CMやインターネット、SNSなどで、「あなたにも過払い金が戻ってくるかも」などの広告を見かけると、もしかしたら自分にも過払い金が戻ってくるかもしれないと、期待を抱いている人も多いでしょう。
消費者金融からお金を借りたり、クレジットカードでキャッシングを利用したことがある場合、一定の条件に当てはまれば、過払い金が発生している可能性があります。
実際にどれくらいの過払い金が戻ってくるかを調べる時に、インターネットで無料診断をやってみるという人もたくさんいるでしょう。
しかし、なかには無料診断をうたった詐欺サイトや、診断はするものの、正確な過払い金額を提示してくれず、そのまま事務所への依頼へ誘導する、といった不親切なサイトも多数存在します。
では、そもそも自分に過払い金が発生しているのか、もし戻ってくるとしたら、いくら戻ってくるのかを正確に知りたい場合には、どうするのがベストなのでしょうか。
この記事では、過払い金の無料診断サービスをおすすめしない理由や、過払い金を素早く正確に調べるための方法について、わかりやすく解説していきます。
過払い金の診断サービスは怪しい?
過払い金の無料診断サービスは、必ずしも全てのサイトが怪しいとは言い切れませんが、診断サイトの本当の目的を知ったうえで利用すべきだといえるでしょう。
無料診断サービスの運営元は法律事務所や司法書士事務所であることがほとんどですが、無料診断サービスを行なっただけでは、事務所に利益がありません。
インターネット上で利用できる無料診断サービスのほとんどの目的は、大手事務所の集客手段である可能性が高いです。
無料診断サービスで、少しでも過払い金に興味がある方を集め、そのまま事務所への依頼に繋げる目的があるのです。
もちろん、無料診断サービスを利用したからといって、弁護士や司法書士に依頼しなければいけないわけではありませんし、過払い金の請求で弁護士に依頼すること自体が悪いわけではありません。
しかし、無料診断サービスで集客している事務所の多くは、いわゆる”大量処理型”の事務所であることがほとんどです。
大量処理型の事務所は、マニュアルに沿って、とにかく過払い金請求の数をこなすことで、成功報酬による利益を上げることを目的としているため、依頼者1人1人に寄り添った対応をしてくれない可能性があります。
また、成功報酬についても、「返還された金額の22%」と書かれている場所の下に、ごく小さい字で「※訴訟の場合、報酬額は27%となります」と書かれているなど、依頼者にとっては、「過払い金で裁判になることなんてないはずだから、成功報酬は22%だろう」と思わせるような書き方をしている事務所もたくさんあります。
過払い金の無料診断ツールは、簡易的に自分の過払い金の返還額を知るためには有用なツールですが、効果的に利用したいのであれば、運営している事務所の目的をしっかり理解し、自身の過払い金をしっかり取り戻してくれる弁護士に依頼すべきだといえるでしょう。
過払い金とは?
そもそも過払い金とは、消費者金融からの借り入れやクレジットカードのキャッシングの返済の際に、法律で定められている上限金利を超えて支払っていた分のお金のことを指します。
具体的な金利は、お金を借りる業者や契約内容によって異なりますが、上限金利については、「利息制限法」および「出資法」と呼ばれる法律で規定されています。
借り入れ額 | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 年20% |
10万円〜100万円未満 | 年18% |
100万円以上 | 年15% |
2010年(平成22年)6月17日まで | 2010年(平成22年)6月18日以降 |
---|---|
年29.2% | 年20% |
利息制限法では、借り入れ金額に応じて、それぞれ15%〜20%で上限金利が定められています。
たとえば、借り入れ金額50万円だった場合、利息は年間で18%までしかとることができません。
つまり、借り入れ金額が50万円だったにもかかわらず、利息を年間で20%支払っていた場合には、利息制限法を超える2%の部分の利息の支払いは違法となり、その分の利息を払いすぎた過払い金として、業者に対して返還請求を行なうことができるようになるのです。
もし、利息制限を超える金利で顧客から利息を得ていた場合には、その金利を設定していた業者は、営業停止処分等の行政処分の対象となります。
一方、出資法では、利息制限法とは別に上限金利が定められていて、借り入れ金額にかかわらず、上限金利は年20%までとされています。
出資法の上限金利を超えた場合、超えている部分の金利が無効になるのはもちろん、刑事罰の対象となり、5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金が、業者に対して科される可能性があります。
なお、払い過ぎていた利息があったとしても、こちらから返還請求をしない限り、業者が自動的に過払い金を返してくれることはありません。
過払い金を返してもらうためには、いくら過払い金が発生しているかを正確に計算し、業者に対して過払い金の返還請求を行なう必要があるのです。
過払い金については、こちらの記事もご参照下さい。
過払い金が発生する仕組み
過払い金が発生する仕組みを理解するためには、利息制限法と出資法の金利差から生まれる「グレーゾーン金利」について、正しく理解する必要があります。
お金の貸し借りに関する金利は、利息制限法と出資法の2つの法律で制限されていることは、すでに話したとおりです。
この2つの法律のうち、出資法に関しては、平成22年に改正されており、それまでは、上限金利を20%ではなく29.2%と定めていました。
そこで、貸金業者は、この2つの法律の金利差に目をつけ、利息制限法の上限20%を超えて、かつ出資法の29.2%を超えない部分の利息をとることで、刑事罰を受けないギリギリの範囲で、できるだけ多くの利息をとろうとしていたのです。
出資法が改正される前の、20%〜29.2%の金利差のことを、「グレーゾーン金利」と呼びます。
現在では、2010年(平成22年)に出資法が改正されたため、グレーゾーン金利は完全に撤廃されています。
つまり、過払い金が発生するためには、グレーゾーン金利が撤廃される前、厳密には、出資法が改正された2010年(平成22年)6月18日より前に、お金を借りている必要があるのです。
過払い金はどうやって調べるべき?
