賠責基準は、車の所有者が加入することを義務付けられている自賠責保険(強制保険)からの賠償金額を算定する際に用いられる基準です。
自賠責基準による逸失利益の計算の特徴は、
- 実際の収入が低い場合、平均給与額が基礎収入とされる
- 上限額が設定されている
という点にあります。
そのため、事故前の実際の収入が平均給与額より低い場合には、自賠責基準により計算した方が、逸失利益に関しては有利になります。
ただし、他の項目(慰謝料など)については、自賠責基準により算定すると、他の基準により算定するよりも低額となる傾向がありますので、ご注意ください。
②任意保険基準は、任意保険(自動車保険)の保険会社が内部的に定めている、示談交渉の際に用いる算定基準です。
任意保険基準による算定金額は、自賠責基準によるもの以上にはなりますが、弁護士基準により算定した額には及ばないことがほとんどです。
③弁護士基準は、弁護士が示談交渉をする際や、裁判の際に用いられる算定基準です。
弁護士基準による算定金額が、3つの基準の中で最も高額であり、被害者にとっても最も有利なものとなります。
弁護士基準での逸失利益の計算方法は、「逸失利益の相場とは?」で具体例とともにご紹介したとおりですので、ご参照ください。
逸失利益の計算方法や基礎収入の算定方法については、以下のページで詳細に解説しております。
逸失利益は弁護士基準が最も高額化しやすい
上でご説明した通り、弁護士基準により算定した賠償金額が最も高額化しやすくなっています。
そのため、被害者の方にとっては、多くの場合、弁護士基準による賠償金を得ることが、最も有利な解決となります。
示談交渉によって弁護士基準による賠償金を獲得するためには、弁護士に依頼をする必要があります。
加害者側の保険会社が、弁護士が交渉を担当するのでなければ、ほとんどの場合、弁護士基準での賠償に応じないためです。
なお、訴訟を起こせば、弁護士を付けなくても、裁判所で弁護士基準(裁判基準)により賠償額が算定されますので、弁護士基準に基づいた賠償金が得られます。
しかし、自分自身で裁判を進めていくには、多大な労力がかかります。
弁護士基準での賠償額を獲得するためには弁護士に依頼する必要がある、ということについては、以下のページで詳しく解説しています。
逸失利益以外の損害賠償とは?
逸失利益以外の損害賠償項目一覧
交通事故の損害賠償には、逸失利益以外の項目もあります。
逸失利益以外の主な損害賠償の項目は、以下のとおりです。
- 慰謝料
- 休業損害
- 積極損害(治療費等)
それぞれの項目について解説します。
慰謝料
慰謝料は、交通事故によってケガ、後遺症、死亡などの被害を被ったことにより、被害者が受けた精神的な苦痛を償うために支払われるお金のことになります。
交通事故での慰謝料には、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料の3種類があります。
入通院慰謝料は、交通事故によるケガで入通院した場合に支払われる慰謝料で、実際に入院・通院した日数に応じて算定されます。
死亡慰謝料は、交通事故によって被害者が死亡した場合に支払われる慰謝料です。
死亡慰謝料の金額は、被害者の家族内における立場(一家の経済的支柱か否か、独身者かなど)などによって変わってきます。
後遺障害慰謝料は、交通事故によって後遺症が残るケガをした場合に支払われる慰謝料です。
後遺障害慰謝料の金額は、多くの場合、後遺障害等級に応じて算定されます。
なお、被害者が入通院の後に死亡した、又は後遺症が残ったという場合、死亡慰謝料・後遺障害慰謝料に加え、死亡・症状固定(治療終了)までの間に入通院した日数に応じた入通院慰謝料が支払われます。
慰謝料の計算の際にも、弁護士基準、任意保険基準、自賠責基準の3つの算定基準が用いられます。
ここでも、弁護士基準が最も被害者にとって有利な基準となっています。
交通事故の慰謝料に関する解説、慰謝料の相場や各基準による計算方法については、以下のページに詳細が掲載されています。
ぜひ一度ご覧ください。
休業損害
休業損害は、交通事故によるケガの治療などのために仕事を休まなければならなくなり、それによって得られなくなった収入のことです。
逸失利益と似ていますが、逸失利益は治療終了(後遺障害の場合は症状固定、死亡事故の場合は被害者の死亡)の後の期間に得られるはずであった収入を対象とするものであるのに対し、休業損害は、治療中に休業したために得られなかった収入を対象とするものである、という点で違いがあります。
休業損害を計算する際は、逸失利益の計算の場合と同様、被害者の基礎収入を定めます。
弁護士基準では、被害者が会社員の場合は、原則的に、事故前の直近3か月分の給与を90日で割って基礎収入を算定します(休業した日が連続していない場合は、事故直近3か月の給与を実労働日数で割ります)。
自営業者、主婦、学生などの場合には、確定申告の内容や賃金センサスを参照して基礎収入を定めます。
そして、一日分の基礎収入額に実際に休業した日数を乗じて、休業損害を算出します。
計算式にすると、以下のとおりです。
