不同意わいせつ罪(強制わいせつ)で逮捕される?事例で解説

不同意わいせつ罪は、犯罪の中でも比較的重大な事案であり、重い刑罰が定められています

※強制わいせつ罪は法改正により、不同意わいせつ罪へと名称が変わりました。

したがって、もし、不同意わいせつ罪を犯してしまった場合、逮捕される可能性が高いと言えます。

ただ不同意わいせつ罪に該当するかどうかを見極めるためには専門知識が必要であり、素人の方がご自身で判断するのは容易ではありません。

そこで、ここでは、実際の相談事例(メール相談)とその回答をご紹介いたします。

不同意わいせつ罪の可能性がある方は参考になさってください。

酒を飲み挿入をしようと試みて、勘違いで後日強姦扱い。強姦になる?

質問

彼女と別れたその夜に、彼女と入浴を共にしてお酒を飲みながらベッドに横になり手淫したあと挿入をしようと試みたが、挿入されたと勘違いをされました。

後日強姦扱いをされたが、これは強姦に入るのでしょうか?

またお酒は判断を鈍らせる程度には飲んではいません。

 

弁護士の回答

刑事事件に注力する弁護士が回答いたします。

不同意性交等罪(旧強姦罪)とは、「同意しない意思を形成、表明又は全うすることが困難な状態」等によって、性交等をした場合に成立します(刑法177条)。

仮に挿入を実際にしていないとしても、そのような状態で、挿入をしようと試みていた場合には、不同意性交罪の未遂罪が成立します(刑法180条、同法177条)。

ご質問内容に記載されている行為態様が抽象的であり、本件で不同意性交罪に必要な要件があったかは判別できませんので、ご質問の件が不同意性交罪に当たるか否かの確定的な判断は下せません。

相手方が被害届を提出する等して、警察に被害申告をした場合、捜査機関は相手方の主張に基づいて事実認定を行い、逮捕に至るという可能性もあります。

相手方と合意の上での行為であった、若しくは合意の上での行為であったと考えたことがやむを得なかったという主張が考えられるところですが、その主張についても、具体的な当時の事情を聞かなければ見通しは立てられません。

ご不安なようであれば、直接弁護士にご相談されてはいかがでしょうか。

不同意わいせつ事件に関する当事務所の弁護方針はこちらをご覧ください。

 

 

ナンパした女性とカラオケ店でわいせつな行為。逮捕される?

質問

7月中旬の深夜4時頃、私が飲み会を終え駅に歩いている途中で一人の女性(30代)をナンパし、カラオケに行くことになりました。

二人でカラオケに入室し、お酒をお互い一杯づつ頼み、歌も数曲歌いました。

お互い酔っぱらっている状況で、私から冗談で自慰行為を見てほしいと女性に依頼しました。

女性から「いいよ。」との返事を受け、私は女性の横でズボンを降ろし、陰部を露出しました。

女性は全く嫌がる様子なく、見ておりましたので私は陰部を触って欲しいと女性に依頼したところ、女性も陰部に手を伸ばし、触る行為、上下に手を動かす行為をおこないました。

その後、調子にのった私は上着のシャツをはだけ、上半身を舐めて欲しい要望を伝え、それにも女性に応えて頂き、その行為をおこなってもらいました。

射精はしておりません。

行為の途中、私は酔いと眠気で一瞬、寝てしまったのだと思います。

ふいに目を覚ますと行為は中断されており、横に女性は座ったままでした。

私は急に恥ずかしさを覚え、ズボンとシャツをもとに戻して、女性にトイレに行ってくると伝え、部屋を出ました。

用を済ませすぐに部屋に戻ると既に女性は退店している状況だった為、私は会計を済ませ、一人で退店しました。

以上の内容です。

決して暴行や脅迫などはしておらず、お互い酔った勢いでおこなってしまったわいせつ行為だと思っておりますが、女性がもし被害届を出したらと思うと大変心配になっております。

既に二ヶ月が経過しますが、突然逮捕といったことはありますでしょうか?

