旦那が浮気!?妻はどうすればいい?弁護士が解説【チェックシート付】
「最近旦那の様子がおかしい、もしかしたら浮気しているかもしれない」と思った場合や、「旦那の浮気が発覚した」場合、どうすればよいか冷静に判断するのは難しいことです。
そこで、ここでは夫の浮気を見分ける方法、浮気が発覚した場合の対処法、押さえておくべきポイントなどについて、解説していきます。
夫の不倫を見分ける3つの方法
方法① 浮気の兆候をチェックする
夫が浮気(不倫)をしている場合、一般的な傾向として次のような兆候が現れることがあります。
まずはこのような兆候がないかどうか、チェックするようにしましょう。
方法② 夫の周囲と接触して情報を得る
夫の同僚や知人で、ご自身とも面識がある方がいる場合は、その方に接触してそれとなく最近の夫の様子を聞いてみるというのもよいでしょう。
ただし、その同僚等が夫に「奥さんが浮気を疑っていたよ」などと言わないとも限りません。
そうすると、夫が証拠の隠滅に動き出す恐れもあるので、情報を聞き出す際は注意が必要です。
まずは、夫の周囲の人のSNSなどから情報を集めてみるのもよいでしょう。
方法③ 調査会社へ調査を依頼する
夫が浮気している可能性が高いものの、証拠がつかめないという場合は、調査会社(興信所、探偵等)に調査を依頼することも考えられます。
調査会社に夫の素行調査をしてもらうことで、例えば浮気相手と一緒にラブホテルに出入りする場面の写真など、有力な証拠を押さえることができる場合もあります。
ただし、調査の依頼には相当程度の費用がかかることがほとんどです。
また、費用をかけて依頼しても、結果として有力な証拠がつかめない場合もあります。
そのため、依頼の要否やタイミング、内容等については、慎重に検討する必要があります。
まずは不倫問題に強い弁護士に相談して状況を見てもらい、証拠集めに関してアドバイスをもらった上で、依頼するかどうかを判断するのもよいでしょう。
不倫夫への3つの対処法とは?
夫の浮気が発覚した場合の対処法としては、主に次の3つがあります。
- ① 夫婦関係の修復に向けて話し合う
- ② 慰謝料を請求する
- ③ 離婚する
対処法① 夫婦関係の修復に向けて話し合う
夫婦関係を継続する場合は、夫婦関係の修復に向けて話し合うことになります。
修復のためには、不倫関係を断ち切らせることと、不倫を再発させないことが重要になると考えられます。
(1)不倫相手に接触して関係を断つ
夫婦関係を修復する場合は、夫が浮気を繰り返さないようにすることが大切です。
いったん夫から謝罪や反省が示されたとしても、特に対処をしていなければ、浮気相手から関係継続を迫られて断り切れなかったなどの理由で浮気が繰り返されてしまう恐れがあります。
そのため、夫任せにするのではなく、こちらから浮気相手に接触して関係を断たせることが必要といえます。
具体的には、まずは浮気相手に内容証明郵便などで通知を送り、その後に直接の話し合いか、書面等によるやり取りにより、不倫関係を解消する約束をさせ、誓約書等を取り付ける方法が採られるのが一般的です。
なお、浮気相手との接触は、慎重に行うようにしましょう。
直接やり取りをすると、感情的な対立からトラブルに発展する可能性もありますので、専門の弁護士に代理人として対応してもらうことも検討するとよいでしょう。
浮気相手が夫との不倫を認め今後はしないと弁明している場合は、口頭での約束だけではなく、誓約書を作成するようにしましょう。
誓約の内容としては、①不倫関係を解消することと、②今後夫に接触しないことの2点は必ず入れる必要があるでしょう。
また、約束を確実に守らせるために、誓約を破った場合の違約金について定めておく場合もあります。
なお、浮気相手に対して慰謝料を請求する場合は、通常は誓約書を単体で作成するのではなく、慰謝料についての示談書に誓約条項を記載することになります。
どのような形式・記載内容にするかは、事案によって異なりますので、詳しくは離婚問題に詳しい弁護士にアドバイスをもらうようにされてください。
