B型肝炎とは、B型肝炎ウイルスによって発生する肝臓の病気です。
B型肝炎ウイルスに感染すると、一部の方は肝炎(肝臓の炎症)を発症します。
B型肝炎ウイルスの感染が持続した場合には、慢性肝炎、肝硬変、肝がんへと進行する可能性があります。
また、B型肝炎ウイルスに持続感染すると、現在の医療では、治療をしたとしても完治することはほとんどありません。
B型肝炎ウイルスに感染しないためには、B型肝炎ワクチンの接種が最も効果的です。
すでにB型肝炎ウイルスに持続感染している方については、B型肝炎給付金を受け取ることができる可能性があります。
この記事では、B型肝炎についてのQ&Aにお答えします。
B型肝炎とはどのような病気なのかについて知りたいという方は、ぜひ参考にしてください。
目次
B型肝炎とは
B型肝炎とは、B型肝炎ウイルスに感染することによって発生する肝臓の病気です。
B型肝炎ウイルスに感染すると、一部の方は肝炎(肝臓の炎症)を発症します。
B型肝炎ウイルスが原因で発症する肝炎には、「急性肝炎」と「慢性肝炎」の2種類があります。
慢性肝炎を発症した場合には、その後、肝硬変や肝がんへと進行する可能性があります。
B型肝炎キャリアとは
B型肝炎キャリアとは、B型肝炎ウイルスに持続感染している方のことを指します。
持続感染かどうかについては、感染から約6ヵ月が経過しても体内にB型肝炎ウイルスが存在しているかを基準に診断されます。
B型肝炎キャリアになる原因として最も多いのは、免疫機能が発達していない幼少期にB型肝炎ウイルスに感染することです。
特に、母子感染が感染原因のほとんどを占めます。
B型肝炎キャリアの場合、一部の方は慢性肝炎を発症し、肝硬変や肝がんに進行する可能性があります。
B型肝炎キャリアについて、さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
B型肝炎の無症候性キャリアとは
B型肝炎の無症候性キャリアとは、B型肝炎キャリアのうち、肝炎等の症状が出ていない方のことを指します。
無症候性キャリアの場合、肝炎等の症状は出ていませんが、体内にB型肝炎ウイルスを保有していることには変わりありません。
そのため、慢性肝炎などの病気を発症する可能性がありますので、病気を早期に発見するためにも、定期的な検査を受けることが大切です。
B型肝炎の無症候性キャリアについて、より詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
B型肝炎の原因とは?
B型肝炎の原因は、B型肝炎ウイルスに感染することです。
B型肝炎ウイルスは、B型肝炎ウイルスに感染している方の血液や体液(精液、膣分泌液、唾液など)が体内に入ることで感染します。
B型肝炎ウイルスが体内に入ると、ウイルスは肝臓で増殖を開始し、これが原因で肝炎が引き起こされます。
B型肝炎の感染経路とは?
B型肝炎の感染経路には、「垂直感染」と「水平感染」があります。
垂直感染とは、出産時に伴う母子感染のことです。
水平感染とは、垂直感染(母子感染)以外の経路での感染のことです。
水平感染の主な原因としては性行為(性交渉)が挙げられますが、他にも医療現場や激しい接触を伴うスポーツなどの機会でも感染することがあります。
ただし、B型肝炎ウイルスは空気感染や飛沫感染はしませんので、通常の日常生活を送る中で感染することはほとんどありません。
また、お風呂やトイレ、食器の共有などで感染することもありません。
B型肝炎の感染経路について、より詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
B型肝炎がうつる確率は?
B型肝炎がうつる確率は、感染者の血液や体液にどのように接触したか、感染者の体内でどの程度ウイルスが活発化しているかなどによって大きく異なりますので、一概に言うことはできません。
ただし、風邪やインフルエンザといった一般的な感染病と比べると、B型肝炎ウイルスの感染率はそれほど高くないことがわかっています。
しかし、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に比べると、B型肝炎ウイルスは約50〜100倍の感染力があると報告されています。
B型肝炎がうつる確率について、より詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
B型肝炎の症状とは?
B型肝炎の症状は、発症する病気によって異なりますので、一概には言えません。
B型肝炎ウイルスが原因で発症する病気として一般的なものとしては、「急性肝炎」と「慢性肝炎」が挙げられます。
急性肝炎と慢性肝炎に共通している症状では、以下のものがあります。
- 全身倦怠感
- 食欲不振
- 黄疸
- 褐色尿など
ただし、肝炎は肝臓に発症する炎症のため、自覚症状が出にくいという特徴があります。
B型肝炎の症状について、より詳しく知りたいという方は、こちらの記事も参考にしてください。
B型肝炎の検査とは?
B型肝炎の検査とは、B型肝炎ウイルスに感染しているかどうかを調べる検査です。
B型肝炎の検査では、血液検査で「HBs抗原」の有無を検査することが一般的です。
B型肝炎の検査は、地方自治体が実施しているウイルス検査、妊婦健康診査(妊婦健診)、手術前検査に加えて、任意の医療機関でも受けることができます。
B型肝炎の検査について、より詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
B型肝炎の給付金とは?
