借金に苦しむ方の中には、パチンコをするために借金を重ねてしまった、という方も少なからずおられます。
「パチンコは所詮遊びなのに、なぜ借金苦に陥るほどのめり込んでしまうのか」と理解に苦しむ方もおられるだろうと思います。
しかし、パチンコをはじめとしたギャンブルを止められなくなってしまう「ギャンブル等依存症」になってしまう方は実際におられ、社会問題ともなっています。
パチンコで借金を作ってしまった方は、他の場合に比べて、少しでも早く債務整理を始めることが大変重要になります。
パチンコなどギャンブルのためにした借金があると、自己破産では債務整理をすることができない可能性があるためです。
そのため、まだ借金額が比較的少なく、自己破産以外の方法で債務整理ができるうちに、弁護士に相談して債務整理を始めることが重要なのです。
今回は、パチンコ依存の方がどの程度いるのか、借金を返済できないときにどうしたらいいか、どこに相談したらいいかなどについて解説していきます。
目次
なぜパチンコで借金をしてしまうのか?
パチンコをする人の中には、借金をしてまでもパチンコにのめり込んでしまう人がいます。
借金までしてしまう前にパチンコをやめればよいではないか、と思う方も多いでしょうが、そう簡単にはいかない方も、実際におられるのです。
パチンコのようなギャンブルについては、日常生活や社会生活に支障が生じる状態になってもやめられない、いわゆる「ギャンブル等依存症」になってしまう場合があることが知られています。
パチンコは、現代日本で身近に行われているギャンブルの一つですので、ギャンブル等依存症のうちの「パチンコ依存症」になってしまう人も当然います。
次は、ギャンブル等依存症のうち、パチンコ依存症について見ていきましょう。
パチンコ依存の問題
依存症は、決して特別な人だけが陥るものではなく、だれでもなり得る病気です。
では、実際にパチンコ依存症の人はどのくらいいるのでしょう?
独立行政法人国立病院機構久里浜医療センターの調査によると、ギャンブル等依存の疑いがある人は2.2%となっています。
そして、ギャンブル等依存が疑われる人のうち、過去1年間にパチンコをしたことがある人は、70.3%となっています。
仮に、ギャンブル等依存が疑われる人のうち過去1年間にパチンコをした人が全員パチンコ依存症だったとすると、全体に対するパチンコ依存症の人の割合は、2.2%×0.703=1.606%となります。
つまり、200人いれば3人はパチンコ依存症である可能性があるということです。
出典:令和2年度 依存症に関する調査研究事業「ギャンブル障害およびギャンブル関連問題の実態調査」報告書|独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター
パチンコ依存症を含むギャンブル等依存症は社会的な問題にもなっており、平成30年には、ギャンブル等依存症対策基本法も制定されました。
政府はその後も、同法に基づいて「ギャンブル等依存症対策推進基本計画」を策定するなど、ギャンブル等依存症への対策を行っています。
たとえば、平成31年のギャンブル等依存症対策推進基本計画では、パチンコ営業所にあるATMやデビットカードシステムの撤去等を推進することを「目標と具体的取組」として定めました。
参考:ギャンブル等依存症対策推進基本計画(平成 31 年4月 19 日)|ギャンブル等依存症対策推進本部
その後の令和4年のギャンブル等依存症対策推進基本計画においては、パチンコ営業所内のATMやデビットカードシステムが減少していることを確認し、目標が達成されていると評価して、今後も順次撤去を推進していくとされています。
参考:ギャンブル等依存症対策推進基本計画(令和4年3月 25日)|ギャンブル等依存症対策推進本部
パチンコを止めることができない理由とは?
