「0570012120」からの着信やSMSにより、不安を感じている方も多いと思います。
この電話番号は、2023年現在、エーシーエス債権管理回収の電話番号として使用されています。
多くの方は、エーシーエス債権管理回収という会社を聞いたこともなく、どんな会社か不安に思われているかもしれません。
エーシーエス債権管理回収とは、皆さんの借金などの未払い債務について、貸金業者などの代わりに回収を行う専門業者の一つです。
エーシーエス債権管理回収からの連絡があった場合には、落ち着いてその内容を確認するようにしてください。
もし、電話の対応に面倒を感じて拒否したり、通知を無視してしまうと、裁判を起こされたり、財産などを差し押さえられるリスクがあります。
このページでは、エーシーエス債権管理回収からの電話や文書が届いた際に、どのように対処すればよいかを、ケースごとに説明しています。
ぜひご参考になさってください。
目次
エーシーエス債権管理回収とは?
まず、エーシーエス債権管理回収というのがどのような会社か、概要を確認しておきましょう。
商号 | エー・シー・エス債権管理回収株式会社 |
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設立 | 平成11年2月16日 |
資本金 | 6億円 |
代表 | 代表取締役社長 松山 正弘 |
監査法人 | 有限責任監査法人トーマツ |
主要株主 | イオンフィナンシャルサービス株式会社 |
本社 | 〒261-0023 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目3番地 幕張テクノガーデンD棟16階 |
事業所 | ■東京センター 〒261-0023 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目3番地幕張テクノガーデンD棟16階■名古屋センター 〒460-0003 愛知県名古屋市中区錦1丁目13番26号名古屋伏見スクエア7階■大阪センター 〒541-0053 大阪府大阪市中央区本町1丁目7番6号本町センチュリービル9階■沖縄オフィス 〒900-0029 沖縄県那覇市旭町116番地37カフーナ旭橋2階C街区オフィスコート |
エーシーエス債権管理回収は、正式には「エー・シー・エス債権管理回収株式会社」です。
平成11年に設立された、比較的歴史のある会社になります。
平成11年当時から、債権管理回収業の許可を国から受けて債権回収業務を営んでいる会社で、債権回収会社(サービサー)に該当します。この債権回収会社(サービサー)については後述します。
エーシーエス債権管理回収は、元々はイオンクレジットサービス社※というイオングループのカード会社の一部門から独立した会社です。
※過去にイオンフィナンシャルサービス株式会社に吸収合併されているため、現在はイオンクレジットサービスという会社は存在しません。
そして、主要株主は、イオングループの金融事業をになっている「イオンフィナンシャルサービス株式会社」です。
イオングループは、イオンモールや、マックスバリュ、ミニストップなどのスーパーマーケットやコンビニ事業などを全国で展開する企業グループですので、皆さんもよくご存知かと思います。
なお、エーシーエス債権管理回収は、プライバシーマーク認証を取得しています。
プライバシーマーク認証とは、法律よりも厳格な個人情報の管理ルールを遵守して、第三者機関※に認証を受けた会社にのみ与えられる資格です。
※一般財団法人日本情報経済社会推進協会という団体
エーシーエス債権管理回収が自分の個人情報を持っていることに不安を覚える方もいらっしゃるかもしれませんが、エーシーエス債権管理回収は、個人情報の管理について一定の体制が整っている会社であるといえそうです。
参考:プライバシーマーク制度|一般財団法人日本情報経済社会推進協会
債権回収会社(サービサー)とは
上でも説明しました通り、エーシーエス債権管理回収は、債権回収会社(サービサー)という種類の会社になります。
債権回収会社(サービサー)とは、債権管理回収業務を営む会社で、法務大臣の許可を受けた株式会社のことをいいます。
債権管理回収業務とは、貸金業者その他の金融機関等から依頼を受けて、代わりにその債権(債務)の回収を代行する業務のことです。※
※なお、金融機関等からその債権自体を譲り受けて、自ら債権者となって債権回収をする場合もあります。
具体的には、債権回収会社(サービサー)は、債権者(貸金業者など)の代わりに、電話をかけたり、ハガキ等を送って支払を催促したりしています。
このような債権回収会社は、必ず法務大臣の許可を受けなければならないとされています(債権管理回収業移管する特別措置法第3条)。
本来、債権の回収については、法律的な専門知識が必要となるため、弁護士や弁護士法人以外では認められないのが原則とされています(弁護士法第72条、第73条)。
