アスベストをどのくらい吸うと発病するの?弁護士が解説

現時点では、アスベストの量が中皮腫や肺がんといった病気が発症する確率に影響を与えるということが判明しています。

しかし、具体的にアスベストをどのくらい吸うと発病するのかは、分かっていません

アスベストを吸って健康被害がでるまでには長期間の潜伏期間があることが特徴ですので、過去にアスベストを吸ってしまった方の健康被害が現れるのは今になってかもしれません。

そこで、アスベストを大量かつ長期間吸わざるを得ない環境にいた方に向けてアスベストによって引き起こされる症状と国の補償制度について解説いたします。

アスベストとは

アスベスト(「石綿」ともいいます)とは、天然に産する繊維状けい酸塩鉱物(せんいじょうけいさんえんこうぶつ)で「せきめん」「いしわた」と呼ばれています。

過去に建築工事において、保温断熱のためにアスベストが活用されていました。

そのほかにも、ストレート材、ブレーキライニング、ブレーキパッド、防音材、断熱材、保温材等にも使われています。

もっとも、現在ではアスベストを利用した上記素材の製造等は禁止されています。

アスベストは繊維が極めて細かく、建築現場等で作業をしている際に簡単に吸い込んでしまいます。

アスベストは、製品等に使われていたとしても、その製品が身近に存在すること自体が直ちに人体に影響を及ぼすものではありません。

アスベストが何らかの拍子に飛び散り、これを人が吸い込むことによって人体に影響が出ます。

そのため、労働安全衛生法や大気汚染防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律等により、予防や飛散防止等の措置が求められています。

アスベストを吸い込んだかどうかは、通常、胸部X線写真を見て判断します。

もっとも、必ずしも胸部X線写真に映り込むとは限りません。

過去にアスベストを吸い込まざるを得ない環境にあった方は一度専門医療機関を受診してみると良いでしょう。

 

 

アスベストをどのくらい吸うと発病する?

現時点では、アスベストの量が中皮腫(ちゅうひしゅ)や肺がんといった病気が発症する確率に影響を与えるということが判明しています。

もっとも、具体的にどれくらいの量を吸い込むことによって上記病気が発病するかは分かっていません。

したがって、アスベストを多量に摂取している場合には、上記病気を発症する可能性が高く、少ない量であったとしても発病のリスクは存在します。

引用元:厚生労働省

 

 

アスベストの危険性と健康への影響

なぜアスベストが危険なのか?

アスベストは一度体内に取り込まれてしまうと、体内で分解されることなく、残り続けます。

この残ったアスベストは肺の組織に傷をつけることで肺に悪影響を与えます。

アスベストの繊維は、肺繊維症(じん肺)、悪性中皮腫(あくせいちゅうひしゅ)の原因と言われており、肺がんを起こす危険性も報告されています。

 

アスベストにさらされる職種や業種


上記症状が発生しやすい職種・職業としては、建設関係の仕事です。

例えば、アスベストを取り扱う大工・左官・板金・電気・設備・はつり(解体)・造船・鉄道車両整備、水道工事・自動車整備といった職種が挙げられます。

  • 石綿鉱山・石綿製品の製造に関わる作業
  • 石綿や石綿含有岩綿等の吹きつけ・張りつけ等作業
  • 石綿原綿または石綿製品の運搬・倉庫内作業
  • 配管・断熱・保温・ボイラー・築炉関連作業
  • 造船所内の作業(造船所における事務職含めた全職種)
  • 船に乗り込んで行う作業(船員 その他)
  • 建築現場の作業(建築現場における事務職含めた全職種)
  • 解体作業(建築物、構造物、石綿含有製品等)
  • 港湾での荷役作業
  • 発電所・変電所・その他電気設備での作業
  • 鉄鋼所または鉄鋼製品製造に関わる作業
  • 耐熱(耐火)服や耐火手袋等を使用する作業
  • 自動車・鉄道車両等を製造・整備・修理・解体する作業
  • 鉄道等の運行に関わる作業
  • ガラス製品製造に関わる作業
  • 石油精製、化学工場内の精製・製造作業や配管修理等の作業
  • 清掃工場または廃棄物の収集・運搬・中間処理・処分の作業
  • 電気製品・産業用機械の製造・修理に関わる作業
  • レンガ・陶磁器・セメント製品製造に関わる作業
  • 吹きつけ石綿のある部屋・建物・倉庫等での作業(教員 その他)
  • エレベーター製造または保守に関わる作業
  • ランドリー・クリーニングに関わる作業
  • ガスマスクの製造に関わる作業
  • 上下水道に関わる作業
  • ゴム・タイヤの製造に関わる作業
  • 道路建設・補修等に関わる作業
  • 映画放送舞台に関わる作業
  • 農薬、バーミキュライト等を扱う作業
  • 酒類製造に関わる作業
  • 消防に関わる作業
  • 歯科技工に関わる作業
  • 金庫の製造・解体に関わる作業
  • その他の石綿に関連する作業
  • タルク等石綿含有物を使用する作業

