満員電車で、手が女性の太ももに当たりました。痴漢になりますか?
満員電車で、手が女性の太ももに当たってしまいました。
これは痴漢になりますか?
痴漢の罪が成立するのは、故意がある場合に限定されます
福岡県迷惑防止条例は、痴漢の罪として、「何人も、公共の場所又は公共の乗物において、正当な理由がないのに、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で次に掲げる行為をしてはならない。一 他人の身体に直接触れ、又は衣服の上から触れること。」と規定しています。
一見、女性の太ももに手を当てる行為は全て痴漢の罪に当たってしまうようにも読めますが、痴漢の罪が成立するのは、故意がある場合に限定されます。
故意とは、罪を犯す意思があることをいいます。痴漢の例でいえば、「他人の身体に直接触れよう」、「衣服の上から触れよう」という意思に基づいて、女性の太ももを触った場合に、故意が認められ、痴漢の罪が成立するのです。
また、痴漢の罪が成立するためには、他人の身体に触れるという「行為」が必要になります。本件の場合は、そもそも当たっただけであり、何らの行為も行っていないという観点からも、痴漢の罪が成立していないことの主張が可能です。
痴漢といわれた場合は、どうすればいい?
では、満員電車で、手が女性の太ももに当たってしまい、女性から痴漢といわれてしまった場合、どのように行動すればいいのでしょうか。
意図せず手が太ももに当たってしまい、女性から痴漢といわれた場合、痴漢の罪は成立しませんから、堂々と行動しましょう。
決して熱くなってはいけません。女性に強く反論したくなるかもしれませんが、堪えましょう。その女性からしてみると、意図的に触られたのか、やむなく当たってしまったのかの判別は困難ですし、なにより、駅構内で口論になると、その場で駅職員に拘束され、その日職場等に行けなくなってしまう危険や逮捕されてしまう危険が高まります。
大事なのは、その場を穏便に済ませることです。
また、決して走って逃げてしまってはいけません。
やましい気持ちがあるから逃げたのではないかと、後から不利に扱われてしまうかもしれませんし、係員などに取り押さえられ、現行犯逮捕されてしまう可能性が高くなってしまいます。
あなたに痴漢されたと勘違いしてしまった女性に対し、決して意図的に触ったわけではない旨伝えるとともに、ただ手が当たったことについては認めたうえで、場合によっては謝罪し、名刺を渡す、もしくは電話番号を交換するなどして、合意の上でその場を離れましょう。
そして早急に弁護士に相談し、弁護士同伴の上で、意図的な痴漢行為をしていないことを女性(場合によっては警察)に、丁寧に説明しましょう。
当事務所は、刑事事件に注力する弁護士が所属し、逮捕前の段階からの弁護活動にも力を入れています。逮捕前の段階で、あなたと十分に情報共有し、証拠を収集することによって、逮捕・起訴される危険性を大きく下げることができます。報告書を女性や警察に示すことで、疑いが晴れることもあるでしょう。
痴漢を疑われてしまい、今後の流れに不安を覚えている方、夫や子どもが痴漢で逮捕されてしまいお困りの方は、お気軽に当事務所にお越しください。
痴漢事件の弁護活動について、詳しくはこちらをご覧ください。