アスベストの人体への影響とは?弁護士が解説

アスベストは、肺に溜まって、咳、息切れ、呼吸困難などの症状を引き起こすことがあります。

アスベストが引き起こす病気の種類については、石綿肺(せきめんはい)、肺がん、中皮腫(ちゅうひしゅ)、良性石綿胸水(りょうせいいしわたきょうすい)などがあります。

アスベストは主に人体の中でも特に肺に影響を与えるものです。

そして、アスベストが引き起こす症状は、数十年単位での潜伏期間もあることが特徴で、一般の方は自らの症状がアスベストが原因であることに気付きにくいです。

本記事では、アスベストの人体への影響やアスベストに関する基本事項について、人身障害事案を多く扱う弁護士が解説いたします。

アスベストの症状などを詳しく知られたい方はぜひ本記事をご覧ください。

 

アスベストが人体に及ぼす影響


アスベストによる健康被害の種類

病名 主な症状 潜伏期間
石綿肺(せきめんはい) 息切れ、呼吸困難、運動能力の低下 など 15年〜20年
肺がん(原発性肺がん) 咳(せき)、痰(たん)に血が混じる、息切れ、胸の痛み など 15年〜40年
中皮腫(ちゅうひしゅ) 咳(せき)、呼吸困難、胸の痛み など 20年〜50年
びまん性胸膜肥厚(びまんせいきょうまくひこう) 呼吸困難、胸の痛み など 30年〜40年
良性石綿胸水(りょうせいいしわたきょうすい) 咳(せき)、息切れ、胸の痛み など 10年〜40年

引用元:石綿(アスベスト)関連疾患|独立行政法人環境再生保全機構

①石綿肺(せきめんはい)

石綿肺(せきめんはい)は、アスベストを大量に吸ってしまうことにより発症する「じん肺」という病気の一種です。

じん肺とは、肺の組織が線維化(硬くなること)して、肺の弾力性を失ってしまう病気です。

主な症状は、息切れ、呼吸困難、運動能力の低下などです。

潜伏期間は、15年〜20年と言われています。

発症の一つの目安として、業務上、アスベストを10年以上吸入した労働者に起こりやすいと言われています。

石綿肺と診断されるには、業務上、アスベストを大量に吸入したことがあることに加え、胸部レントゲン画像で不整形陰影の所見があることです。

治療法については、薬物療法、在宅酸素療法による酸素吸引などが挙げられます。

②肺がん(原発性肺がん)

原発性肺がんは、気管支や肺胞の細胞に発生する悪性の腫瘍(しゅよう)です。

主な症状は、咳(せき)、痰(たん)に血が混じる、息切れ、胸の痛みなどです。

潜伏期間は、15年〜40年と言われています。

肺がんは、一般的に、喫煙が原因で発症することでも有名です。

あるデータによると、肺がんの発生率に関し、喫煙歴もアスベスト吸入歴もない人に比べ、喫煙歴があってアスベスト吸入歴がない人は約10倍、喫煙歴がなくアスベスト吸入歴がある人は約5倍、喫煙歴もアスベスト吸入歴もある人は約50倍の発がんリスクがあるとされています。

原発性肺がんの診断は、基本的にレントゲンやCT画像による判断です。

治療法については、抗がん剤治療、手術(外科治療)、放射線治療などが挙げられます。

③中皮腫(ちゅうひしゅ)

中皮とは、内臓を覆っている薄い細胞層のことをいいます。

中皮腫(ちゅうひしゅ)とは、中皮の細胞にできる悪性腫瘍(あくせいしゅよう)のことです。

主な症状は、咳(せき)、呼吸困難、胸の痛みなどです。

潜伏期間は、20年〜50年と言われています。

中皮腫は、業務上の吸入歴だけでなく、家庭内や近隣から吸入した場合も発症する可能性があります。

中皮腫の診断は、レントゲンやCT画像による判断、胸腔鏡(きょうくうききょう)や腹腔鏡(ふくくうきょう)等による病理組織診断などです。

※胸腔鏡(きょうくうききょう)や腹腔鏡(ふくくうきょう)は、胸やお腹に細長いカメラを入れてモニターに映して状態を確認することです(イメージとしては胃カメラ)。

治療法については、抗がん剤治療、手術(外科治療)、放射線治療などが挙げられます。

④びまん性胸膜肥厚(びまんせいきょうまくひこう)

