「アルファ債権回収」と名乗る会社から、電話や封書・ハガキ、SMS等で連絡を受けることがあります。
そして、連絡を受けるほとんどの方は、アルファ債権回収という会社と取引をしたことがなく、名前すら聞いたことがない、という方も少なくありません。
アルファ債権回収は、いわゆるサービサーと呼ばれる会社の一つで、皆さんの借金などの債務の取り立てを業務とする会社です。
特に、支払が予定通りなされておらず、いわゆる延滞している場合に、金融機関などの債権者が、アルファ債権回収へ依頼することが多いため、自分の債務が延滞している場合にアルファ債権回収から支払を促す連絡が入ります。
見知らぬ会社から急に連絡が入って、延滞している借金などの支払を求められるわけですから、不安に感じる方が大変多いと思います。
もっとも、アルファ債権回収は、国の許可を受けて営業しているサービサーという会社です。
一旦落ち着いて、冷静に対応することを心がけましょう。
このページでは、アルファ債権回収から連絡を受けた方が、何に注意する必要があるか、どのように対処すればよいのか、について具体的に説明していきます。
目次
アルファ債権回収とは?
アルファ債権回収について、まずは基本的な事項を確認しておきましょう。
公表されている会社概要は以下の通りです。
商号 (正式な社名) |
アルファ債権回収株式会社 |
設立日 | 2005年12月26日 |
代表取締役 | 代表取締役社長 本多 俊郎 |
資本金 | 5億円 |
株主 | 株式会社SBI新生銀行(100%出資) |
本社所在地 | 〒104-0033 東京都中央区新川一丁目28番23号 東京ダイヤビルディング5号館 14階 |
WEBサイト | http://www.alpha-servicer.co.jp/index.html |
アルファ債権回収のホームページ上で公表されている受託元会社・団体の一例は以下の通りです。
これらの会社・団体に対して未払いの心当たりがある方は、要注意です。
- 株式会社IDOM
- 株式会社Credd Finance
- 株式会社USEN-NEXT フィナンシャル
- 株式会社東京スター銀行
- 神奈川県
- 千葉県
- ニッセン・クレジットサービス
- 新生フィナンシャル
- 新生パーソナルローン
- 新生債権回収&コンサルティング株式会社
- 静岡銀行
- みちのく銀行
- 琉球銀行
- 日本国際教育支援協会
- 高知銀行
- 愛媛銀行
アルファ債権回収の業務内容は、多数ありますが、その中心的な業務は債権の管理回収業務です。
債権の管理回収業務を営む会社は、国から認められたサービサー(債権回収会社)のみです。
アルファ債権回収もこのサービサーの一社になります。
※サービサーについては後ほど説明します。
アルファ債権回収は、SBIグループに所属する、SBI新生銀行グループの一員、という位置づけになります。
なお、アルファ債権回収は、債権管理回収のコンサルティングをやっているサービサーとしても有名で、企業が債権管理回収をするための指導やアドバイスなども事業として行っています。
個人情報の取扱体制
見知らぬアルファ債権回収から連絡を受けた方の中には、「勝手に自分の個人情報を使われているのでは?」「個人情報が漏洩することはないか?」と心配になる方がいらっしゃるかもしれません。
アルファ債権回収は、標準的な基準である、ISO/IEC 27001 / JIS Q 27001で定められた要求事項(条件)に適合した情報管理体制(情報セキュリティマネジメントシステム)を持っているとして、2008年4月に「ISMS適合評価制度」の認証を受けています。
そのため、一般企業と比べて、アルファ債権回収は情報管理についての体制が整っているといえそうです。
債権回収会社(サービサー)とは
前述の通り、アルファ債権回収は、債権回収会社、或いはサービサーと呼ばれる会社です。
元々、日本においては債権管理回収業務は弁護士・弁護士法人にしか認められていませんでした。
債権管理回収業務は、延滞などのトラブルが起きている債権を回収することになるため、反社会的勢力などが関与しがちで、違法活動が行われてしまう懸念が高いとされているからです。
もっとも、いわゆる不良債権の問題が社会問題となった1999年に、これを解決するためサービサー法(正式には「債権管理回収業に関する特別措置法」)が施行されました。
これによって、債権回収会社(サービサー)が日本で認められました。
民間企業であっても、各種規制や条件※を満たし、国から許可を受けた会社であれば、サービサーとして、一定の債権について債権管理回収業務が営めるようになっています。
※代表的な条件は以下の3点です。
- 資本金が5億円以上であること
- 取締役の内、1名以上が弁護士であること
- 反社会的勢力(暴力団など)を排除する仕組みが整っていること
債権管理回収業務とは、具体的には、金融機関や事業会社などが持っている債権の回収を、代わりに行うことです。
それらの債務者である消費者に対して、アルファ債権回収などのサービサーが、電話等を行って、支払を求めるための連絡(督促連絡など)を行うことになります。
