盗撮の謝罪文|例文をもとに書き方を弁護士が解説【テンプレート付】

弁護士法人デイライト法律事務所 弁護士  保有資格 / 弁護士

なぜ盗撮で謝罪文を書くのか

盗撮は、刑法で犯罪として定められているわけではありませんが、各都道府県が定める迷惑行為防止条例によって禁止されている行為であり、罰則もあるれっきとした犯罪です。

盗撮には当然、被害者が存在します。

被害者がいる犯罪であれば、まずは事件について真摯に反省し、心からの謝罪を行うことが当たり前です

しかしながら、被害者が加害者と直接話をしてもよいと考えることはほとんどあり得ませんし、捜査機関も直接の連絡は取り次がないことが通常です。

そこで、被害者に謝罪を行う方法として、謝罪文を書き、被害者に読んでもらうという方法を取ることがあります。

ここまで説明したとおり、謝罪文を書く目的は、被害者に謝罪を行うという点にあります。

謝罪文を通じて反省や謝罪の意が伝わった結果、被害者が事件について許してくれて刑事処分が軽くなるということもあるかもしれませんが、あくまでもそれは副次的な効果です。

刑事処分を軽くしたいという気持ちだけで謝罪文を作成しても、被害者に謝罪の気持ちが伝わるわけがありませんし、かえって処罰感情を増すことになってしまう可能性もあります。

示談交渉の中で謝罪文を作成する機会があっても、この点には気をつけて取り掛かってください。

 

 

盗撮の謝罪文【 例文 】

以下では、盗撮の謝罪文の例文を紹介します。

この文章はあくまでも参考として考えてください。

後でこの例文をもとに謝罪文の構成について解説を行います。

盗撮の謝罪文の例文

 

 

盗撮の謝罪文テンプレート

当事務所では、盗撮の謝罪文について、テンプレートを用意しています。

以下にテンプレートのリンクがありますので、盗撮の謝罪文を作るときの参考にしてください。

なお、このテンプレートの利用は、容疑者の方及び弁護士の方が自社において使用する場合のみとさせて頂きます。

その他の場合は、非弁行為(弁護士法違反等)、法令に違反する可能性があるため使用は認めておりません。

また、テンプレートはあくまで参考程度にしてください。

個々のケースによってどのような内容を書くべきなのかは異なりますし、既に解説したとおり、例文をそのまま使っても意味はありませんので、ご注意ください

【盗撮の謝罪文】のひな形をダウンロード

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謝罪文に記載する内容のポイント

①宛名

謝罪文は被害者に向けて作成するものですから、最初に宛名を書きます。

被害者と元々の知り合いである場合は別ですが、警察の取り調べ等で被害者の名前を知ったというような場合は、名前は書かずに「被害者様」とだけする方がよいと思っています。

罪名にもよりますが、特に盗撮のような性犯罪では、加害者に身元を知られたということ自体、被害者が不快感を感じることがあります

そのため、必ずしも宛名に名前を書く必要はありません。

 

②謝罪・導入

謝罪文ですから、当然最初に書くべきことは、被害者への謝罪です。

どれだけ一生懸命に考えても謝罪の気持ちが伝わらないこともありえますから、表面的な謝罪の言葉だけでは伝わるわけがありません。

盗撮被害に遭ったことで、被害者がどのような気持ちになってしまったか、何か今後に影響が出ることはないか等、しっかりと考えて書くようにしてください。

また、例文には簡素な記載しかありませんが、謝罪文である以上、全体の分量としてはこの箇所の記載が一番多くなるべきだろうと思います。

長ければいいというものではありませんが、他の箇所と比較して謝罪が短すぎると言い訳がましく見えたり、被害者には関係のない事柄を長々と伝えられても困ると思われたりする可能性があります。

個々の事案に応じて、自分の言葉で謝罪の気持ちを記載してみてください。

 

③原因分析・動機

次に、なぜ盗撮をしてしまったのか、動機について原因分析を行った上で簡単に記載してください。

ただし、この箇所については本当に注意が必要です。

どのような動機であっても、被害者からすると身勝手と思われることも多いでしょうが、特に自分以外に原因があるような記載になりそうであれば、責任逃れをしているように捉えられるかもしれないからです。

客観的な目で見て言い訳がましいと感じるような内容になりそうであれば、記載しないという選択もありえます

 

④再犯防止策

分析した原因を踏まえ、その原因を改善するために何をするべきだと考えているかを記載してください。

盗撮のような性犯罪は再犯率が高い犯罪類型だといわれています

二度と盗撮をやらないという強い意志を持っていたとしても、それだけでは心もとないといわざるを得ません。

家族に協力してもらったり、専門的な治療機関に通ったりと外部の力を借りることを表明することになると思いますが、個々の事案に応じて自分の環境下で何が出来るのかをしっかりと考えてみてください