パチンコを止められなくなっている人の中には、パチンコ依存症になっている人もいると思われます。
パチンコ依存症は病気の一種であり、適切な治療を施さないと、自力ではパチンコを止められるようになることは難しいです。
パチンコ依存症は脳のメカニズムと関係しているのではないかともいわれています。
実際、パチンコ依存症の人の脳ではドーパミンの過活動がある、ギャンブルに関係する刺激に対して過剰に脳が反応する、などといったことが分かってきています。
このようなことが脳内で起こっているためにパチンコを止められなくなっているのが、パチンコ依存症の方の状態なのです。
パチンコ依存症をはじめとしたギャンブル等依存症についてはいまだに、「本人の意思の弱さが問題」「意思を強く持てば克服できる」と思っている人が多いようです。
しかし、上でもお伝えしたとおり、ギャンブル等依存症は病気の一種であり、本人の意思ではギャンブルをするという行動を制御しきれなくなってしまっているのです。
ギャンブルにのめり込み過ぎている、と思ったら、ご家族でもご本人でも構いませんので、なるべく早くギャンブル等依存症に詳しい医師に相談するか、自助グループを探して参加してみましょう。
パチンコの借金の平均額とは?
独立行政法人国立病院機構久里浜医療センターの調査では、ギャンブルについて公的相談機関を利用した人と、自助グループの有志に、ギャンブルに関連して借りた借金の額について尋ねています。
これによると、
- 公的相談機関を利用した人の場合:借金額の平均は393万9773円、中央値は300万円
- 自助グループ有志の場合:借金額の平均は750万3237円、中央値は300万円
となっています。
これをみて、ギャンブルのためにかなり多額の借金をしている人がいる事実に驚く方も多いと思います。
出典:令和2年度 依存症に関する調査研究事業「ギャンブル障害およびギャンブル関連問題の実態調査」報告書|独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター
パチンコの借金はいくらまでならセーフ?
パチンコのために借金をしていても、返せる範囲であれば、当面大きな問題にはならずに済みます。
問題となるのは、生活が苦しくなったり、返しきれない額の借金になってしまった場合です。
たとえば、以下の項目に一つでも当てはまる状況だと、赤信号か、少なくとも黄信号だといえるでしょう。
それぞれの項目について簡単にご説明します。
借金の総額が分からなくなってしまっている
借金総額が分からなくなってしまっている人は、自分で借入れを把握してコントロールすることができなくなっています。
このような状況にある人は、今後も目の前のパチンコ代を得るために、ずるずると借金を重ねてしまう可能性が濃厚です。
借入先、借入額があいまいになっている
借入先やそれぞれの業者からの借入額があいまいになっている場合も、借金を十分に管理しきれなくなっています。
このままにしていては、深く考えずに借金を重ね、いつの間にか膨大な額になってしまう危険があります。
月々の返済に充てるお金を工面するのが難しくなっている
毎月の返済に苦労しているということは、借金額が自分の収入に見合わないものになってきていることの表れです。
これ以上借金が増えてしまう前に、弁護士に相談して債務整理をし、無理なく計画的に借金を返済できるようにしていきましょう。
借金の返済が支払日に間に合わないことがある
返済が間に合わないのもやはり、収入に比べて多すぎる額の借金になってしまっているからです。
「お金自体はあるのだけれども、返済日がいくつもあり、分からなくなってしまっている・・・」という方も、やはり借金全体を把握してコントロールすることができておらず、危険な状態です。
借金返済のために借金をしている(おまとめローンを除く)
借金の返済ができないので他の業者からお金を借りて返す、という「借金を借金で返す」ことをしていて、「自転車操業」の状態になってしまった人は、借金地獄に一歩足を踏み入れています。
このままでは、借入額も利息もどんどん膨らんでいき、「雪だるま式」に借金が膨らんでしまいます。
すぐにでも弁護士に相談に行き、債務整理を始めましょう。
借金が雪だるま式に増えていく仕組みの詳細については、以下のページをご覧ください。