この特例として、一部の債権回収については、法律の要件を満たした会社で、法務大臣の許可を受けた会社=債権回収会社(サービサー)に限って認められています。
エーシーエス債権管理回収の特徴
エーシーエス債権管理回収は、イオングループの債権回収会社(サービサー)ですから、イオングループの各会社の債権回収を扱っています。
例を挙げますと、イオン銀行のカードローンや、イオンカードの未払い債権について、エーシーエス債権管理回収が回収を代行していることが多いです。
ほかにも、官公庁や電力会社、通信会社等、イオングループに関わらず、他業種の会社の債権回収を代行しているようです。
エーシーエス債権管理回収から連絡が来る理由
カードローンやクレジットカードへの返済を滞納している
エーシーエス債権管理回収から連絡が来る理由として、代表的なものが、イオン銀行のカードローンについて返済期限を過ぎても返済をしていない場合や、クレジットカードであるイオンカードを利用したにもかかわらずカード会社への支払を延滞している場合です。
もっとも、イオングループのサービスに限らず、カードローンやクレジットカードなどで滞納がある場合には、エーシーエス債権管理回収から連絡が来る場合があります。
電気料金を滞納している場合
エーシーエス債権管理回収の主要な取引先には、電力会社各社も含まれています。
そのため、電力会社に対する債権についても、エーシーエス債権管理回収が代わって回収しているケースが少なくありません。
代表的なところでは、東京電力についても、以下の参考ページの通り、エーシーエス債権管理回収が電気料金の回収を受託しています。
参考:電気料金のお支払いに関する業務委託について|東京電力エナジーパートナー
通販代金を滞納している場合
通販で購入した商品代金を滞納した場合にも、エーシーエス債権管理回収から連絡が来る可能性があります。
イオングループの通販はもちろんのこと、それ以外であってもエーシーエス債権管理回収から連絡が来る可能性がありますので注意しましょう。
その他の債務を滞納している場合
ほかにも、例えば官公庁が主要な取引先に入っていますので、公共料金の支払いを滞納した場合などでも、エーシーエス債権管理回収から連絡が入る可能性があります。
以上で説明したケースに限らず、幅広い債務の延滞についても、エーシーエス債権管理回収から連絡が入る可能性があります。
本当にエーシーエス債権管理回収?チェックリスト
エーシーエス債権管理回収から連絡が入ったとしても、何も考えずにすぐに信じてしまい、言われるがままにお金を支払ってしまうのは危険です。
エーシーエス債権管理回収の名前を騙った成りすましによる架空請求の可能性があるからです。
その連絡が、本当にエーシーエス債権管理回収のものか、しっかりチェックすることが重要です。
以下の通り、ケースごとに注意すべきポイントがありますので確認していきましょう。
ハガキや文書の場合
項目 | 内容 |
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ハガキや文書に書かれた内容(債務の有無や、滞納の事実)に心当たりがあるかを必ず確認しましょう。 |
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日本語に違和感があったり、不自然な漢字になっていないことを確認しましょう。
もしそのような特徴があれば、偽物の可能性があります。 |
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携帯電話番号が連絡先として記載されている場合、偽物の可能性があります。
また、連絡先に複数の電話番号が書かれている場合も怪しいです。 |
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滞納している債権の督促ハガキの場合、目隠しシールが貼られているのが通常です。もし目隠しシールがなく、プライバシー保護の対応がなされていなければ、偽物の可能性があります。 |
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例えば、支払先の口座名義が、個人氏名になっている場合、偽物の可能性があります。 |
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ほかにも、不自然な点がないか。あれば必ず正式な問い合わせ窓口へ問合せを行いましょう。 |
以上のチェック項目で、ハガキや文書の内容を丁寧に確認しましょう。
特に重要なのは、身に覚えがあるか?という点です。
滞納している心当たりがない場合には、必ずエーシーエス債権管理回収へ問合せを行うようにしましょう。
問合せの際、ハガキや文書に書かれた問合せ先に連絡するのは厳禁です。