引用元:中皮腫・じん肺・アスベストセンター

 

アスベストが使用されている建物や製品

現時点でアスベストが使われている商品は以下のものがあります。

電気製品 トースター
オーブントースター
オーブンレンジ
電気コンロ
電気ポット
クッキングカッター
ジューサー、ミキサー
電磁調理器
冷蔵庫
ミシン用フットコントローラ
洗濯機
アイロン
掃除機
エアコン
こたつ
電気ストーブ
照明器具、スタンド
ヘアドライヤー
電気温水器
換気扇
ガス・石油製品 ファンヒーター
ストーブ
ボイラー(給湯、暖房)
温水機器、湯沸器
ガスオーブン
ガスコンロ
その他 自転車
金庫
釣り用リール

引用元:環境省

 

アスベストによる病気の種類

アスベストによる病気の種類
アスベストによる病気の特徴としては、潜伏期間が長いことです。

アスベストを大量・長期間吸い込んでいたとしてもすぐには発症しません。

そのため、ある程度症状が進行しないと分からないことが問題です。

アスベストを長期間吸い込んでしまった場合の症状として以下の症状が挙げられます。

  • 息切れが激しい
  • 胸が痛む
  • 咳が止まらない
  • 背中が痛む
  • 慢性的に熱が出ている
  • 体重が急激に減った
  • 血痰が出始めた

また、以下の病気が発症している可能性があります。

 

石綿肺(アスベスト肺)

石綿肺とは、肺が繊維化してしまう肺繊維症(じん肺)の1つです。

なお、じん肺とは、主として小さな土ぼこりや金属の粒などの無機物または鉱物性の粉塵の発生する環境で仕事をしている人が、その粉塵を長期間にわたって大量に吸い込むことで肺の組織が繊維化し、硬くなって弾力性を失ってしまった病気のことをいいます。

アスベストを吸い込みやすい環境で10年以上仕事をされていた方に多く見られます。

一般的に石綿肺の発症まで15〜20年の潜伏期間があります。

 

肺がん

アスベストが肺細胞に取り込まれた際にアスベストが肺細胞を物理的に刺激されることにより肺がんが発生するとされています。

もっとも、アスベストが肺がんを発症させる仕組みについては未だはっきりと解明されていません。

一般的に肺がん発症まで15〜40年の潜伏期間があります。

 

悪性中皮腫(「あくせいちゅうひしゅ」と読みます)

肺を取り囲む胸膜、肝臓や胃などの臓器を囲む腹膜、心臓及び大血管の起始部を覆う心膜等にできる悪性の腫瘍のことをいいます。

若い時期からアスベストを吸い込む機会が多かった方に多く悪性中皮腫が発症しやすいといわれています。

一般的に悪性中皮腫の発症まで20〜50年の潜伏期間があります。

 

びまん性胸膜肥厚(「きょうまくひこう」と読みます。)

胸膜が炎症を起こし、繊維化してしまい肺が膨らなくなってしまうことで呼吸機能が低下してしまう病気のことをいいます。

一般的にびまん性胸膜肥の発症までは30〜40年の潜伏期間があります。

良性石綿胸水
自覚症状として胸の痛みや呼吸困難等で、無症状のまま胸部X線検査で発見される場合もある病気です。

良性石綿胸水と診断される基準は①石綿ばく露があること、②胸部X線あるいは胸水穿刺で胸水の存在が確認できること、③石綿ばく露以外に胸水貯留の原因がないこと、④胸水確認後3年以内に悪性腫瘍を認めないことです。

一般的にアスベストばく露後10年から20年で発生するといわれています。

引用元:厚生労働省

 

アスベストを吸い込んだらどうなる?

