窃盗したら自首をすべきか?【弁護士が解説】
自首をすることで減刑される可能性があるため弁護士にご相談の上、自首を検討されてください。
窃盗が発覚する理由とは
窃盗は、現行犯だけでなく、犯行後の捜査によって、犯人が特定されて逮捕に至るケースが多くあります。
具体的には、以下のような状況で窃盗が発覚します。
①目撃情報によって発覚
窃盗目的で建物に出入りする場合、それを目撃している人がいるケースは以外に多いと考えられます。
また、お店などで窃盗を行う場合(万引き)、他の客や店員等が犯行を目撃しているケースもあります。
これらの目撃情報によって、犯人が特定されて、逮捕等に至ると考えられます。
②防犯カメラによって発覚
防犯カメラが店舗に設置されているケースは非常に多いです。
店舗内に設置された防犯カメラには、万引の様子が明確に録画されている可能性もあります。
また、最近では、自宅にも防犯カメラを導入する方が増えています。
窃盗や住居侵入の様子が防犯カメラに録画されているので、窃盗を立証する有力な証拠となります。
また、路上に設置されている防犯カメラもあります。
路上の防犯カメラには、犯人の自動車のナンバープレートが録画されている可能性があります。
③遺留品等の物的証拠によって発覚
窃盗した本人が、犯行現場に本人を特定しうる物を残していた場合、後日逮捕に至ることがあります。
例えば、スマホ等のモバイル機器、メモ帳などがその典型です。
これらの遺留品が発見され場合、少なくとも住居侵入等は立証できる可能性が高いため、容疑を否認しても逮捕、起訴される可能性が高いと思われます。
発覚後の流れ
窃盗が発覚すると、警察の接触があります。
警察が突然自宅や職場に現れ、事情聴取をされると、窃盗犯の有力な容疑者として捉えられていることを意味します。
そうすると、逮捕は時間の問題と考えられます。また、逮捕されなくても、近々、取り調べ等が入る可能性が高いと思われます。
このような場合、大切なことは、すぐに刑事専門の弁護士に相談するということです。
そして、捜査機関は、窃盗で起訴することを想定し、刑事裁判で有罪を立証するための証拠を固めようとします。
また、窃盗は常習性があることが多い犯罪類型であるため、他に余罪があるという先入観をもって取り調べが行われる危険があります。
そのため、例えば、魔が差して行っただけなのに、「計画的だった」と自供させられたり、余罪などないのに、「他に同種の余罪がある」などと自供させられたりする危険があります。
このような違法・不当な捜査によって、事実が歪められて、不利にならないようにするために、早い段階で刑事専門の弁護士に相談し、捜査への対応について助言を得ておくべきです。
起訴を回避するために
窃盗の事案では、被害者との示談交渉が成功すれば不起訴を獲得できる可能性があります。
検察官は、起訴か不起訴かを判断する際、被害者の処罰感情を重視する傾向にあるからです。
また、弁護士が示談交渉に成功すると、被害届を取り下げてもらったり、嘆願書を書いてもらったりすることで、逮捕される確率も大幅に減少します。
そのために、早い段階で示談交渉を進めていくべきです。
窃盗で自首するメリットとは?
①逮捕を回避できる可能性がある
捜査機関の取り調べに対し、容疑を否認すると、実務上は逮捕や勾留がされやすくなります。
これは、否認することで、逃亡したり、証拠を隠滅したりする可能性があると判断されるからです。
逮捕逮捕や勾留は、自由を奪われ、留置場等の施設での生活を余儀なくされます。
正式に刑事裁判で有罪が確定していないのに、刑務所に入っているのと同じような感覚です。
仕事をされている方は、職を失ったり、家族に知られたりする可能性も高いと言えます。
自首をすると、逮捕や勾留を回避できる可能性が高くなると考えられます。
不起訴の可能性が上がる
自首は当該犯人が反省していることを示す事情になります。
そのため、被害の程度や犯行の悪質性にもよりますが、不起訴を獲得できる可能性もあります。
また、自首をすると、刑が減軽される可能性があります(刑法42条)。
まとめ
窃盗は、現行犯以外だけではなく、犯行後に逮捕される可能性があります。
犯行後に捜査機関から事情聴取がある場合、突然、自宅や職場に訪れることが想定されます。
自首をすると、逮捕を回避したり、不起訴を獲得できる可能性が高まるため、窃盗を犯した方はご検討ください。
適切な自首を行うためには、刑事専門の弁護士にご相談されることをお勧めいたします。