そこには、偽物の問合せ先が記載されている可能性が高く、その場合、詐欺業者などにつながってしまう為です。
必ず、以下のエーシーエス債権管理回収のホームページに記載されている正式な問い合わせ窓口へ問合せをするようにしてください。
FAX番号 043-332-2210
受付時間 月曜日~金曜日 9:00~18:00 (土・日・祝日・年末年始は除く)
電話の場合
項目 | 内容 |
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連絡を受けた事実(債務の有無や、滞納の事実)に心当たりがあるかを必ず確認しましょう。 |
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日本語に違和感がある場合や、こちらの質問をはぐらかされるなど、不自然な点がないことを確認しましょう。
もしそのような特徴があれば、成りすましの可能性があります。 |
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支払先の口座名義が、個人氏名になっている場合、偽物の可能性があります。 |
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ほかにも、不自然な点がないか。あれば必ず正式な問い合わせ窓口へ問合せを行いましょう。 |
電話の場合には、ハガキや文書と違って、架空請求かどうかの判断をする材料が多くありません。
そこで、電話の場合には、上記の観点で不自然な点がないかを慎重に確認してください。
また、電話先の相手には、エーシーエス債権管理回収へ回収を委託した会社がどこか?、取引日はいつか?、債権額はいくらか?などの詳しい事情を質問して確認するようにしましょう。
心当たりがない、不自然な応対をされる、等の事情があれば、必ず上記のエーシーエス債権管理回収の問い合わせ窓口へ確認してください。
0570012120からの着信
電話の場合には、発信元の電話番号も確認するようにしましょう。
0570012120からの着信であれば、エーシーエス債権管理回収からの電話である可能性が高いです。
ショートメッセージの場合
項目 | 内容 |
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滞納について心当たりがあるかを確認しましょう。 |
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日本語に違和感があったり、不自然な漢字になっていないことを確認しましょう。
もしそのような特徴があれば、偽物の可能性があります。 |
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携帯電話番号が連絡先として記載されている場合、偽物の可能性があります。 |
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エーシーエス債権管理回収のSMS発信元の番号は、以下の3つであることが多いです。 これに該当しない場合には、架空請求を疑いましょう。043(350)1324 06(6262)3324 052(308)3701 |
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ほかにも、不自然な点がないか。
あれば必ず正式な問い合わせ窓口へ問合せを行いましょう。 |
ショートメッセージで連絡が来る場合もあります。
ショートメッセージは短い文章で送られるため、滞納している債権の詳細などは記載されておらず、単に、ショートメッセージに記載されている電話番号への連絡を依頼するような内容になっていることが多いです。
チェックリストに記載の各観点でチェックし、少しでも気になる点があれば、エーシーエス債権管理回収へ問合せを行いましょう。
問い合わせの際には、ショートメッセージに記載されている電話番号に書けるのではなく、上記のエーシーエス債権管理回収のお客さま苦情・相談窓口へ問い合わせるようにしましょう。
エーシーエス債権管理回収から連絡があったときの対応
エーシーエス債権管理回収から連絡があった場合、まずはその連絡内容を確認して、心当たりのある内容か、否かを確認することが第一です。
心当たりがある場合
連絡内容にもし心当たりがある場合、まずは、自身の債務状況を詳しく確認しましょう。
エーシーエス債権管理回収の担当者に確認するとともに、その内容が正確か、できるだけ手元の資料(最近はWEBサービスなどの場合もあります)でその内容が正しいか、確認するのがいいでしょう。
そのうえで、以下の通り、「債務整理」や「時効の援用」を検討しましょう。
債務整理を検討する
債務整理は、借金問題を解決する方法の一つです。