アスベストを少量・短期間吸い込んだとしても、そのほとんどは咳や痰として体の外に排出されます。

しかし、長期間アスベストを吸い込み続けた場合、肺内にアスベストが蓄積され、上記症状が発生する可能性が高まります。

 

アスベストの吸入量と健康影響の関係

すでに説明した通り、現時点では、アスベストを吸い込んだ量と健康への影響についてははっきりと分かっていません。

もっとも、アスベストを大量に吸い込むことによって上記症状が発生しやすいことは確認されています。

したがって、アスベストを大量に吸い込んでしまう環境にいた場合には健康への影響が出る可能性がとても高いといえます。

具体的には、直接アスベストを大量かつ長期間にわたって吸い込んだ場合がもっともリスクが高い状態といえます。

一方、アスベスト工場の近くに住んでいたといった場合であっても、上記症状を感じている場合には、専門医療機関を受診した方が良いでしょう。

引用元:厚生労働省

 

アスベストかどうかを見分けるには?

アスベストは「石綿」とも呼ばれる通り、綿や羽のような柔らかさがあります。

もっとも、アスベストであるかどうかを見た目で判断することは非常に難しいです。

まず、アスベストと似ている素材として「ロックウール」と「グラスウール」も存在します。

ロックウールとは、玄武岩や鉄炉スラグ(高炉で生成された銑鉄(「せんてつ」:高炉から取り出した鉄))などに石灰を混ぜた上で、高温で溶かして生成される人造鉱物繊維です。

グラスウールとは、ガラスを高温で溶かし、遠心力等を利用して細かい線以上に加工したものをいいます。

このように、見た目や機能がアスベストと似た素材があります。

次に、仮に素材としてのアスベストが分かったとしても、世の中にあるアスベストはほとんど加工された状態であり、本来のアスベストの形状とは異なる形となっているためです。

したがって、アスベストを見分けることは困難といえます。

そこで、少しでも心当たりのある方は労災病院等の専門医療機関へ相談したほうが良いでしょう。

 

 

アスベストの被害者の5つの救済制度

アスベストの被害者の5つの救済制度

 

国からの建設アスベスト給付金を請求する

建設アスベスト給付金とは、アスベストにさらされた労働者やその遺族を救済するための給付金です。

建設アスベスト給付金制度は令和4年1月19日にスタートしました。

一定の要件を満たすことによって国から給付金を受け取ることができます。

詳細については下記のページをご覧ください。

 

国とのアスベスト訴訟の和解手続を利用する

過去にアスベスト工場で働いていた方々やそのご遺族が国に対して裁判を起こし、一定の要件を満たしている場合には、訴訟の中で和解手続が行われ、国から損害賠償金が支払われるようになりました。

参考:厚生労働省

詳細については下記のページをご覧ください。

 