(2)自分自身を振り返る
浮気は許されるものではありませんが、夫を責め立てるばかりでは、根本的な解決にならず、浮気が繰り返されてしまう可能性もあります。
修復を望む場合は、自分自身の家庭での振る舞いや夫への接し方を振り返ってみることも必要かもしれません。
浮気する夫にとっては、妻の存在が次のようなものになってしまっている可能性があります。
妻が子どもにばかり愛情を向けていると、夫はかまってもらえないことに寂しさなどを感じ、次第に妻を女性としてではなく、子どもの母親としてしか見られなくなる場合があります。
家で妻に文句や嫌味を言われたり、子どもと一緒になって邪魔者扱いされたりすると、夫にとって妻の存在は苦痛や恐怖を感じる存在となってしまう場合があります。
妻が専業主婦の場合は、夫と妻の役割分担がはっきり分かれた生活が常態化し、それに加えて夫婦間でのコミュニケーション等が不足すると、夫は次第に妻を家事や育児をしてくれる(あるいは自分の世話をしてくれる)存在として認識するようになる場合があります。
夫にとっての妻の存在が上記のような存在となっている場合であっても、一方で、夫は妻のことを大切な家族として守りたい存在と思っているケースも多いです。
いずれも夫婦間でのコミュニケーションを増やしたり、思いやりを持って相手に接したりすることにより、改善できる部分もあるともいえます。
まずは夫の話を冷静に聞いた上で、自分自身のことも振り返り、改善できる点は改善していくことが再発防止につながると考えられます。
対処法② 慰謝料を請求する
慰謝料とは、加害行為によって被った精神的な苦痛の回復を目的として加害者に支払いを求めるお金のことです。
夫に浮気された場合は、通常は精神的な苦痛を受けることになるので、夫と浮気相手に対し、受けた精神的苦痛をつぐなうための慰謝料を請求することができます。
ただし、次に説明するように、慰謝料が認められない場合もあるので留意しておく必要があります。
慰謝料の金額は、事案によって様々ですが、裁判所で決める場合は100万円~300万円になることが多いです。
慰謝料の算定の際には様々な事情が考慮されることになりますが、特に浮気の結果離婚に至ったか否かによって大きく金額が異なる傾向にあるといえます。
離婚しない場合は、離婚した場合に比べて被害が小さいものと評価されるため、慰謝料の金額が低くなることが多いです。
慰謝料が認められない場合とは
夫が浮気したとしても、次のような場合は慰謝料が認められません。
- 不貞行為に当たらない場合(ただし、状況次第では認められることもある)
- 夫婦関係が破綻していた場合
- 浮気相手が妻の存在を知らなかった場合
- 請求期限を過ぎてしまった場合
裁判で慰謝料が認められるのは、基本的には、夫の浮気が「不貞行為」に当たる場合となります。
「不貞行為」とは、自由な意思のもとに(強制されたのではなく)、配偶者以外の人と性的関係を結ぶことをいいます。
性的関係とは、肉体関係(性交渉又は性交類似行為)のことを指します。
交際はしていたものの肉体関係まではなかった場合や、本人たちが肉体関係を認めず、肉体関係の証拠もない場合、状況次第ではありますが、慰謝料を請求することは難しくなります。
また、肉体関係があったとしても、次のような場合は、慰謝料は認められません。
- ① 夫が浮気した時点で既に夫婦関係が破綻していた(修復不可能な状態になっていた)場合
夫の浮気で慰謝料が認められるのは、それが平穏な夫婦生活を送るという妻の権利や利益を侵害する行為であるからです。
浮気がされる以前に既に夫婦関係が破綻していた場合、浮気によって上記のような権利・利益が侵害されたわけではないため、慰謝料は認められないとされています。 - ② 浮気相手が妻の存在を知らなかった場合
浮気相手において、夫が既婚者であることを知らず、注意しても知ることができなかった場合も、浮気相手に対する慰謝料は認められません。 - ③ 請求期限を過ぎてしまった場合