過払い金がいくら発生しているかを具体的に知りたいのであれば、債務整理の経験が豊富な弁護士に、調査してもらうことをおすすめします。
過払い金の具体的な金額を調べる場合、これまでの取引履歴をすべて調査したうえで、違法な金利で計算されている利息の計算を、すべて正しい金利に引き直して、利息を再計算する必要があります。
取引履歴は、業者に依頼することですぐにでも送ってくれるかもしれませんが、引き直し計算を個人で行なうことは、非常に難しいです。
引き直し計算には、計算方法や時効の判断、正しい金利かどうかを判断する専門的な知識が必要となるため、中途半端な知識で計算をしてしまうと、計算を間違えてしまう可能性があるからです。
そのため、過払い金の調査は、過払い金請求の経験が豊富な弁護士に依頼することをおすすめします。
弁護士であれば、複雑で手間のかかる過払い金の調査をすべて任せることができるだけでなく、過払い金の請求や業者との交渉、万が一裁判になった場合の対応など、過払い金が手元に戻ってくるまでの手続きを、すべて一括して任せることができます。
法律事務所では、過払い金の調査を無料で行なっているところが多いので、金銭面を気にすることなく専門家に依頼することができるでしょう。
過払い金請求の問題点
取引履歴を確認し、正しい金利に引き直したうえで過払い金を請求すれば、必ずこちらの要望通りの過払い金を返還してくれるわけではなく、業者が”取引の分断”を主張してくると、交渉で揉めてしまう可能性があります。
取引の分断とは、一度完済したあとに、同じ業者から再度借り入れをした場合、その取引は”一連”の取引ではなく、2つの取引であると判断されることです。
一連の取引だと認められる場合には、長期間に渡り返済をしてきたことが認められるため、過払い金の額が大きくなる傾向にあります。
一方、取引が分断していると判断された場合には、完済した時点から10年経過すると、過払い金の返還請求権が時効にかかってしまうことから、分断前の過払い金の返還を請求することができなくなってしまいます。
取引が分断しているかどうかは、まだ法的に確定した見解がなく、裁判でも争いのあるところですが、基本的には、次のようなことを総合的に考慮して決定することになります。
- 基本となる契約が同じかどうか
- 空白期間前にどれくらい取引をしていたか
- 空白期間はどれくらいの長さか
- 最初の取引の契約書は破棄・返還されたか
- 新たに契約書を取り交わしか
- クレジットカードの失効手続きはおこなわれていたか
- 契約条件は空白期間前後で同じかどうか
- 空白期間中に貸金業者とやり取りをしていたか
- 同じ業者から再度借り入れをした経緯
など
このように、取引が分断しているかどうか、過払い金の返還請求権が時効にかかっていないかなどの専門的な部分を確認しなければ、正しい過払い金額を算出することはできないのです。
過払い金の無料診断が怪しいのはなぜ?
