強姦(不同意性交)で不起訴を獲得するには?事例で解説

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

性犯罪で示談を成立させるにはどうすればいいですか?

示談したら起訴されませんか?

合意があったのに被害者から強姦と訴えられている場合の対応は?

当事務所の刑事弁護チームには、このようなご相談が多く寄せられています。

強姦(不同意性交罪)の示談について、実際の解決事例をもとに解説しますので参考にされてください。

なお、強姦罪は、刑法改正により、現在名称が不同意性交罪に変更されています。

以下では「不同意性交罪」と表記します。

罪名 不同意性交罪
解決までの期間 10日
弁護活動の結果 不起訴

Eさん(20代)

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。
なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

スポーツトレーナーとして活躍していたEさん

Eさんは、スポーツトレーナーとして活躍していましたが、女性選手に恋心を抱き、食事に誘った帰り道に、車内で性行為に及びました。

Eさんは同意があると思っていたとのことですが、翌日に女性が警察に相談したことから、警察に事件が発覚し、逮捕されるに至りました。

 

 

弁護士の交渉により示談が成立

弁護人となり、すぐに接見に行きました。

Eさんは、性交渉を持ったこと、恋心を抱いていたことを認めていましたが、無理やり襲ったのではないとして、不同意性交の事実については争う姿勢を見せていました。

しかしながら、スポーツトレーナーとして活躍中のEさんですから、起訴されてニュースになるようなことは何としてでも避ける必要がありましたし、Eさんには大切な妻子がいましたから、早期に釈放されることに大きな価値がありました。

そこでEさんと話し合った結果、不同意性交は否認するが、女性に不快な思いをさせた事実は間違いないため、示談交渉を進めることにしました。

被害女性は深く傷つき、示談交渉は難航しました。

しかしながら、被害女性の心情に最大限配慮し、Eさんが深く反省していること及び謝罪の気持ちを強く持っていること、同意があると思っていたことを丁寧に説明しつづけ、10日ほどかけて、示談を成立させました。

最終的には、被害女性自身が、Eさんには故意がなかったかもしれないと考えるに至ったこともあり、不同意性交ではないことを前提とした内容の示談となり、示談金を低額に抑えることに成功しました。示談書とともに、被害届取下げ書及び告訴取消書も作成し、即日で警察に提出しました。

Eさんは翌朝に釈放され、家族の下に戻ることができました。

 

 

今回のポイント

弁護士による迅速かつ適切な弁護活動がなければ、起訴されることは間違いなかったといえるでしょう。

現に、Eさんは警察や検察からの取調べで、自白を迫られ続けていました。

また、私たち弁護人は、逮捕直後から、警察に対して、被害女性のためにも事件をメディアに公表しないことを強く求め続け、Eさんの事件は何ら公になることなく解決を迎えることができました。

私選で弁護人を選任することによって、身体拘束を短期化すること及び前科を付けないこと、スポーツトレーナーとしての信用を維持することに成功したケースであるといえます。

 

 

不同意性交の示談の方法

不同意性交のような性犯罪の事案において、不起訴を獲得するためには示談が最も重要です。

示談をして被害届を取り下げてもらえば、検察官もことさら起訴する必要がなくなり、不起訴となる可能性が高まるからです。

ここでは不同意性交の示談の方法について、解説いたします。

 

①被害者の連絡先を知るには?

示談交渉を開始するには、被害者に接触しなければなりません。

被害者に接触するには、まず、その被害者の情報(名前と携帯番号等)が必要となります。

この情報については、弁護士から担当の検察官に照会することで、開示してくれると可能性が高いです。

被害者は、加害者本人に対しては恐怖心や悪感情を持っているため連絡先を開示しないことがほとんどですが、弁護士であれば安心してくれるからです。

 

②適切な賠償額を算出する

示談では、一定額の示談金を被害者に支払います。

その前提として、適切な賠償金を知っておく必要があります。

適切な賠償金の額については、刑事事件に精通した弁護士であれば判断できるでしょう。

 

③示談を成立させる

性犯罪の示談を成立させるために大切なことは、被害者感情をよく理解して、誠心誠意対応するということです。

被害者の立場に立ち、被害者の将来のために示談することの重要性を説得的に伝える必要があります。

そのため、刑事事件の示談交渉に熟達した弁護士に任せることが重要となります。

 

④示談書を交わす

示談が成立したら、それを書面にすることをお勧めいたします。

書面には、示談の内容だけでなく、被害届の取り下げや、宥恕(加害者に対して寛大な処分を求める旨の意思)の文言を記載すると良いでしょう。

当事務所では示談書のサンプルをホームページ上から無料で閲覧・ダウンロード可能としています。

あわせて読みたい
示談書のサンプル

 

 

まとめ

以上、不同意性交の示談のポイントについて、実際の解決事例をもとに解説しましたがいかがだったでしょうか。

不同意性交のような被害者がいる性犯罪の事案では、迅速な示談交渉の開始と成立が重要となります。

示談交渉は、被害者の連絡先の調査、適切な示談交渉、示談書の締結が重要ですが、これらを容疑者の方ご自身が行うのは難しいでしょう。

したがって、示談交渉については、刑事事件の経験が豊富な弁護士に相談されることをお勧めします。

 

 


15分無料電話相談(性犯罪限定)
なぜ弁護士選びが重要なのか

強姦についてよくある相談Q&A