この記事では、以下の内容について弁護士が解説をしています。
この記事でわかること
- 闇金とはどんな業者?
- 闇金の問題を弁護士に相談すべきケースとはどんなとき?
- 闇金の問題をどこに相談すればよいのか?
- 闇金の問題を弁護士に相談することのメリット、デメリット
- 闇金に強い弁護士の選び方
- 弁護士に依頼する場合の費用
- 闇金を弁護士に相談する時のポイント
闇金については、違法なことをしている業者ですので、早急に弁護士に相談して対応することが必要です。
一人で悩まずに、この記事を読んで、早めに弁護士に相談するようにしましょう。
目次
闇金とは
闇金とは、出資法という法律で定められている利息の上限を超えてお金を貸し付けている違法な業者のことをいいます。
貸金業をするにはその登録をしなければなりませんが、闇金業者の多くはこの貸金業の登録をしないでお金を貸し付けていることがほとんどです。
しかし、中には、登録をして通常の消費者金融のようにみせかけて違法な利息で貸し付けをしているということもあります。
出資法の上限金利は年20%で、これを超えた利息を設定してお金を貸した場合、刑事罰の対象となります。
適法に貸金業を営んでいる消費者金融の場合、多くのケースで1か月に1回の返済なのですが、闇金の場合、1週間や10日に1回の返済ということもよくあります。
そして、利息については10日に5割(トゴ)といったものすごい利息を設定しているケースもみられます。年間に換算すると1825%ということになります。
冷静に考えると、「どうして闇金なんかからお金を借りるのか」と思われるかもしれませんが、以下のようなケースで闇金と取引をしている方が多いです。
①どうしても現金が必要で消費者金融からは借りれなくなっている場合
日々の生活の支払いをするためにどうしてもすぐにお金が必要というときに、消費者金融では審査に通らなかったり、返済が滞っていて借入れが全くできないという状況の場合に闇金からお金を借りてしまうということがあります。
ポストに入っているチラシや電柱に貼っている広告などに書いている携帯電話に連絡をするとすぐにお金が借りられるといったことを目にするとどうしても電話をしてしまうのです。
このような闇金は「090金融」と呼ばれています。
最近では、給与を担保に前借りのような形で違法な金利でお金を貸し付ける給与ファクタリングを利用する闇金もいます。
②すでに闇金からお金を借りていて、その返済するためにさらに闇金から借りる場合
また、すでに闇金を利用している場合、1週間や10日に1回のサイクルで返済を求められます。当然利息が高いので、返しても返しても借金は減っていません。
そのような状況で返済が苦しいと他の闇金からもお金を借りるという負のスパイラルに陥ってしまうことがあります。
闇金業者は、取引をしている人の氏名や連絡先を共有していることもあり、Aという闇金に提供した情報がBという別の闇金業者にすでに回っていて、返済日が近くなるとBからお金を貸しますよと連絡が入るというパターンです。
このように、闇金業者との関わりというのは、皆さんが思っている以上に身近に潜んでいるといっても過言ではありません。
闇金を弁護士に相談すべきケースとは?
それでは、闇金の問題を弁護士に相談すべきケースとしてはどのようなものがあるでしょうか?以下,弁護士が解説します。
①闇金が頻繁に連絡をしてきている場合
返済が滞っているなどの理由からすでに闇金から頻繁に連絡がかかってきているケースでは、早めに弁護士に相談すべきケースといえます。
このまま連絡を無視してしまうと職場や自宅に闇金業者やその業者が依頼した知らない人が突然来たりということになりかねません。
②闇金が職場や自宅に来てしまっている場合
1の状況からさらに進んで、すでに職場や自宅に闇金業者が来てしまっている場合、それを放置してしまうと会社からも信用低下につながり、最悪のケースでは退職をするようにいわれてしまうリスクもあります。
したがって、闇金が自宅や職場に顔を見せるようになっている場合には、早めに弁護士に相談して対処法をアドバイスしてもらう必要があります。
③闇金への返済に困っている場合
今のところは、なんとか闇金への支払いを継続できている場合であっても、見えない出口に悩んでいることは多くあるでしょう。
先ほど解説したとおり、闇金の利息はとてつもなく高いため、元金はほとんど減りません。
そのため、いつまで経っても返済は終わらないようになっています。
返済に少しでも困っている場合には、やはり弁護士に相談をして、対応が必要といえます。
④闇金との関係を解消したい場合
どうしてもお金が必要だったために、闇金に手を出してしまったけれど、闇金との関係を解消したいという場合にも弁護士に相談すべきでしょう。
特に、一度も返済していない場合には闇金業者もしつこく、なかなか手を引かないこともあります。
このようにみていくと、闇金業者と取引をしてしまった場合には、できるだけ早めに弁護士に相談をして対応することが必要でしょう。
闇金被害はどこに相談すべき?