なお、休業損害の算定でも、自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準で違いがあります。
休業損害でも、多くの場合、弁護士基準が被害者に最も有利なものとなります。
しかし、被害者の収入が低い場合、最低でも1日当たり6000円の休業損害が認められる自賠責基準の方が、休業損害に関しては有利になる場合があります。
休業損害の詳しい解説、職業ごとの基礎収入の算定方法や休業損害証明書などについての解説は、以下のページにて掲載しております。
治療費等の積極損害
積極損害とは、交通事故により必要となった出費による損害のことをいいます。
積極損害には、主に次のようなものがあります。
- ① 治療関係費
- ② 付添費用
- ③ 入院雑費
- ④ 通院交通費・宿泊費
- ⑤ 自宅・自動車のリフォーム・改造費用
- ⑥ 葬祭費
- ⑦ 弁護士費用 など
積極損害についての詳しい解説は、以下のページをご覧ください。
逸失利益等を取得する手続
逸失利益等を取得する流れ
逸失利益等の損害賠償を取得するためには、被害者側でも一定の手続(プロセス)を経ていく必要があります。
一般的には、以下のような流れになります。
事故発生~示談交渉
交通事故の本格的な示談交渉は、治療が終了して治療費など損害の総額が定まった後(後遺障害がある場合には後遺障害等級の認定が定まった後)から開始されます。
死亡事故の場合は、被害者の四十九日が過ぎたころから交渉を開始することが多いです。
示談交渉では、多くの場合、加害者が加入している自動車保険(任意保険)の保険会社が窓口となり、被害者側と交渉します。
この交渉の中で、加害者側の保険会社から示談案を提示されることも多いです。
この示談案は、加害者側の保険会社が設けている任意保険基準に従って算定されていることが多く、被害者にとって十分な額とはなっていないケースがよく見受けられます。
加害者側から示談案を受け取ったら、「保険会社が言うのだから間違いないだろう」と考えてすぐに了承してしまうことなく、一度弁護士に見せて相談してみることをお勧めします。
弁護士に相談すれば、被害者にとって最も有利な弁護士基準だとどの程度の賠償額になるのか算定してくれます。
そして、保険会社からの提示額では不十分だと思われた場合には、弁護士に示談交渉を依頼すれば、弁護士が加害者側の保険会社と交渉し、より弁護士基準に近い額の賠償金を得られるよう尽力してくれます。
訴訟提起
示談交渉では決着できなかった場合には、訴訟を提起し、逸失利益を含めた損害賠償を請求することになります。
訴訟の手続は、一般の方では難しい専門的なものとなりますので、多くの場合弁護士に依頼して進めることになります。
裁判では、必要に応じて、当事者が提出した書類を調べ、被害者・加害者などの尋問を行うなどします。
判決・和解
裁判を起こすと、最終的には、和解か判決の形で賠償額に関する結論が出されます。
判決の場合は、弁護士基準(裁判基準)で損害額が算定されます。
加害者側に保険会社が付いている場合、和解・判決があってから2~4週間程度の間に、賠償金が実際に支払われます。
逸失利益等を取得するための書類
逸失利益等の損害賠償を取得するために必要な書類は、主に以下のようなものになります。
交通事故自体に関するもの | 交通事故証明書 | 交通事故発生の事実を確認したことの証明書。自動車安全運転センターが発行する。 |
人身事故証明書入手不能理由書(交通事故証明書に「人身事故」との記載がない場合) | 事故当時にケガがあると思っておらず、物損事故として届け出てしまった場合などに提出する。 | |
実況見分調書 | 人身事故の場合に警察官によって作成される。事故現場、事故車両の状況などが写真も用いて説明されている。 | |
事故発生状況報告書 | 被害者請求の際に必要。書式は保険会社から取得する。 | |
ケガに関する必要書類 | 診断書 | かかりつけの医師に作成してもらう。 |
診療報酬明細書 | 病院に作成してもらうか、加害者側の保険会社から取得する。 | |
損害に関する書類 | 通院交通費明細書 | 通院時に利用した公共交通機関の料金、自家用車のガソリン代、タクシー代などを記入する。 保険会社から書式を取得する。 |
タクシー代・駐車場代の領収証 | 通院時のタクシー代・駐車場代の領収証 | |
休業損害証明書 | 休業日数、実際の休業日の日付、事故前の収入などを記載。会社員であれば勤務先の会社に作成してもらう。 | |
確定申告書・収支内訳書・青色申告決算書の写し | 自営業者の場合、休業損害、逸失利益の算定のために必要。 | |
後遺障害に関する書類 | 後遺障害診断書 | 後遺症の症状などに関する診断書。 |
物損資料 | 事故車両の事故後の状況などに関する写真や資料。 | |
レントゲン、CT、MRIなどの画像 | ケガについての検査画像。病院又は加害者の任意保険会社に開示を請求する。 | |
カルテ | 診療経過、検査結果、看護記録など。病院又は加害者の任意保険会社に開示を請求する。 | |
被害者の陳述書 | 事故状況、治療中の経過、後遺症の症状、生活への影響などについての被害者の説明を記載する。 | |
支払請求書 | 保険会社から書類を取得し、提出する。 | |
