クレジットカードやローンの審査に落ちてしまったとき、自分はブラックリストに載ってしまっているのではないかと心配になる方もいらっしゃるでしょう。
ブラックリストに登録されているか知りたい場合は、各信用情報機関に信用情報の開示請求を行うことによって確認することができます。
比較的簡単な手続きですので、スマホを利用してご自身で確認することも可能です。
以下では、ブラックリストに登録されているかどうかを確認する方法について解説していきます。
また、ブラックリストを開示請求した後の確認の仕方などについても、併せて、解説していきます。
目次
ブラックリストとは
ブラックリストとは、信用情報機関に登録される事故情報のことをいいます。
ブラックリストに登録されてしまうことにより、一定期間は新たな借入れをしたり、ローンを組んだり、クレジットカードを作ったりすることが難しくなります。
これは、消費者金融やクレジットカード会社、銀行は、申込みを受けて審査を行う際に必ず信用情報機関の記録を参照することから、その際にブラックリストに登録されていると、支払能力に問題ありと判断され、審査に通らないためです。
ブラックリストに載る条件
ブラックリストには、以下のようなことが起こると載ってしまいます。
①長期の延滞
約束した期限に約束した金額を支払いできないと、延滞になります。
こうした延滞が続くと長期の延滞としてブラックリストに載ってしまいます。
約束通りに支払いができないということは支払い能力に問題があると考えられるためです。
具体的にどの程度の延滞が長期の延滞になるかというと「2か月から3か月以上」とされています。
ですので、数日支払いが遅れたといった程度であれば、その後に支払いを行えばブラックリストには載りませんので安心してください。
②債務整理(任意整理、個人再生、自己破産)
また、債務整理をする場合もブラックリストに載ってしまいます。
債務整理は借金の整理をすることですので、借金の整理をする必要があるということで支払い能力に問題が生じたということで記録がされます。
しかしながら、債務整理をする前に長期の延滞をしており、すでにブラックリストに載っているというケースも多いです。
ブラックリストの確認先は3社ある
ブラックリストは信用情報機関によって登録されています。
そのため、ブラックリストの確認先は信用情報機関ということになります。
信用情報機関とは、信用情報(支払能力に関する情報)の収集、提供を行っている機関をいい、日本では3社が存在しています。
下表はこの3社とこの信用情報機関に登録している金融機関をまとめたものです。
信用情報機関の名称 | 加盟している金融機関 |
---|---|
株式会社シー・アイ・シー(CIC) | クレジットカード会社・信販会社系 |
株式会社日本信用情報機構(JICC) | 消費者金融系 |
全国銀行個人信用情報センター(KSC) | 銀行・信金・農協系 |
どの信用情報機関に確認すればよい?
上表のように、各信用情報機関ごとに加盟店の傾向があります。
しかし、ご自身のブラックリスト登録の有無の照会先を正確に調べるためには、各信用情報機関の加盟店情報を調べる必要があります。
下表は、債務整理で債権者となることが多い金融機関と照会先の信用情報機関をまとめたものとなります。
自分がどの信用情報機関に登録されているのかわからない人は下表を参考にしてみてください。
債権者 | 照会先の信用情報機関 |
---|---|
アコム | CIC・JICC |
プロミス | CIC・JICC |
レイク | CIC・JICC |
アイフル | CIC・JICC |
SMBCモビット | CIC・JICC |
フクホー | JICC |
au(スマホ分割購入) | CIC |
docomo(スマホ分割購入) | CIC |
SoftBank(スマホ分割購入) | CIC・JICC |
日本学生支援機構(奨学金) | KSC |
上記の他の債権者については、下記の各信用情報機関のウェブサイトから確認することができます。
ブラックリストの確認方法とは?
