電気代を滞納したらどうなる?リスクや対処法を弁護士が解説

電気代を滞納したらどうなる?

電気代を滞納した場合、電力会社から支払の催促ハガキ(督促状)を受けとることになり、最終的には、電気が止められてしまうことになります。

また、滞納した期間に応じて、延滞利息も請求されることになります。

このページでは、電気代を滞納してしまった場合に具体的にどうなってしまうのか?、そして滞納してしまった場合にどこに相談し、どう対処するのがよいか?などについて詳しく解説しています。

電気は皆さんの生活を支えるライフラインですから、電気代を滞納してしまった、という方はぜひしっかり内容を押さえてください。

電気代を滞納したらどうなる?

もし、電気代を滞納した場合にどうなってしまうのか、見ていきましょう。

一般的に、以下の3つの影響があります。

  1. 支払を催促するハガキ等(督促状)が届く
  2. 延滞利息を上乗せして請求される
  3. 電気を止められる

 

①支払を催促するハガキ等(督促状)が届く

まず、電気代の滞納をした場合、督促状がハガキや封書の形で届きます。

うっかり支払いを忘れていたような場合には、督促状が届いて初めて、延滞の事実を知る人も少なくないでしょう。

延滞を継続した場合、複数回にわたって督促状を受け取ることもあります。

さらに、契約している電気会社が支払の催促を債権回収会社(いわゆるサービサー)に委託している場合には、債権回収会社から督促状が届いたり、電話が掛かってくることもあります。

 

②延滞利息を上乗せして請求される

電気代を滞納している場合、その滞納期間に応じて延滞利息を支払う必要があります。

具体的な延滞利息の金額はご利用の電力会社との契約次第ですが、東京電力をはじめとする主要な電力会社では、年10%(1日当たり約0.03%)の延滞利息を発生させる会社が多いようです。

参考 東京電力における料金・延滞利息のルール
東京電力では、以下の資料の通り電気料金や延滞利息等のルールを定めています。
各電力会社ごとに、同様のルールを定めていますので、詳しくはご契約の電力会社のホームページなどをご確認ください。

参考:料金の算定および支払い|TEPCO(東京電力エナジーパートナー)

 

③電気を止められる

滞納期間が続いてしまうと、電気を止められてしまいます。

電気は生活に不可欠なライフラインですので、延滞後すぐに止められてしまうわけではありませんが、滞納期間が続くと電気を止められます。

具体的には、支払期限とは別に、多くの電力会社では「最終支払期限」が設定されています。

これを過ぎても滞納している電気料金が支払われない場合、電気を止められることになります。

一度止められた電気を再開するためには、原則として、滞納している全ての電気料金・延滞利息の支払いが必要になります。

東京電力などの主要な電力会社では、ホームページ上で電気を再開したい場合の手続きや窓口も案内していますので確認しておきましょう。

参考 東京電力における電気再開の方法・窓口

例として、東京電力エナジーパートナー(TEPCO)のホームページでは、電気を再開するために滞納している電気料金などの支払いが必要であることが明記されています。

そして、その為の連絡窓口についても公表されています。

引用元:電気やガスの再開の手続き方法を知りたい|TEPCO(東京電力エナジーパートナー)

 

 

電気が止まるまでの流れ

続いて、実際に電気が止められてしまうまでの流れを説明します。

具体的には、電気が止められた後のことも含めて、以下のようなフロー図にまとめることができます。

電気が止まるまでの流れ

電気代を滞納した場合、一般的に、その翌日から延滞利息が発生することになります。

延滞利息が発生してからは、請求金額に延滞利息を上乗せされることになります。

そのまま滞納を続けた場合、早ければ数日程度で、電力会社から支払いを求める督促状が届きます。

さらに、電気が止まる可能性があることを警告する停止予告状が届くのが通常です。

電力会社によっては、督促状とともに、督促電話が掛かってくることもあります。

なお、督促状や督促電話は、電力会社からだけではなく、電力会社から依頼を受けた債権回収会社(いわゆるサービサー)から連絡がある場合もあります。

さらに滞納を続けた場合、停止予告上に記載されている最終支払期限日が到来するとともに、電気が止まることになります。

一般的に、滞納から20日程度であることが多いです。

電気が止まったとしても、それまで滞納している電気代や延滞利息がなくなるわけではありません。

督促状などはその後も届き、それらの請求を無視して滞納を続けた場合には、裁判所を通じた財産や給料の差し押さえを受けることもあります。

以上が、電気代を滞納してから電気が止まるまで、さらにそれ以降の流れになります。

 

 

電気代を滞納したときの対処法

電気代を滞納してしまった場合、どのような対処法が考えられるでしょうか?