なお、金融機関や事業会社などの債権者から、債権そのものの譲渡を受け、サービサー自身が債権者として債権の支払いを求めるケースもあります。
(営業の許可)
第三条 債権管理回収業は、法務大臣の許可を受けた株式会社でなければ、営むことができない。
引用元:債権管理回収業に関する特別措置法|e-Gov法令検索
第72条
弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
引用元:弁護士法|e-Gov法令検索
アルファ債権回収の特徴
アルファ債権回収は、前述の通りSBIグループに属するSBI新生銀行グループのサービサーですので、これらのグループ会社が持つ債権を取り扱うケースが多く見られます。
具体的には、アプラス社、新生フィナンシャル(レイク)などで借金や未払いがある場合で、その債務が支払期限を過ぎている場合にはアルファ債権回収から連絡が来ることが多いです。
しかし、アルファ債権回収は、SBIグループやSBI新生銀行グループに限らず、幅広い会社や団体の債権回収を受託しています。
アルファ債権回収は、地方自治体の債権回収も受託していますので、自治体への支払に滞納がある場合には、アルファ債権回収から連絡が入る可能性があります。
また、東京スター銀行、静岡銀行、みちのく銀行、琉球銀行など、地方銀行の受託もしています。
そのため、地方銀行のローンなどの借り入れに滞納がある場合にも、連絡が入る可能性があります。
奨学金の回収業務を行う
さらに、日本国際教育支援協会、神奈川県、千葉県などの奨学金債権についても受託していますので、奨学金の返済が送れている等の場合にも、アルファ債権回収から連絡が来ることが多いです。
このようにアルファ債権回収は幅広い会社・団体から受託しています。
アルファ債権回収から連絡が来る理由
消費者ローンやクレジットカードの支払が止まっている
アルファ債権回収はSBI新生銀行グループの会社ですが、その中でも、アプラス社との関係が強いとされています。
アプラス社は、消費者や個人事業主に向けた各種のローンを扱っているほか、クレジットカードも発行している、いわゆる信販会社です。
そのため、これらのローンやクレジットカードの支払いを延滞してしまうと、アルファ債権回収から連絡が入る可能性が高いです。
アプラス社に限らず、株式会社USEN-NEXT フィナンシャル、ニッセン・クレジットサービス、新生フィナンシャル、新生パーソナルローンといった各社のローンやクレジットカードなどの支払が止まってしまっている場合には連絡が来る可能性があります。
ほかの会社であっても、ローンやクレジットカードの支払いが止まっている場合には、アルファ債権回収から連絡が来る可能性があります。
奨学金の支払が止まっている
前述の通り、アルファ債権回収は、日本国際教育支援協会、神奈川県、千葉県から委託を受けて、その奨学金債権の回収も行っています。
特にこれらの団体・自治体から奨学金を借りており、予定通りの返済ができていない場合には、アルファ債権回収から連絡が来る可能性が高いです。
このほかにも、返済期限の過ぎた奨学金がある場合には、アルファ債権回収から連絡が入る可能性がありますので留意しましょう。
銀行から借りたローン等の返済が止まっている
アルファ債権回収は、全国の多くの地方銀行から委託を受けています。
そのため、銀行から借りたローンの返済など、銀行との間で支払が止まっている債務がある場合には、アルファ債権回収から連絡が入る可能性が高いといえます。
その他の債務の支払が止まっている
以上の他にも、アルファ債権回収は幅広い種類の債務を扱っています。
そのため、何らかの債務で支払い期限を過ぎているものがあればアルファ債権回収から連絡が入る可能性があります。
本当にアルファ債権回収?チェックリスト
もしあなたにアルファ債権回収を名乗る連絡が入ったとしても、それが本物のアルファ債権回収なのか、検証する必要があります。
ひょっとしたら、アルファ債権回収を名乗る偽物による、架空請求の可能性があるからです。
アルファ債権回収も、そのホームページ上で、アルファ債権回収の名称や連絡先(住所、電話番号)、役職員をかたった悪質な架空請求や不当請求が発生していることを公表しています。
電話や文書で支払いを求められると、つい申し訳ない気持ちになって、お金を振り込んでしまいがちですが、言われたことをそのまま信じてしまうのは危険ですので避けるようにしてください。
ここでは、アルファ債権回収から受ける連絡の種類に応じて、注意するべきポイントをチェックリストの形式でまとめています。
一つずつ見ていきましょう。
ハガキや文書の場合
項目 | 内容 | |
---|---|---|
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心当たりがあるかを確認 | ハガキや文書には、支払いを求める内容が書かれていることが多いです。そこに書かれた債務や支払遅延について、心当たりがあるかを確認しましょう。 |