利息が多額になり、なかなか元金が減らない
借入額が増えてくると、利息の額も上がってきます。
そうなってしまうと、利息を支払うことで手いっぱいになり、なかなか元金が減っていかず、いつまでたっても借金を返すことができなくなります。
このような状態になっている場合は、早めに債務整理をすることで、きちんと借金を減らせる状態にもっていく必要があります。
年収の3分の1以上の借金がある(住宅ローンは除く)
貸金業法は、貸金業者からの借入残高が年収の3分の1を超える場合は新たな貸し付けは行わないとする総量規制の制度を導入しています。
ただ、この制度には銀行からの貸付けは含まれないため、借入合計額が年収の3分の1を超えてしまうこともあります。
しかし、国も規制しているくらいですから、年収の3分の1を超える借金は多すぎるといえるでしょう。
闇金から借金をしている
闇金からの借金がある場合は、すぐにでも弁護士や警察に相談しましょう。
そのままにしておくと、法外な高金利を取られ、返せなくなったときに違法な取立ての被害に遭ってしまいます。
個人情報を悪用されるおそれもあります。
まだ闇金から借金をしていない方は、闇金には絶対に関わらないようにしてください。
闇金については、次のパチンコによる借金のリスクでも解説します。
SNS上で知り合った人からお金を借りている
最近では、SNS上で「お金貸します」などとメッセージを送り、個人間でのお金の借入れのように装って、借入れを勧めてくる者がいます。
これは実は闇金である場合が多く、やはり絶対に手を出してはいけません。
パチンコで勝って借金を返そうとしている
借金の返済をしようとパチンコに行き、勝ったお金で何とかできないかと考えている方もいます。
このような気持ちでパチンコをしたり、実際に一発当てて返済を何とかしているという方は危険信号です。
これまで借金問題の相談を受けていて、多くの方がこのような考えで借金を短期間で増やしています。
すぐに弁護士に相談すべきでしょう。
一つでも当てはまったら、弁護士に相談して債務整理を!
いかがでしょう?
上の項目で当てはまるものはありましたか?
一つでも当てはまる項目がある場合は、できるだけ早く弁護士に相談に行き、債務整理について検討しましょう。
当てはまらなかった人も、パチンコ依存症の可能性あり
上のチェックリストには当てはまらなくても、借金をしてまでパチンコをしてしまっている人は、パチンコを止めたくても止められない「パチンコ依存症」になっている場合も多いです。
パチンコ依存症だとすると、借金の状態が上のチェックリストにあてはまるものになってくるのは時間の問題です。
上のリストで当てはまる項目がある場合もない場合も、パチンコで借金までするようになってしまったら、パチンコ依存症を扱っている医療機関か、パチンコ依存症の自助グループに行くことを考えましょう。
パチンコによる借金のリスク
パチンコのための借金を重ねてしまうと、多くの問題が発生するリスクがあります。
例えば、以下のような問題が起こってきます。
多重債務者になる
パチンコのための借金を重ねすぎると、当初借りていたところでは借入限度額に達してしまい、借入れができなくなってきます。
このことをきっかけに、パチンコを止めたり減らしたりすることができる場合もあります。
しかし、パチンコ依存症になっているような場合だと、それでもパチンコを止められず、他の借入先から借金をしてパチンコにつぎ込み続けてしまうことも多いです。
こうなってくると、多重債務者になってしまい、さらに借金を重ねていってしまうことになります。
多重債務については、詳しくは以下のページをご覧ください。
借金地獄に陥る
パチンコのための借金が余りに多くなると、利息も増えてしまい、返済してもなかなか元金が減らない状態になってしまいます。
そうすると、返しても返しても借金が減らない「借金地獄」に陥ってしまいます。
借金地獄については以下のページでも解説していますので、興味があればご一読ください。
お金を貸してくれるところがなくなってきて、金利の高いところで借りるようになる
借入額が多くなってくると、だんだんお金を貸してくれる貸金業者が減ってきます。
そして、借入額が多い人に貸付けをする業者は、たいてい利率を高く設定しています。
