離婚裁判で注意すべき10のポイントとは?【弁護士が解説】
離婚裁判では少しでも有利にすすめるために、押さえておくべき10のポイントがあります。
大別すると、スピード解決のポイント、離婚条件で損をしないためのポイント、離婚裁判で負担を減らすためのポイント、離婚裁判を有利に進めるためのポイントです。
以下、項目ごとに解説いたします。
ここではこれらについて、詳しく解説しています。
離婚問題で後悔しないために参考にしていただければ幸いです。
失敗しない離婚裁判の10のポイント
離婚裁判で失敗しないようにするためには、押さえておくべきポイントがあります。
離婚条件で損をしないためのポイント
①効果的な主張・立証を行う
離婚裁判のような人事訴訟では、公益性の観点から真実発見が重視され、民事訴訟における自白の規定が適用されない等、弁論主義が制限されています(人事訴訟法19条1)。
また、裁判所は、当事者が主張しない事実をしん酌し、かつ、職権で証拠調べをすることができます(職権探知主義・人事訴訟法20条)。
もっとも、職権探知主義がとられているとはいえ、離婚裁判において、当事者は、要件事実(一定の法律効果が発生するために必要な具体的事実をいう)を意識し、主体的に主張・立証を行わなければなりません。
下表は、請求する内容に応じた、原告側と被告側のそれぞれの主張・立証のポイントをまとめたものです。
離婚
請求する側(原告)のポイント
民法770条1項の離婚原因について、具体的な事実を主張する。
「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)については、婚姻関係が破綻していることについて主観的要素と客観的要素を意識する。
離婚について詳しい解説はこちらからどうぞ。
請求される側(被告)のポイント
請求棄却の答弁をする際、婚姻の破綻そのものを争うのかを明確にする。
【破綻そのものは争わず、破綻の原因や破綻に至る経過を争う場合】
離婚そのものは争点とはならない。
ただし、この場合でも裁判所は証拠調べをすることなく離婚請求を認容するということはしていない。
【破綻の原因が原告にある場合】
慰謝料を請求する場合は反訴を検討する。
慰謝料を請求するほどの事案でなければ反訴はあまり意味がない。
親権
請求する側(原告)のポイント
【親権者の指定が争点となっており、判断が容易ではない事案】
親権者の適格性を基礎づける具体的事実を適確に主張する。
【子供が15歳以上の場合】
裁判所は子供自身の陳述を聞く必要があるため(人訴法32条4項)、陳述書を提出する。
例:「子の陳述書」の提出(サンプルはこちらからどうぞ。)
【被告側が子供の意向調査を主張した場合】
反論例:訴訟段階であること、子はその意向を表明することで両親の板挟みとなり、心情を傷つける結果となるため子の福祉の観点から実施すべきではない等
親権の詳しい解説はこちらからどうぞ。
請求される側(被告)のポイント
親権を争う場合、漠然とした不安を訴えるだけではなく、相手の監護について、どのような問題があるのかを具体的に主張し、裏付けとなる証拠を提出する。
例:「子の監護に関する状況」の提出(サンプルはこちらからどうぞ。)
自己が監護する場合の監護養育の具体的な計画や監護補助者の協力状況について主張する。
親権の詳しい解説はこちらからどうぞ。
養育費
請求する側(原告)のポイント
収入の証明資料を提出する。
例:源泉徴収票、確定申告書など
【被告の収入資料がない場合】
被告に開示を求める。
【私学加算を求める場合】
子供の高額な学費等について加算を求める場合は、当該学校への入学等について、夫婦間でどのような協議がなされていたのか、また、家計費とのバランスがどうであるかなどについて主張立証する。
養育費の詳しい解説はこちらからどうぞ。
請求される側(被告)のポイント
収入の証明資料を提出する。
例:源泉徴収票、確定申告書など
時折、収入資料の開示を拒否する当事者や代理人を見るが、訴訟の長期化を招くだけであり、積極的に開示すべき。
【収入の減少が予想される場合】
具体的に主張立証する。