労災の申請をする

アスベストを大量かつ長期間吸い込まざるを得ない環境で仕事をしていた場合で、労災保険に加入している場合は、労災保険給付を受けることができます。

労災給付の条件は、労働基準監督署への申請と発症した病気が「業務上の疾病」と認定される必要があります。

発症した症状がアスベストによるものであると認定されるための要件は以下のとおりです。

病名 認定要件
石綿肺(アスベスト肺合併症を含む) アスベストにさらされる環境で仕事をしていた労働者に以下の症状が発生した場合に、業務上の疾病として認定されます。
①アスベスト肺によるじん肺症
あるいは
②アスベスト肺に合併した疾病
・肺結核
・結核性胸膜炎
・続発性気管支炎
・続発性気管支拡張症
・続発性気胸
中皮腫 アスベストにさらされる環境で仕事をしていた労働者に発症した胸膜、腹膜、心膜または精巣鞘膜の中皮腫であって、じん肺法に定める胸部X線写真の画像またはアスベストにさらされる環境で仕事をしていた期間が以下の①、②のいずれかに当たる場合は業務上の疾病として認定されます。
*中皮腫であるとの認定について
・病理組織検査の実施
・病理組織検査が実施できないときは、臨床検査結果、臨床経過、他 疾患との鑑別等
で認定されます。
*ただし、最初にアスベストを吸わざるを得ない環境で作業(仕事として作業していた場合に限定されません)を始めた時から10年未満で発症したものは除かれます。
①胸部X線写真で、第1型以上のアスベスト肺所見がある
②アスベストにさらされる環境で仕事をしていた期間が1年以上
肺がん アスベストにさらされる環境で仕事をしていた労働者に発症した「原発性肺がん」(他の部位から肺に転移したものではないがんをいいます。)であって、以下の①〜⑥のいずれかに当たる場合は業務上の疾病として認定されます。
①アスベスト肺所見がある
*胸部X線写真で、第1型以上のアスベスト肺所見があるものをいいます。
②胸膜プラーク所見があり、アスベストにさらされる環境で仕事をしていた期間が10年以上
なお、アスベスト製品の製造工程における作業に従事していた場合は、平成8年以降の従事期間を実際の10時期間の1/2として算定されます。
*胸膜プラークとは、アスベストを吸い込んで約15〜30年経過した後に、胸膜に盛り上がった部分を指します。胸膜プラーク参考画像③広範囲の胸膜プラーク所見があり、アスベストにさらされる環境で仕事をしていた期間が1年以上
なお、広範囲の胸囲プラークとは、以下のいずれかが確認されている場合をいいます。
・胸囲正面X線写真により胸膜プラークと判断できる明らかな陰影が認められ、かつ、胸部CT画像によりその陰影が胸膜プラークとして確認される場合
・胸部CT画像で、胸膜プラークの広がりが胸壁内側の1/4以上ある場合
④アスベスト小体またはアスベスト繊維の所見があり、アスベストにさらされる環境で仕事をしていた期間が1年以上
アスベスト小体またはアスベスト繊維の所見があるといえるためには以下のいずれかに当たることが必要です。
・アスベスト小体が乾燥肺重量1gあたり5000本以上あること
・アスベスト小体が気管支肺胞洗浄液1ml中に5本以上あること
・5μmを超える大きさのアスベスト繊維が乾燥肺重量1g当たり200万本以上あること
・1μmを超える大きさのアスベスト繊維が乾燥肺重量1g当たり500万本以上あること
・肺組織切片中にアスベスト小体またはアスベスト繊維があること
⑤びまん性胸膜肥厚に併発していること
*認定要件を満たすびまん性胸膜肥厚が発症していること
⑥特定の3作業に従事しており、アスベストにさらされる環境で仕事をしていた期間5年以上
特定の3作業とは、以下の3つの作業をいいます。
・アスベスト紡織製品製造作業
・アスベストセメント製品製造作業
・アスベスト吹付作業
アスベストにさらされる環境で仕事をしていた期間とは、上記3作業のいずれかに従事した期間、またはそれらを合算した期間をいいます。
ただし平成8年以降は実際のアスベストにさらされる環境で仕事をしていた期間の½として計算します。
良性石綿胸水 良性アスベスト胸水は、アスベスト以外の原因(結核性胸膜炎、リウマチ性胸膜炎等)を全て除外する方法で認定されます。
したがって、診断が極めて困難なため、労働基準監督署長が厚生労働本省と協議した上で、業務上の疾病として認定するかを決めます。
びまん性胸膜肥厚 ①アスベストにさらされる環境で仕事をしていた労働者に発症したびまん性胸膜肥厚であって、肥厚の広がりが以下の基準に該当すること
←胸部CT画像上に
・片側のみ肥厚がある場合→側胸壁の½以上
・両側に肥厚がある場合→側胸壁の¼以上
②著しい呼吸機能障害を伴いもの
③アスベストにさらされる環境で仕事をしていた期間が3年以上
の場合に業務上の疾病にあたります。

引用元:厚生労働省

上記病気が発症し、療養や休業、死亡となってしまった場合に受けられる労災保険給付は以下のとおりです。

  • 療養補償給付
  • 休業補償給付
  • 傷病補償年金
  • 障害補償給付
  • 介護補償給付
  • 遺族補償給付及び葬祭料

詳細については下記のページをご覧ください。

 

石綿健康被害救済制度による給付を請求する

すでに説明したとおり、労災保険によってアスベストに関係する仕事をしている労働者に対して一定の補償がなされるようになりました。

もっとも、その労働者の家族やアスベスト工場の近隣住民の中でアスベストによる病気にかかった場合には労災保険の対象となりません。

そして、労災保険の適用を受ける労働者であっても、長い潜伏期間を経て発症したことにより、本当にアスベストが原因で発症したかを検討している間に死亡してしまい、労災保険給付を受けることができなかった労働者の遺族が事項によって労災保険の遺族補償給付を受ける権利が消滅しまうことがありました。

このように労災保険の給付を受けられない方々の救済を図るために創られたのが石綿健康被害救済制度です。

この制度は平成18年3月27日に施行された「石綿による健康被害の救済に関する法律」に基づくものです。

また、平成23年8月に石綿健康被害救済法が改正され、特別遺族弔慰金などの請求期限が10年間延長されました。

引用元:石綿による健康被害を受けた方へ「石綿健康被害救済制度」があります

 