考えられる方法を一つずつ解説していきます。

電気代を滞納したときの対処法

請求書に従って支払う

言うまでもなく、基本的な対処法は、請求書、督促状や督促電話に従って滞納している電気代や延滞利息をできるだけ早く支払うことです。

早く支払えば、それだけ延滞利息の金額が小さくなります。

また、最終支払期限までに支払えば、電気がストップすることを回避できます。

もし、手元に資金があるのであれば、できるだけ早く滞納している電気代や延滞利息を支払うようにしましょう。

 

クレジットカード払いに変更する

そうはいっても、手元に返済に充てる資金がないこともあると思います。

もし、資金不足が一時的なものであれば、電気代の支払い方法を口座振替からクレジットカード払いに変更することが考えられます。

クレジットカード払いであれば、通常の一括払いであっても、約一か月から二か月ほど実際の引落まで猶予ができますので、それまでに資金が入ってくれば解決になります。

或いは、クレジットカードの分割払いやリボ払いなどのサービスを利用することができれば、さらに支払の猶予を受けることができます。(ただし、この場合、分割手数料やリボ手数料が発生する可能性がありますので注意してください。)

なお、万一、クレジットカードの支払日に資金が用意できない場合、クレジットカード支払の滞納になってしまいますので、放置しているといわゆるブラックリストに載ってしまう可能性があります。

この場合、ローンの借り入れ時の審査などが通りにくくなるなどの不利益が発生しますので注意しましょう。

 

資金を工面する

しかし、そもそもクレジットカードを持っていない場合や、長期的な資金不足の場合もあると思います。

そのような場合には、資金を調達する方法がないかを検討しましょう。

電気が止まってしまうと、生活に大きな支障を来してしまいますので、ご家族を頼るなどして当面の電気代を確保する方法がないかを考えるのがよいでしょう。

ただし、返済のめどが立っていない状態で消費者金融などの貸金業者を頼ることはあまりお勧めできません。

借金を検討する場合は、計画的に行うようにしましょう。

 

電力会社に相談する

もし、将来支払の目途が立ちそうであれば、一度電力会社に相談することも選択肢です。

電気は人の生活に欠かせないライフラインですから、短期間であれば電気を止めずに供給を維持してくれる場合もあります。

特に、感染症流行などによって、一時的に電気代が払えない家庭については、電力会社が柔軟に対応したケースがあります。

ただし、具体的なルールや対応は電力会社によって異なりますので、ご契約の電力会社に確認されるのがよいでしょう。

 

債務整理を検討する

どうしても滞納している電気代を支払えない場合には、債務整理を検討するのがよいでしょう。

債務整理というのは、法律上で認められた借金や滞納している債務の整理方法になります。

債務整理をすることで、債務額を圧縮したり、支払の免除を受けることが期待できます。

そして、債務整理には、大きく任意整理、自己破産、個人再生の三つの種類があります。

このうち、自己破産や個人再生というのは裁判所による審査が必要になりますが、任意整理であれば誰でも実施が可能になります。

任意整理とは、弁護士を通じて債務者である電力会社と交渉を行い、債務を一部免除してもらったり、支払時期を先延ばししてもらう方法です。

もちろん、必ず免除を受けられる方法ではなく、交渉の結果次第にはなりますが、柔軟な解決ができる方法としてお勧めしています。

また、電気代以外の他の借金を債務整理することで、毎月の支払いに余裕を持つことができれば、電気代の支払いも可能になるかもしれません。

「債務整理」についてより詳しくお調べになりたい方は、以下をご覧ください。

 

 

電気を滞納したときの相談窓口

電力会社の顧客相談窓口

電気が止まってしまうと困る事情がある場合には、まずはご契約の電力会社に相談してみましょう。

もちろん、無条件で電気供給を継続してもらえるとは限りませんが、個別のご事情を丁寧に説明し、柔軟に対応してもらえないかを相談してみるのがよいでしょう。

参考:カスタマーセンター|TEPCO(東京電力エナジーパートナー)