例:会社から家族手当の支給がなくなる場合、給与明細、賃金規定などを提出して額や支給要件を主張立証する。
養育費の詳しい解説はこちらからどうぞ。
財産分与
請求する側(原告)のポイント
財産分与の対象となり得る財産として何があるかを明確にし、証拠資料を提出する。
- 例:預貯金の額と通帳の写し
- 不動産の時価と登記簿謄本と査定書
- 株式の時価と取引明細書等
対象財産の基準時は基本的には別居時とし、離婚時とする特段の事情がある場合はその具体的な事実を主張立証する。
財産分与の目録のサンプルはこちらからどうぞ。
被告側の財産の内容が不明な場合は開示を求める。
財産分与の詳しい解説はこちらからどうぞ。
請求される側(被告)のポイント
財産分与の対象となり得る財産として何があるかを明確にし、証拠資料を提出する。
- 例:預貯金の額と通帳の写し
- 不動産の時価と登記簿謄本と査定書
- 株式の時価と取引明細書等
時折、収入資料の開示を拒否する当事者や代理人を見るが、訴訟の長期化を招くだけであり、積極的に開示すべき。
【特有財産や固有財産の主張をする場合】
具体的な事実の主張と証拠資料を提出する。
- 例:婚姻時の預貯金の場合、その額と通帳等の写し
- 遺産相続の場合、その額と遺産分割協議書等
財産分与の詳しい解説はこちらからどうぞ。
年金分割
請求する側(原告)のポイント
50パーセントの主張と、「年金分割のための情報通知書」の提出
年金分割の詳しい解説はこちらからどうぞ。
請求される側(被告)のポイント
50パーセントに応じられない場合、その具体的な理由を明確にする。
例:別居期間が長期間に及んでいる、年金分割について他の割合での合意があった等
ただし、判決において50パーセント以外となる可能性は極めて低いことに留意
年金分割の詳しい解説はこちらからどうぞ。
②相手が資料を開示しない場合
相手が収入の証明資料を開示しない場合、次の対応を検討しましょう。
STEP1 相手に資料の開示を求める
裁判所を通じて、求釈明を行うことで、通常の場合、開示してくれると思います。 裁判官も開示するように促すはずですので、これで開示しないケースは少ないと思われます。
STEP2 調査嘱託・文書送付嘱託等を検討
相手が開示しない場合、相手が勤める会社に対して、収入資料の送付を嘱託することができます(民事訴訟法第226条)。 もっとも、会社がプライバシーを理由に開示を拒否する可能性もあります。 また、個人事業主や会社員でも副収入(事業所得)がある場合、収入を正確に把握するためには、確定申告書が必要となります。 この場合、税務署への文書送付嘱託や調査嘱託が考えられますが、税務署は開示しないと思われます。 役場に対して、所得証明書(課税証明書)の文書送付嘱託も考えられますが、役場も開示しない可能性が高いと思われます。
STEP3 陳述書の提出・賃金センサスを根拠とした主張を検討
相手の収入について、記憶をもとに主張したり、賃金センサスを根拠に収入を推定して主張することを検討します。 本来、裁判所はこのような主張立証には難色を示しますが、相手が開示しないという不誠実な対応をとっている場合、請求する側の主張が認められる可能性はあると考えます。
相手が財産について開示しない場合、次の対応を検討しましょう。
STEP1 相手に資料の開示を求める
収入資料と同様に、裁判所を通じて、求釈明を行うことで、通常の場合、開示してくれると思います。
STEP2 調査嘱託・文書送付嘱託等を検討
離婚裁判で負担を減らすためのポイント
③管轄を選択する
離婚裁判では、上述したように、管轄について、原告住所地と被告住所地を選択できます(裁判所が最適地を選択できる余地もありますが、例外的です。)。
どこの裁判所で手続を行うかによって、負担が異なるので、十分に検討しましょう。
例えば、原告が福岡市に居住していて、被告が東京都に居住している場合、福岡で裁判を行うのか、それとも東京で裁判を行うかで、負担は全く異なります。
基本的には、自分の住所地を管轄する裁判所の方が負担は少ないように感じます。
しかし、弁護士が代理人となっている場合、「テレビ会議システム」によって裁判に参加するため、一概に原告住所地が良いとは限りません。
