エポスカードの支払いが遅れると、遅延損害金が発生したり、カードの利用を停止されたりします。
エポスカードのようなクレジットカードを使っていると、「分割で払えるから」「今お金がなくても買えるから」と高い買い物をしすぎてしまうことが起こってきます。
そうしてカードの利用代金が増えすぎてしまうと、支払日に支払えなくなってしまう、という事態も生じてきます。
今回は、エポスカードの支払いが遅れたらどうなるのか、支払わないままでいるとどのようなことが起こるのか、支払いができない場合の対処法などについて解説していきます。
目次
エポスカードの支払いが遅れてしまったらどうなる?
エポスカードの支払いが遅れてしまったら、以下のようなペナルティが発生します。
- 遅延損害金が発生する
- 口座引落しでは払えなくなる
- エポスカードの利用を停止される
- エポスカードを強制解約される
- エポスカードのポイント(エポスポイント)の付与・利用が停止される
- 利用代金の残りを一括で支払うよう請求される
- 信用情報に事故情報が記録されてしまう(いわゆる「ブラックリストに載った状態」になる)
参考:会員規約|エポスカード
参考:エポスポイント規約|エポスカード
それぞれの項目について解説します。
遅延損害金が発生する
クレジットカードの返済を支払うべき日に支払うことができないと、次の日から、遅延損害金が発生します。
エポスカードの場合、ショッピングの利用代金の支払いが遅れた場合は年14.6%、キャッシングの場合には年20.0%の遅延損害金を請求されます。(エポスカード規約2023年4月1日版(以下「エポスカード規約」といいます。)第18条)
この遅延損害金は、最初は未払いとなっている月の支払い分に対してのみ発生します。
しかし、
- カード会社から20日以上の期間を定めた書面による催告があったにもかかわらず、書面で示された期間内に支払いをしない(1回払いによる場合及びキャッシングの返済を除く)
- キャッシングの返済、1回払いによるショッピングの利用代金の支払いが1回でも遅れた
- エポスカードで購入した商品等の質入れ、譲渡、賃貸などをした
などといったことがあると、エポスカードで借りている全額について一括での支払いを求められるようになり、遅延損害金も、借りている全額に対してかかってしまうようになります(エポスカード規約第18条、第19条第1項)。
口座引落しでは払えなくなる
支払日が過ぎてしまった後に返済をするときは、口座引き落としをしてもらうことはできません。
支払日後に返済をする場合、
- エポスATM
- インターネット入金(ペイジー)
- コンビニ支払い
- 振込み
といった方法で支払うことになり、場合によっては、手数料が発生します。
詳しくは、遅れてでも支払えるときはどうすればいい?の項でご説明します。
エポスカードの利用を停止される
支払いが遅れた場合、エポスカードの利用を停止される場合があります(エポスカード規約第23条第1項第2号)。
支払いの遅れが解消されると、多くの場合はカードの利用停止は解除されます。
しかし、延滞解消後も一定期間利用を制限すべきとカード会社が判断した場合、すぐには利用を再開できないこともあります。
エポスカードを強制解約される
支払いの遅れが続いていると、エポスカードの会員資格を喪失し、カードを強制解約されてしまう可能性があります(エポスカード規約第23条第1項第2号)。
強制解約されてしまうと、延滞を解消しても、もはやエポスカードを利用することはできません。
エポスカードのポイント(エポスポイント)の付与・利用が停止される
エポスカードを利用していると、エポスポイントを貯めることができます。
しかし、カードの支払いが遅れていると、支払いの遅れが解消されるまでの間、エポスポイントの付与と利用が停止されてしまいます(エポスポイント規約 (2022年10月1日版)(以下「ポイント規約」といいます。)第12条2項)。
さらに、エポスカードを強制解約されてしまった場合は、エポスポイントは失効してしまいます(同条第1項)。
利用代金の残りを一括で支払うよう請求される
以下のような場合には、リボ払い、分割払いなどとしていたショッピング利用代金の残額、キャッシングの残額など、カード会社に支払わなければならない金額全額を一括で支払うよう請求されることになります(エポスカード規約第19条第1項)。
- カード利用代金等(ただし、1回払いによる場合及びキャッシングの返済が遅れた場合は除く)の支払いが遅れており、20日以上の期間を定めて書面で催告されたにもかかわらず支払わない場合v
- キャッシングの返済、又は1回払いによるカードの利用代金等の支払いを1回でも遅延した場合
- エポスカードで購入した商品等の質入れ、譲渡、賃貸などをした場合
信用情報に事故情報が記録されてしまう
支払いが遅れることが2~3か月程度続くと、支払いを延滞していることが信用情報機関に報告され、信用情報に記載されてしまいます。
信用情報機関とは、個々人について、
- クレジットカード会社や銀行・貸金業者からお金をどれだけ借りているか
- 返済はどのように行っているのか
- 破産や個人再生をしたことはあるか
などといった情報(「信用情報」といいます。)を集めて管理している機関です。