B型肝炎の給付金とは、国の行為が原因でB型肝炎ウイルスに感染してしまった方に支払われるお金です。
かつて、国は予防接種やツベルクリン検査を行う際に、注射器(注射筒、注射針)の使いまわしをしていました。
B型肝炎ウイルスは感染者の血液によって感染しますので、注射器の使いまわしを行うという国の行為が原因で、B型肝炎ウイルスの感染が拡大することとなりました。
国は、このような未曽有の事態を重くとらえ、過去の国の行為が原因でB型肝炎ウイルスに持続感染した方を対象として、給付金を支払うことを決定しました。
ただし、B型肝炎の給付金を受け取るためには、国に対して裁判を起こす必要があります。
B型肝炎の給付金について、より詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
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B型肝炎の訴訟とは?
B型肝炎の訴訟とは、B型肝炎給付金を受け取るために国に対して起こす裁判のことです。
現時点では、B型肝炎の給付金を受け取るためには、必ず国に対して裁判を起こさなければなりません。
そして、裁判の中で、国との間で和解を成立させる必要があります。
B型肝炎の給付金を確実に受け取りたい場合は、2027年3月31日までに裁判を起こした方がよいでしょう。
B型肝炎訴訟について、より詳しく知りたいという方は、こちらの記事も参考にしてください。
B型肝炎の治療とは?
B型肝炎の治療は、「急性肝炎」の場合と「慢性肝炎」の場合とでは異なります。
急性肝炎の場合には、一般的には特別な治療はせず、自己免疫によってウイルスが体内から排除されるのを待つことになります。
慢性肝炎の場合には、治療を施さずに肝炎が治まることは期待できないため、免疫療法や抗ウイルス療法が施されます。
B型肝炎ウイルスに対する免疫療法には、インターフェロン療法が挙げられます。
また、抗ウイルス療法には、核酸アナログ療法が挙げられます。
インターフェロン療法は注射による薬の投与であるのに対し、核酸アナログ療法は内服薬による薬の服用という点に大きな違いがあります。
インターフェロンはウイルスの増殖を抑制すると同時に自己免疫機能を強化する働きがある薬ですが、核酸アナログ製剤は主にウイルスの増殖を抑制する働きがある薬です。
どちらの薬を投与するべきかについては、B型肝炎ウイルスの状態などによって異なりますので、検査結果などから医師が判断します。
B型肝炎の治療について、より詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
B型肝炎のワクチンとは
B型肝炎のワクチンとは、B型肝炎ウイルスの感染を防ぐ目的で投与されるワクチンです。
B型肝炎のワクチンを接種すると、B型肝炎ウイルスの抗体を体内に作ることができるので、B型肝炎ウイルスの感染率を下げることができます。
B型肝炎ワクチンを接種した場合、40歳未満の方では約92%の方が抗体を獲得できます。
また、40歳以上の方でも、約84%の方が抗体を獲得できたと報告されています。
どんなワクチン?
B型肝炎のワクチンは、「不活性化ワクチン」という種類のワクチンです。
不活性化ワクチンは、ウイルスの毒性や感染力を殺したものを原材料として作成されます。
そのため、B型肝炎ワクチンの接種が原因でB型肝炎ウイルスに感染する危険性はありません。
また、接種による副作用も接種部位の痛みや赤み、発熱などの軽微なものがほとんどであり、重篤な副作用が生じる危険性はほとんどありません。
B型肝炎ワクチンはいつ打つの?
B型肝炎ワクチンは、平成28年4月1日以降に生まれた0歳児に対して、定期予防接種で接種されています。
定期予防接種で接種しなかったという方については、任意の医療機関でいつでもワクチンを接種することができます。
B型肝炎ワクチンは、原則として一定の期間を開けて合計3回の接種が必要です。
B型肝炎のワクチンについて、より詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
B型肝炎とC型肝炎との違い
B型肝炎とC型肝炎は、どちらもウイルスが原因で引き起こされる肝炎という点で共通しています。
しかし、以下のように複数の違いがあります。
見出しB型肝炎 | 見出しC型肝炎 | |
---|---|---|
感染源 | 感染者の血液や体液 | 感染者の血液 |
感染経路 | 母子感染、性交渉など | 母子感染、輸血、医療措置など |
ワクチンの有無 | ワクチンあり | ワクチンなし |
治療法 | 免疫療法 抗ウイルス療法 |
抗ウイルス療法 |
完治の可能性 | 持続感染の場合、完治は困難 | 完治可能 |
まとめ
この記事では、B型肝炎についてよくあるご質問について解説をしました。
B型肝炎ウイルスに持続感染してしまうと、慢性肝炎、肝硬変、肝がんなどの病気に進行するおそれがあります。
B型肝炎ウイルスの感染を防ぐためには、B型肝炎ワクチンの接種が必要不可欠です。
すでにB型肝炎ウイルスのキャリアであるという方については、最大3600万円のB型肝炎給付金を受け取ることができる可能性があります。
B型肝炎給付金を受け取るために国に対して裁判を起こした方がいいのか悩まれている場合には、1度弁護士にご相談ください。
国に対する訴訟では、様々な書類を提出する必要がある上に、時間的な制限もありますので、なるべく早めにご相談していただければと思います。
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