ブラックリストに登録されているか知りたい場合は、各信用情報機関に信用情報の開示請求を行うことによって確認することができます。
以下、信用情報機関ごとに、開示請求の方法について解説します。
株式会社シー・アイ・シー(CIC)
確認方法は、インターネットと郵送の2つがあります。
なお、以前は、窓口での開示も受け付けていましたが、この方法は、2023年2月28日をもって終了となりました。
インターネット(パソコン、スマホ) | 郵送 | |
---|---|---|
手数料 | 500円 | 1500円 ※郵送オプション(速達、本人限定受取郵便等)利用の場合、手数料が別途必要。 |
手数料の支払方法 | クレジットカード又はキャリア決済 | コンビニエンスストアで購入する開示利用券(コンビニチケット)又は定額小為替証書 |
開示までの時間 | 即日 | 10日程度 |
株式会社日本信用情報機構(JICC)
確認方法は、スマホアプリと郵送の2つがあります。
なお、2023年5月現在、窓口での開示は、新型コロナウイルスによる影響で、当面の間休止されています。
スマホアプリ | 郵送 | |
---|---|---|
手数料 | 1000円 | 1000円 ※郵送オプション(速達、本人限定受取郵便等)利用の場合、手数料が別途必要。 |
手数料の支払方法 | クレジットカード、キャリア決済、コンビニエンスストア、ペイジー対応の金融機関のATM、オンラインバンキング | クレジットカード、定額小為替証書 |
開示までの時間 | クレジットカードと電話による認証の場合:数分~数時間 本人確認書類による認証の場合:3日~5日 |
1週間~10日 |
参考:本人による開示申し込み(スマホ申込)|株式会社日本信用情報機構
全国銀行個人信用情報センター(KSC)
確認方法は、インターネットと郵送の2つがあります。
以前は、確認方法は郵送のみでしたが、2022年5月18日からインターネットでも開示請求ができることになりました。
窓口での開示は、以前から受け付けていません。
インターネット(パソコン、スマホ) | 郵送 | |
---|---|---|
手数料 | 1000円 | 1124円~1200円(コンビニによって異なる) セブンイレブン:1124円 ローソン又はミニストップ:1200円 ファミリーマート:1200円 |
手数料の支払方法 | クレジットカード、キャリア決済、PayPay | コンビニエンスストアで購入する本人開示・申告手続利用券 |
開示までの時間 | 1週間~10日程度 | 1週間~10日程度 |
開示請求後の確認の仕方
各信用情報機関から信用情報の開示を受けた後、ブラックリストに登録されているか確認するために開示報告書のどこを見ればよいのか、開示報告書の見方について、以下、解説します。
株式会社シー・アイ・シー(CIC)
株式会社シー・アイ・シー(CIC)の信用情報開示報告書は、「クレジット情報」、「申込情報」、「利用記録」で構成されていますが、その中の「クレジット情報」を確認する必要があります。
ブラックリストに登録されているか確認するためには、信用情報開示報告書「クレジット情報」における《お支払の状況》という項目を確認してください。
《お支払の状況》の項目内の「26. 返済状況」という箇所に「異動」という表示があった場合は、ブラックリストに登録されていると判断できます。
これは、以下のような事情がある場合に、「26. 返済状況」に「異動」と表示されるためです。
- 返済日より61日以上または3ヵ月以上の支払遅延(延滞)があるものまたはあったもの
- 返済ができなくなり保証契約における保証履行が行われたもの
- 裁判所が破産を宣告したもの(破産手続開始の決定がされたもの)
なお、直接的にブラック状態であるか確認できる項目ではないものの、信用情報開示報告書「クレジット情報」の中にある《入金状況》という項目も重要ですので、補足して解説します。
《入金状況》の項目欄では、過去24ヵ月の入金状況が下記の記号で表示されています。
記号 | 内容 |
---|---|
$ | 請求どおり(もしくは、それ以上)の入金があった |
P | 請求額の一部が入金された |
R | お客様以外から入金があった |
A | お客様の事情でお約束の日に入金がなかった(未入金) |
B | お客様の事情とは無関係の理由で入金がなかった |
C | 入金されていないが、その原因がわからない |
– | 請求もなく入金もなかった(例:クレジットの利用がない場合) |
空欄 | クレジット会社等から情報の更新がなかった(例:クレジットの利用がない場合) |
ここで、《入金状況》の項目欄に「$」の記号が表示されていれば問題ありませんが、「P」や「A」の記号が表示されている場合は延滞があったことを示しており、たとえブラック状態でなかったとしても、ネガティブな信用情報であるため、クレジットカードやローンの審査においてマイナスの影響を与えることになるので、注意が必要です。
株式会社日本信用情報機構(JICC)
株式会社日本信用情報機構(JICC)の信用情報記録開示書は、「概要」、「ファイルD」、「ファイルM」、「会員照会記録」で構成されていますが、その中の「ファイルD」と「ファイルM」を確認する必要があります。