この信用情報に、「破産した」「延滞した」などのマイナスの情報(いわゆる「事故情報」)を記録されてしまうと、いわゆる「ブラックリストに載った」状態になってしまいます。
「ブラックリストに載った」状態になると、「お金を貸しても返してくれない可能性が高い人だ」と認定されてしまいます。
そのため、
- 新たに住宅ローンを組むことができなくなる
- 車をローンで購入することができなくなる
- 他社のものを含めてクレジットカードが使えなくなる
- カードローンも借りられなくなる
といったデメリットが発生することになります。
ただ、信用情報は、金融機関が貸付けの審査に用いる必要があるなど厳しい基準でしか提供されないので、知人や職場などの周囲の人に「ブラックリストに載った」状態にあることが知られることは、まずありません。
上のように新たな借入れをする、という場面以外では、「ブラックリストに載った」ことの影響はほとんどありませんので、その点はご安心ください。
ブラックリストについて詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
エポスカードを支払わないときの予想される流れ
エポスカードの支払いをしないままでいた場合、次のような流れになることが予想されます。
取立て
支払いができなくなるとまず、エポスカードからの取立てが始まります。
取立ては、郵便や電話で行われます。
職場に電話がかかってくることもありますが、その場合、業者名ではなく個人名を名乗ってかけてきますので、職場の人に借金のことがバレることはあまりありません。
取立てをしても支払いがないとなると、カード会社は、次の対応(訴訟提起、支払督促の申立てなど)に移ります。
なお、裁判や支払督促の申立ての前に、
- 債権譲渡
- 仮差押え
が行われることもあります。
債権譲渡は、債権(貸したお金を返すよう請求する権利)を、債権回収会社に譲渡し、その後の回収を任せてしまうものです。
債権譲渡があったことは郵便などで知らされます。
仮差押えは、債務者が財産を勝手に処分してしまわないように、裁判所に申し立てて財産の処分を禁止するものです。
仮差押えの対象になるのは、預貯金、家、給料などです。
給料に対する仮差押えが行われると、職場にも裁判所から書類が届くので、借金が返せなくなっていることが分かってしまいます。
裁判・支払督促など
取立てをしても返済がないとなると、債権者は、裁判所に訴訟を起こす、支払督促の申立てをする、といった対応を取ってきます。
訴訟となると、口頭弁論、証拠調べなどを経て、判決が出されます。
裁判手続の最中に、分割払いで支払うことなどについて合意し、和解をすることもあります。
支払督促も、裁判所を通した手続きですが、訴訟よりもずっと簡単に済ませられてしまうものになっています。
支払督促では、裁判所から書類が送られてきます。
これは法的な効力のある書類ですので、貸金業者の取立てと同じだと思って放置しておいてはいけません。
支払督促が送達されて二週間経ってしまうと、債権者の申立てにより、支払督促に仮執行宣言が付けられてしまいます。
仮執行宣言が付くと、債権者は、債務者の財産を差し押さえる強制執行をすることが可能になってしまいます。
さらに、仮執行宣言が付いた支払督促の送達があった日から2週間が経過してしまうと、支払督促に対して異議を出すことができなくなり、支払督促は確定判決と同じ効力を持つことになってしまいます。
このようなことにならないよう、支払督促が届いたら、すぐに弁護士に相談し、対応を検討しましょう。
支払督促に異議を申し立てれば、通常の裁判手続きを受けることができます。
分割払いを希望する場合も、異議の申立てをして、通常の裁判の中で話し合うことができます。
支払督促については、以下のページで詳しく解説しています。
強制執行(差押え)
仮執行宣言付きの判決が出たり、支払いを命じる判決が確定したり、支払督促に仮執行宣言が付されたりすると、債権者は強制執行の申立てに入ります。
裁判所での和解で約束した条件(支払金額、支払日など)を守れなかった場合にも、強制執行が行われます。
強制執行では、預貯金、不動産、給料などを差し押さえられます。
不動産が差し押さえられると、債権者にお金を返すために強制競売で売却されてしまいます。
給与や預金が差し押さえられると、給与・預金を債権者に支払われてしまいます。
特に給与が差し押さえられると、裁判所や債権者から職場に連絡がいくので、借金が返せなくなっていることが知られてしまいます。
クレジットカードの利用代金などの借金を支払えなくなるとどうなるかについては、以下のページでも詳しく解説しています。
エポスカードを支払えないときの対処法~債務整理を行う~
エポスカードの支払いのためのお金を用意するのが難しくなってきたら、早めに弁護士などに相談して、国が認めた借金減額制度・債務整理を検討しましょう。
新たにキャッシングを利用したり、銀行や消費者金融から借り入れて返済をすることはお勧めしません。
「借金を借金で返す」ことを始めると、まさに「自転車操業」となり、雪だるま式に借金が増えていくこととなり、借金地獄の泥沼に足を踏み込んでしまうことになります。
クレジットカードの支払いなどが難しくなってきたら、なるべく早く弁護士に相談し、債務整理について考えましょう。
借金地獄について、詳しくは、以下のページをご覧ください。
債務整理ってどんなもの?
