器物損壊罪。適正な慰謝料で示談をし不起訴処分となった事例

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

罪名 器物損壊罪
解決までの期間 1ヶ月
弁護活動の結果 不起訴

事例人物

Mさん(40代)

風評被害の流布をやめない相手の車に傷をつけてしまったMさん

Mさんは、飲食店の経営をしていました。

経営は順調に軌道に乗り始めていましたが、あるときから、Mさんの飲食店について、「事故米を使用している」「賞味期限切れの商品を使用している」等といったネット上の書き込みがあるようになりました。

このような事実は一切なく、完全な風評被害でした。

Mさんは時間と労力をかけ、風評被害を流布していた人物を特定することに成功しました。

Mさんは風評被害について損害賠償請求をするというつもりはなく、風評の流布をやめてもらえればそれで良いと考えていたため、相手方と話し合う機会を得て、その旨を伝えました。

ところが、相手方は、風評を流布した事実自体は認めながら、今後も流布行為をやめるつもりはないと言い放つなど、全く誠意の見えない対応でした。

相手方のあまりの不誠実さにMさんは怒りを抑えきれず、相手方の車に傷を付けてしまいました。

相手方は自分の行為を棚に上げ、警察に器物損壊罪の被害届を提出しました。

 

不当な高額提案を毅然と断り、適正額で示談成功

私たちがMさんの相談を受けた印象としては、経緯としては相手方に責任があるものの、器物損壊事件としては、Mさんが処罰を受ける可能性があると考え、弁護活動を引き受けました。

相手方の連絡先はMさんも知っていましたが、検察官を通じて示談の申し入れを行い、交渉を開始しました。

交渉の中で、相手方は被害者として扱われていることをいいことに、慰謝料等、不当に高額な金銭の要求をしてきました。

この事件の経緯も踏まえ、私たちはこの要求を毅然と断り、適正額以上の金銭は支払わないことを伝えました。

修理費用にかかった費用は当然支払わなければなりませんので、修理の見積書を提示するよう求めました。

交渉は難航しましたが、最終的には修理費用に5万円を上乗せする形で示談が成功し、無事に適正額の範囲内でおさめることが出来ました。

器物損壊罪は親告罪という、被害者の刑事告訴がなければ処罰をすることが出来ない犯罪です。

示談の内容として、「この事件について刑事告訴をしない」という条項を入れることも出来たため、Mさんがこの事件で起訴されることはなくなりました。

 

 

今回のポイント

この事件は、相手方も相当程度の非難を受けて然るべき事件でした。

虚偽の風説の流布により、会社の商品の品質に対する社会的な信頼を毀損した者は、信用毀損罪として罰せられる可能性があるからです。

高額な賠償金を求める方は珍しくありませんが、今回は、相手方にも犯罪が成立する可能性が高いことを理解してもらえたことが、適正な額での解決に結びついたと考えています。

個別の事件によって、どのような交渉をする必要があるのかは変わってきます。

器物損壊事件でお困りの方、相手方からの違法行為に反撃して犯罪行為をしてしまったという方は、まずはお気軽に刑事事件に注力する弁護士が在籍する当事務所にご相談ください。

 

 


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