会社の上司が情状証人となった場合、刑が軽くなりますか?
ご質問について、当事務所の刑事専門チームの弁護士が御回答いたします。
状況にもよりますが、上司の方が情状証人として証言することで、情状が良くなり刑に影響する可能性があります。
勤務先の上司の方を情状証人とする場合
人生において、「働く時間」は大部分を占めます。
そのため、普段の被告人をよく知る人物としては、家族の他に、勤務先の方々が考えられます。
被告人をよく知る人物が普段の被告人の様子について証言し、被告人にも良い側面があることを立証できれば、有利な情状として考慮されるでしょう。
したがって、被告人をよく知る会社の方々が情状証人になってくれることは意味があります。
また、情状証人としては、監督指導する能力がある方が望ましいです。
なぜならば、監督指導できる立場の方が、「被告人が社会復帰したら、自分が責任を持って監督し、二度と犯罪などしようにする」などと誓約してくれれば、裁判官に対し、再犯の可能性も低いという印象をあたえることができるからです。
そこで、勤務先の方の中でも、上司の方は情状証人として最適と考えられます。
上司の方に情状証人になってもらうときは、何を聞くか(尋問の中身)が大切です。
尋問の中身としては、被告人との関係(上司の方の役職等)、被告人の仕事ぶり(表彰等あればその実績)、人柄、部下の信望等を具体的に話してもらうと良いでしょう。
表彰実績などがあれば、その資料(表彰状など)を証拠として提出するなど検討しても良いでしょう。
証人として法廷に立つことを断られた場合
上司の方の中には、情状証人として証言したい気持ちはあるが、法廷には立てないという方もいます。
このような場合は、刑事弁護士が上申書を裁判所に提出するという方法があります。
上申書の内容としては、前記の被告人の仕事ぶり(表彰等あればその実績)、人柄、部下の信望等の他、出廷できない理由を具体的記載します。
刑事弁護に注力する弁護士にご依頼をいただければ、弁護士が上司の方や同僚の方と面談し、上記事項について、専門的な観点から詳細かつ的確なヒアリングを行い、ポイントを押さえた上申書を作成します。
その後、記載内容に誤りがないとご確認をいただいた上で、上司及び同僚の方から署名・押印を頂き、捜査機関に提出するのです。
日頃の勤務態度や、今後の監督に関する上司や同僚からの証言は、被告人の量刑に関する判断を行う上で、極めて重要な意味を持ちます。
上司や同僚からの手厚い監督を受け、真面目に職務に取り組むことができそうだという印象を裁判官に与えることで、実刑判決ではなく執行猶予付判決を勝ち取る可能性を高めることができるのです。
このような上申書は、出廷できない上司の方の他、同僚社員からも提出してもらうこともあります。
裁判の時間は限られているため、何人も情状証人を呼ぶことはできません。
そのため、代表の方にのみ証言してもらい、他の方からは上申書を提出することがあります。
当事務所には、刑事事件を専門とするチームがあります。
まずは当事務所の弁護士までお気軽にご相談ください。
執行猶予をつける方法について詳しくはこちらをご覧ください。