印鑑証明書 | 被害者の印鑑証明書。 |
診断書、診療報酬明細書など病院関係の書類は、加害者側の保険会社が一括対応によって治療費を直接病院に支払っている場合(被害者の窓口負担がない場合)、ほとんどの場合、加害者側の保険会社が保有していますので、ご注意下さい。
逸失利益等の損害賠償を請求する際の必要書類については、以下のページでより詳しく説明しています。
損害賠償の請求の際に必要な明細に関しては、以下のページで詳しく解説しています。
逸失利益等を取得するための証拠
逸失利益等を取得するための証拠は、上に挙げた必要書類にほとんど含まれています。
ただ、場合によっては、後遺障害等級に対応した労働能力喪失率が適切かどうかなどで争いになることがあります。
そうした場合には、後遺症による生活や仕事への支障について詳しく記載した陳述書などを別途用意し、提出することになります。
逸失利益等を取得するための費用
逸失利益等を取得するための費用としては、主に
- 実費(裁判費用、通信費等)
- 弁護士費用
といったものがあります。
実費
逸失利益等を取得するために必要な実費としては、書類のやり取りに要する郵便費用、電話代などの通信費用があります。
訴訟提起をするとなると、裁判所への申立手数料、裁判所に納入する郵便費用なども必要になってきます。
裁判所への申立手数料は、請求金額によって変わってきます。
交通事故の場合、数万円から40万円程度となることが多いです。
裁判所に納める郵便費用(弁護士の有無、当事者の人数などによって変わる)は、数千円から数万円となります。
弁護士費用
弁護士に示談交渉や裁判を依頼する場合、弁護士費用も必要になります。
弁護士費用は、おおむね以下のようになります。
- 相談料 30分5000円程度~
- 着手金 10万円程度~
- 報酬金 回収額の1割程度~
相談料は相談時に、着手金は依頼時にそれぞれ支払います。
報酬金は、損害賠償金が得られることが決まった後(判決、和解、示談などの後)に支払うことになります。
こうした弁護士費用は、交通事故の場合、自動車保険で弁護士費用特約に加入していれば、保険会社から支払ってもらうことが可能です(上限額などはあります)。
弁護士費用特約に加入していない場合は、市役所・弁護士会などが行っている無料相談を利用する、初回相談無料の法律事務所に相談してみる、といった方法で、負担を減らすこともできます。
当事務所も、交通事故に関しては、初回相談は無料で実施し、着手金も無料としております。
当事務所の弁護士費用については、以下のページでご説明しております。
逸失利益についてのQ&A
逸失利益等の損害賠償には税金はかかりますか?
慰謝料、休業損害など、被害者の心身に対する被害について支払われる損害賠償金についても同様です。
ただ、以下の場合などには、損害賠償金等に課税されるなど、税金額に影響を与える可能性があります。
- ① 賠償金が高額すぎる場合
- ② 示談成立後、賠償金が支払われない間に、被害者が死亡した場合
- ③ 交通事故により棚卸資産(商品、製品、半製品、原材料、仕掛品など)に生じた損害に対して損害賠償金が支払われた場合
- ④ 必要経費の補填として損害賠償金が支払われた場合
- ⑤ 事業用資産について、資産損失の計算をする場合
- ⑥ 勤め先から休業による減収を補う「見舞金」などが支払われた場合
- ⑦ 死亡保険金が支払われる場合
上のような場合には、確定申告が必要になってきます。
賠償金への課税については、以下のページでも解説しています。
賠償金等について確定申告が必要な場合については、以下のページをご覧ください。
逸失利益の損害賠償の根拠は民法ですか?
交通事故による損害賠償は、民法709条を根拠としています。
逸失利益は、民法709条の条文にある「これによって生じた損害」の一部として、損害賠償の対象となるものとされています。
まとめ
今回は、逸失利益と損害賠償の違い、逸失利益の計算方法、逸失利益等の損害賠償を得るための方法、費用などについて解説しました。
交通事故の損害賠償について考える際は、逸失利益、休業損害、積極損害、基礎収入、ライプニッツ係数など、法律に詳しくない方にとっては耳慣れない言葉が多数出てきますので、それらの意味や関係性を把握するのにも一苦労してしまいます。
実際に交通事故に遭ってしまったときは、ただでさえ治療や生活の立て直しで手いっぱいになってしまいますので、損害賠償に関する問題は、早いうちから専門家である弁護士に依頼して任せてしまうことをお勧めします。
そうすれば、加害者側との交渉で弁護士に窓口になってもらうことができますし、治療中に損害賠償との関係で分からないことがあった場合などにも、気軽に相談に乗ってもらうことができます。
当事務所も、交通事故の被害者の方やご遺族の方からのご相談をお受けしております。
当事務所では、交通事故問題を集中的に取り扱う人身傷害部を設けており、交通事故に関する高度な知識・経験を身に付けた弁護士たちが皆様を強力にサポートしています。
交通事故被害に関するご相談は、初回無料ともなっております。
交通事故の被害に遭われた場合は、当事務所まで、ぜひ一度お気軽にご相談ください。