 

自治体の相談窓口

市役所などの自治体では、市民が生活に困った場合に相談できる相談窓口を設けている場合があります。

多くの場合、相談は無料で、専門家が対応してくれる場合もあります。

また、場合によっては、生活保護などの公的な支援制度を紹介してもらえる可能性もあるでしょう。

ただし、あくまで役所の相談窓口ですので、問題が解決するまで親身に協力してもらえるとは限りませんので、この点は認識したうえでアドバイスを求めるのがよいでしょう。

 

借金問題に強い弁護士

債務整理などの法的な対応方法について詳しくお知りになりたい場合や、債務整理を実際に検討している場合には、弁護士へ相談するのがよいでしょう。

弁護士は、その得意分野が分かれていますので、特に借金問題に強い弁護士へ相談するのがおすすめです。

まずは、インターネットで検索し、債務整理に注力している弁護士を調べるとよいでしょう。

債務整理に注力しているか否かは、その弁護士の紹介ページなどで調べることが可能です。

さらに詳しく、借金問題に強い弁護士を探す方法をお知りになりたい場合は、以下の参考ページをご確認ください。
あわせて読みたい

債務整理や借金問題に強い弁護士を探すことの重要性や、探し方のポイントについては以下をご覧ください。

 

 

電気代の滞納についてのQ&A

最後に、電気代の滞納について、よくあるQ&Aについて解説していきます。

電気代の支払いをいつまで待ってくれる?

電気代を滞納してしまうと、その翌日から延滞利息が発生してしまいます。

しかし、電気が止められてしまうまでには猶予があります。

具体的には、督促状や停止予告状に記載されている最終支払期限までであれば、電気の供給が続くことになります。

最終支払期限は、電力会社によって異なりますが、多くの場合、滞納してから20日程度(検針日から50日程度)となります。

これまでに電気代の滞納に気づき、延滞利息とともに支払を行えば電気がストップすることを回避できます。

 

電力会社からのハガキはいつ届く?

電気代を滞納してから数日経過した頃に、電力会社から督促状が届くことが多いです。

気づかぬうちに電気代を滞納している場合、このハガキで滞納に気づくことも多いと思います。

ハガキを受け取ってすぐに支払を行えば、電気がストップすることを回避できる可能性がありますので、速やかに支払対応を行いましょう。

 

電気料金の延滞利息はいくらですか?

一般的に、1日あたり約0.03%(つまり、年10%)の延滞利息が発生します。

ただし、電力会社ごとに延滞利息の金額や料率が異なる場合がありますので、具体的にはご契約の電力会社のホームページなどを確認しましょう。

 

電気料金の滞納の支払い方法は?

一般的には、振込用紙による支払いになります。

ただし、振込用紙がお手元にない場合には、クレジットカードなど、柔軟な支払方法を認めている電力会社が多いです。

具体的な支払方法は、ご契約の電力会社のホームページや、督促状・請求書等の指示に従いましょう。

なお、東京電力の場合には以下の通りホームページ上で未払いになっている電気料金の支払い方法を案内しています。

参考:未払い料金の支払い方法について知りたい|TEPCO(東京電力エナジーパートナー)

 

 

まとめ

このページでは、電気代を滞納してしまった場合について、具体的にどうなってしまうのか?、そして滞納してしまった場合にどこに相談し、どう対処するのがよいか?について詳しく解説しました。

万が一電気が止まってしまうと、生活に大きな影響が出てしまいますので、滞納に気づいた場合には、できるだけ早くこのページでご紹介した対処法を検討いただいて、問題解決を試みることが必要になります。

特に、資金がないために仕方なく電気代を支払えない場合には、債務超過や借金問題の解決方法として法律で認められている債務整理について、ぜひ前向きに検討されるのがよいでしょう。

そして、もし債務整理への不安が残る方も、できるだけ早期に借金問題に詳しい弁護士へ相談し、疑問や不安を解消するようにしましょう。

デイライト法律事務所では、借金問題や債務整理についてのご相談についてお受けしています。

ぜひ、お気軽にご相談ください。

 

 


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