びまん性胸膜肥厚(びまんせいきょうまくひこう)とは、肺を覆う胸膜が硬くなってしまう病気のことをいいます。

主な症状は、呼吸困難、胸の痛みなどです。

潜伏期間は、30年〜40年と言われています。

びまん性胸膜肥厚は、下記の⑤良性石綿胸水(りょうせいいしわたきょうすい)の結果として生じることが多いです。

びまん性胸膜肥厚は、アスベストの他に、放射線治療後、開胸手術後、結核性胸膜炎(けっかくせいきょうまくえん)などを原因として発症することがあります。

びまん性胸膜肥厚の診断は、基本的にレントゲンやCT画像による判断です。

治療法としては、薬物療法、在宅酸素療法による酸素吸引などが挙げられます。

⑤良性石綿胸水(りょうせいいしわたきょうすい)

良性石綿胸水(りょうせいいしわたきょうすい)とは、アスベストが原因で胸膜に胸水が溜まってしまう病気のことです。

胸水とは、胸膜にたまる体液のことです。

胸水は、アスベスト以外にも生じるものであると考えられています。

胸水とは

主な症状は、咳(せき)、息切れ、胸の痛みなどです。

潜伏期間は、10年〜40年と言われています。

良性石綿胸水の診断は、①アスベストの吸入歴がある、②胸部レントゲンにて胸水の存在が確認できること、③結核や悪性腫瘍などのアスベスト以外の胸水の原因がないことなどから判断されます。

治療法としては、基本的に経過観察ですが、胸水を抜き取る治療なども行われます。

なお、良性石綿胸水は、労災の対象にはなりますが、石綿健康被害救済法の対象外であることに注意してください。

 

アスベストによる健康被害のメカニズム

アスベストは、非常に細い繊維で目で見ることはできません。

アスベストは、空中に飛散していても、目で見ることができないため、吸ってしまい、肺に溜まってしまいます。

吸い込んだアスベストは、異物として痰(たん)に混じって体の外に排出されます。

もっとも、全てのアスベストが体の外に排出されるわけではなく、一部は肺の中に残ってしまいます。

その残ってしまった一部が、各種の病気の原因となってしまうのです。

なお、アスベストの非常に厄介な点は、吸い込んだとしても一定期間無症状で、長年の潜伏期間を経て各種の病気が発症することです。

 

 

アスベストとは

アスベストとは、天然から採れる鉱物繊維のことです。

アスベストは、「石綿」(いしわた・せきめん)とも呼ばれています。

アスベストの歴史と利用状況

  • 1887年(明治20年)
    日本にアスベストが輸入されるようになる。
  • 1942年〜1948年(昭和17年〜23年)
    戦争の影響により輸入がストップする。
  • 1950年代(昭和25年〜昭和34年)
    輸入量が増加し始め、建材製品として使われる。
  • 1970年〜1975年(昭和45年〜昭和50年)
    輸入量がピークに達する。
  • 1987年(昭和62年)
    学校で吹き付けアスベストが多く使われていたことが社会問題となる。
  • 1995年(平成7年)
    アスベストの種類のうち、クロシドライト(青石綿)、アモサイト(茶石綿)の輸入や使用が禁止される。
  • 2005年(平成17年)6月29日
    兵庫県尼崎市にある「株式会社クボタ」という会社で、アスベストの被害により多数の死者が発生したと報道される(死者は合計79名)。この出来事は、「クボタショック」と呼ばれている。
  • 2006年(平成18年)
    アスベストが全面使用禁止となる。

 

アスベストの種類と用途

種類

アスベストには以下の6つの種類があります。

アスベストの6つの種類
  1. ① クリソタイル(白石綿)
  2. ② クロシドライト(青石綿)
  3. ③ アモサイト(茶石綿)
  4. ④ アンソフィライト
  5. ⑤ トレモライト
  6. ⑥ アクチノライト

6つの種類のうち、①クリソタイルが最も使用されており、全体の9割以上が使用されています。

日本で使用されてきた主なアスベストは、①クリソタイル(白石綿)、②クロシドライト(青石綿)、③アモサイト(茶石綿)です。

①〜③のうち、有害性の強い順は、

第1位 ②クロシドライト(青石綿)