つまり、借り入れられるところが減ってきてもまだパチンコを止めることができないと、だんだん利率の高い借金をするようになってきて、借金額がどんどん膨れ上がっていくことになります。
闇金にひっかかる
借入れができるところが減ってきたとき、「どこかお金をかしてくれないか?」と探し回っていると、闇金に引っかかってしまう危険もあります。
闇金は、「お金貸します」といって携帯電話の番号だけを載せているような張り紙をしていたり、最近ではSNSを通じて「困っている人にお金貸します」などと言ったりして、貸付けをしています。
しかし、闇金は、貸金業の登録を受けていない違法な業者です。
闇金に関わると、法外な利息を請求されたり、暴力的・脅迫的な取立てに遭ったりしてしまいます。
うっかり運転免許証などの個人情報を渡してしまうと、それをネタに脅してくることもあります。
闇金は大変危険ですので、決して関わらないようにしましょう。
もし闇金からお金を借りてしまっていたら、すぐに弁護士や警察に相談しましょう。
素人の方だけでは、闇金との関係を断つことは簡単ではありません。
弁護士や警察に相談して対応に当たるようにしましょう。
闇金に関する問題を弁護士に相談した場合について、詳しくは以下のページで解説しています。
取立てや返済に追われ、精神的な負担が重くなる
借金がかさんでくると、返済日にお金を用意するのも一苦労になってきます。
特に、多重債務を負うようになると、いくつもの支払日に向けてお金を用意しなければならなくなります。
簡単に支払える額であればよいのですが、パチンコで多重債務に陥っている場合、そう簡単には月々の支払いをこなせなくなっていることも多いでしょう。
そうすると、毎月何回も支払資金を確保しなければならなくなり、そのことが精神的、経済的に大きな負担になってきます。
ついに借金の返済が難しくなって支払日に遅れるようになると、貸金業者からの取立てが始まります。
貸金業者は、郵便や電話、時には訪問することによって取立てをしてきます。
繰り返される取立ては、精神的に大きな負担になります。
取立ての時の業者の態度や手紙の文言も、最初はまだ丁寧だったとしても、だんだん強く返済を迫る内容になってくるので、精神的に辛い思いをする方もおられるかと思います。
実は、この取立ては、弁護士に債務整理を依頼すると、止めることができます。
弁護士が債務整理の依頼を受けると、貸金業者などの債権者(お金を貸している人)に「受任通知」を送り、弁護士が付いたことを知らせます。
そうすると、貸金業者は、その後、債務者(お金を借りた人)本人への取立てをすることはできなくなり、弁護士を通して話をしなければならなくなります。
受任通知は、依頼をしてから数日の間に(早ければ依頼を受けた日のうちに)、送ってもらえます。
貸金業者の取立てに苦しんでいる方は、早いうちに弁護士に相談に行きましょう。
高い遅延損害金を取られる
返済が期日に間に合わないと、翌日から遅延損害金を請求されることになります。
遅延損害金は、支払いが遅れたことに対するペナルティで、通常の利息よりも高く設定されていることが多いです。
遅延損害金を取られるようになると、借金額の増えるスピードが上がってしまいます。
「ブラックリスト」に載ってしまう
返済を2か月以上滞納してしまうと、信用情報機関に報告されてしまい、俗にいう「ブラックリスト」に載った状態になる可能性が出てきます。
信用情報機関とは、貸金業者やクレジットカード会社、銀行などとの間での借入れ・返済の状況、破産や個人再生に関する情報(信用情報)を、個々人ごとに整理して管理している機関です。
信用情報は、貸金業者や銀行などが貸付けやカード発行の時等に行う審査の際に、貸金業者などに提供されます。
そのため、この信用情報に「延滞した」「破産した」といったマイナスの情報(事故情報)が載ってしまう(=「ブラックリスト」に載ってしまう)と、新たに借入れを受けることが大変難しくなります。
「ブラックリスト」について、詳しくは以下のページをご覧ください。
一括返済を迫られる
返済が遅れてから日が経っても借金の返済がなされないとなると、その後に分割で支払うことになっていた分も一括で返済するよう求められてしまいます。