法律事務所
借金の法律相談ができる場所は法律事務所以外にも存在します。
士業には、弁護士の他に、司法書士、行政書士、税理士などがいます。
特に、司法書士については、借金問題についてCMやチラシなどで広告を出している事務所もあり、どこに相談をすればいいのか迷われる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、結論として、借金問題に関してお悩みの方は、弁護士へ相談されることを強くお勧めします。
なぜならば、そもそも、法律上、借金の法律相談が可能なのは原則として弁護士に限られているからです。
弁護士以外の者が借金についての法律相談等に対応すると、非弁行為といって弁護士法違反となります(弁護士法72条)。
法律が弁護士以外の者の法律事務を禁止しているのは、相談者に間違った助言をしてしまったり、詐欺的な行為が横行するおそれがあるからです。
司法書士が借金問題の対応ができるのは、あくまで例外なのです。
具体的には、司法書士事務所が法務大臣の認定を受けたうえで、例外的に140万円以下の任意整理や過払い金請求ができます。
しかし、140万円を超える場合は取り扱うことができません。
闇金については、140万円を超えないことが多いとは思いますが、通常の消費者金融と違って、トラブルに発展したり、争いが生じやすいため、日頃からトラブルの対応を行っている弁護士に相談した方がよいでしょう。
警察
もし、すでに闇金が職場や自宅に押しかけたりしてきている場合には、110番通報をして最寄りの警察に助けを求めるべきでしょう。
お金の貸し借りの話は民事の話のため、警察は関与できませんが、職場や自宅に闇金業者が押しかけてきて、身の危険を感じている場合には、まずは110番をして警察に来てもらいましょう。
警察としては民事の話としてすぐに帰ってしまうかもしれませんが、それでも一度来てもらうことができれば、闇金業者も警察のいる前で悪質な取立てをすることはできなくなるでしょう。
闇金被害を弁護士に相談するメリットとデメリット
メリット
①闇金業者からの督促がなくなる
闇金被害を弁護士に相談して、依頼をすれば、弁護士が闇金業者に連絡をして、違法な取引なので、以後督促をしないように警告をします。
本当に弁護士が連絡をしてきているかは電話番号をインターネットで検索すれば分かりますので、これにより多くの闇金業者は督促をやめることになります。
なぜなら、もともと違法なことをしているからです。
そして、最悪のケースでは業者自身が逮捕されるリスクがあるからです。
したがって、弁護士に相談、依頼することで、今かかっている電話が止まることになります。
まれに、一度も返済をしていないケースや一部の悪質な業者が弁護士からの連絡を受けて、警告されているにもかかわらず、本人へ電話を続けたりすることもあります。
しかしながら、このような場合には警察と連携したりすることで、できるだけ早期に連絡が止まるように対応しますし、弁護士は電話にでないようアドバイスし、サポートをします。
②返済をしなくてよくなる
闇金は違法な利息で貸し付けをしているため、このような法外な高利貸しは、貸付け自体が無効となります(不法原因給付といいます。)。
したがって、闇金からの借入れについては、法律的には返済しなくてよいものです。
そうはいっても、弁護士に依頼していない状態で、闇金からお金を借りたご本人が「返す必要がない」と闇金業者に対抗しても当然うてあってもらえません。
むしろ、取立てが激しくなる可能性が高いでしょう。
弁護士に相談、依頼することで、弁護士から闇金業者へ以後は一切返済をしないことを告げることにより、返済をしなくてよくなります。
なお、それまでに返済を続けていた場合、当然違法な利息を計算しなおせば、過払いとなっています。
そのため、法律的には過払金の返還を請求することができます。
しかしながら、闇金業者は通常の消費者金融の金融のようにきちんとした営業所を持っていないことがほとんどで、裁判をするにしてもその所在をつかむことがほとんど無理なケースばかりです。
したがって、払い過ぎたお金が戻ってくる可能性は極めて低いですので、闇金への過払金については難しいと思っていただいておいた方がよいでしょう。
③弁護士が窓口になってくれる
先ほども説明したとおり、弁護士に依頼することで、闇金との連絡については、すべて弁護士が行います。
そのため、本人は闇金から連絡があっても、一切出る必要はありません。
このことは闇金問題に悩む方にとって、とても大きなメリットになるでしょう。
他方で、デメリットとしては、闇金からそれ以上は借入れができなくなるということが挙げられます。
もちろん、生活に苦しんでいる方にとって、借入れができないというのはマイナスになり得ます。
しかしながら、闇金からお金を借りることができても、その先にすぐ待っているのは返済です。
闇金からお金を借りている時点で自転車操業なはずです。
そうした負のループから抜け出すには、闇金との関係を早く断つことが非常に重要で、その意味では、闇金から借入れができないというのはデメリットではなくメリットだと考えるべきでしょう。
闇金に強い弁護士の選び方
それでは、どのようにして闇金問題の対応に強い弁護士を探せばよいでしょうか?
