裁判で反省をどのように伝えればいいですか?【弁護士が解説】
同じような過ちは二度と繰り返しませんと何度も言っているのに、警察から信じてもらえません。
裁判でも裁判官に信じてもらえず実刑となってしまうのではないかと不安です。
どうしたら、私の反省の気持ちは信じてもらえるのですか?
まずは反省を深めていただくことが必要です。
その上で、自分で反省文を書いて見るとよいでしょう。
反省することが裁判に影響するか?
判決を受ける上で、あなたの反省が裁判官に伝わるかどうかは、実刑(刑務所行き)か執行猶予かを左右してしまうことがあります。
執行猶予というのは、被告人を社会内で更生させるものですから、社会に出てすぐに再犯に及ぶ可能性が高い者には、なかなか執行猶予を付けてもらえないのです。
このように、反省が伝わることはとても重要と言えます。
そこで、反省を裁判官に信じてもらうためにどのように活動するか、検討する必要があります。
反省を深めること
まず大前提ですが、反省を深める必要があります。
裁判官はプロですから、あなたの反省が本気なのか、表面的なのかは、あなたの態度や発言ですぐに分かるでしょう。
「同じ過ちは二度と繰り返しません」と発言すること自体は容易です。
しかし、深く反省していることを分かってもらうためには、あなたがどのような法律に触れたのか、その法律は誰を守ろうとしているのか、なぜ犯罪とされているのか、被害者にはどのような損害が生じるのか(現に生じたのか)、あなたはなぜその犯罪に手を染めてしまったのか、同じことを繰り返さないためにどうしていくのか等々について具体的に発言をしていく必要があります。
そのために、弁護士と打ち合わせを重ね、反省を深めていくとよいでしょう。
謝罪文を作成する
次に、被害者に宛てた謝罪文を作成することも重要です。
被害者にどのような被害を生じさせてしまったのかに考えをめぐらせ、誠心誠意謝罪することは人間としての基本ともいえます。
内容については、反省が深まっていることが伝わるよう、弁護人のアドバイスを受けつつ、推敲を重ねるべきでしょう。
謝罪文に盛り込みたい内容
謝罪文に何を書いたらよいかわからないという方がほとんどだと思います。
一般的に、謝罪文には以下の項目を入れるようにすると良いと考えられます。
謝罪文を記載する上での留意点
謝罪文は、短すぎてはいけません。
数行程度の謝罪文であれば書かないほうがマシだと考えます。
反対に、長すぎてもよくないと思います。
数十ページにわたるような謝罪文は読み手が疲れますし、謝罪というよりも、言い訳のようになってしまいます。
性犯罪、財産犯、粗暴犯などの被害者がいる事案では、被害者の感情に配慮するような記載を心がけるべきです。
例えば、文頭に「拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます」などの記載は、被害者であることを無視したような印象を持たれてしまいます。
ワープロを使ったほうが効率的に作成できますが、反省の気持ちを伝えるために、なるべく全文を手書きで書きましょう。
なお、当事務所では、謝罪文の事例について、ホームページに掲載しており、無料で閲覧やダウンロードが可能です。
上記のサンプルは、あくまで参考程度としてください。
謝罪文は自分自身の反省の言葉を記すものであり、具体的な状況によって異なります。
まずは、ご自身の言葉で書いてみて、弁護士にチェックしてもらうことをお勧めいたします。
示談交渉
被害者がいる犯罪の場合、謝罪だけではなく、示談や被害弁償も試みるべきでしょう。
反省していることを示す一つの材料となります。
また、示談が成立すれば、不起訴の可能性が高まると考えられます。
原因究明しようと努力すること
犯罪を何度も繰り返してしまっている(前科がある)場合には、犯罪を繰り返してしまう原因を究明しないことには、「もうしません」というあなたの言葉は誰にも信じてもらえません。
窃盗症(クレプトマニア)、性依存、アルコール依存、ギャンブル依存、精神疾患等々、様々な理由が考えられるところですが、まずはその原因を究明しようと努力することが必要です。
まとめ
以上、裁判で反省を伝えるための方法について、詳しく解説しましたがいかがだったでしょうか。
反省を示すことで、不起訴となったり、減刑できる可能性があります。
そのためには、まずは自分と向き合い、反省を深めてもらうことが必要です。
その上で、謝罪文を作成してみる良いでしょう。
また、示談交渉の申し出をしたり、被害弁償を行うことも重要です。
以上の行動をとった上で、それらの行動に出たことを証拠化し、裁判所に提出する必要があります。
気をつけなければならないのは、証拠を作るために行動を起こすのではなく、再犯をしないため、犯罪から足を洗うために、行動を起こすことです。
その差も、裁判官には伝わります。
執行猶予付き判決を得たい方、更生したいがどのように行動すればよいか分からない方、まずはお気軽に、刑事事件に注力する弁護士が在籍している当事務所にご連絡ください。