たとえば、10回払いで元利含めて100万円を返済することにしていた(10万円 × 10回)場合に、1,2回目の支払い(合計20万円)は支払えたけれども、3回目の支払日からは返済ができなくなり、2か月経った(5回目の支払日がきた)後しばらくして、一括返済を迫られた、という例で考えてみます。
この例では、一括返済を求められた時点では、本来であれば3、4、5回目の支払分(合計30万円)のみ支払えばよいはずです。
しかし、支払いが遅れてしまうなどしていると、一括払いを求められ、残りの80万円全額を一度に支払わなければならなくなります(一括払いを求められる条件は、各社の規約によって異なります。)
一括返済を求められるようになると、遅延損害金も残債務全額(上の例だと80万円)について発生することになるので、さらに借金がかさんでしまいます。
債権者が一括返済を求めてくるようになるのは、延滞が始まってから2~3か月経ったころになることが多いです。
裁判などを起こされ、財産などを差し押さえられる
一括返済を求められてもまだ返済をしないと、ついには裁判を起こされてしまい、不動産や預貯金、給料などの財産を差し押さえられてしまいます。
もし給料を差し押さえられると、裁判所や債権者から職場に連絡があるので、職場に借金のことが知られてしまいます。
なお、訴訟(裁判)ではなく、支払督促という制度が使われることもあります。
支払督促では、裁判所から書類が送られてきます。
これに対応せずに2週間経ってしまうと、仮執行宣言が付けられ、差押えを行うこととができるようになってしまいます。
支払督促が届いたら、すぐに弁護士に相談するなどして対応しましょう。
支払督促について、詳しくは以下のページで解説しています。
裁判を起こされた場合の手続きの流れについては、以下のページで詳しく解説しています。
借金をゼロにできない
ギャンブルによる借金があると、自己破産をしても借金をゼロにしてもらう(免責してもらう)ことができなくなる可能性があります。
ただ、ギャンブルによる借金があっても裁判所の裁量で免責してもらえる裁量免責という制度もあるので、ギャンブルによる借金があると絶対に免責が得られないというわけではありません。
友人を失う
パチンコでの借金が増えすぎると、新たな借り入れができなくなってきます。
それでパチンコを止められればよいのですが、友人からまで借金をしてパチンコを続けてしまう場合もあります。
こうした友人からの借金を返済できないと、トラブルになり、友人を失ってしまうこともあります。
家族関係が悪化する
パチンコの借金というのは、家族とは関係ない、自分のためだけの借金です。
自分のためだけにお金を使い、借金までするというのは、家族からすれば決して面白いものではありません。
パチンコの借金で生活まで圧迫されたり、借金の肩代わりをさせられたり、子どもの進路にも影響が出るようなことになれば、家族関係が悪化することになってもおかしくありません。
配偶者や子どもが家から出ていく、離婚を突き付けられる、といったことになり、家庭崩壊へと進んでいってしまうこともあります。
パチンコ依存症になっている人が、パチンコにのめり込み過ぎて子どもを放置してしまう(ネグレクト)こともあります。
大きな問題が生じる前に、早く依存症の治療を始め、パチンコをせずにはいられない生活から抜け出す必要があります。
犯罪などに手を染めてしまう
もはやどこからも借金もできなくなったけれども、どうしてもパチンコがやめられない・・・となってしまうと、泥棒をしたり、職場の金に手を着けてしまう人も出てきます。
そうなると、窃盗や業務上横領などの犯罪となってしまいます。
他にも、パチンコのための金欲しさに、仕事で扱っている個人情報や企業秘密を売ってしまうの等の事件を起こすこともあります。
こうした犯罪や事件を起こしてしまうと、仕事を失う危険が高いですし、逮捕・起訴され、収監されてしまうことにもなりかねません。
もちろん、被害者にも多大な迷惑をかけてしまいます。
家族のお金に手をつける、家族の物を売り払う、といった行動に出ることもあります。
パチンコのためのお金欲しさに犯罪を犯すなどしてしまう前に、ぜひ弁護士に債務整理を依頼し、専門の医療機関や自助グループにも相談しましょう。
