盗撮(福岡県迷惑行為防止条例違反)で不起訴を獲得した事例
『盗撮で処罰されるかもしれない、どうすればいいですか?』
『前科がつくと会社をクビになるかもしれない・・・』
『被害届を取り下げてもらうにはどうすればいいですか?』
当事務所には、盗撮に関してこのようなご相談が多く寄せられています。
当事務所の解決事例をもとに、今後の対応について解説いたしますので、参考にされてください。
罪名 | 盗撮(福岡県迷惑行為防止条例違反) |
---|---|
解決までの期間 | 2週間 |
弁護活動の結果 | 不起訴 |
Tさん(20代)
酒に酔った勢いで女子大学生のスカート内を盗撮してしまったTさん
Tさんは、上場企業で働く会社員ですが、会社の飲み会の帰りに、酒に酔った勢いで前を歩いていた女子大学生のスカート内を盗撮してしまいました。
地下鉄駅構内の階段を上っている際の盗撮行為であり、被害者は当初盗撮されたことに気づきませんでしたが、Tさんの後ろを歩いていた男性が盗撮に気づき、Tさんと被害女性に声をかけました。
被害女性は、警察を呼ぶことを求め、その日の内に被害届が提出されました。
Tさんは事実を争わず、警察の取調べにも協力しました。その日は逮捕されず、釈放されることとなりました。
そして後日、Tさんは、仕事を失いたくない・逮捕勾留されたくないという気持ちで弁護士の元を訪れました。
数日後に刑事処分を下される予定が、短期の示談成功により不起訴処分獲得
私たちは、Tさんの話を聞き、Tさんが自らの行為を反省し、今回の事件限りで盗撮という犯罪行為からしっかりと足を洗おうという気持ちを持っていることを確認し、私選弁護人となりました。
まずは、検察庁に弁護人選任届を提出し、示談交渉の意向があることを説明し、被害者の連絡先の入手に努めました。
担当検察官は、数日後にでも刑事処分を下すつもりだったようですが、弁護人がついたということで、処分を先延ばししてくれることになりました。
2日後、被害者の連絡先の入手が完了し、私たちは即日で被害者に連絡をし、Tさんが反省していること・もし可能であれば示談という民事上の解決を図りたい意向を説明しました。
被害者は、私たちが示談と刑事事件の違いを丁寧に説明したこともあり、示談することによって被害者にもメリットがあることに理解を示してくれました。
交渉の結果、10日間という短期間で、示談を成立させることができました。
私たちは、検察官が処分を下す日が近かったこともあり、口頭合意ができた時点で検察官に再度連絡を取り、示談が正式に成立する見通しであることを伝えました。
そして正式に示談ができ被害届の取り下げに成功した結果、検察官は、不起訴処分という寛大な処分を下すにいたりました。
なお、示談が成立しなければ、罰金40万円程度を求める予定だったとのことです。
不起訴のために重要なこと
真摯に反省すること
犯してしまった罪を消すことはできません。
しかし、今度二度と盗撮をしないようにすることはできます。
そのために最も重要なことは、深く反省していただくことです。
盗撮によって、被害者がどのような被害を被ったのか、真剣に考えていただくことが重要です。
また、何が原因だったのかを分析します。
この事案では、飲酒がきっかけとなっています。
Tさんは犯行後、飲酒をしなくなりました。
また、更生に向けた自助グループへの参加を今も続けておられます。
検察官は、このようなTさんの姿勢を感じ取り、不起訴としてくれたのだと思われます。
そのためには、深く反省していることを弁護士が説得的にアピールしなければなりません。
示談交渉を成功させること
盗撮事案では、被害者との示談が成立すれば、不起訴の可能性が高まると考えられます。
被害者が被害届を取り下げてくれれば、検察官としてもことさら刑事裁判にする必要性が減少するからです。
したがって、示談を一刻も早く、開始することが重要です。
まとめ
以上、盗撮の不起訴のポイントについて解説しましたがいかがだったでしょうか。
盗撮の事案では、深い反省と示談の成功によって、不起訴にできる可能性があります。
容疑者が深く反省していることを説得的に主張したり、示談交渉を成功させるためには、刑事事件に精通した弁護士のサポートが必要と考えられます。
なぜ刑事事件では弁護士選びが重要なのか