債務整理とは、国も認める借金減額制度です。
具体的には、借金の減額(場合によっては免除)、返済期間の延長などを行うことによって、無理なく借金問題を解決し、生活を再建できるようにしていきます。
さらに、弁護士に債務整理を依頼すると、
- クレジットカード会社や貸金業者からの取立てが止まる
- 返済も一時的に取り止めることができる
といった大きなメリットがあります。
弁護士への相談というと、「高い弁護士費用がかかるんじゃないか・・・」と心配される方もおられます。
でも、借金問題については初回無料でご相談を受け付けている法律事務所もたくさんあります。
いざ債務整理を依頼することになった場合でも、弁護士費用の支払いを分割にできる法律事務所も数多くありますので、貸金業者への支払いを止めることができる間に、弁護士費用を少しずつ支払うことができます。
ぜひ一度、気軽に弁護士までご相談ください。
債務整理を弁護士に依頼するメリット、実際に借金を減額できた事例などについて、以下のサイトで解説しておりますので、ぜひともご一読ください。
債務整理の種類
債務整理には、主として以下の3種類があります。
- 自己破産
- 個人再生
- 任意整理
それぞれについて簡単に解説します。
自己破産とは
自己破産は、裁判所に申立てをして、借金を免除(免責)してもらう手続です。
自己破産をすると、主だった財産(家、車など)は処分して、債権者に分配しなければなりませんが、借金をゼロにできることが大きなメリットになります。
自己破産について、詳しくは、以下のページをご覧ください。
個人再生とは
個人再生は、裁判所に申し立てて、借金の減額・返済期限の延長を認めてもらう制度です。
個人再生には住宅ローンの残った持ち家を守る制度もあるので、自宅を残しながら借金を大きく減らすことができます。
個人再生では、抵当権などの担保権等(別除権)がつけられた財産以外のものは、基本的に処分せずに済みます(ただし、多額の資産がある場合には、例外的に処分が必要になる場合もあります。)。
個人再生について、詳しくは以下のページをご覧ください。
任意整理とは
任意整理とは、裁判所を通すことなく、弁護士を通じるなどして貸金業者と直接交渉し、利息や遅延損害金のカット、返済期限の延長などを行い、無理なく借金を返済できるようにするものです。
任意整理であれば、
- 持ち家やローンの残った車も残せる
- 知人や親戚、職場への借金は対象外とし、これまでどおり返済することができる
- 保証人が付いた借金を対象外とし、保証人に請求がいかないようにできる
といった柔軟な解決が可能です。
手間や費用、時間も、個人再生や自己破産よりかからなくて済むことが大半です。
任意整理について、以下のページも合わせてご覧ください。
債務整理の相談はお早めに!