パチンコによる借金を返済できないときの対処法
パチンコによる借金の返済が苦しくなったら、早いうちに弁護士に相談に行き、債務整理を行いましょう。
債務整理とは、国も認める借金減額制度です。
債務整理をすれば、借金の額を減らしたり、返済期限を延ばしたりして、無理なく計画的に借金を返済できるようになります。
債務整理の種類
債務整理には、
- 自己破産
- 個人再生
- 任意整理
の3つがあります。
これらについて簡単に解説していきます。
詳しい解説は、以下のサイトをご覧ください。
自己破産とは
自己破産は、自分の主だった財産を処分して借金の返済に充て、返しきれない借金については免除(免責)してもらうという制度です。
ただ、パチンコで借金をしている場合は、注意が必要です。
借金を免責してもらうには、裁判所の許可を得る必要があります。
ところが、パチンコなどのギャンブルによる借金があると、自己破産を裁判所に申し立てても、免責が許可されない可能性があります。
先ほど紹介したように、ギャンブルで300万円もの借金があるというデータもありましたが、このような多額の借金がギャンブルであると免責が許可されない可能性がどうしてもあるので、弁護士に正直に話して対応を相談しましょう。
裁判官の裁量により免責が許可されることもありますが、許可を受けられない可能性もありますので、他の手続(任意整理、個人再生)を優先的に検討する場合もあります。
自己破産については、以下のページもご参照ください。
ギャンブルをしていた方が自己破産をしようとする場合の対処法、注意点については、以下のページで詳しく解説しています。
個人再生とは
個人再生というのは、裁判所に再生計画を認可してもらい、元本を含めた借金の減額、返済期間の延長(3~5年)を行う手続きです。
個人再生が成功すれば、住宅ローンの残った持ち家を残せるという大きなメリットがあります。
個人再生の場合、ギャンブルによる借金があっても手続きに影響はありませんので、パチンコなどによる借金がある方が利用することもあります。
ただ、個人再生は、一定の基準で減額した後の借金を3~5年で完済できる目途<が立たなければ認められません。
また、借金額が5000万円を超える場合にも対象外となります(住宅ローンはこの「借金額」から除かれます)。
そのため、借金額が増えすぎると個人再生をすることが難しくなります。
パチンコによる借金がある場合は、借金が増えすぎないうちに債務整理をした方が、選択肢が増えて有利ですので、早めに弁護士に相談してください。
任意整理とは
任意整理は、弁護士を通すなどして貸金業者と交渉し、貸金業者と合意の上で、利息や遅延損害金のカットによる借金減額、返済期限の延長(通常3年~5年)をしていくものです。
任意整理も、ギャンブルによる借金があっても問題なく進めることができます。
任意整理は、個人再生ほど大幅に借金を減額することはできないので、比較的借金の少ない人に向いた手続になります。
こちらも、借金額が増えすぎると選択肢から外れてきてしまいますので、ギャンブルによる借金がある方は、早めに弁護士に相談しましょう。
パチンコによる借金の相談はお早めに!
パチンコのようなギャンブルによる借金があると、上でご説明した通り、自己破産では債務整理ができない可能性があります。
そのため、個人再生や任意整理などの他の債務整理の方法をとった方が良い場合があるのですが、借金額が増えすぎてしまうと、個人再生や任意整理をすることが難しくなってしまいます。
パチンコでの借金がある方は、なるべく早く弁護士に相談し、債務整理を行うようにしましょう。
家族が肩代わりするよりも弁護士に相談を
パチンコでの借金を、配偶者や親が立て替えて支払ってしまうことがあります。
もちろん本人のためを思ってそうするわけですが、あまりおすすめはできません。
パチンコで返しきれないほどの借金をしてしまう人は、ギャンブル等依存症になっている可能性が高いです。
ギャンブル等依存症になってしまうと、普通に考えられるやり方でギャンブルを止めることは、大変難しいです。
借金を肩代わりしてもらった場合も、「もうパチンコはしない」と約束し、しばらくはその通りにしたとしても、結局またパチンコを始めてしまうことが少なくありません。