結論からいうと、過払い金の無料診断は怪しいといえるでしょう。
ここまで説明してきたように、過払い金額を正確に算出するためには、取引履歴の調査や金利が切り替わるタイミング、時効が成立しているかどうかの確認や取引の分断の有無など、さまざまな個別事情から総合的に考慮する必要があります。
そのため、過払い金の無料診断のように、5分で正確な過払い金額を調べることはできないのです。
過払い金の無料診断は、おおまかな過払い金額を調べるための一つのツールであり、契約上、過払い金が絶対に発生しないものを省くためのものであるといえます。
たとえ、同じ業者から、同じ期間、同じ限度額でお金を借りていたとしても、返済金額や返済頻度は、人によって異なります。
無料診断サイトで過払い金を調べたうえで業者に対して過払い金を請求しても、取引の分断を主張されて過払い金が戻ってこない可能性があるだけでなく、まだ借金が残っていて、一括で返済を要求されてしまうリスクもあります。
過払い金の返還請求は、同じ業者に何度もできるものではありません。
正確な過払い金額を算出し、確実に業者から過払い金を取り戻すためにも、まずは1度専門家である弁護士に相談することをおすすめします。
過払い金の無料診断をおすすめしない理由
過払い金の無料診断をおすすめしない理由は、次の3つです。
- 過払い金無料診断にはデメリットが多い
- 無料診断をするだけでは、過払い金は戻ってこない
- 司法書士の場合は140万円までしか請求できない
過払い金の無料診断にはデメリットが多く、過払い金を本当に取り戻したいと考えるのであれば、おすすめできる調査方法ではありません。
それでは、無料診断には、具体的にどのようなデメリットがあるのか、ポイントを確認していきましょう。
過払い金無料診断にはデメリットが多い
過払い金の無料診断をおすすめしない一番の理由は、そのデメリットの多さにあります。
具体的なデメリットとしては、次のようなものが挙げられます。
- ① 無料診断で正確な金額を調べることはできない
- ② 大量処理型の事務所に勧誘されてしまう可能性がある
- ③ 過払い金詐欺に遭う可能性がある
- ④ 2度手間になってしまう可能性もある
以下では、それぞれのデメリットについて解説していきます。
①無料診断は正確ではない
ここまで解説してきたように、無料診断で正確な過払い金の額を調べることはできません。
過払い金を正確に調査するためには、お金を借りている業者に今までの取引履歴を開示してもらい、引き直し計算や時効の調査、取引が分断しているかどうかなどの詳細な調査を行なう必要があります。
とくに、取引の分断については、業者との交渉が揉める可能性が高い部分であり、専門家の交渉次第では、過払い金の額を上げることができるケースもあります。
無料診断を絶対視しすぎると、交渉の方針を誤ってしまい、最悪の場合、1円も過払い金が戻ってこないことがあるため、注意が必要です。
もし、無料診断ツールを有効に利用したいのであれば、正確な金額を調べることができないことを理解したうえで、「そもそも過払い金が発生している可能性があるのかどうか」を調べるために利用するのが良いでしょう。
②大量処理型の事務所に勧誘されてしまう可能性がある
過払い金の無料診断では、名前や住所、電話番号などの個人情報の入力が必要な場合があります。
もちろん、法律事務所や司法書士事務所が運営している無料診断サイトであれば、個人情報が漏れてしまうことは考えづらいでしょう。
しかし、その個人情報を基に、法律事務所や司法書士事務所からの営業や勧誘の電話・メールが届くようになってしまう可能性があります。
電話やメールで、「過払い金の返還請求をしてみませんか?」「お金に困っているのであれば債務整理を検討してみませんか」などの営業連絡が連日に渡り届くと、それだけで精神的に疲れてしまうこともあるでしょう。
依頼者1人1人に向き合うのではなく、とにかくマニュアルに沿って大量の過払い金請求を行なう大量消費型の事務所の場合、過払い金の調査に抜けがあったり、依頼者の不安を取り除いてくれるような満足いくサービスが受けられない可能性があります。
また、大量消費型の事務所では、依頼者の数に対して業務過多になっているケースも少なくなく、場合によっては過払い金を受け取るまでにかなりの時間がかかってしまうケースがあるのです。
そのため、過払い金に関する依頼は、依頼者1人1人に親身になって、手続きをスムーズに進めてくれる弁護士の方が、おすすめできるということになるのです。
運営元が法律事務所であっても、個人情報を入力することで、こういったデメリットがあることをしっかり頭に入れておく必要があるでしょう。
③過払い金詐欺に遭う可能性がある
過払い金の無料診断を利用することで、無料診断をうたった悪徳業者に情報が渡ってしまい、過払い金詐欺の被害に遭ってしまう可能性があるでしょう。