信用情報記録開示書「ファイルD」は、貸金業者からの借入情報等、キャッシングの契約が主に登録されており、「ファイルM」はクレジットや金融機関等の契約が主に登録されています。
信用情報記録開示書「ファイルD」、「ファイルM」の「7. 異動参考情報等」という項目欄が、空欄ではなくて何らかの記載があった場合は、ブラックリストに登録されていると判断できます。
「ファイルD」の「7. 異動参考情報等」に記載がある場合、具体的には、「延滞」、「元金延滞」、「利息延滞」、「債権回収」、「債務整理」、「破産申立」、「特定調停」、「民事再生」などの記載が入ることになります。
「ファイルM」の「異動参考情報等」に記載がある場合は、具体的には、「元本・手数料遅延」、「元本遅延」、「手数料遅延」、「債権回収」、「破産申立」、「特定調停」、「民事再生」などの記載が入ることになります。
全国銀行個人信用情報センター(KSC)
全国銀行個人信用情報センター(KSC)の登録情報開示報告書では、【取引情報】の中の「返済区分」、「完了区分」という項目を確認すると、ブラックリストに登録されているかどうかが分かります。
まず、「返済区分」という項目欄に「延滞」と記載されている場合、ブラックリストに登録されていると判断できます。
また、「完了区分」という項目欄に、「代位弁済」、「保証履行」、「強制回収手続」、「移管」といった記載がある場合も、ブラックリストに登録されていると判断できます。
なお、直接的にブラック状態であるか確認できる項目ではないものの、【取引情報】の中の「残債額・入金区分履歴」という項目も重要ですので、補足して解説します。
「残債額・入金区分履歴」の項目欄では、過去24ヵ月の入金状況が下記の記号で表示されています。
記号 | 内容 |
---|---|
〇 | 請求を受けた金額全額またはそれ以上の入金があった |
△ | 請求を受けた金額の一部の入金があった |
✕ | 請求を受けた金額の入金がなかった |
P | 請求を受けた金額について、事情により入金がなかった |
ー | 請求がなかった(請求はないが、入金があった場合を含む) |
ここで、「残債額・入金区分履歴」の項目欄に「〇」の記号が表示されていれば問題ありませんが、「△」や「✕」の記号が表示されている場合は延滞があったことを示しており、たとえブラック状態でなかったとしても、ネガティブな信用情報であるため、クレジットカードやローンの審査においてマイナスの影響を与えることになるので、注意が必要です。
ブラックリストを消すことができる?
ブラックリストに登録されてしまった場合に消すことができるかというご質問を多く頂戴しますが、これについては、残念ながら、一定の場合を除いて、基本的には出来ないという回答となります。
一定の場合とは、間違った情報が登録されている場合や時効が完成した場合のことをいい、これらのケースであれば、ブラックリストの削除や訂正を求めることができます。
他方で、それ以外の場合では、ブラックリストに一旦登録されてしまうと、自分で消す方法はなく、各信用情報機関において定められた期間が経過することにより消えるのを待つ他ありません。
ちなみに、延滞が理由でブラックリストに登録されている場合は、延滞が解消しない限り、ブラックリストが消えることはありません。
そのため、延滞が理由でブラックリストに登録された場合、ブラックリストを早く消したいのであれば、出来る限り早く延滞している借金を完済することが必要となります。
ブラックリストへの登録が心配な方へ
借金の返済が滞ってしまって長期に延滞してしまうと、ブラックリストに登録されてしまいます。
今まさに返済が滞っていてブラックリストへの登録を心配している方は、債務整理を専門とする弁護士に早めにご相談に行かれることをおすすめします。
債務整理を専門とする弁護士であれば、具体的な状況をもとに、債務整理を行うべきか否か、債務整理を行うべきであれば債務整理の手続(任意整理、自己破産、個人再生)の選択としてどの手続きが適切かという点についても助言できるでしょう。
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ブラックリスト掲載の確認方法についてのQ&A
ブラックリストに載ったかを無料で確認できますか?
残念ながら無料では確認できません。
ブラックリストに乗っているかを確認する場合、対象となる信用情報機関や方法(オンラインか郵送か)によって、500円から1500円程度の費用がかかります。
まとめ
以上、ブラックリストの確認について、詳しく解説しましたが、いかがだったでしょうか。
借金の返済が滞っていてブラックリストに登録されるのが心配な方は、早い段階から専門家にご相談されることで、債務整理を行うべきか否かについて、詳細な説明を受けることができます。
また、債務整理を専門とする弁護士であれば、具体的な状況をもとに、債務整理の手続き選択としてどの手続きが適切かという点についても助言できるでしょう。
したがって、借金の返済が滞っている方は、できるだけ早い段階で、債務整理に精通した弁護士に相談されることをおすすめします。
当事務所は、ZOOMやスカイプを活用して、オンライン相談での対応も行っておりますので、まずは一度ぜひご相談ください。