パチンコをやめるには、やはり本人が、「これはマズイ」と自覚し、自分の問題に向き合い、対処法(自助グループへの参加、医療機関の受診など)を考えなければなりません。
借金問題に自分でケリをつけることは、自分の問題に向き合う良い機会となります。
ところが、ご家族が借金の肩代わりをするなどしてしまうと、しっかりと自分のことを考える機会を逃してしまいます。
そのため、しばらくしたら「また借金ができたから何とかしてくれ」と言ってくることも、珍しくありません。
これは、決して本人のためになりません。
経済的な面からいっても、借金を家族で肩代わりばかりしていたら、全員共倒れになってしまいます。
突き放して放っておくだけでは、会社のお金や闇金に手を出してしまう可能性もあるので、一緒に弁護士や医療機関、自助グループに相談に行くなどの手助けは必要かもしれません。
でも、借金を肩代わりすることには慎重である方が良いと思います。
借金を肩代わりするくらいなら、一緒に弁護士のところに相談に行ったり、自助グループや医療機関に付き添っていくようにしましょう。
借金問題については、初回無料で相談に応じている弁護士が多数おります。
債務整理を依頼した後の弁護士費用についても、分割で支払えるようにしているところが多くあります。
弁護士に債務整理を依頼すれば、
- 貸金業者からの取立てが止まる
- 返済を一時的に止められる
といったメリットもあります。
ぜひ一度、気軽に弁護士に相談してみてください。
借金減額をシミュレーターで簡単に診断
借金問題でお困りの方々が、「自分の場合どのように債務整理をしたら良いのか」についての情報を手軽に得ていただけるよう、当事務所では、借金減額シミュレーターをご提供しています。
個人情報の入力も必要なく、結果もその場ですぐにわかります。
それぞれの方に合った債務整理の紹介、過払い金請求や時効の主張ができるかに関する情報など、個々の方の状況に合わせた有益な情報をご覧いただけるようになっています。
最短30秒で診断できますので、ぜひ一度、お気軽にご利用ください。
パチンコによる借金の相談窓口
借金問題の相談窓口
借金問題に関する相談窓口には、以下のようなものがあります。
名称 | 特徴 |
---|---|
法テラス(日本司法支援センター) | 借金問題を含む様々な問題について相談を受けています。
電話による無料相談・弁護士の無料法律相談(窓口又は電話で予約。収入が一定額以下などの基準あり)も行っています |
各地方自治体の相談窓口 | 市役所などで借金に関する相談を受けていることも多いです。
弁護士の紹介、必要な福祉窓口や担当部署の案内を行っているところもあります。 |
各都道府県の弁護士会 (例:東京弁護士会、福岡県弁護士会) |
直接弁護士に相談できます。
借金関連の相談は初回無料となっている弁護士会も多いです。 借金問題専門の相談窓口がある、オンライン相談を実施している、といったところもあります。 |
全国銀行協会相談室 | 銀行の住宅ローン・カードローン等(事業性の資金を除く)の返済が困難になった人を対象とするカウンセリングサービス(電話又は面談)。
銀行窓口や法テラスを紹介されることもあります。 |
日本クレジットカウンセリング協会 | クレジットカードや消費者ローンの返済が苦しくなった人を対象とする電話相談。
弁護士などによる無料のカウンセリングなどを受けられることもあります。 |
日本貸金業協会 | 電話又はWebで相談できます。
貸金業者・消費者間の紛争解決手続を行う貸金業相談・紛争解決センターも設置しています。 |
消費者生活センター | 各都道府県の消費者生活センターは、借金問題の相談窓口にもなっています。
消費者ホットライン・188(いやや)(局番なし。通話料負担あり。)へ電話すると、近くの消費生活相談窓口を案内してもらえます。 |
直接弁護士に相談する
上記の相談窓口を通さず、自分で弁護士を探して直接相談に行くこともできます。
自分で弁護士を探すことには、次のようなメリットがあります。
- 早ければ相談した数日のうちに取立てが止まる
- 債務整理に強く、パチンコなど生活上の不安にも理解がある弁護士を選べる
早ければ数日のうちに取立てが止まる
弁護士に相談し、債務整理について依頼すると、弁護士から貸金業者らに対して「受任通知」を送ります。