慰謝料は、不貞行為と浮気相手を知った時から原則として3年以内に請求をしないと、「時効」の完成によって基本的には請求ができなくなってしまいます。
もっとも、上記のような場合に形式上該当しそうだからといって、請求を諦める必要はありません。
肉体関係がない(証明できない)場合であっても、状況等によっては慰謝料が認められる可能性はゼロではありません。
また、①②に関して、夫婦関係が破綻していたか、又は浮気相手が「注意しても(夫が既婚者であると)知ることができなかった」かについては、個別具体的な事情に即して判断されることになります。
そして、裁判所は、単に夫婦間で会話がない状態だったとか、夫が浮気相手に既婚者であると告げていなかったということだけでは、①や②に該当するとは簡単には認めない傾向にあります。
③に関しても、時効が完成しているかを正確に判断するには専門知識が必要ですので、ご自身では期限が過ぎたと思っていても請求期限内である場合もあります。
仮に期限が過ぎていても、相手が支払義務を認めて支払いに応じるケースもあります。
そのため、一度専門の弁護士に相談されることをおすすめいたします。
浮気相手に対する慰謝料請求
浮気相手に対しては、まずは内容証明郵便などで通知を送ることにより、慰謝料を請求するのが一般的な方法となります。
浮気相手が返答をした場合は、直接の話し合い又は書面等によるやり取りによって交渉を進め、慰謝料の金額や支払方法等について合意がまとまれば、示談成立となります。
示談が成立した場合は、必ず示談書を作成することが重要です。
示談が成立しない場合や、相手が通知を無視する場合は、最終的には裁判で決着をつけることになります。
浮気相手に請求を出した際に、浮気相手がすんなりと浮気を認めて請求額の支払いに応じることは多くはありません。
たいていの場合は、不貞行為を否定したり、「夫婦関係は既に破綻していた」「妻がいることを知らなかった」と反論したり、慰謝料の減額を求めるといった反応をすることになるでしょう。
いずれの場合も、適切な解決をするためには、手元の証拠状況、裁判になった場合の見通し、浮気相手の支払能力、立場(浮気相手にも夫がいるのかなど)を見極めて交渉を進めることがポイントとなります。
そのため、不倫問題に強い弁護士に代理人として交渉してもらうこともおすすめいたします。
弁護士に依頼した場合は、弁護士が代理人として、請求・交渉・示談書等の作成まで全般的にサポートしてくれます。
仮に裁判となった場合は、手続きが複雑・厳格となるので弁護士に依頼する必要性が高くなりますが、交渉段階で弁護士に依頼している場合は、引き続きサポートを依頼することにより、円滑に進めていくことができます。
夫に対する慰謝料請求
夫の浮気を理由に離婚する場合、夫に対する慰謝料は、次の2種類を請求できると考えられています。
- ① 不貞行為によって被った苦痛を対象とした慰謝料
- ② 不貞行為が原因で離婚せざるを得なくなったことによって被った苦痛を対象とした慰謝料
①と②は理屈上は別々のものといえますが、離婚する場合は①を②に含め、慰謝料を離婚条件の1つという位置づけで請求するケースが多いです。
そのため、離婚の話し合いの中で取り決めるか、合意ができなかった場合は離婚裁判の中で判断をもらうことになります。
この場合の慰謝料は、個々の不貞行為のみならず、離婚に至る一連の経緯も考慮されたものとなります。
例えば、離婚の決定的な原因となった浮気の他にも、夫が長年に渡り複数人との浮気を繰り返していた場合や、妻に対して暴力を振るったりモラハラをしていたような場合は、それらの事情も考慮されることになります。
そのため、状況次第では、先に紹介した慰謝料の金額の相場(100万円~300万円)よりも高額になる場合もあります。
夫と離婚しない場合でも、夫に対し、不貞行為によって被った苦痛を対象に慰謝料を請求することができます。
もっとも、夫と離婚しない場合は、浮気相手に対してのみ慰謝料を請求し、夫には請求しないことが多いです。