たしかに、法律事務所や司法書士事務所が運営元であれば、個人情報の無用な流出はないといえるでしょう。
しかし、なかには、法律事務所の名前を勝手に使用し、あたかも正規の運営サイトであるかのように装って、依頼者の個人情報を聞き出してくる詐欺業者も存在します。
もし、悪徳サイトに個人情報を入力してしまった場合には、さまざまな詐欺被害に遭ってしまうおそれがあるでしょう。
また、利益を得ることだけを考えた事務所が、とにかく報酬を得るためだけにサイトを運営し、個人情報入力後からしつこく過払い金請求の勧誘をしてくるケースもないともいえません。
もし、無料診断を行なうのであれば、サービスを利用する前に、運営元の法律事務所の口コミや解決事例などを確認しておくと安心です。
④2度手間になってしまう可能性もある
無料診断をするだけでは過払い金は戻ってこないため、余計な手間をかけることで2度手間、3度手間となってしまい、手元にお金が戻ってくるまでに時間がかかってしまう可能性があります。
過払い金の無料診断を行なって過払い金を取り戻そうと考える場合、最終的にお金を取り戻すためには、弁護士に過払い金の調査を依頼し、業者に対して返還請求を行なう必要があります。
初めから弁護士に調査依頼も兼ねて依頼していれば本来1回で済むはずの手続きが、過払い金の無料診断を挟むことで手続きに時間がかかってしまうことになるのです。
実際、過払い金の無料診断で過払い金額がわかったとしても、その金額が正しいものであるかどうかを弁護士に確認する必要がありますし、調査の結果、過払い金が発生していることがわかったら、過払い金の返還請求を弁護士に依頼するかどうかを決める必要があります。
つまり、結局弁護士が正確な過払い金の調査をするのであれば、初めから弁護士に調査依頼をしたほうが無駄な手間や時間を省くことができるのです。
過払い金請求を弁護士に依頼しても、過払い金の調査までは無料で行なっているところが多く、調査の結果過払い金が発生していないことが分かれば、手数料・弁護士費用は一切かからないところも多いです。
過払い金詐欺に遭うリスクを冒して無料診断サイトを利用し、その事務所から何度もしつこく営業の連絡がくることになるのを避けるためにも、過払い金の調査は初めから弁護士に依頼しておくことをおすすめします。
無料診断をするだけでは、過払い金は戻ってこない
過払い金の無料診断は、あくまでも大まかな過払い金額を算定するためのツールであり、利用しただけでだけで過払い金が戻ってくることはありません。
過払い金を取り戻すためには、お金を借りていた業者に対して、過払い金の返還請求を行なう必要があります。
個人で交渉を行なうこともできますが、その場合、専門の業務と過払い金に関する交渉を行なう必要があり、交渉がうまくいかない場合には、裁判まで視野に入れる必要があるでしょう。
できるだけ過払い金を支払いたくない業者としては、なんだかんだ理由をつけて過払い金の支払いを拒んでくる傾向にあります。
無料診断で算出された金額は、個々の契約に合わせた正しい過払い金額ではありません。
それを基に業者に過払い金の返還請求を行なったとしても、業者が首を縦に降ってくれることはないでしょう。
無料診断を行なう目的は、過払い金を取り戻すことです。
できる限り素早く過払い金を取り戻すためには、無料診断を行なうのではなく、初めから専門家である弁護士に相談することをおすすめします。
司法書士の場合は140万円までしか請求できない
過払い金の返還請求は司法書士でも行なうことができますが、司法書士には扱える業務に制限があり、1社あたり140万円を超える過払い金の返還請求をすることはできません。
長い間業者と取引がある場合には、戻ってくる過払い金の額が140万円を超えるケースも少なくありません。
その場合、もし司法書士に調査依頼をしていた場合には、そのまま司法書士が業者に対して返還請求を行うことはできないため、対応できる弁護士に再度依頼し直すことになってしまうのです。
業者と交渉するのが基本的に平日の日中で、交渉がうまくいかない場合には裁判まで視野に入れる必要があることを考えると、返還の交渉を個人で行なうことは現実的ではありません。
最終的に弁護士に依頼することになるのであれば、初めから弁護士に依頼しておく方が、時間も手間も大幅に省くことができるでしょう。
しかも、弁護士であっても過払い金の調査自体は無料で行なうことができるため、余計なお金がかかってしまうこともありません。
なかには、司法書士事務所と弁護士事務所が提携していて、弁護士の紹介料として手数料を請求してくる悪徳なケースもあるようです。
あとあとトラブルになることを避け、スムーズに過払い金を取り戻したいのであれば、過払い金に関する相談は、過払い金の経験が豊富な弁護士に依頼することをおすすめします。
過払い金を素早く調べたい人はどうすればいい?