第2位 ③アモサイト(茶石綿)

第3位 ①クリソタイル(白石綿)

となります。

用途

アスベストの特性として、一般的に以下のことが言われています。

アスベストの特性
  • 耐熱性・・・燃えにくいこと
  • 耐摩擦性・・・摩擦に強いこと
  • 防音性・・・音を遮断すること
  • 耐薬品性・・・薬品に強いこと
  • 抗張性・・・引っ張りにくいこと
  • 絶縁性・・・電気を通しにくいこと
  • 親和性・・・他の物と混ぜ合わせ安い
  • 紡織性・・・糸に紡ぐことができ、布に織ることができること
  • 安価であること

以上の特性があることから、アスベストは、以下のようなものに使用されてきました。

アスベストの用途
  • 建築物(学校、病院、ビル、住宅等)
  • 摩擦材・・・自動車やエレベーターなどに用いられた
  • 保温材・・・ボイラー、配管などに用いられた
  • シール材・・・ガスケット、グランドパッキンなどに用いられた
  • 石綿タイル・・・床などに用いられた

 

 

アスベスト被害者のための相談窓口

以下、アスベスト被害者の相談窓口をご紹介いたします。

各都道府県にある労働局・労働基準監督署

労働局・労働基準監督署の所在地については、下記をご参照ください。

参考:総合労働相談コーナーのご案内|厚生労働省

労災保険相談ダイヤル

厚生労働省で、労災保険相談ダイヤルという電話相談窓口が設置されています。

労災保険相談ダイヤルについては、下記をご参照ください。

参考:建設アスベストに関する電話相談窓口について|厚生労働省

労災病院

労災病院においては、アスベストの吸引歴がある方やそのご家族の方の診断や治療を受け付けています。

アスベストの診断等が可能な労災病院については、下記をご参照ください。

参考:石綿に関する各種相談窓口|東京労働局

 

 

アスベストの被害者の5つの救済制度

アスベスト被害者にはいくつか救済制度が用意されております。

以下では、アスベスト被害者のための5つの救済制度をご紹介いたします。

 

国からの建設アスベスト給付金を請求する

2021年(令和3年)5月17日、建設作業でアスベストを吸入した労働者や遺族の方々が、アスベストによる健康被害を被ったのは、国が規制権限を適切に行使しなかったためであるとして、国などを相手にした訴訟の判決がありました(建設アスベスト訴訟)。

この判決では、結果として国の責任を認めました。

参考判例:令和3年5月17日|最高裁ホームページ

建設アスベスト訴訟の判決が出たことをきっかけに、建設現場で働いていた被害者を救済する「特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給に関する法律」(別名:建設アスベスト給付金法)が2021年(令和3年)6月9日に成立し、2022年(令和4年)1月19日から施行されました。

参考:特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給に関する法律|e−Gov法令検索

建設アスベスト給付金法では、以下の方が救済の対象になります。

建設アスベスト給付金法の救済対象
  1. ① 次の(1)または(2)の期間にアスベストにさらされる建設業務に従事していたこと
    ※期間
    (1)アスベストの吹付け作業に係る建設業務の場合
    →1972年(昭和47年)10月1日〜1975年(昭和50年)9月30日
    (2)一定の屋内作業場で行われた作業に係る建設業務
    →1975年(昭和50年)10月1日〜2004年(平成16年)9月30日
  2. ② アスベスト関連疾病(石綿肺、肺がん、中皮腫、著しい呼吸機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚、良性石綿胸水)にかかったこと
  3. ③ 労働者や、一人親方・中小事業主(家族従事者等を含む)であること

建設アスベスト給付金法によって得られる給付金については、症状に応じて、550万円〜1300万円となっています。

建設アスベスト給付金について、詳しくはこちらをご覧ください。

 

国とのアスベスト訴訟の和解手続を利用する


2014年(平成26年)10月9日、アスベスト工場の労働者や遺族の方々などが、アスベストによる健康被害を被ったのは、国が規制権限を適切に行使しなかったためであるとして、国を相手にした訴訟の判決がありました(大阪泉南アスベスト訴訟)。