「受任通知」とは、債務整理の依頼を受けたこと、今後弁護士が窓口となることなどを知らせる書面です。
この受任通知を送ると、貸金業者は、その後は、お金を借りた債務者本人に対して取立てをすることができなくなります。
相談に行ったその場で債務整理を依頼することが決まれば、早ければ相談に行ったその日のうちに受任通知を送ってもらうことができ、数日で取立てが止まります。
さらに、受任通知を出した後は、債務整理を円滑に進めるために一時返済をストップすることもできます。
借金問題に苦しむ方にとって、取立てや月々の返済は大きな負担となっていますから、これらを早く止めることができることは、弁護士に直接相談することの大きなメリットとなります。
債務整理に強く、パチンコなど生活上の不安にも理解がある弁護士を選べる
債務整理を依頼するなら、できれば債務整理に強い弁護士に頼みたいところです。
債務整理に詳しい弁護士であれば、より適切に、よりスムーズに借金問題を解決に導いてくれます。
債務整理に詳しい弁護士かどうかは、HPを見ることでもある程度見分けることができます。
さらに、パチンコで借金を作ってしまった方は、借金問題だけでなく、パチンコにのめり込んでしまうという生活上の問題も抱えています。
こうした生活上の問題に対応することも、借金問題の解決と同じくらい大切なことです。
できることなら、生活上の問題の解決にも、弁護士のサポートがあれば心強いでしょう。
しかし残念ながら、弁護士が全員、依頼者の生活上の問題の解決まで気にかけているとは限りません。
中には、せっかく相談に行ったのに弁護士から怒られることもあるという声を耳にします。
でも、自分で弁護士を探すことにすれば、HPなどでそれぞれの弁護士の考え方を調べることもできるので、借金問題の背景にある生活上の問題にも配慮している弁護士に巡り合える可能性が高まります。
そうした弁護士に依頼することができれば、債務整理だけでなく、今後の生活の立て直しのために何が必要かについて考える際にもサポートしてくれるかもしれません。
たとえば、当事務所では、依頼者自身がこれまでの生活の問題点を見つめなおし、債務整理後の新たな生活を設計していくことが大切だと考え、問題の抜本的解決を目指しています。
当事務所の様子、取組みについては、以下のページでも紹介しております。
ぜひ一度ご覧ください。
債務整理について弁護士に依頼するメリット、弁護士の選び方については、以下のページで詳しく解説しています。
パチンコ依存症に関する相談窓口
パチンコ依存症になっている場合、借金への対応と同時に、依存症の治療も行う必要があります。
依存症を治すためには、
- 医療機関を受診する
- 自助グループに通う
といった方法があります。
自助グループでは、ギャンブラーズ・アノニマス(GA)が有名で、全国的に活動を行っています。
依存症対策全国センターのサイトで、依存症に関する情報、全国の相談窓口・医療機関の案内、自助グループの紹介などが掲載されています。
参考:依存症対策全国センター
ご家族の方の参考になる情報も紹介されています。
ぜひ一度ご覧ください。
まとめ
今回は、パチンコで借金をしてしまったときのことについて、パチンコ依存症のこと、対処法、相談窓口などにつき解説しました。
パチンコのために返しきれないほどの借金をしている人は、パチンコ依存症になっている可能性が高いです。
弁護士に相談して債務整理をするのと同時に、医療機関、自助グループなどで依存症の治療も進めていき、生活全般を立て直しましょう。
当事務所(福岡オフィス)では、借金問題と、それに伴う様々な問題(パチンコの問題など)に心を痛めている方々に、安心して過ごしていただけるよう、ご相談の際に、心安らぐBGMやカフェサービスを提供しております。
今後の生活への不安を解消していただくため、相談者ご本人だけでなく、ご家族へのヒアリングや相談対応(カウンセリング)も実施しております。
もちろん債務整理の手続自体についても、借金問題の経験が豊富な弁護士による破産再生チームを設け、借金でお困りの皆様を強力にサポートしています。
借金でお困りの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。