無罪の立証方法とは?【刑事弁護士執筆】
「無罪を主張したいがどうすればよいかわかりません」
「弁護士に依頼すると結果が変わりますか?」
「無罪を立証する方法とは?」
当事務所の刑事弁護チームには、このようなご相談がたくさん寄せられています。
刑事弁護はスピードが勝負です。手遅れになる前に、まずはお気軽にご相談ください。
否認事件では起訴される前の準備活動が大切
無罪を主張する場合、起訴される前(公判前)の準備活動が特に重要です。
刑事裁判(「公判」といいます。)における弁護人の活動は、公判前の準備を踏まえて、その結果を裁判所で検出する手続に過ぎません。
そのため、デイライト法律事務所の刑事弁護士は、受任した当初から、クライアント(被疑者・被告人)のために、積極的に証拠を収集していきます。
例えば、クライアントと打ち合わせを行い、目撃者その他の関係者と面談して、詳細に事情を聴取します。
また、聴取した結果について、必要があれば供述書又は供述録取書を作成します。
この場合、証拠を保全するために、公証役場で「確定日付」をとることも検討しなければなりません。
以下、ケース別に、無罪の立証活動を解説します。
痴漢事件
被疑者・被告人が犯行現場付近にいたものの、犯行は行っていないという事案では、以下の活動が考えられます。
・犯行現場の写真撮影
・犯行現場のビデオ撮影
・犯行が不可能なことを再現する動画制作
・犯行が不可能なことを再現するコンピューターグラフィックスの制作
なお、犯行再現状況の写真等については、刑事裁判において、証拠能力が問題となります。
これらの写真等は、行動で示された供述と見ることができるので、供述を写真等の機械的方法で録取したもの、すなわち、供述録取書と同質であるといえます。
したがって、犯行状況再現写真等は、供述録取書と同様に、被疑者・被告人が再現した場合は刑訴法322条1項により、その他の者の場合には刑訴法321条1項によって判断されます。
ただし、録取の機械的正確性から、供述調書に要求される署名押印は不要です(最決平17.9.27)。
刑事訴訟法
第322条1項
被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。
但し、被告人に不利益な事実の承認を内容とする書面は、その承認が自白でない場合においても、第三百十九条の規定に準じ、任意にされたものでない疑があると認めるときは、これを証拠とすることができない。
第321条1項
被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。
一、裁判官の面前(第百五十七条の六第一項及び第二項に規定する方法による場合を含む。)における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は供述者が公判準備若しくは公判期日において前の供述と異なつた供述をしたとき。
二、検察官の面前における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は公判準備若しくは公判期日において前の供述と相反するか若しくは実質的に異なつた供述をしたとき。ただし、公判準備又は公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存するときに限る。
三、前二号に掲げる書面以外の書面については、供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明又は国外にいるため公判準備又は公判期日において供述することができず、かつ、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるとき。
ただし、その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限る。
交通事故による業過事件
交通事故による業過事件については、弁護士が直接現場に赴いて、その状況を見聞することが何よりも大切です。
捜査側で作成した実況見分調書や検証調書における現場見取図は現場の状況と異なっていることが少なくないからです。
また、被告人側あるいは被害者側からの見通し状況は、現場に赴いて初めて分かることが多いです。
さらに、被疑者・被告人を同行して、事故の状況について、すでに行われている実況見分・検証における指示説明と異なる点はないかを現場で再確認する必要があります。
そのため、現場に赴く場合には、できる限り事故と同じ曜日・時刻ころであることが望ましいといえます。
周囲の明るさや他の車両の通行量なども、被疑者側の過失の有無を判断する上で重要な要素となりうることが多々あり、これらを確認する必要があります。
そして、現場に赴く際には、巻き尺(ホームセンターなどで販売されているカウンターメジャーなどが便利です。)、カメラ(連写ができるもの)、ビデオカメラなどを持参して、現場状況を計測し、写真・ビデオ撮影を実施します。
その後、弁護士が実況見分書・写真撮影報告書等にして、証拠資料と提出します。
なお、これらの証拠資料についても、上記と同様に、刑事裁判において、証拠能力が問題となります。
被疑者・被告人が再現した場合は刑訴法322条1項により、その他の者の場合には刑訴法321条1項によって判断されます。
もし、検察官が不同意としてきた場合には、非供述証拠である写真等を除き、伝聞法則の適用があるため、検証請求をすることになります。
無罪の立証活動は、刑事専門弁護士のサポートをお勧めしています。
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