お互い連絡先も交換しておらず、何も動くことが出来ない状況です。

何卒宜しくお願い申し上げます。

 

弁護士の回答

刑事事件に注力する弁護士が回答いたします。

不同意わいせつ罪は、「同意しない意思を形成、表明又は全うすることが困難な状態」等によって、わいせつな行為を行なった場合に成立しますので、ご質問内容がそのまま事実なのであれば、上記の状態にない以上、不同意わいせつ罪が成立する可能性は低いと考えます。

不同意わいせつについて、詳しくはこちらをご覧ください。

ただし、仮に女性が虚偽の被害届を出したような場合、捜査機関は当初被害者(とされる人)の言い分しか聴く機会がありませんので、その被害届に基づいて捜査を開始することは考えられます。

そのような場合には、カラオケ店や付近の防犯カメラを精査してあなたを特定する作業が必要になりますので、数ヶ月経過した後に警察がやってくる可能性もゼロではありません

もっとも、カラオケ店の防犯カメラに2人の様子が写っているのであれば、その時の様子から同意があったと理解してもらえるのではないかと思われますし、そもそも虚偽の被害届を提出することは虚偽告訴等の罪(刑法172条)に当たる行為ですので、相手の女性もそのようなことは行わないでしょう。

なお、カラオケ店の構造にもよりますが、多くの場合ドアのガラス部分から中を見ることが可能となっていると思われます。

そのような場合、不特定または多数の人が認識しうるような状態で自慰行為等を行なったとして、公然わいせつ罪(刑法174条)に該当する可能性があります

「認識しうる」状態であれば足りますので、実際にドアの外から誰かが自慰行為を目撃する必要はありません。

法定刑は、6月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料とされており、立派な犯罪となりますので、今後はそのような行為は控えるようにしてください。

 

 

プールの共用ロッカーで13歳未満の子の着替えをのぞいたら不同意わいせつになる?

質問

レジャープールの共用ロッカーで13歳未満の子の着替えをのぞいたら不同意わいせつになるのでしょうか?

 

弁護士の回答

刑事事件に注力する弁護士が回答いたします。

不同意わいせつ罪は、「わいせつな行為」をした場合に成立します(刑法176条)。

わいせつな行為とは、「徒に制欲を興奮または刺激せしめ、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為」と定義されています。

例えば、無理やりキスをしたり、陰部や胸に触れたりといった行為が該当することになります。

これに対して、着替えを覗くという行為は、対象者に対して直接手を触れるわけではなく、不同意わいせつ罪で処罰対象とされている「わいせつな行為」を行なったとは判断されません

そのため、ご質問の件は、不同意わいせつ罪には当たらないということになります。

不同意わいせつについて、詳しくはこちらをご覧ください。

しかし、全く覗きが問題にならないかというとそうではありません。

まず、軽犯罪法1条23号が「正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣所、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所を密かに覗き見ること」を禁止しています。

そのため、軽犯罪法違反の罪は成立することになり、拘留(1日以上30日未満)や科料(1000円以上1万円未満)を受ける可能性があります

また、各都道府県の迷惑行為防止条例においても、覗きが処罰対象とされている場合がほとんどです。

その場合、迷惑行為防止条例違反の罪が成立することも考えられます。

以上の通り、不同意わいせつ罪ではないにせよ、覗きは犯罪行為に変わりありませんので、事件が発覚すれば警察による捜査を受けることになります。

軽犯罪法違反であっても、迷惑行為防止条例違反であっても、処罰されることになれば前科がついてしまいます。

軽率な行為はくれぐれも慎むようにしてください。

 

 

初めて会った女性と性行為。避妊をしなかったため被害者届を出すと言われた。どうすればいい?