以下、選ぶ際のポイントをご紹介します。
ホームページの情報
一口に弁護士といっても、得意分野はそれぞれです。
債務整理については、比較的、一定程度経験がある弁護士が多く、ある程度の対応は可能かと思われます。
しかし、債務整理に注力する弁護士と比較した場合、知識やノウハウが異なるでしょう。
例えば、年間数件程度しか債務整理を取り扱わない弁護士と年間100件を超える弁護士では、知識やノウハウの違いは明らかでしょう。
闇金についても、借金問題の一つですので、債務整理の経験が豊富な弁護士に相談するというのが大切です。
では、どうすればそのような弁護士を見つけることができるでしょうか。
まずは、インターネットで検索し、債務整理に注力しているか否かを調べるとよいでしょう。その際、闇金問題も対応しているかを確認するようにしましょう。
債務整理に注力しているかどうかは、事務所のホームページをみて確認すれば、そこに記載されている情報量や弁護士の紹介ページなどから調べることが可能でしょう。
相談は近くの弁護士がいい?
弁護士は、すぐに会いに行ける距離の方が望ましいと思われます。
しかし、上述のとおり、債務整理の豊富な経験がある弁護士が近くにいない可能性もあります。
また、近くに債務整理の経験が豊富な弁護士がいたとしても、相性が良くない可能性もあります。
そのため、可能であれば、クライアント目線の親切な対応をしてくれる事務所の方が望ましいと考えられます。
また、現在はLINEなどのオンライン相談を取り入れる法律事務所も増えています。
そのため、オンライン相談などを利用できる法律事務所であれば、必ずしも至近距離にこだわる必要はないでしょう。
実際に相談してみる
闇金問題はできるだけ早めに対応することがポイントです。
そのため、インターネットなどで法律事務所を調べたら、実際に弁護士に相談をしてみましょう。
闇金問題を含めて、借金問題についての相談は初回無料としている事務所が大半ですので、実際に相談してみて、あなたの状況にあったアドバイスをしてもらえるか、相性はどうかを確認しましょう。
闇金被害を弁護士に相談するタイミング
それでは、闇金の問題について、弁護士に相談するのはどのタイミングがよいのでしょうか?
答えは、「できるだけ早い方がよい」です。
闇金との取引は、長くなれば長くなるほど、その方にとって重い負担となります。利息が違法なわけですので、どんどん利息だけが多くなったり、返しても返しても、もともと借りていた借金が減らなかったりと影響が大きくなるのは目に見えています。
こうなってくると、一つの業者だけでなく、二つ、三つと闇金業者との取引も増えていってしまい、対応が大変になるリスクもでてきます。
闇金は怖いから必ず返さないといけない、家族には知られたくないといった思いから相談するのをためらってしまうと、かえって家族のところに連絡をされたりして、迷惑をかけることにもなりかねません。
したがって、闇金の問題については、できるだけ早い段階で弁護士に相談することがとても大切なのです。
闇金を弁護士に依頼する費用とは?
