詐欺の示談と不起訴のポイントとは?【弁護士が事例で解説】
詐欺で実刑を避けるにはどうすればいいですか?
示談交渉のポイントを教えてください?
示談の成功と不起訴は関係がありますか?
当事務所の刑事事件部には、このようなご相談が多く寄せられています。
ここでは、当事務所の刑事弁護士が実際に解決した事例をもとに、詐欺罪の不起訴のポイントについて解説いたしますので、参考にされてください。
罪名 | 詐欺 |
---|---|
解決までの期間 | 2週間 |
弁護活動の結果 | 不起訴 示談に成功 |
Sさん(40代男性 / 福岡市)
※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。
なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。
パチンコ玉を違法に購入し、詐欺罪の被害届を提出されたSさん
知人からパチンコ玉を違法に(安価で)購入し、それを用いてパチンコ店で遊戯を行ったSさんは、パチンコ店従業員に不正持込み行為を発見され、警察に通報されました。
被害届が提出されたことから、警察は捜査に乗り出し、Sさんは、当日の行動のみならず、余罪(他の日の犯罪行為)についても厳しく追及を受け続けていました。
Sさんは半年程度、同種の詐欺行為を常習的に行っていたことから、実刑の可能性もある状況でした。
依頼後直ちに弁護士が接見へ。粘り強い示談交渉により無事に釈放。
弁護士は、私選の弁護人となってすぐに接見に行きました。
Sさんは、常習的に詐欺行為を行ってきたことを認めていました。そこで接見終了後そのままパチンコ店舗及び本社に出向き、示談交渉を開始しました。
示談交渉は基本的に受け付けないというスタンスの会社でしたが、粘り強く交渉を続けました。
その結果、一定の示談金を支払い、今後一切、被害会社が経営するパチンコ店に立ち寄らないという条件の下で、社長の同意を取り付け、示談を成立させました。
また、示談書とともに被害届取下げ書も作成し、即日、検察庁に提出しました。
検察官は、勾留当初から、「被害届が取り下げられない限り、起訴せざるを得ない」という方針を、被告人及び弁護人に示していましたが、勾留期間中に示談が成立した結果、Sさんは、不起訴処分となり、無事に釈放されました。
今回のポイント
Sさんの場合、弁護士による迅速かつ適切な弁護活動がなければ、身体拘束期間はより長期になっていましたし、不起訴処分を得ることは不可能だったでしょう。
また、起訴前に示談が成立したことも重要でした。
起訴された後の示談は、執行猶予の付与も含めて量刑に影響を与えるものの、前科がつくことを免れることができないからです。
さらにいうと、Sさんは犯行当時、執行猶予期間中でした。すなわち、仮に起訴されていれば、前刑の懲役期間と今回の懲役期間を併せて刑務所に入る必要があったのです。
起訴前に示談を成立させたことによる恩恵は、Sさんにとってかなり大きなものでした。
私選で弁護人を選任することによって、身体拘束を短期化すること及び前科を付けないことに成功したケースであるといえます。
詐欺行為等を行い、示談交渉を早急に進める必要がある方は、刑事事件に注力する弁護士が在籍している当事務所に、まずはお気軽にお越しください。
詐欺の弁護方針について詳しくはこちら「詐欺について」をご覧ください。
詐欺罪の不起訴のために重要なこと
上記の事例のように、不起訴を獲得するためには、示談を成功させ、被害届を取り下げてもらうことが重要です。
ここでは、不起訴を獲得するための重要なポイントについて解説します。
迅速に示談を開始すること
詐欺罪で逮捕されると、警察は通常48時間以内に送検するか、釈放するかを決定します。
そして、送検されると24時間以内に勾留請求され、それから最大20日以内に起訴(正式裁判)となる可能性があります。
刑事裁判は、99%以上が有罪となっています。
したがって、詐欺罪の刑事弁護は、起訴される前のわずかな期間(逮捕後最大23日)のうちに、示談を成功させなければなりません。
非常に時間がタイトなため、できるだけ早く、示談をスタートすることが望ましいといえます。
誠心誠意に対応すること
詐欺の被害者は、加害者のことを全く信用していません。
示談をしても、また同じ犯行を繰り返すのではないか、重い処罰を受けたほうが社会のために良いのではないか、という考えを持っている被害者が多いでしょう。
このような被害者との示談を成功させるためには、誠心誠意、対応することが重要です。
具体的には、まずは真摯に謝罪します。
この謝罪は、依頼している弁護士を通して、手紙などの形で伝えてもらうと良いでしょう。
次に、犯罪が起こった原因を自分なりに分析し、その原因を解消し、二度と繰り返さないようにします。
例えば、身内の方に監督者となってもらい、今後監督指導してもらうことを誓約してもらう、などが考えられます。
その上で、被害弁償を申し出て、示談を提示することとなります。
現実的な解決策を提示する
示談を成功させるためには、被害額をすべて弁償することが望ましいです。
しかし、詐欺の事案では、被害額が加害者の支払い能力を超える事案がほとんどです。
このような場合、支払い能力もないのに、全額の被害弁償を提示することはやめるべきです。
分割払いを含めて、現実的に支払いが可能な条件を提示しましょう。
全額弁償ができない場合、示談は決して簡単ではありません。
しかし、被害者に対しては、ご自身の資産(預貯金など)や収入(所得証明書など)を開示し、現実の支払い能力を理解していただことで、説得できる可能性があります。
示談書を締結する
示談の内容がまとまったら、これを合意する文書を作成し、締結すべきです。
示談書がないと、後から言った言わないのトラブルに発展する可能性があります。
また、示談書の中には、「被害届の取り下げ」や「刑事告訴をしない」などの文言を入れておくべきです。
これらの文言が記載された文書を検察官に証拠として提出することで、不起訴となる可能性が高まります。
当事務所では示談書のサンプルをホームページから無料で閲覧、ダウンロード可能としています。
まとめ
以上、詐欺罪の不起訴のポイントについて、実際の事例をもとに解説しましたが、いかがだったでしょうか。
詐欺罪の事案では、まずは迅速に示談交渉を開始することが重要です。
示談交渉においては、誠心誠意に対応し、かつ、現実的な支払い条件を提示し、最終的には示談書を締結されてください。
示談交渉に関しては、経験豊富な刑事事件専門の弁護士に、できるだけ早い段階で任せることがポイントとなります。
そのため、まずは刑事事件専門の弁護士に相談されることを強くお勧めいたします。
当事務所には、刑事事件に注力する弁護士が在籍しており、刑事弁護を強力にサポートしています。
お困りの方は、まずはお気軽に、当事務所までご連絡ください。
ご相談の流れはこちらをご覧ください。
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