債務整理では、借金額が少ないほど、より自由に自分に合った手続きを選ぶことができます。
借金額が増えてしまえば、
- 利息等のカットしか受けられない任意整理では返済の目途が立たないため、個人再生か自己破産をせざるを得ない
- 個人再生で借金を減額してもらってもまだ借金額が多すぎて、返済の見込みが立たないため、自己破産せざるを得ない
ということになってきます。
債務整理の問題は、借金額が増えすぎる前に、なるべく早く弁護士に相談することがとても大切です。
借金問題は早く弁護士に相談すべきこと、債務整理に強い弁護士の選び方について、詳しくは以下のサイトをご覧ください。
借金減額をシミュレーターで簡単に診断
当事務所では、借金問題解決の道筋に関し、それぞれの方に合った情報をご提供するため、借金減額シミュレーターを設置しております。
個人情報を入力する必要もなく、いくつかの簡単な質問にご回答いただくだけで、その場ですぐに、あなたの状況にあった解決方法に関する情報をご覧いただくことができます。
ぜひ一度、お試しください。
遅れてでも支払えるときはどうすればいい?
通常の支払日に口座にお金がなかった場合、後から引落し口座に入金しておいても、再度の口座引落しは行われません。
支払日から遅れて返済をする場合には、次のような方法で支払いをする必要があります。
まずはコールセンターに電話をする
支払日には間に合わなかったけれども支払いをしたい、という場合には、エポスカードのコールセンターに連絡してみましょう。
振込先の口座などの支払い方法について案内してもらえます。
コールセンターの電話番号は、03-3381-0101(受付時間 9:00〜19:00)となっています。
参照: よくあるご質問|エポスカード
支払い方法について
支払日後にエポスカードへの返済をする場合、以下のような支払い方法が用意されています。
エポスATMから支払う
エポスカードは各地にエポスATMを設置しており、このATMから利用代金の支払いをすることができます。
エポスATMを利用するには、カードと暗証番号が必要です。
他にも、提携している他行のATMからの返済もできます(手数料がかかる場合があります。)。
コンビニから支払う
コンビニで支払いをすることもできます(1回につき手数料165円)。
コンビニ払いを利用するには、エポスNetまたはエポスアプリにログインし、所定の操作をして返済用のバーコードを取得します。
そのバーコードをコンビニで提示すると、支払いをすることができます。
インターネットから支払う
インターネット入金(ペイジー)などを利用することもできます。
エポスカードのホームページから手続きをして、以下のいずれかの方法で支払うことが可能です。
- インターネットバンキング
- 銀行ATM(Pay-easy(ペイジー)払い)
振り込み
コールセンターから案内される口座に振込入金することで、支払いをすることもできます。
振込手数料は、支払う側の負担になります。
詳しくは、上でご紹介したコールセンターにお尋ねください。
エポスカードの支払いが遅れたときのQ&A
いつまでに支払えばいい?
支払えるようになったら、なるべく早く支払いましょう。
本来の支払日を過ぎた後は、日が経つにつれて遅延損害金が発生していきますので、返済が遅れるとその分支払わなければならない額も増えてきてしまいます。
支払いが遅れている期間が長くなると、カードを強制解約されたり、信用情報に延滞情報を記載されてしまうリスクも上がってきます。
インターネットで支払うこともできるので、支払いができるようであれば、できるだけ早く支払うようにしましょう。
まとめ
今回は、エポスカードの利用代金の支払いが遅れてしまった場合どうなるか、返済ができない場合の対処法、支払日の後に返済をする方法などについて解説しました。
エポスカードなどのクレジットカードは、手元にお金がなくても買い物ができたり、キャッシングでお金を借りたりできてしまうので、ついついお金を使い過ぎてしまうことが起こりがちです。
しかし、そうして使ってしまったお金は、いずれ返済しなければなりません。
ショッピングの分割払い・リボ払い、キャッシングの場合には、利息や手数料も支払わなければならなくなります。
支払日にお金の用意ができず、支払いが遅れてしまうと、遅延損害金の発生、カードの利用停止などのペナルティがありますし、いわゆる「ブラックリスト」に載った状態になるおそれもあります。
クレジットカードは、くれぐれも計画的に利用しましょう。
クレジットカードなどの借金の支払いが増えすぎて生活が苦しい、返済の目途が立たなくなってしまった、などの場合には、債務整理について、早めに弁護士に相談しましょう。
早めに対処することで、借金が増えすぎる前に、希望する方法での対応(保証人がいる場合には請求がいかないようにする、知人・友人からの借金には手をつけない、自宅などの財産を失わないようにするなど)により、困難な状況から抜け出すことができる可能性が高まります。
当事務所でも、借金問題に注力する弁護士たちによる破産再生チームを設け、皆様のご支援に当たっております。
LINEによるご予約も可能です。
ぜひ一度、当事務所までお気軽にご相談ください。