質問

友達のバーに初めて来た女性と一緒にいた友達と話が盛り上がり、自分に少し好意を感じました。

LINEを交換する際、不器用な聞き方だねと言われましたが交換しました。

オーナーの友達を含め、もう1人友人と4人でもう一軒、友人のバーに行きました。

カウンターに座り、その女性は私の横にまた座りました。

そこでも少し飲んで、女性がもう一軒行きたいと言うので、最初のお店のオーナーとは別れ、もう1人の私の友人の女性とその女性と3人でもう一軒、友人のバーに行きました。

移動する際、外に出てお尻をこちらに故意にぶつけてくる様な事がありました。わざとな様な感じでした。

次のお店ではカラオケに行きたくなり、勢いでそこに居た友人のオーナーを含めてカラオケに行きました。

そこでもその女性とはお互い良い雰囲気でした。

ひとしきり歌い、後半はウーロン茶を何杯か飲み、お会計を済ませて、自転車で来ていたオーナーの友人いがいの女性3人とタクシーにのりました。

友人の女性2人は家が近く、2人を同じ場所で下ろし、その女性と2人になり、私の家に来ないか誘いました。

同意を得て、軽くキスをし、家の近くのコンビニで水と歯ブラシを買ってと言われて購入し、家に2人で帰りました。

初めて会った流れとしては出来過ぎているとは思いましたが、長時間、楽しく過ごしていた事で、親近感も湧いていました。

家に入ると早々にシャワーを浴びたいと言われ、着替えのTシャツとショーツを貸してと言われ用意しました。

女性は風呂場でいきなり裸になり、少しいちゃいちゃしました。

上がって来てベッドに寝転んで幾らかいちゃつき行為に及びました。

もちろん外に射精しましたが、避妊をしていなかったことを理由に別人のように怒りはじめました。

抵抗されることもなかったので、驚き、動揺しました。

抵抗があったり、言葉があれば行為には及びませんでした。

しかし、同意の上での行為ではないと言われ、話をちゃんとしようとなだめましたが、全く聞き入れられず、帰ると言い、入り口でも話しになりませんでした。

まず、アフターピル代を請求されました。

その後、子供が出来ていたら下ろすお金を払ってというLINEがきました。

そして、被害届を出すと連絡がありました。

話の流れが急すぎてどうすればいいかわかりません。

 

弁護士の回答

刑事事件に注力する弁護士が回答いたします。

検討を要する犯罪は、不同意性交罪(刑法177条)と思われます。

まず、不同意性交等が成立するためには、「同意しない意思を形成、表明又は全うすることが困難な状態」又は「わいせつな行為ではないと誤信をさせたり、人違いをさせること」によって、性交等をしたことが必要です(刑法177条)。

不同意性交罪の構成要件に避妊をするか否かの同意は含まれていませんので、避妊具をつけたかどうかという点は不同意性交罪の成否には関係ありません

ご質問内容の記載通りの事実であれば、不同意性交罪が成立することはありません

もっとも、捜査機関は被害者の申告を信じて捜査を開始する可能性が否定できないため、仮に被害者が同意無しで性行為をされたと主張した場合、厳しい捜査を受ける可能性はゼロではありません

ご質問内容に記載されている事実を根気強く話していく必要があるでしょう。

民事上も、性行為について同意している以上は、性行為を行ったこと自体に対して損害賠償請求を行うことは難しいというのが原則です。

しかしながら、仮に相手方が妊娠してしまった場合、その後の対応次第では慰謝料を支払う義務が生じるとした裁判例もありますので(東京高等裁判所平成21年10月15日判決)、慎重に対応すべきです。

 

 

知らない人から局部の写真がDMで大量に送られてきた。犯罪になる?

質問

彼女がインフルエンサーなのですが、DMにて知らない男性から「オフパコしない?()もうビンビン」といって()部分に局部の写真を大量に送ってきたそうです。

これは犯罪ではないのでしょうか?どういった行動が取れますか?