夫婦は家計を一にしている(財布を1つにしている)ことが多く、夫から慰謝料を支払ってもらっても、お金が夫婦の財布を出入りするだけになる場合が多いからです。
ただし、浮気相手に対してのみ慰謝料を請求する場合は、浮気相手からの「求償」(きゅうしょう)に注意する必要があります。
先に述べたとおり、慰謝料は夫と浮気相手が共同で支払義務を負いますが、夫と浮気相手の間では浮気の責任度合い(どちらが主導したかなど)に応じて分担されることになります。
そのため、浮気相手が慰謝料の全額を妻に支払った場合、浮気相手は夫の分担額を立て替えていることになりますので、夫に対して分担額の清算を求めることができます(これを「求償」といいます。)。
したがって、浮気相手にだけ慰謝料の全額を請求し、その支払いを受けた場合は、浮気相手から夫に求償が来る可能性があります。
これを防止するために、浮気相手との示談において、夫に求償しない約束をさせておくケースもあります。
もっとも、このような手段を講じる場合は、一定程度の譲歩(減額)が必要になる上、示談書の記載内容がとても重要になりますので、詳しくは離婚問題に詳しい弁護士に相談されるようにしてください。
対処法③ 離婚する
夫婦関係の修復が難しい場合は、最終的には離婚を考えることになります。
離婚の方法としては、次の3つがあります。
方法 | 内容 |
---|---|
協議離婚 | 夫婦間で話し合い、離婚や離婚条件について合意し、離婚届を提出することにより成立する離婚。 |
調停離婚 | 家庭裁判所において、裁判所(調停委員会)に仲介をしてもらいながら話し合い、合意によって成立する離婚。 |
裁判離婚 | 裁判所に離婚判決をもらうことにより成立する離婚。離婚判決をもらうためには、法定の離婚事由があることが必要。 |
夫婦間で離婚することや離婚条件(慰謝料、親権、養育費、面会交流、財産分与、年金分割など)について合意ができれば、離婚をすることはできます。
しかし、合意ができない場合は、最終的には裁判で離婚を認めてもらう(離婚判決をもらう)必要があります。
そして、不貞行為は、法律上の離婚事由(離婚できる条件)の1つであるため、夫の浮気が不貞行為に該当し、その立証もできる場合(証拠がある場合)は、裁判で離婚が認められる可能性は高いといえます。
民法(裁判上の離婚)
第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
引用元:民法|電子政府の窓口
また、離婚条件については、慰謝料以外は、基本的には、夫が浮気したこと(離婚の原因を作ったこと)とは別問題として法律に基づいて判断されることになります。
なお、夫からの離婚請求は、原則としては認められないとされています。
離婚の原因を作った側(「有責配偶者」といいます。)からの離婚請求は、原則として認めないとするのが裁判所の考え方となっています。
離婚する場合に決めるべきこと
離婚する場合は、慰謝料、親権、養育費、面会交流、財産分与、年金分割などの離婚条件についても取り決める必要があります。
実際、離婚が認められるかどうかよりも、どのような離婚条件で離婚できるかの方が重要であることが多いと思われます。
特に妻側は、離婚後の子どもの養育や、経済的な安定について不安を抱えることが多いです。
そのため、離婚後の生活を見通して離婚条件をよく吟味することが必要です。
裁判所に判断をもらう場合は、裁判所の考え方に従って判断されるため、柔軟な解決が難しくなります。
そのため、できる限り交渉により、有利な条件で解決をすることが望ましいともいえます。
この点、夫が再婚したいなどの理由で離婚を強く望む場合は、離婚条件の交渉を有利に進められる可能性があります。
先に述べたように、有責配偶者である夫側からの離婚請求は原則として認められないためです。
もっとも、離婚条件については、いずれも複雑で難しい問題が浮上することが多く、交渉が難航するケースも少なくありません。
専門知識とノウハウが必要になりますので、離婚問題に強い弁護士に相談されることをおすすめいたします。