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日本語に違和感がないかを確認 | 内容だけではなく、形式的な日本語に違和感がないことも確認しましょう。架空請求の場合、日本語が一部カタコトであったり、誤字が合ったりすることが多いです。 |
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連絡先が不自然ではないかを確認 | ハガキや文書には、アルファ債権回収の連絡先として電話番号などが書かれていることが多いです。その電話番号が携帯電話の番号であれば、架空請求の可能性が高いといえます。
或いは、連絡先に複数の電話番号が書かれている場合も架空請求の可能性が高いです。 |
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ハガキに個人情報保護用のシール(目隠しシール)が貼られているかを確認 | ハガキの場合、具体的な支払請求の内容が書かれている箇所が、プライバシー保護のため、目隠しシールなどで隠されていることが多いです。もし目隠しシール等が貼られておらず、請求内容が郵便配達員などにも丸見えの状態になっている場合、架空請求の可能性が高いです。 |
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銀行口座の名義人が不自然ではないかを確認 | ハガキや文書は、支払いを求める内容であることが多いです。そのため、支払先の銀行口座が書かれているはずです。
その銀行口座の名義人が、個人氏名であれば架空請求の可能性が高いです。(アルファ債権回収は、ホームページ上で、個人名義の口座への振り込みを求めることはない、と公表しています。) ほかにも、口座名義に不自然な点がないか慎重に確認しましょう。 |
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その他の点で不自然な点はないかを確認 | その他にも、ハガキや文書のデザインや、書きぶりなど、不自然に思われる点があれば、架空請求を疑うようにしましょう。もし架空請求が疑われる場合は、アルファ債権回収の正式な窓口へ確認するようにしましょう。 |
アルファ債権回収からハガキや文書が届いた場合のチェックポイントは上の通りです。
ハガキや文書の場合、電話でのやり取りとは違って不自然な点をじっくり確認できます。
ゆっくり落ち着いて、本物の通知なのか、架空請求なのか、慎重に検討するようにしてください。
もし、何らかの理由で架空請求が疑われる場合には、アルファ債権回収の正式な相談窓口へ問合せを行って、確認するようにしてください。
アルファ債権回収に問合せをする場合には、ハガキや文書に書かれている連絡先ではなく、アルファ債権回収のホームページなどで公表されている正式な窓口へ連絡するようにしてください。
ハガキや文書が架空請求の場合には、そこに書かれている電話番号なども偽物である可能性が高いため、アルファ債権回収を名乗る偽物の詐欺業者につながってしまう可能性があるためです。
アルファ債権回収は、架空請求についてホームページ上で注意を呼び掛けており、不審な通知を受けた場合には以下の問い合わせ窓口へ連絡するように案内しています。
電話:03-4334-1033
※受付時間 9時00分 ~ 17時20分
※土曜日、日曜日、祝日、年末年始を除きます。
引用元:架空請求・不当請求について|アルファ債権回収株式会社
電話の場合
項目 | 内容 | |
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心当たりがあるかを確認 | アルファ債権回収を名乗る電話では、債務の支払いを求められることが多いです。そこで説明される債務や支払遅延について、心当たりがあるかを確認しましょう。 |
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電話先の話し方等に不自然な点がないかを確認 | 電話先の相手の話し方が流暢でなかったり、受け答えや敬語に違和感があるなど、不自然な点がないかを確認しましょう。 もし不自然な点があれば架空請求を疑いましょう。 |
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銀行口座の名義人が不自然ではないかを確認 | 支払先として指定された銀行口座の名義人が、個人氏名であれば架空請求の可能性が高いです。(アルファ債権回収は、ホームページ上で、個人名義の口座への振り込みを求めることはない、と公表しています。) ほかにも、口座名義に不自然な点がないか慎重に確認しましょう。 |
|
その他、不自然な点はないでしょうか? | その他にも、電話先の相手の言動に不自然に思われる点があれば、架空請求を疑うようにしましょう。もし架空請求が疑われる場合は、アルファ債権回収の正式な窓口へ確認するようにしましょう。 |
ハガキや文書と違い、電話の場合にはその場のやり取りだけで相手が架空請求か否かを判断しなければなりません。