 

弁護士の回答

お付き合いされている方に対し、そのような写真を大量に送り付けられたとのこと、心中お察しいたします。

お二人とも極めて不快な思いをされたと推察いたします。

相手方の男性の行為につき、刑法上の罪が成立する可能性が高いと直ちには言えませんが、各都道府県が定める迷惑行為防止条例に違反する可能性は十分にあると考えられます

一般に、局部の画像等、性的な画像を送るといった行為は、不同意わいせつ罪ではなく、わいせつ物頒布罪の成否が問題となります。

わいせつ物頒布罪が成立するには、「頒布」すなわち、わいせつな画像等を不特定又は多数の人間に交付することが必要になります。

今回のケースですと、相談者様の交際相手に個人的にわいせつな画像を送りつけている形であり、不特定又は多数に交付したとはいえない可能性があります。

そうであれば、同様のメールを一斉送信で多数人に送り付けているなどの事情がない限り、わいせつ物頒布罪が成立する可能性は高くはないと言えるでしょう。

もっとも、相手方の行為は、東京都迷惑行為防止条例第5条の2第1項第7号所定の行為に該当する可能性が高いため、こちらでの罰則が科される可能性はあります。

SNSでのDM上のやり取りということで、刑罰を受けさせるため相手方を特定しようとされる場合は、SNSの運営元に通報する形で照会をかけたり、発信者情報開示請求などを行ったりするといった方法があります

一度、お近くの弁護士に相談されたうえ、今後の対応等を検討されることをお勧めいたします。

 

 

性交渉していなくても訴えられたら、不同意わいせつ?

質問

先日一人で旅行をしていた女性と仲良くなり二件ほど居酒屋を回ってその日のうちに女性が宿泊していたビジネスホテルに入ることになりました。

ホテルまでは2人で20分ほど歩いて行き、どちらも酔ってはいましたが意識ははっきりとありました。

女性には交際相手がいると聞きましたが、キスをしたり女性の陰部をさわりました。

特に抵抗されることもなかったのでここまでは合意の上だったと認識してます。

もちろん暴行や脅迫などはしておりません。

ですが、いざ性交渉をしようとした時女性が嫌がったため性交渉はしませんでした。

女性側の交際相手への罪悪感から拒まれたと思ったので、申し訳ないことをしたと思い、謝ってからその後はすぐに帰りました。

この場合訴えられた場合は不同意わいせつ罪に該当するのでしょうか。

また訴えられた場合の対応や示談などについて教えて頂けますでしょうか。

まだ何も訴えられてはないと思いますが不安になりご相談しました。

 

弁護士の回答

不同意わいせつ罪が成立するには、性的行為の前段階で、「同意しない意思を形成、表明又は全うすることが困難な状態」という事実が存在する必要があります。

相談者様のお話を前提としますと、どちらも酔ってはいたものの意識ははっきりとあったとのことですので、上記の状態にあったとは考えにくいと言え、不同意わいせつ罪は成立しないと考えられます。

また、意識もはっきりとあった状態で、二人で20分ほど歩いてホテルまで向かっているとのこと、しかもそのホテルは相手方の女性が宿泊しているホテルであったこと、キスをしたり陰部を触ったりといった行為に及んだ際も、相談者様は暴行や脅迫等も行っておらず、相手方からも特に抵抗されなかったとのことですので、女性としては、意識がはっきりとした状態で自らの部屋に招き入れ、その上で上記のような行為を抵抗もせず受け入れたと考えられますので、ここまでの段階では合意があったと評価される可能性は高いと思われます。

その後、性交渉をしようという段階で拒否され、相談者様は無理強いすることなくすぐに帰ったとのことですので、相談者様のお話を前提とする限り、不同意わいせつ罪は成立しないと思料されます。

仮に相手の女性が何らかの訴えを起こそうとしたとしても、行為に及んだ場所が、女性の宿泊するホテルの部屋の中であることも踏まえますと、相談者様が無理に女性の部屋までついていったような映像が防犯カメラ等に映っている等の事情がない限り、相談者様がわいせつ行為を行ったことの証拠が乏しいと言えます。

そのため、警察に相談されたとして、実際に起訴まで発展する可能性は低いと考えられるでしょう。

 

 

仕事の取引先と会食後、胸や陰部を触られ、2回目に会った際犯されました。何かバツを与えられる?