任意整理や個人再生など、自身の経済状況に合った方法を専門家である弁護士に相談し、債務の軽減や返済計画の見直しを行えることが多いです。
時効の援用を検討する
加えて、一定の債務については、消滅時効を援用することで支払いを逃れることができます。
消滅時効の条件は債務の種類や状況ごとに異なりますし、その判断は法律に基づく専門的な判断を要しますので、こちらも合わせて弁護士に相談して具体的な対応を検討しましょう。
弁護士に相談しないうちに、安易に「今はお金がないから待ってほしい」などと返済猶予を求めるようなことはエーシーエス債権管理回収に言わないようにしましょう。
時効の援用ができなくなる可能性がありますので、注意が必要です。
身に覚えがない場合
一方、連絡内容について身に覚えがない場合は要注意です。
冷静にかつ、慎重に、以下のような対応を取りましょう。
証拠を確認する
エーシーエス債権管理回収からの連絡に対して身に覚えがない場合、エーシーエス債権管理回収による誤解や間違いの可能性があります。
まず、請求内容やその証拠を文書などで要求し、自身が本当に債務を負っているかを確認するようにしましょう。
もし、そういった文書がスムーズにもらえない等、トラブルが生じた場合には速やかに弁護士へ相談することをお勧めします。
不当な請求へ対応する
証拠を確認した結果、その請求が不当なものであったり、過去に支払い済みの債務であると思われる場合には、不当な請求にどのように対処するべきか、検討する必要があります。
法律的に慎重な対応を要することになりますので、この場合には必ず弁護士へ相談して対応を協議してから対応するようにしましょう。
NGな対応の例
エーシーエス債権管理回収からの連絡に対して、以下のようなNGな対応は避けましょう。
無視する
エーシーエス債権管理回収からの連絡があるにもかかわらず、それを無視してしまうのは得策ではありません。
無視して放置したままにしてしまうと、返済を拒否したものとみなされてしまい、エーシーエス債権管理回収や債権者から、法的な手続きをとられてしまう可能性があります。
エーシーエス債権管理回収から連絡があった場合には、面倒かもしれませんが、無視をせず必ず返信・応答することが重要です。
また、身に覚えがある場合に、直接連絡は取りたくないということであれば、早めに弁護士に相談して債務整理を依頼することを検討しましょう。
嘘をつく
エーシーエス債権管理回収からの連絡に対して、その場しのぎのために嘘をついてしまうのもNGです。
例えば、本当は身に覚えがあるにもかかわらず、「自分には関係ない債務だ」と嘘をつくのはやめましょう。
後日その嘘が明らかになると、不利な証拠となったり、返済に加えて損害賠償の請求を受けてしまう可能性もあります。
相手を脅すなど、冷静さを欠いた対応をする
エーシーエス債権管理回収の担当者に対して、腹を立てたり、脅すなどの冷静さを欠いた対応もNGです。
これによって状況が良くなることはありませんし、場合によっては犯罪行為に該当し、警察沙汰にもなりかねないので注意が必要です。
エーシーエス債権管理回収についてのQ&A
最後に、エーシーエス債権管理回収についてのよくあるQ&Aを記載します。
連絡があったらブラックリストに載っていますか?
いわゆるブラックリストとよばれる代表的なものには、金融機関やカード会社各社が接続している個人信用情報機関(例 全国銀行個人信用情報センターなど)への登録があります。
金融機関からの借り入れなどを延滞している場合には、このブラックリストに載っている可能性はあります。
もっとも、早期に返済を行うなど、対応をすればブラックリスト情報も更新されますので、影響を最小限に抑えられます。
そのためにも、このページでお話ししたような対応を心がけましょう。
エーシーエス債権管理回収との和解は可能ですか?
和解をすることも、状況によっては可能です。
例えば、和解をすることで、債務の一部を支払うことで債務免除をしてもらったり、長期的な返済計画を立てて期限の猶予をもらうことなどが考えられます。
しかし、債権者(エーシーエス債権管理回収へ回収依頼をしている会社)の方針によっても和解の可否はまちまちです。
また、具体的な和解条件や交渉は個別のケースによって異なります。弁護士に相談し、最適な和解方法を見つけることが重要です。
まとめ
このページでは、エーシーエス債権管理回収から連絡が来た場合の対応方法について解説しました。
エーシーエス債権管理回収は、法律で認められたサービサーという会社ですので、冷静に対応することがまずは重要です。
もし連絡内容に心当たりがない、あるいは、支払が難しいため債務整理などを検討したい、ということであれば速やかに弁護士へ相談して対応策を検討するようにしましょう。
デイライト法律事務所では、エーシーエス債権管理回収等のサービサーからの連絡に関するご相談にも対応しております。
ぜひ、お気軽にご相談ください。