テレビ会議システムとは、弁護士が自分の法律事務所の電話を使って、裁判の手続きに参加するというものです。
この場合、いちいち、裁判所に行く必要がないため、交通費の負担がなくなります。
例えば、原告が熊本に居住していて、代理人弁護士が福岡の法律事務所、被告が東京に居住しているとします。
もし、離婚裁判を熊本で起こせば、弁護士は毎回、熊本の家庭裁判所に出廷しなければなりません。熊本までの交通費は依頼者にとって負担となるでしょう。
なお、離婚裁判は、基本的には代理人弁護士のみが出廷することが多いので、依頼者本人の交通費はあまり考えなくて良いでしょう。
ところが、東京に離婚裁判を提起すれば、テレビ会議システムで参加できる可能性が高いでしょう。
この場合も、証人尋問や和解が成立する場合、基本的には東京の家庭裁判所に出廷しなければなりませんが、せいぜい1、2回程度だと思われます。
したがって、必ずしも「住所地に近い裁判所が必ず負担が少ない」と言い切れないことに注意すべきです。
④DV被害者等の保護
DV等の被害者の多くは、自分の居所や勤め先などの情報を相手に知られたくないと感じていらっしゃいます。
また、相手と接触したくないという方がほとんどです。
そのため、DV被害者等が依頼者の場合、次の配慮を検討すべきです。
例:訴訟委任状、書証(源泉徴収票、診断書、未成年者の学校関係資料など)、年金分割のための情報通知書等には、住所等が記載されていることが多いことから事前に十分な確認が必要です。
裁判は、離婚裁判であっても、公開することが原則です。
しかし、人事訴訟法は、一定の厳格な要件のもと、当事者尋問等の公開停止を認めています(22条)。
すなわち、当事者本人等が当該人事訴訟の目的である身分関係の形成又は存否の確認の基礎となる事項であって、自己の私生活上の重大な秘密に係るものについて尋問を受ける場合において、次のような事由があるときに限って、当該事項の尋問のみを公開停止できます。
その当事者等又は証人が公開の法廷で当該事項について陳述をすることにより社会生活を営むのに著しい支障を生ずることが明らかであることから、当該事項について十分な陳述をすることができないという真にやむを得ない事情がある場合
当該陳述を欠くことにより他の証拠のみによっては当該身分関係の形成又は存否の確認のための適正な裁判をすることができないと認められる場合
上記の要件から、「DV被害者であることを公開されたくない」という事情だけでは公開停止にはできないと考えらます。
例えば、DV加害者から長期間にわたる異常な性生活等を強いられたことが「婚姻を継続し難い重大な事由」に当たるとして、請求原因を主張し、原告がその以上の性生活等の状況を公開法廷で陳述することを強いられるような場合であれば、上記要件を満たす可能性があるといえるでしょう。
離婚裁判を有利に進めるためのポイント
⑤親権や面会交流では裁判所による事実の調査を検討する
人事訴訟法は、附帯処分の裁判において、裁判所が事実の調査をすることができるとしています(33条1項)。
事実の調査とは、証拠調べの方法によらずに、裁判所が自由な方式で裁判資料を収集できることをいいます。
例えば、裁判所による審問、関係機関への照会のほか、比較的利用頻度が高いのは、家庭裁判所調査官による調査です。
具体的には、親権争いの場合、15歳以上の子供がいるケースでは、上記の「子の陳述書」を提出するほか、審問や家裁調査官による調査の活用が考えられます。
15歳未満の場合、子供の意向聴取は慎重に行う必要があることから、審問ではなく調査官による調査が適切でしょう。
また、非監護親(子供を監護していない)側から面会交流の附帯処分の申立てがあった場合で、監護親が面会交流に応じないケースなどにおいては、面会交流を調査官の調査の対象とすることが考えられます。
もっとも、裁判所は、訴訟段階での調査官の調査について、消極的な傾向です。
代理人弁護士としては、調査の必要性についてよく検討して、必要性が高い事案に限って活用すべきでしょう。
⑥あえて長期化させる場合?