質問

先日、仕事の取引先の方々と会食がありました。

女性は自分一人で同僚や先輩はおらず、男性5人でした。わたしはお酒が弱いので途中で寝てしまいました。

起きたら男性1人が家の方面が一緒だからとタクシーで送ってくれました。

しかし、タクシーの中で、胸や陰部などを触られました。辞めてくださいと言っても辞めてくれませんでした。

自宅から少し離れたところで降りて逃げるように帰ろうとしたらついてきて、家の中まで来ようとされ全力で拒否しました。そうしたら帰ってくれました。

独身で家が近いと聞いていたのですが、翌日同じ会食にいた別の方に聞いたら、全く別方面で既婚者でした。

それから相手から連絡がきて、取引に有利な情報がメールできました。

それから、二人で会おうと言われ、電話で続きはその時話そうとのことでした。

前回ほどは飲まなかったのですが、すすめられたお酒を断れず飲んでしまいました。

それからもう1件行こうと手をひかれ、むかった先はラブホテルでした。

拒否をしたのですが、引っ張られ、身体に力が入らずつい入ってしまいました。

中で眠いので寝かせてください、やめてくださいと拒否をしましたが、力が入らず強引に犯されました。

取引先の人は会社にとって重要な人物で、上司などに相談できていません。

精神的に辛くて、会社を辞めてもいいかもと思っています。

相手を許せないのですが、何かバツを与えることはできますか?

手口から、自分と同じような立場の女性に対して同じようなことをしていると思います。

会食にいたメンバーも別方面だとわかりながら、その人にわたしを送らせたので、おそらく、わたしが何をされるかわかっていたと思います。

 

弁護士の回答

まずは、ご不快な思いをされたとのこと、心中お察し致します。会社との関係もあり、なかなか身の回りの方に相談しづらい状況で、大変辛い日々をお過ごしのことと推察致します。

まず、タクシー内で身体を触られたという点につきましては、不同意わいせつ罪(刑法176条)が成立する可能性があります

また、ラブホテルに連れて行かれて性行為をされたという点につきましては、仮に相談者様が「同意しない意思を形成、表明又は全うすることが困難な状態」であった場合、不同意性交罪(刑法177条)が成立する可能性があります

今回、相談者様のお話ですと、暴行や脅迫などの行為があったかどうか明らかではありませんが、少なくとも「取引先の大事なお客様である以上、抵抗できない」という相談者様の心理状態に乗じての行為であると思われます。

また、相談者様は「眠いので寝かせてください」「やめてください」などと発言されていたとのことですので、状況しだいでは、「同意しない意思を全うすることが困難な状態」であったと認定される可能性があります。

他方で、仮に性行為の後に朝まで同じ部屋で過ごしていたり、ホテルから一緒に帰ったりしたなどの事情があった場合は、上記の状態はなかったという判断がされる可能性もあります。

ただ、相手方に何らかの罰を受けさせたいというお気持ちについては理解できますので、まずは今回の経緯について警察に報告し、被害届を提出することが第一歩になろうかと思います。

相手方が取引先の人間であるということですので、会社との関係で被害届を出すことを躊躇されるかもしれません。

ですが、会社を辞めることになっても良いとのことですので、一度勇気を出して、警察に行かれてみてはいかがでしょうか。

その際に、事前に弁護士と打ち合わせを行い、あらかじめ事案のポイントなどを的確に整理しておいた上で、警察署に弁護士を同行させ、事実の経緯等を弁護士から説明することで、警察も捜査に着手しやすくなる可能性はあります。

また、弁護士をつけるほどに苦しんでおり、一刻も早い解決が必要な事案であるということもアピールできますし、弁護士からも直ちに捜査を開始するよう捜査機関に打診することができますので、警察に相談に行かれる前に一度弁護士事務所に相談されることには大きなメリットがあると考えます。

 

 

マッチングアプリ (出会い系サイト)を利用し女性と性行為を行なった。犯罪になる?