救済給付による給付内容
  • 医療費
    医療費の自己負担分を支給
  • 療養手当
    治療に伴う医療費以外の費用負担に対する給付(支給月額10万3870円)
  • 葬祭料
    アスベストが原因で発症した病気として認定された患者の葬祭に伴う費用負担に対する給付(19万9000円)
  • 救済給付調整金
    アスベストが原因で発症した病気として認定された患者が亡くなるまでに給付を受けた医療費と療養手当の合計が特別遺族弔慰金の額に満たない場合に、患者の遺族に支給される給付
  • 特別遺族弔慰金
    アスベストが原因で発症した病気が原因で亡くなった方の遺族に対する給付(280万円)
  • 特別葬祭料
    アスベストが原因で発症した病気が原因で死亡した人の葬祭に伴う費用負担(19万9000円)

引用元:政府広報オンライン

救済給付の手続きは独立行政法人環境再生保全機構が行う運用になっています。

そこで、救済給付を受けるために、同機構から、アスベストが原因で発症した病気にかかった患者であるとの認定を受ける必要があります。

 

特別遺族給付金

特別遺族給付金とは、アスベストによる健康被害が発生した労働者や特別加入者(社長や役員といった労働者でない人であっても特別に労災保険に加入している人をいいます。)が、労災保険の給付を受けずにアスベストによる病気で亡くなってしまった時にその遺族を救済するための制度です。

  • 特別遺族年金
    原則、年額240万円
  • 特別遺族一時金
    1200万円

詳細については下記のページをご覧ください。

 

会社に対して損害賠償を請求する

会社には、従業員がアスベストを吸ったことによって病気になることがないように、従業員の健康について配慮する義務があります。

この義務を怠ったことによって従業員にアスベストが原因となった病気が発症した場合に会社は従業員に対して損害賠償をする責任が発生します。

詳細については下記のページをご覧ください。

 

 

アスベスト健康被害の2つのポイント

①請求できる期限に注意

アスベストが原因の病気を発症したあるいは亡くなられた場合であっても、無期限に給付金を受け取ることができる訳ではありません。

給付金の請求期限は以下のように定められています。

アスベスト関連の病気にかかっていると医師が診断した日またはアスベスト肺がんに係るじん肺管理区分の決定日(アスベスト関連の病気により亡くなった場合は、亡くなった日)から20年以内

なお、じん肺管理区分とは、粉じん職歴、呼吸困難度、胸部レントゲン分類、呼吸機能検査、動脈血ガス分析の結果を総合的に判断して決定されます。

引用元:独立行政法人労働者健康安全機構

給付金の請求期限にかからないように早めに弁護士に相談することをお勧めします。

 

②アスベストにくわしい弁護士へ相談する

アスベスト給付金の申請に当たって、そもそもアスベストとはどのようなものか、アスベストによってどのような病気が発症するのかといった深い理解が必要となります。

したがって、給付金申請を適切に行うためには、アスベストに詳しい弁護士に相談することが重要となってきます。

 

 

まとめ

冒頭でもご説明した通り、アスベストには長期間の潜伏期間があることが特徴です。

過去にアスベストを大量に吸ってしまった方の健康被害が現れるのはある程度時間が経過してからになります。

したがって、過去にアスベストを吸わざるを得ない環境にいた方あるいはそのご遺族の方々は、もう過去の出来事として考えるのではなく、適切な国からの補償を受け取ったほうが良いでしょう。

既にご説明した通り、アスベストが原因となって発症する病気も現代の医学で特定されるに至っています。

もし、現在アスベストが原因で発症する病気にかかっている方で過去にアスベストを吸う環境にいた方やその方が亡くなってしまったご遺族の方々がいらっしゃれば国が用意している給付金の支給を受けることをお勧めします。

給付金申請に当たっては、弁護士にご依頼いただければ煩雑な申請手続きをサポートいたします。

ぜひ一度ご相談していただければと思います。

当法律事務所では、アスベストによる健康被害に対応できる人身傷害部を設置しております。

人身傷害部ではアスベスト給付金制度に詳しい弁護士が在籍しております。

LINE等のオンラインや電話相談を活用して全国対応の無料相談を行っていますので、アスベスト給付金についてお困りの方は、お気軽にご相談ください。

 

 

建設現場等で働いていた方、そのご遺族へのサポート
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