後述するように、離婚裁判は、基本的には早期に解決すべきです。
しかし、訴訟戦略として、あえて長期化させた方がよい事案も考えられます。
具体例 婚姻費用を受け取っている妻(被告)の事案
例えば、被告である妻が原告である夫から、婚姻費用を受け取っている場合、子供がいなければ、離婚が成立すると、養育費を支払ってもらうことはできません。
また、婚姻費用については離婚が成立すると受給できなくなります。
妻が稼働能力を有すれば、仕事をすることで給与を得て離婚後も生活していくことは可能です。
しかし、妻が長年専業主婦であったような場合、離婚後、すぐに働くのは困難です。
また、財産分与や離婚慰謝料を支払ってもらえるような事案であれば、ある程度経済的に余裕ができるかもしれませんが、財産分与や慰謝料も見込めない事案であれば、離婚後の妻の生活が過酷となってしまいます。
このような場合は、離婚裁判を長期化させた方が経済的には良いでしょう。
しかし、積極的に訴訟を遅滞させるような活動を行うと、裁判所の印象を悪くしてしまいます。
したがって、このような事案では、後述するスピード解決を目指すのでなく、淡々と防御していく戦略を取ることとなります。
また、離婚判決後、控訴理由があれば控訴します。
控訴すれば判決が確定しないので、控訴審の間、婚姻費用を受給できることとなります。
具体例 親権者についての判断が難しい事案
親権については、監護の実績が判断基準として重要な場合があります。
そのため、現在監護している側の親にとっては、離婚裁判で長期化させた方が監護実績が積み上がるため、親権の判断では有利になるとも考えられます。
もっとも、親権については、あくまで子の福祉の観点から判断すべきですので、親権争いのすべての事案において、このような訴訟戦略を取るべきではありません。
また、裁判所も、監護実績を積むために、被告が意図的に長期化させていれば、心象が悪くするだけで、親権の取得は難しくなるでしょう。
そのため、親権については、いくら有利になるからと言っても、不必要な長期化は避けるべきです。
スピード解決のポイント
離婚裁判は、上記のとおり、解決までに時間を要する傾向にあります。
裁判所が公表している統計では、2016年における離婚裁判の平均審理期間は、12.7ヶ月(相手が争って判決までいった事案では17.3ヶ月)となっています。
そのため、少しでも早く離婚裁判を終了させることが、再出発するために重要となります。
そこで、以下、スピード解決のポイントについてご紹介します。
⑦調停前置主義の問題
離婚裁判では、調停前置主義が取られています。
これは、離婚裁判に先立って、まずは離婚調停を行うという原則です。
このような原則が取られているのは、家庭に関する紛争の特質からして、できるだけ話し合いでの解決を図るべきという考え方があるからです。
しかし、調停前置主義は、話し合いの余地がない事案にとっては、無用の制度です。
また、離婚調停も一般的には長期間を要する現状からすると、話し合いによる解決の可能性がない事案では、むしろ、弊害といえます。
例えば、当事者双方とも親権者となることを希望しており、双方とも譲歩の可能性がない事案や、不貞行為について相手が一切認めていないような事案では、離婚調停は継続する意味が乏しいといえます。
したがって、このような場合は、離婚調停を早々に打ち切り、離婚裁判を提起すべきといえます。
⑧被告側は予備的な請求を検討
離婚裁判において、被告が離婚に応じないという事案では、婚姻関係の破綻についてのみ争うという姿勢の代理人をよく見かけます。
しかし、離婚判決が予想される事案では、予備的にでも附帯処分等を検討すべきでしょう。
すなわち、被告側で、原告に対して、養育費、財産分与、慰謝料、年金分割、面会交流等を請求できる事案において、離婚判決が出ると、被告側は通常、控訴することとなります(別途調停手続も考えられますが、通常は控訴を選択します。)。
控訴してから、このような附帯処分等を申立てると、解決までに長期間を要してしまいます。
特に、財産分与や慰謝料については、争点整理が長期化しがちです。
また、面会交流についても、相手が面会交流を拒否するような事案の場合、試行的面会交流が必要となる場合もあり、長期化します。
したがって、被告側は、離婚裁判の早い段階において、予備的にでも附帯処分等を検討すべきです。