電話では慣れないやり取りに動揺してしまうこともあるかと思います。
電話のやり取りが無事終わったとしても、必ず、やり取りを思い返して、心当たりがあるか・不自然な点がないか、落ち着いて考えるようにしてください。
もし、電話のやり取りをしている中で不自然な点を感じたら、相手の話を聞くだけではなく、こちらからより詳しい事情などを質問するようにしましょう。
例えば、債権者がだれか、いつから支払が止まっているか、などの事情を掘り下げるのがよいでしょう。
架空請求であれば、こちらからの質問に対してスムーズに受け答えができない等、ぼろを出す可能性があります。
もし、架空請求が疑われる場合には、上でも説明している通り、アルファ債権回収の正式な相談窓口へ問合せを行って確認するようにしてください。
また、かかってきた電話番号をインターネットで検索してみることも架空請求かどうかを確認する上で一つの方法になります。
ショートメッセージの場合
項目 | 内容 | |
---|---|---|
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心当たりがあるかを確認 | ショートメッセージの場合、その中身は折り返しの連絡などを求める内容であることが多いため、支払いを求めたり・債務の内容が記載されていないことも多いです。もっとも、その先のやり取りで支払いを求められる可能性が高いので、この時点で債務や支払遅延について、心当たりがあるかを確認しましょう。 |
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送信内容が不自然ではないかを確認 | アルファ債権回収からのショートメッセージは、以下の3種類に限定されていることが公表されています。
※なお、①②にはURLは記載されない。 これ以外の内容が書かれている場合には架空請求の可能性が高いです。 |
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日本語に違和感がないかを確認 | 内容だけではなく、形式的な日本語に違和感がないことも確認しましょう。
架空請求の場合、日本語が一部カタコトであったり、誤字が合ったりすることが多いです。 |
|
連絡先が不自然ではないかを確認 | ショートメッセージでは、アルファ債権回収の連絡先として電話番号などが書かれていることが多いです。
その電話番号が携帯電話の番号であれば、架空請求の可能性が高いといえます。 或いは、連絡先に複数の電話番号が書かれている場合も架空請求の可能性が高いです。 |
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SMS送信元の電話番号がアルファ債権回収のものでしょうか? | アルファ債権回収のSMS発信元の番号は、必ず以下のいずれかとされています。 これらに該当しない場合には、架空請求を疑いましょう。03-4334-3133 または +81343343133 06-6734-6242 または +81667346242 0120-654-078 または +81120654078※一部のiPhoneで冒頭0が+81(国番号)で表示される場合があります。 ※ソフトバンクでは送信元電話番号として、「0032069000」が表示されます。 |
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その他にも不自然な点はないでしょうか? | その他にも、SMSの書きぶりなど、不自然に思われる点があれば、架空請求を疑うようにしましょう。もし架空請求が疑われる場合は、アルファ債権回収の正式な窓口へ確認するようにしましょう。 |
ショートメッセージは短い文章で通知されるので、ハガキや文書と違って架空請求か否かの判断材料が少ないです。
そんな中でも、上にお示しの各項目で不自然な点がないかを必ず検討するようにしてください。
アルファ債権回収は、上記の通り、ショートメッセージで送信している内容や、送信元の番号などが公表されていますので、これらと異なるショートメッセージかどうかは必ず確認するようにしましょう。
もし、架空請求が疑われる場合には、上でも説明している通り、アルファ債権回収の正式な相談窓口へ問合せを行って確認するようにしてください。(ショートメッセージに記載されている連絡先にそのまま連絡するのは避けましょう。)
こちらにアルファ債権回収が発信しているSMSの種類や発信元番号が公表されています。
アルファ債権回収から連絡があったときの対応
続いて、アルファ債権回収から連絡を受けた場合の、対応方法をフロー図に従って説明します。
アルファ債権回収から連絡があった場合には、まず何より、その連絡内容に心当たりがあるか否かを確認するようにしましょう。
そこで、延滞の事実などに心当たりがないのであれば、上で説明している通り架空請求を疑う必要があります。
一方、延滞の事実などに心当たりがあれば、その債務を整理する方法を考えていくことになります。
心当たりがある場合には?