この判決では、結果として国の責任を認めました。

参考判例:平成26年7月23日|最高裁ホームページ

大阪泉南アスベスト訴訟の判決が出たことをきっかけに、厚生労働省が、訴訟上の和解基準を示して、被害者の救済が図られるようになりました。

つまり、アスベスト工場で働いていた方等は、国に対して訴訟提起をして和解をするということが可能となったのです。

訴訟上の和解基準は、以下のとおりです。

工場型アスベスト訴訟の和解基準
  1. ① 1958年(昭和33年)5月26日から1971年(昭和46年4月28日)までの間に、局所排気装置を設置すべき石綿工場内において、アスベスト粉じんにばく露する作業に従事したこと。
  2. ② 上記①の結果として、アスベストによる一定の健康被害(石綿肺、肺がん、中皮腫、びまん性胸膜肥厚など)を被ったこと。
  3. ③ 提訴の時期が損害賠償請求権の期間内であること。

和解により得られる賠償金については、症状に応じて、550万円〜1300万円となっています。

アスベスト訴訟について、詳しくはこちらをご覧ください。

 

労災の申請をする

業務中の作業時にアスベストを吸入して病気が発症した場合、労災を申請して保険給付を受けることができます。

労災の対象となる病気は、石綿肺、原発性肺がん、中皮腫、びまん性胸膜肥厚、良性石綿胸水です。

労災の対象となるためには、アスベストを取り扱う業務に従事していたことが必要となります。

アスベストを取り扱う業務について、具体的には以下のとおりです。

労災対象となるアスベストに関連する業務
  1. ① 石綿鉱山またはその附属施設において行う石綿を含有する鉱石または岩石の採掘、搬出または粉砕その他石綿の精製に関連する作業
  2. ② 倉庫内などにおける石綿原料などの袋詰めまたは運搬作業
  3. ③ 石綿の吹付け作業
  4. ④ 石綿製品の製造工程における作業
  5. ⑤ 石綿製品の切断などの加工作業
  6. ⑥ 耐熱性の石綿製品を用いて行う断熱もしくは保温のための被覆またはその補修作業
  7. ⑦ 石綿製品が被覆材または建材として用いられている建物、その附属施設などの補修または解体作業
  8. ⑧ 石綿を不純物として含有する鉱物(タルク(滑石)など)などの取り扱い作業
  9. ⑨ 石綿製品が用いられている船舶または車両の補修または解体作業
  10. ⑩ 上記①〜⑨と同等にアスベストをばく露を受ける作業等で、間接的なばく露を受ける作業

アスベストの労災について、詳しくはこちらをご覧ください。

 

石綿健康被害救済制度による給付を請求する

業務中ではないアスベストのばく露(例えば、アスベスト工場周辺の住民等)で労災の対象にならない方や、時効の関係で労災の申請ができない方は、石綿による健康被害の救済に関する法律(別名:石綿健康被害救済法)に基づいて給付を請することができます。

参考:石綿による健康被害の救済に関する法律|e−Gov法令検索

石綿健康被害救済法は、2006年(平成18年)3月から施行されています。

石綿健康被害救済法による給付の種類としては、①救済給付、②特別遺族給付金があります。

対象となる病気は、肺がん、中皮腫、著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺、著しい呼吸機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚です(良性石綿胸水は対象外)。

支給する機関は、独立行政法人環境再生保全機構です。

石綿健康被害救済制度について、詳しくはこちらをご覧ください。

 

会社に対して損害賠償を請求する


勤務先だった会社や、アスベストの製造メーカーの会社などに対して、慰謝料などの損害賠償請求をする
という方法もあります。

損害賠償請求の根拠としては、安全配慮義務違反などが考えられます。

ただし、会社を転々としていた場合や長期間の潜伏期間を経て発病した場合は、証拠の確保等の問題点があります。

会社に対して損害賠償請求できるかどうかの見通しは、専門家である弁護士に確認すべきでしょう。

会社に対しての損害賠償請求について、詳しくはこちらをご覧ください。

 

 

アスベスト健康被害の3つのポイント

病院で必要な検査をする

アスベストの症状が疑われる場合、まずは病院に行って必要な検査を受けてください。

必要な検査とは、主に肺のレントゲン撮影になります。

アスベスト疾患センターの一覧については、下記をご参照ください。

参考:自分が病気かどうか、不安な場合|独立行政法人環境再生保全機構

 