質問

マッチングアプリ (出会い系サイト)を利用し女性に会いました。その際、マッチングアプリに別の男性の写真を貼っておりました。

女性に会う前にLINEに、「会って自宅でエッチします、ムリなら会った時その場で言ってください」と伝え「わかりました」と了承するLINEを確認した上で、実際会ってエッチしました。

写真のことは特に女性から何も聞かれることはなく自宅でエッチすることができました。

これは犯罪にあたるのでしょうか。性行為後に女性から連絡がないので不安に思ってます。

 

弁護士の回答

ご相談の内容を前提にする限り、相談者様に何らかの犯罪が成立する可能性は極めて低いといえるでしょう。

相手の同意なく、自宅に連れ込み、性行為に及んだとすれば、不同意性交罪(刑法177条)等の成立が、相手方が未成年であれば青少年健全育成条例違反等の罪が、それぞれ問題となり得ます。

しかし、相談者様は写真を偽って登録されていたとはいえ、実際に相手の方が会って拒否をしなかった以上、同意のもと性行為を行ったということになりますから、相手の方が未成年でない限り、特に犯罪が成立することはないと考えられます。

とはいえ、マッチングアプリで写真を偽って登録し利用する行為は、写真の被写体となった人の肖像権を侵害したとして、民事上の損害賠償請求を受ける可能性があるなど、様々なトラブルにつながりかねませんので、十分に注意してください。

 

 

泥酔状態で記憶も曖昧なままホテルへ連れて行かれました。相手が許せません!

質問

泥酔状態で2回同じ男性にホテルに連れていかれました。

ホテルに入ったのも、性行為の最中も、ホテル内にいた時の記憶も途切れ途切れです。

家に帰った事も、その後にLINEした事なども覚えていません。

数日後、記憶が曖昧だったので相手にホテルに連れて行かれて性行為をしたことを確認しました。

3度目、食事に誘われましたが、また同じ事をされるのではと怖くて断り警察へ行く事を考えてるという話をしました。

すると相手は弁護士に相談した結果、処罰はされにくいだろうと言われたそうです。

その理由は①行為前にコンビニに行っている、②ホテルに入る前も歩いて入っているし、強制的に連れ込んでいない、
③行為後に携帯を触っていて、私の寝顔を撮ったり、楽しかった、ありがとう等のやり取りも普通に行っている等、です。

コンビニに行ってお酒を買った事は覚えています。その後、少し飲んで記憶が途切れ途切れです。

その前にはカラオケで3時間で8杯ほどチューハイを飲んでいたのでカラオケ店からコンビニまでの記憶も曖昧です……

自分で歩いてホテルに入った記憶もありません。

1度目の時は写真もとっていないし、帰ってからもLINEもしてません。

これでも被害届を出しても処罰されないのでしょうか?

ちなみに精神疾患があるため普段から薬も飲んでおり、普段から情緒不安定だったのは男性側も分かっていたはずなのに許せません。

 

弁護士の回答

相談者様と相手方との関係など、具体的な事情について不明な点がいくつかありますので、相手方が処罰される見込みにつき詳細な回答はできかねますが、相手方が処罰される可能性が全くないとまでは言い切れないと考えられます。

一般論として、相談者様が泥酔状態にあったことや、薬の服用等が原因で意識が朦朧としていたことなどに乗じて、性行為等を行ったのであれば、相手方については不同意性交罪が成立することになります。