まず、延滞の事実などに心当たりがある場合にはどうすればいいでしょうか。
心当たりがある場合でも、なりすましの可能性が消えるわけではありません。
そのため、アルファ債権回収側に、債務状況や、支払状況の詳細を確認するようにしましょう。
そのうえで、やはり自分に心当たりのある延滞についての請求であることを確認できた場合には、それへの返済を検討することになります。
ただ、債務自体を減額したり、整理することが可能な場合があります。
そこで、債務整理や、時効の援用についても同時に検討するとよいです。
債務整理
債務整理は、延滞している自分の借金を整理する方法です。
具体的には、債権者側と交渉して行う任意整理が代表例ですが、ほかにも個人再生や自己破産という方法も検討できます。
自分の収入や資産の状況を踏まえて、現実的な返済計画を立てることができますので、返済が難しい場合には任意整理などの債務整理が有力な選択肢になります。
債務整理をする場合、相手方の交渉や、法的な手続きの対応などが必要になることが多いので、弁護士に相談したうえで債務整理の方法や方針などを検討していくのがいいでしょう。
時効の援用を検討する
そもそも、債務の支払いを完全に免れる方法として、消滅時効を援用する方法もあります。
一定の期間の経過など、法律で定められている条件が全て満たされる場合にしか使えない選択肢ですが、自分の借金が当てはまる可能性があります。忘れずに時効援用ができないかどうかを検討するようにしましょう。
ただ、時効の援用には法律上の注意点が少なくありません。
例えば、「支払をもうしばらく待ってくれ」などと返済の猶予を求めるような発言をしてしまうと、債権者側に対して債務の存在を認めたことになり、時効を援用できなくなる可能性がありますので特に注意が必要です。
ほかにも、時効の援用を詳しく検討するにあたっては、注意すべき点があったり、法律に基づく解釈が必要になったりすることも多いです。
特に金額の大きな債務については、慎重に検討する必要がありますので、弁護士に相談することを強くお勧めします。
身に覚えがない場合
一方で、延滞の事実について心当たりがなく、身に覚えがないと感じた場合には、特に架空請求の可能性が高いので注意が必要です。
もっとも、安易に架空請求だと判断してしまうと、それが誤解だった場合に法的な手続きを取られてしまう可能性があるので、慎重に架空請求かどうかを確認するようにしましょう。
証拠を確認する
まず、アルファ債権回収に対して、具体的な請求内容やその前提となる債務の内容について確認する必要があります。
この時、支払請求の根拠となる証拠の提出なども求めるのがよいでしょう。
証拠を不自然な理由で提供してもらえなかったり、提供された証拠に偽造の疑いがあると感じた場合には、架空請求の可能性が高まります。
その場合には、アルファ債権回収の公式の問い合わせ窓口に確認するようにしましょう。
不当な請求へ対応する
アルファ債権回収の問い合わせ窓口に確認して、架空請求ではないことが分かったとしても油断は禁物です。
債権者側の手違いなどによって、アルファ債権回収から不当な請求を受けている可能性があります。(例えば、既に返済済みの債務について再度の支払いを求められていたり、自分が債務者ではない債務について請求されていたり、契約した金額よりも高額な請求をされたり、ということが考えられます。)
アルファ債権回収側からの説明や、提示された証拠に違和感を感じる場合には、落ち着いて、まずは弁護士に相談するようにしてください。
弁護士に不当請求といえるか、反論できるかを相談いただき、場合によっては、不当請求に対する反論を準備し、アルファ債権回収側と交渉していくことになります。
NGな対応の例
続いて、アルファ債権回収からの連絡に対して、NGとなる対応例を紹介します。
無視する
支払請求に対応するというのは、大変面倒なものです。
しかし、いくら面倒でも、連絡があったのにそれを無視するのはNGです。
特に、それが架空請求ではなく、本物の請求であれば、理由も無く返済を拒み続けていることになってしまいます。
連絡がつかない、と判断されてしまうと、アルファ債権回収が直接自宅に訪ねてきたり、さらには訴訟を提起されて法的対応を求められることになりかねません。