なお、治療機関に通うという記載をする場合は、その後の示談交渉中に、本当に通院をしているのかどうか被害者が気にする場合があります。

嘘をつくわけにはいきませんので、そのような記載をする場合には責任を持って必ず通院をするようにしてください。

 

⑤謝罪・締めくくり

最後にもう一度謝罪の言葉を記載します。

被害弁償について触れることは問題ありませんが、具体的な金額については書く必要はありません

適切な金額かどうかも分からずに書いてしまうと、後からトラブルの元になる可能性もあります。

具体的な被害弁償の金額は、弁護士がその後の示談交渉の中で話をしますから、弁護士にお任せ下さい。

 

⑥日付・署名

末尾には、謝罪文を作成した日付と署名、押印を忘れないようにしてください。

誰がいつ作った書類なのかということをはっきりとさせないと、弁護士が代筆したのではないかなどとあらぬ疑いを持たれてしまうかもしれませんし、手紙の体裁としてもこれらを記載するのが適切でしょう。

 

 

謝罪文を作成する上での注意点

例文をそのまま使わないこと

謝罪文を作成する機会はそう多くありませんから、謝罪文に何を書いたらいいか分からないという方もいらっしゃるでしょう。

当事務所にもテンプレートがありますし、インターネットで検索をすれば、謝罪文の例文はいくらでも出てくることと思います。

しかしながら、これらの例文をそのまま使うようなことは絶対にしてはいけません

自分で考えていない文章は、何かしら読み手に違和感を与えるものです。

例文は構成を参考にする程度とし、文章の内容は必ず自分で考えましょう

 

反省の伝わる文章にすること

文章のニュアンスの問題になりますが、反省がきちんと伝わる文章になるよう、気をつけなければなりません。

自分の刑罰を軽くすることしか考えていないと捉えられてしまうと、被害者の感情を逆撫でするだけになってしまいます

読み手の受け取り方は様々ですので、どれだけ気を付けていても反発されることもありますが、謝罪を行う立場としては、そのように捉えられないよう、細心の注意を払うべきです。

謝罪文が完成したら、一度は弁護士に確認してもらうことをお勧めします。

謝罪文として不適切な内容が含まれていないかを確認してもらい、修正してから被害者にお渡しすることで反省が伝わる文章となる可能性を上げることが出来るでしょう。

 

言い訳がましくならないこと

当事務所の謝罪文構成の中には、「原因分析・動機」の部分があります。

しかしながら、例文の解説でもお伝えしたとおり、この箇所は謝罪文のメインではありません。

長々と書きすぎると、弁解ばかりで言い訳がましいと捉えられてしまう可能性が高くなってしまいます

どのような原因・動機であっても盗撮は許される行為ではありませんから、全体の分量としては謝罪に重きを置くように気を付けてください。

また、記載自体は短くとも、原因を自分以外のところに求めているような記載は言い訳のように見えてしまいます

本当に自分自身に問題がないのか、よく考えてから書くようにしましょう。

 

手書きで作成すること

謝罪文をどのように作るかについては特に決まりはありませんので、パソコン等で作ることも可能です。

しかしながら、当事務所では、よほどの事情がない限り、謝罪文は手書きで書くことを推奨しています

印刷した文字ではそれこそ誰が考え、作ったものか全く分かりません。

交渉にあたっている弁護士が自分で作ったと勘ぐられ、謝罪の気持ちが伝わらない可能性も十分にあります。

綺麗に字を書く自信がないとしても、自分なりに最大限丁寧な字を書くことを心掛けて手書きの謝罪文を作ってください

 

 

まとめ

盗撮の謝罪文についての解説は以上となります。

盗撮事件は、被害者への謝罪やその後の再犯防止に向けた取り組み等、やるべきことはたくさんあります。

その中でも、謝罪文は被害者の方に謝罪の気持ちを伝えるための手段として有用です。

被害者の方に謝罪の気持ちが伝われば、示談が出来る可能性も高まり、結果として刑事処分が有利になることもあるでしょう。

しかしながら、形だけの謝罪文を作っても逆効果だということは決して忘れてはいけません。

それぞれの事案に応じて、自分の言葉で考えたものをベースにして、不適切な記載がないかを弁護士に確認してもらうべきでしょう。

盗撮をしてしまい、被害者に謝罪をしたいと考えている方は、盗撮事件の経験が豊富な弁護士が在籍している当事務所にご相談ください。

盗撮事件のご相談について、詳しくはこちらもご覧ください。

 

 


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