会社の民事再生で必要な書類は?【弁護士が解説】

弁護士の回答

民事再生の申立てを裁判所に行うに当たっては、申立書はもちろん、会社の定款や3期分の決算書、資金繰り表といった数多くの書類が必要になります。

税理士はもちろん、弁護士に相談して、必要な書類についてアドバイスを受けていくことが必要です。

 

 

民事再生とは

民事再生とは、会社の債権の一つのスキームで、裁判所の手続を利用して、負債を一定額免除してもらい、事業を続けていくというものです。

民事再生について詳しくはこちらをご覧ください。

 

 

民事再生の必要書類

会社が民事再生の手続を選択し、裁判所に民事再生の申立てを行う場合、必要となる主な書類としては、以下のようなものがあります。

  • 申立書
  • 会社案内(パンフレット、ホームページ等)
  • 会社の定款
  • 会社の登記事項証明書
  • 債権者一覧表
  • 会社の財産目録
  • 決算書(貸借対照表(BS)や損益計算書(PL))
  • 資金繰り表
  • 就業規則及び労働協約
  • 不動産等の登記簿謄本
  • 取締役会議事録

それぞれ詳しく説明いたします。

 

申立書

民事再生の申立てを行うためには、申立書が必要になります。

裁判を提起するためには、訴状が必要ですが、民事再生の場合には、申立書を作成します。

この申立書には、民事再生を行う必要がある事情(開始要件)や再生計画案を定めるに当たっての方針や意向といった事情を記載します。

この申立書については、依頼を受けた弁護士が会社から必要な情報をヒアリングした上で、作成していくことになります。

そのため、弁護士との打ち合わせで十分にコミュニケーションをとっていくことが大切になります。

 

会社案内(パンフレット、ホームページ等)

裁判所に会社のことを知ってもらうために、会社の資本、株主構成、事業内容、主要取引先、メインバンクなどがわかる資料を添付することが必要です。

会社案内のパンフレットやホームページを印刷して提出するといったことを検討しましょう。

 

会社の定款

民事再生を行うに当たっては、会社で作成している定款を提出することが求められています。

定款は、実際にビジネスを行っている中では、あまり意識していないものである会社も多いですが、定款は会社を設立するに当たって定められた基本的なルールが記載されています。

したがって、民事再生の申立てに当たっては、定款が必要になります。

 

会社の登記事項証明書

会社の業務内容や取締役、監査役といった情報が記載されている登記事項証明書が必要になります。

会社が裁判をする場合にも登記事項証明書が必要ですが、民事再生の場合も同様です。

 

債権者一覧表

民事再生を行う会社が具体的に誰に対して負債を負っているのか、負っている金額はいくらであるか、担保はついているかどうかといった情報は、民事再生にとって必要不可欠な情報です。

そのため、そうした債権者に関する情報を債権者一覧表という書面にまとめ、提出することになります。

この債権者一覧表についても、通常は弁護士が債権者からの情報をもとに作成します。

 

会社の財産目録

負債に関する情報とともに、申立ての時点で存在する会社の財産状況についても裁判所に申し出なければなりません。

そのため、民事再生の申立てに当たっては、財産目録を作成し、提出します。

財産目録については、基準時点を設定し、その時点での財産額を記入することで、弁護士が作成をしていきます。

決算書(貸借対照表(BS)や損益計算書(PL))

債権者一覧表や財産目録を作成する上でも参考になりますが、会社のビジネスの状況を把握するために、決算書類が当然必要になります。

具体的には、資産状況を明らかにする貸借対照表(BS)と会計年度での収支状況を明らかにする損益計算書(PL)の提出が求められます。

なお、BSは会計年度の終期の時点での資産状況というスナップ写真です。

そのため、BSの数字と民事再生の申立てを行う時点での財産、負債の状況は当然異なってくることになります。

決算書については、通常3期分の提出が求められています。

 

資金繰り表

会社の財務状況を表すものとして、先ほどのBSやPLと並んでキャッシュフロー計算書が挙げられます。

キャッシュフロー計算書は、お金の流れを示すもので、資金繰りにとって非常に重要な書類です。

民事再生の申立てにおいては、過去1年の資金繰りの実績と申立て後6か月の資金繰りの見込みについて提出をしなければなりません。

特に、申立て後6か月の資金繰りに関する書類は、再生手続により会社が再建できるかどうかを示す一つの指針になりますので、弁護士と会社で協力して作成することが必要です。

 

就業規則及び労働協約

会社で雇用する従業員に関するルールとして、会社が作成している就業規則や従業員との労働協約についても民事再生では提出しなければなりません。

 

不動産等の登記簿謄本

 財産のうち、不動産といった固定資産については、登記簿謄本を提出することで、不動産の詳細な情報を裁判所と共有しなければなりません。

 

取締役会議事録

会社が民事再生を行うためには、取締役会でその旨を議決しておく必要があります。

そのため、申立てに当たっては、取締役会議事録の添付が必要になります。

 

 

 

まとめ

このように民事再生の申立てには、必要な書類が数多くあります。

あらかじめ必要な書類を把握して、早めに準備をしておくことで、スムーズに申立てを行うことにつながります。

また、申立書や資金繰り表の作成など、専門家のサポートを受けなければ作成が難しいものも多くあります。

会社の再建を考えた場合には、できるだけ早く弁護士に相談すべきでしょう。

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