なお、被告側代理人としては、予備的とはいえ、附帯処分等を申立てると、離婚を許容しているような印象を裁判所に持たれてしまうという懸念があるかもしれません。
しかし、杞憂であり、長期化するリスクのほうが大きいかと思われます。
被告側が原告に対して、慰謝料を請求する場合は、予備的附帯請求ではなく、予備的反訴となるので注意が必要です。
この場合、原告以外の第三者を当事者とする請求も可能です(原告と原告の浮気・不倫の相手を反訴被告として慰謝料を請求する)
⑨期日外釈明の活用
離婚裁判は、概ね、1か月に1回程度、期日が開催されます。
また、夏時期は夏期休廷、3月下旬ころから4月中旬ころは裁判官の移動時期のため休廷期間が設けられます。
このように期日間が長いことから、離婚裁判は長期化する傾向にあります。
期日間において争点整理を行うために、裁判所は、期日外においても、釈明権を行使することができます(民訴法149条1項)。
争点整理を早期に効率的に行うために、期日外釈明は有用ですが、実際に裁判所から期日外釈明が行われることはあまりありません。
離婚裁判の当事者から、期日間に、相手に対して求釈明を行うことで、離婚裁判を迅速に進めることが可能です。
特に、財産分与の整理は時間がかかる場合があります。双方とも代理人弁護士がついている場合、期日間に連絡をとりあうことで、早期解決に資することが可能です。
⑩和解の活用
離婚裁判においても、判決という結論ではなく、和解による解決も可能です。
和解は、穏当な解決法であるというだけでなく、スピード解決にも繋がります。
そのため、離婚裁判においても、和解は積極的に検討すべきでしょう。
もっとも、和解は、訴訟の早い段階であればメリットがありますが、判決間近になってくるとメリットが少なくなっていきます。
また、離婚調停を経た後、離婚裁判になっている場合、そもそも話し合いは行われているので、裁判の初期段階での和解は難しい場合が多いと思われます。
そのため、離婚裁判では、争点整理が一通り終わった後か、尋問実施後に、裁判所から和解の打診があることが多い傾向です。
和解するためには、離婚裁判の争点について、判決となった場合の「適切な見通し」を立てることができなければなりません。
例えば、判決では、「離婚が認められ、財産分与として原告に500万円支払いが命ぜられる」という見通しを立てたとします。
この場合、被告側として、「離婚に応じる代わりに、財産分与として600万円を支払ってほしい」などの和解案を提示することが可能となります。
もし、この事案で、離婚は認められない、財産分与としては1000万円が妥当、などの間違った見通しを立てた場合、和解が成立するのは難しいでしょう。
その結果、原告・被告双方とも、損をすることとなります。
このような適切な見通しについては、離婚専門の弁護士でなければ判断が難しいため、弁護士へ相談されることをお勧めしています。
離婚が成立すると、戸籍には、「協議離婚」「和解離婚」「裁判離婚」などの離婚の種類に応じた記載がされることとなります。
戸籍の記載など気にならない、という方もいますが、「裁判離婚」という記載は、離婚裁判で争ったようなマイナスのイメージを持つ方もいらっしゃいます。
和解が成立すると、通常は「和解離婚」となりますが、裁判上の和解においても、協議離婚をする旨の和解は可能です。
例えば、和解調書に、「原告と被告は協議離婚することを合意し、協議離婚届を提出する。」という条項を記載して、訴えを取り下げれば、裁判上の和解を成立させながら、「協議離婚」という記載にすることが可能です。
ただし、この場合、和解成立後、相手が離婚届出への署名押印を拒否すると、改めて離婚裁判を提起する必要があります。
したがって、極端に気にならなければ、通常の「和解離婚」で良いかと思われます。
まとめ
以上、離婚裁判で注意すべきポイントについて、くわしく解説しましたがいかがだったでしょうか。
離婚裁判は気をつけないと解決まで長年月を要することがあります。
また、適切な見通しを立てることができなければ大きな損失を被る可能性もあります。
離婚条件について見通しを立てるために、まずは離婚問題に強い弁護士へご相談されてはいかがでしょうか。
この記事が離婚問題でお困りの方にとってお役に立てば幸いです。
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