相手方としては、合意の上での行為であったと主張してくることが考えられます。

その際、コンビニに行ったという事情は、コンビニでどのようなものを購入したかによって評価が分かれると思われますので、これだけでは何とも評価しにくいところです。

ですが、その後ホテルに入ったという事情等につきましては、相談者様が自らホテルに入店していく様子が防犯カメラに映っていたりすれば、合意があったと判断される可能性は否定しきれません

他方で、相手方が無理やり連れ込んでいないのではなかったとしても、相談者様が泥酔状態のために足元がふらついていたりする様子が、ホテルの防犯カメラ等に映っていれば、判断能力が著しく低下した状態にあったことが推認できるといえます。

カラオケ店で飲酒をされていたのであれば、レシートなどからカラオケ店での酒類の注文履歴を割り出すなどして、行為の直前までの飲酒量を明らかにすることも可能であると思われます。

そして、普段から精神疾患の薬を服用していたのであれば、そうした診断書及び処方箋などを、飲酒量を示す証拠と併せて捜査機関に提示し、服薬と飲酒とが相まって行為時に反抗できない状態に陥っていたこと、行為後のラインのやり取り等も正常な状態で行ったものではないということを示してみると良いかもしれません。

そうすることで、捜査機関に事件性を認識してもらい、犯罪として処罰してもらう方向に持っていくことも、可能性としては十分にあり得るといえます。

もちろん、行為自体は密室でのことであり、合意なく性行為がなされたことを示す証拠が十分にあるというわけではありませんので、楽観的な見通しをお伝えすることはできませんが、相談者様が少しでも納得のいく結末になることをお祈りしております。

強制わいせつについて、詳しくは下記をご覧ください。

 

 

未成年との示談交渉で、示談書に両親の署名がない場合は無効?

質問

現在、示談交渉を進めようとしている相手が未成年なのですが、示談書に両親の氏名の署名がない場合、有効なのでしょうか?

また、示談を進める上で、今後訴訟を提起しない等の文面が記載されていない場合は、追記を依頼しても良いのでしょうか?

 

弁護士の回答

示談交渉の相手方が未成年である場合、未成年は単独では示談交渉を行うことができません

未成年者は、自らが権利を取得し、又は義務を免除されるような行為であれば、単独で行うことができます(民法5条1項ただし書)。

しかし、示談においては、示談金の支払いを受ける点については、単に権利を取得するだけであるともいえますが、他方で被害届を提出しないなど、未成年者が義務を負う行為も含まれることが一般的には多いといえます。

そのため、未成年者は単独で示談を行うことはできません。

また、両親が婚姻関係にある間、親権は共同行使することが原則とされています。

そのため、両親が婚姻関係にある間は、被害者の両親に共同で示談書に署名してもらうことで、両親の同意があることを示してもらう必要があるといえます

法定代理人である両親の署名・押印がない限り、一方の親については同意があっても、他方の親が同意していないと主張されてしまうと、有効な示談ではなかったとして、後から示談書の効力を争われてしまう可能性があります。

そのため、両親から署名をもらっておく必要があるといえます。

また、今後の訴訟をしないなどといった、いわゆる清算条項については、これを盛り込んでおかない限り、示談を成立させて示談金を支払ったとしても、その後さらに民事訴訟において損害賠償請求をされてしまうリスクを残すことになります。

そのため、こうした点についても示談書に盛り込んでもらうよう、交渉しておく必要性は高いといえるでしょう。

示談書を作成する際は、法的に見て問題点がないかどうかを念入りにチェックしておく必要があります

もし、示談書の文言に問題があった場合、せっかく苦労して示談を成立させたとしても、後に何らかの争いが生じる可能性があります。

弁護士に示談交渉を依頼することで、法的な問題点が生じないよう配慮された、有効な示談書を作成することが可能になります。

また、示談交渉までは終わっているという段階でも、法的な問題点を排除する観点から、示談書のリーガルチェックを依頼することには大きなメリットがあるといえます。

示談書の記載内容についても再検討が必要であれば、一度弁護士に相談されることをお勧めいたします。

 

 


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強制わいせつについてよくある相談Q&A