会社破産で必要となる書類は?【弁護士が解説】

弁護士の回答

弁護士西村裕一イラスト会社破産における必要書類としては、申立書はもちろん、債権者一覧表や財産目録、商品在庫目録や什器備品目録、賃借物件目録など数多くの書類があります。

こうした書類をスムーズに準備し、破産手続を円滑に進めるためには決算書などの会計書類を作成する税理士はもちろん、弁護士のサポートを受ける必要があります。

 

 

破産とは

破産とは、会社を精算する方法の一つです。

会社が支払わなければならない借入金や買掛金といった負債を返済することができない(支払不能)の場合や資産と負債を比べたときに、負債のほうが大きい(債務超過)場合に、会社をたたむ手続が破産です。

破産手続は裁判所の手続で、会社が支払不能や債務超過であることを理由として、破産申立てを行うことで手続が進みます。

手続が終了した段階で会社は消滅します。

会社の破産について、詳しくはこちらをご覧ください。

 

 

破産申立てに必要な主な書類

会社が破産申立てを行うに当たっては、裁判所に以下の書類を準備して提出することが必要になります。

必要となる書類は会社ごとに異なりますので、詳細は弁護士に相談して確認をすることが必要です。

  • 申立書
  • 債権者一覧表
  • 財産目録
  • 預貯金目録
  • 保険目録
  • 債務者目録
  • 受取手形・小切手目録
  • 賃借物件目録
  • 不動産目録
  • 商品在庫目録
  • 什器備品目録
  • 車両目録
  • リース物件目録
  • 非常貸借対照表
  • 決算書(3期分)
  • 会社案内・パンフレット
  • 取締役会議事録

それぞれ詳しく説明いたします。

 

申立書

破産申立てを行うための申立書です。

弁護士に破産手続を依頼すれば、弁護士が会社に代わって作成の上、提出をします。

債権者一覧表

会社が支払義務を負っている債務の内容についてまとめた書類になります。

債権者一覧表は、抵当権等の担保権付きの債権者、一般の債権者、従業員の給与や退職金といった労働債権、税金や社会保険料の債権というように債権の種類ごとに整理して作成しなければなりません。

これは会社の財産を精算する場合に、債権者に優先順位が付されるためです。

 

財産目録

会社が破産申立てを行う時点で保有している財産の一覧をまとめた財産目録を作成しなければなりません。

決算書を作成した時点と破産申立てを行う時点では一定の時間が経過しているので、申立て時点の財産額を整理して裁判所に報告しなければなりません。

預貯金目録

会社名義の銀行預金をすべて記入して、残高を確認の上作成します。
あわせて、通帳のコピーを作成して、裁判所に提出することになります。

 

保険目録

会社で役員の生命保険や賠償保険等に加入している場合、その保険の内容と解約返戻金の有無、解約返戻金の金額を目録として作成しなければなりません。

 

債務者目録

会社がビジネスを行っている以上、破産申立ての時点においても売掛金を保有している場合があります。

こうした取引先から支払を受けられる売掛金債権について、回収可能性についての見通しを含めて、目録として作成し、提出をします。

 

受取手形・小切手目録

会社が手形や小切手を保有している場合に提出します。

 

賃借物件目録

会社がビジネスを行うに当たって、オフィスや店舗を賃借していることがほとんどです。

こうした賃借物件について、月額賃料や敷金の有無、敷金が返還される見通し、明渡しが終了しているかどうかといった状況をまとめて目録として提出します。

破産申立てにあたっては、申立ての段階でどこまで賃借物件の整理をしておくかという点が問題となります。

会社ごとに状況は異なりますので、弁護士と相談の上方針を決めるようにしてください。

 

不動産目録

会社が不動産を保有している場合に、不動産登記簿とあわせて目録を作成し、裁判所に提出をします。

賃借物件と同じく、破産申立ての段階で不動産の任意売却を行うかどうかについては、事業譲渡を行うかどうかも関係するため、慎重に判断しなければなりません。

 

商品在庫目録

会社が小売店の場合は、特に破産申立ての段階でもいわゆる商品在庫を抱えていることが多くあります。

もちろん、閉店前に閉店セールなどを行い、一定の在庫を処分することもありますが、そうしたセールを行っても在庫が処分しきれないこともあります。

商品在庫も財産ですので、破産申立てにあたっては、どのような在庫を保有しているのかどうかを整理し、まとめておかなければなりません。

 

什器備品目録

商品在庫と同じく、会社は何らかの什器備品を保有しているのが通常です。一つ一つでは価値がないものでも、まとめると財産的な価値が生まれるものもあります。

そこで、裁判所は会社が保有する什器備品についても、内容や取得した価格、現在価値、保有状況などを提出するよう求めています。

会社としては、決算書に記載されている什器備品をベースに目録を弁護士とともに作成していくことになります。

 

車両目録

会社が運送業者などで社用車を保有している場合、車両についても目録としてまとめて報告しなければなりません。

リース物件目録

リース物件についても、会社の所有する資産ではないものの、返還が完了しているかどうかといった事情を破産申立ての時点で報告しなければなりません。

 

非常貸借対照表

会社が税理士に決算書の作成を依頼している場合、破産申立て直前の段階で非常貸借対照表を作成してもらい、それを提出することがあります。

非常貸借対照表があればこれまで説明した目録関係の書類などが比較的作成しやすくなるため、作成してもらう方が望ましいといえます。

 

決算書(3期分)

破産申立てにあたっては、少なくとも3期分の決算書を添付することが求められています。

 

会社案内・パンフレット

会社のビジネスの内容や組織体制、会社規模が裁判所にイメージしてもらえるように、会社案内やパンフレットを添付書類として提出することがあります。

 

取締役会議事録

破産申立てに当たっては、基本的に取締役会議事録を作成し、役員の決議を経ていることを示すのが通常です。

 

 

まとめ

相続税このように、会社の破産手続には必要となる書類がたくさんあります。

中には、専門家のサポートを受けなければ、作成が難しいものもあり、会社の経営者のみで手続を進めていくことは到底困難です。

会社の破産をお考えの方は、早めに弁護士にご相談の上、サポートを受けていくことを検討してください。

弊所の相談の流れについてはこちらをご覧ください。

あわせて読みたい
ご相談の流れ

 

 


なぜ借金問題は
弁護士に相談すべき?

続きを読む

まずはお気軽にご相談ください
初回相談無料
(対面・オンライン相談の場合)