請求できる期限に注意

アスベストの給付金や賠償金は、それぞれ請求できる期限(時効)があります。

期限を過ぎてしまったら、給付金等を受け取れなくなるので早めに対応する必要があります。

以下は、期限の例です。

【アスベスト給付金や賠償金の期限(時効)】

給付金や賠償金の種類 期限(時効)
建設アスベスト給付金 アスベスト関連疾病にかかった旨の医師の診断日又は石綿肺に係るじん肺管理区分の決定日(アスベスト関連疾病により死亡したときは、死亡日)から20年
石綿健康被害救済制度 特別遺族給付金については、2032年(令和14年)3月27日まで 等
安全配慮義務を根拠とした債務不履行責任 (2020年3月31日以前【改正前の民法】)
権利を行使できる時から10年
(2020年4月1日以降【改正後の民法】)
・債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間
・権利を行使できる時から20年
不法行為に基づく損害賠償請求 (2020年3月31日以前【改正前の民法】)
・損害および加害者を知った時から3年
・不法行為の時(基本的には、「最も重い症状が新たに判明した時点」と考えられています。)から20年
(2020年4月1日以降【改正後の民法】)
・損害および加害者を知った時から5年
・不法行為の時(基本的には、「最も重い症状が新たに判明した時点」と考えられています。)から20年

 

アスベストにくわしい弁護士へ相談する

これまでみてきたとおり、アスベスト問題は、非常に専門的で難しいです。

医学的な知見、各種法律、裁判例などを理解しながら適切な対応をしないと、被害者が損をしてしまう可能性が高いです。

被害者が損をしないためには、まずはアスベストに詳しい弁護士に相談し、アドバイスを受けるようにしましょう。

アスベストに詳しい弁護士の探し方は色々ありますが、まずはホームページ上でアスベスト解説記事を書いているかどうか等を参考にしてみてください。

 

 

アスベスト健康被害についてのQ&A

アスベストはどれくらい吸うとやばいですか?

どのくらいの量のアスベストを吸えばアスベスト関連の病気が発病するかということは、現在明らかになっていません。

なお、アスベストを吸引した期間という意味では、石綿肺については、業務上、アスベストを10年以上吸入した労働者に起こりやすいと言われています。

 

アスベストはすぐに症状が出ますか?

アスベストは病気によって、10年から最長で50年程の潜伏期間があり、すぐには症状が出ないケースがほとんどです。

 

 

アスベストは少量なら大丈夫ですか?

少量でも吸い込んだ期間が長期間であれば、発病する可能性もあります。

アスベストを吸い込んだ経験があって症状がある場合は、まずは病院で必要な検査を受けるべきでしょう。

 

人体への影響が心配されるアスベストの量とは?

アスベストの具体的な量と病気の因果関係については、いまだ明確になっていません。

 

なお、厚生労働省の「屋外作業場等における作業環境管理に関するガイドラインについて」では、石綿の管理濃度について、「5μm(マイクロメートル)以上の繊維として0.15本/㎤」と規定されています。

参考:屋外作業場等における作業環境管理に関するガイドラインについて|厚生労働省

 

まとめ

  • アスベスト関連の病気としては、石綿肺、肺がん(原発性肺がん)、中皮腫、びまん性胸膜肥厚、良性石綿胸水がある。
  • アスベスト被害者の救済としては、建設アスベスト給付金、国とのアスベスト訴訟の和解手続を利用する(工場型)、労災の申請をする、石綿健康被害救済制度、会社に対して損害賠償を請求するなどがある。
  • アスベスト健康被害の3つのポイントは、①病院で必要な検査をする、②請求できる期限に注意する、③アスベストにくわしい弁護士へ相談することである。

デイライト法律事務所には、労災などの人のケガや病気を専門的に扱っている人身障害部というチームがあります。

人身障害部では、アスベストの被害者救済も行っております。

法律相談については、来所相談はもちろんのこと、電話相談、LINEやFaceTimeなどの各種オンライン相談も実施しており、全国的に相談を承っております。

アスベスト被害者の方は、気軽にデイライト法律事務所にお問合せください。

 

 

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