過払い金を素早く正確に調べたいのであれば、専門家である弁護士に調査を依頼するのがおすすめです。
とはいえ、弁護士であれば誰でもいい訳ではなく、依頼する弁護士を探す場合には、できるだけ過払い金返還請求の経験が豊富な弁護士に相談するのが良いでしょう。
過払い金にくわしい弁護士に相談する
弁護士にはそれぞれ得意分野があり、注力している分野が違います。
そのなかでも、過払い金請求に詳しい弁護士であれば、スムーズかつ正確に過払い金の調査・確認を行なうことができ、業者との交渉もこちらに優位に進めるための交渉ノウハウを持っています。
もちろん、弁護士であれば、過払い金に関する一定の知識を持っていることは間違いありませんが、離婚事件に注力している弁護士と、普段から債務整理や過払い金の返還に力を入れている弁護士に依頼するのとでは、正確性や処理速度に大きな違いが出てきます。
最終的にもらえる過払い金額が減ってしまうことを避けるためにも、弁護士に過払い金の調査依頼をする場合には、普段から債務整理や過払い金の返還に力を入れている事務所に依頼することをおすすめします。
なお、過払い金の返還に力を入れているかどうかは、ホームページやコラム記事、各サイトの弁護士の紹介文や事務所の口コミなどを参照にして決めることになりますが、最終的には、依頼者の悩みに寄り添って、親身に対応してくれるかどうかを基準に、弁護士を決めると良いでしょう。
過払い金が発生しているかどうかを自分でチェックする
弁護士に過払い金が発生しているかどうかを調べてもらう前に、自分で過払い金の発生についてチェックしてみるのもおすすめです。
過払い金が発生しているかどうかのチェックポイントは、次の通りです。
これらの項目に該当する場合には、過払い金が発生している可能性があります。
厳密には、ここから取引が分断していないかどうかを確認することになるため、これだけでは必ずしも過払い金が発生しているとは言い切れません。
しかし、自分でチェックすることで過払い金に関する知識をつけることができ、また、自分がした契約について記憶を掘り起こすことにも役立ちます。
なお、チェックポイントに該当するかどうかのチェックをする際には、契約時の書類や定期的に届くご利用明細などから、客観的にチェックするようにしてください。
また、契約時の書類を失くしてしまったり、契約内容を忘れてしまった場合でも、業者から取引履歴を取り寄せることで詳細な情報を調べることができるため、安心して弁護士に相談してみてください。
債務整理シミュレーターを試してみる
もし、弁護士に調査依頼をする前に、そもそも過払い金が発生しているのかどうかを調べたい場合には、「債務整理シミュレーター」を利用して事前に調べてみることをおすすめします。
ここまで解説してきたように、無料診断ツールで正確な過払い金を調べることはできませんが、そもそも過払い金が発生しているのかどうかを調べることは可能です。
過払い金が発生している可能性があることがわかれば、弁護士への依頼もしやすくなるでしょう。
先ほどご紹介したチェックポイントを使って自分で調べることも可能ですが、興味がある方は、ぜひこちらのページで自分に過払い金が発生しているかを調べてみましょう。
まとめ
過払い金の無料診断には怪しいサイトもあり、過払い金詐欺に遭ってしまう可能性があることに、注意が必要です。
また、運営元がたしかな無料診断であっても、過払い金の額を正確に調べることはできないことも、頭に入れておきましょう。
過払い金を実際に取り戻すためには、業者から今までの取引履歴を取り寄せて、引き直し計算や時効・分断の確認などを行ない、そこで算出された金額に基づき、業者に過払い金の返還請求を行なう必要があります。
また、業者が分断の主張や、業者独自の引き直し計算の方法で金額を主張してくることもあり、交渉を優位に進めるためには、法律や過去の裁判例に関する専門的な知識や、業者のミスを的確に指摘できる巧みな交渉術も必要になります。
最終的に過払い金を取り戻すことが目的であれば、初めから弁護士に依頼する方が、時間も手間もかからずスムーズに手続きを進めることができます。
無料で弁護士に正確な金額を調査してもらえるのであれば、調査の依頼も含め、過払い金の返還自体を弁護士に依頼することをおすすめします。
デイライト法律事務所では、過払い金の請求に精通した弁護士が皆様を強力にサポートしています。
当事務所は、ZOOMやスカイプなどを活用して、オンラインでの対応も行なっております。
過払い金に関するご相談は、初回無料でご相談いただけますので、お気軽にご相談ください。