アルファ債権回収からの連絡に対しては、決して無視することなく、必ず返信や応答をするように心がけましょう。
嘘をつく
また、嘘をつくことも厳禁です。
例えば、アルファ債権回収のオペレーターなどに、「既に支払済みである」とか、「債権者から、もう返済しなくていいといわれている」等と嘘をついてしまうのはNGです。
債権者やアルファ債権回収は、当然ながらそれなりの証拠をもっている状態で支払請求の連絡をしてきています。
そのため、嘘をついてもすぐにばれます。
そして、嘘がばれてしまうと、後々不利な事情になることが考えられますし、特に悪質と判断されてしまうと、返済の請求とは別に、嘘によって生じた損害の賠償を求められるおそれもあります。
相手を脅す、怒鳴りつける
アルファ債権回収の担当者を怒鳴りつけたり、脅したりする行為もNGです。
支払を迫られるわけですから、イラっとすることもあるかもしれませんが、それで冷静さを欠いてしまうのは避けましょう。
このような対応をしてしまうと、訴訟などの法的な対応をとられる可能性が高まりますし、最悪の場合、犯罪行為に該当して警察へ通報されてしまう可能性もあります。
アルファ債権回収についてのQ&A
アルファ債権回収についてのよくある質問を見ていきましょう。
連絡があったらブラックリストに載っていますか?
アルファ債権回収から連絡があった場合、債務の延滞が続いていることが多いですから、ブラックリストに載っている可能性が高いです。
いわゆるブラックリストというのは、具体的には、各金融機関が接続している個人信用情報機関などのデータベースのことです。
※具体的には、CIC、日本信用情報機構(JICC)、全国銀行個人信用情報センター等があります。
ブラックリストに延滞情報が載ってしまうと、クレジットカードやローンの借り入れの審査に影響を及ぼす可能性があります。
延滞を早期解消するなどすれば、そのような最新状況も個人信用情報機関などのデータベースに反映されますので、少しでも早期に返済を行って、返済情報がデータベースに反映されるよう努めるのがよいでしょう。
アルファ債権回収との和解は可能ですか?
アルファ債権回収と和解しているケースも存在しますので、和解の可能性はあります。
返済が難しいほどに高額の債務を延滞している場合、アルファ債権回収側も、一括ですべての返済が受けられるとは思っていないこともあります。
そのような場合、債務者側の収入などを考慮して、債務を減額することに応じてくれたり、支払期限を延長してくれたり、分割返済に応じてくれたりすることも考えられます。
ただし、具体的な和解の可否やその条件については、アルファ債権回収に回主業務を委託している債権者の事情によっても異なってきます。
もちろん、具体的な交渉の進み具合は債務者や債務内容によってケースバイケースです。
なお、債権者の方針次第で、和解のためには、毎月の支出や収入などの細かい状況を聴取されることもあります。
借金の整理にあたっては、先方と有効かつスムーズに交渉する必要がありますので、債務整理を数多く取り扱う弁護士に相談するのがよいでしょう。
まとめ
このページでは、アルファ債権回収から連絡があったときの、注意点や対応方法について幅広く説明しました。
アルファ債権回収は、サービサーと呼ばれる国の許可を得た会社で、債権回収のプロです。
そのため、連絡があった場合には、無視をしたり、嘘をついたりすることなく、丁寧に対応するのがよいです。
もっとも、アルファ債権回収を名乗る偽物から、架空請求を受けている可能性もありますから、不自然な点がないか、請求に心当たりがあるか、に注意して慎重に対応してください。
もし少しでも怪しい、不自然だと感じる点があれば、アルファ債権回収のHPで公表されている正式なお問い合わせ窓口へ連絡するようにしてください。
また、架空請求ではなくても、アルファ債権回収から不当に思われる請求を受けている場合や、債務整理などを検討したい、という場合には、できるだけ速やかに弁護士へ相談して適切に対応することが重要です。
デイライト法律事務所では、アルファ債権回収から連絡を受けた場合のご相談にも対応しております。