それでは、闇金の問題を弁護士に依頼する場合の費用について解説をしていきます。
弁護士費用とは
まず、そもそも弁護士費用というのは、法律的な問題の処理、対応を弁護士に依頼する場合に発生する費用のことです。
弁護士は、法律問題の処理をするというリーガルサービスを提供します。このときの料金、報酬が弁護士費用ということになります。
弁護士費用については、大きく①着手金・②報酬金・③実費というものに分かれます。
①着手金
着手金とは、弁護士に依頼するときに最初に発生する料金のことです。
この着手金は、弁護士が依頼された法律問題の処理をするのに必要なお金ですので、事件が解決する前に支払いが必要なものになります。
②報酬金
報酬金とは、弁護士に依頼した法律問題の処理が終了した際に、その結果に応じて発生する料金とのことです。
例えば、借金の金額が100万円から50万円になったとすると、弁護士の業務によって50万円の減額という結果が得られたことになります。
この結果に対して料金が発生するものを報酬金といいます。
もちろん、報酬金が発生するかどうかは、弁護士との契約内容によって変わってきます。
③実費
実費とは、弁護士が依頼された法律問題を処理するにあたって、かかる実際の事務費用になります。
具体的にはコピー代や郵便切手代、交通費などが含まれます。
弁護士費用の相場
闇金問題も含めた債務整理の弁護士費用については、おおむね借金の金額、借りている債権者の数を基準に決めるのが一般的です。
例えば、10社で400万円の借金がある方の任意整理(10社と個別に交渉して借金の返済方法の見直しを行うこと)をする場合の弁護士費用の相場としては、
- 着手金が10万円から30万円(税別)
- 報酬金が0円から20万円(税別)
となっています。
参考:日弁連の調査
闇金問題については、通常の消費者金融に比べて、対応に緊急性があり、クセのある業者もいるため、費用が若干高くなることが多いでしょう。
ただし、闇金問題についても、報酬金は0円という事務所もあります。
弁護士費用は安いほうがいい?
もちろん、弁護士費用は安いにこしたことはないと思われます。
しかしながら、安いことが必ずしもいいというわけではありません。
やはり、闇金問題も含めて、法律問題は専門的な知識や経験を必要とするもので、そのような専門的な知識や経験を有する弁護士に依頼をするには、一定の料金がかかることはやむを得ないのです。
むしろ、「ただより怖いものはない」ともいえます。
ご自身の闇金問題をきちんと対応してもらえるかどうかという点を重視した上で、料金を確認してもらった方がよいでしょう。
デイライトでは、闇金問題の対応は、原則として1社当たり5万5000円(税込)となっており、報酬金は0円となっています(他からの借入れが全くなく、闇金1社だけの場合には、最低着手金の7万7000円(税込)となります。)。
闇金被害を弁護士に相談する際の3つのポイント
闇金の問題を弁護士に相談する際には、以下の点を意識して弁護士に話すようにしましょう。
包み隠さず話をする
闇金と取引をしていることについて、どうしても後ろめたい気持ちがあったり、怖いという気持ちから、弁護士にも話をすることをためらってしまったり、ちょっとしたウソをついたりしてとりつくろってしまったりすることがあります。
しかしながら、これでは意味がありません。
弁護士としては、本当のお話をきちんと聞いた上でなければうまく対応することができないこともあります。
弁護士は、法律上守秘義務といって、相談者が特定されるお話を外部に漏らすことはありませんので、安心して包み隠さず話をするようにしましょう。
闇金業者の連絡先や情報を整理しておく
闇金業者の多くはそもそも事務所をもっていなかったり、携帯番号などの連絡先も複数あったり、お金の返済方法も振込でなく手渡しなど、警察の足がつかないように実態を隠していることも多くあります。
そのような中で、弁護士が連絡をとって、督促を止めて借金の返済をしなくてよい方向で話をするためには、闇金業社の連絡先やどのような人物とやりとりをしていたか、その業者を知ったきっかけや返済方法などの情報が必要で、そうした情報が多いほど弁護士も対応しやすくなります。
そのため、闇金問題を弁護士に相談するにあたっては、こうした闇金業社の連絡先や情報を相談の前にあらかじめ整理して、メモなどを作っておくとよいでしょう。
とにかく早く相談する
繰り返しになりますが、闇金の問題を放置してもいいことは何もありません。時間をかけることで違法な利息が積み上がり、返済を強く迫られて、でていくお金が増えるだけです。
そのため、とにかく早く弁護士に相談するというのが大切なポイントです。
まとめ
今回ご紹介したように、闇金からお金を借りてしまった場合には、その状態を早く解消しなければ、どんどん深みにハマってしまい、その状況から抜け出すことが大変になっていきます。
そのため、できるだけ早い段階で弁護士に相談、依頼して闇金との関係を断つことが生活の再建に繋がります。
まずはお気軽に弁護士に相談するようにしましょう。
デイライトでは、破産再生部を設けており、借金問題に精通した弁護士が皆様を強力にサポートしています。
借金に関するご相談は初回無料でご相談いただけます。
当事務所は全国対応を行っておりますので、まずは一度ぜひご相談ください。