妻がやってはいけないこと
感情的になって行動すること
浮気が発覚した場合、夫や浮気相手に対して許しがたい感情がわき上がるのは自然なことですが、感情的になって行動するとご自身の不利益になる場合があります。
特に次のような行為には注意する必要があります。
浮気の証拠を押さえる前に本人に問いただしてしまうと、夫が浮気を否定した場合、それ以上話が進みません。
それに加えて、夫が警戒して証拠を隠滅してしまう可能性もあります。
そうすると、押さえられたはずの証拠も押さえられなくなり、裁判でも慰謝料や離婚を請求することが難しくなってしまいます。
そのため、何らの解決にもつながらなくなってしまう恐れがあります。
浮気相手の自宅や職場に突然押しかけ、浮気相手を侮辱したり、慰謝料や謝罪を強要したりしてしまうと、浮気相手から刑事告訴されたり、慰謝料を請求されたりする場合もあります。
手紙、電話、メールなどで侮辱や脅迫をする行為についても同様です。
刑事告訴や慰謝料の請求をされなくとも、裁判では慰謝料を減額する事情として考慮される可能性もあるので注意するようにしましょう。
浮気をした夫とは早く離婚したいと思っても、勢いで離婚をしてしまうと取り返しのつかないことにもなりかねませんので注意が必要です。
離婚後は基本的にご自身で生計を立てる必要があるため、離婚の準備というのは非常に重要になります。
慰謝料、養育費、財産分与などは、離婚後でも請求することはできますが、すぐに任意に支払ってもらえるとは限りません。
合意による解決もできず、裁判所の手続きを利用して決めることになった場合は、結論が出て実際にお金がもらえるまでに年単位で時間がかかってしまうこともあります。
また、相手が離婚を希望していたという場合、離婚が成立してしまうと、「条件が整えば離婚に応じる」という交渉材料がなくなってしまうため、交渉を有利に進めることも難しくなります。
そのため、一般的には、離婚は、離婚後の生活の準備を整え、離婚条件についても取り決めをした上で、成立させるべきといえます。
これ以上夫と一緒に暮らせないという場合は、ひとまず別居して婚姻費用(生活費)を請求することを検討するとよいでしょう。
婚姻費用については、後に解説いたします。
子どもをおいて別居すること
夫の浮気が発覚した場合は、夫の顔も見たくない、一緒の空間にいたくないと、突発的に家を飛び出したくなる気持ちにもなるものです。
しかし、子どもをおいて独りで家を出て別居を始めてしまったりすると、親権で対立が生じた場合に不利になるので注意が必要です。
別居後、離婚を決意して親権を求めても、夫側も親権を求め、かつ、夫の元で子どもが暮らしている状態が長期間継続してしまうと、裁判で争いになった場合、親権が夫にいってしまう可能性が高くなります。
裁判所は、親権者を定める際の判断基準として、浮気をしたかどうか(離婚の原因を作ったかどうか)ということを重視はしていません。
親権者を定める際には、いずれを親権者と定めるのが子どもの利益に適うかということが判断基準となります。
そのため、裁判所は、子どもの現在の生活環境が変わることには慎重になる傾向にあります。
したがって、夫の元で問題なく暮らしている状態が長く続いてしまうと、親権者を夫と定めるとの判断がされてしまう可能性が高くなります。
夫の不倫の事案のポイント
POINT① 不倫の証拠をおさえる
夫の浮気が疑われる場合は、まずは証拠を押さえることが大切です。
証拠がなければ、夫に浮気を否定された場合に解決に向けて対処することができなくなってしまいます。
また、裁判で慰謝料や離婚を請求する場合は、証拠がなければ請求が認められるのが難しくなってしまいます。
他方で、十分な証拠がある場合は、相手も言い逃れができなくなるため、浮気を認めて慰謝料の支払いに応じてくることも多く、早期解決につながる可能性があります。
先に解説したように、慰謝料や離婚が認められるのは、基本的には浮気が「不貞行為」に当たる場合ですので、夫と浮気相手が肉体関係を持ったことを裏付ける証拠があるのが望ましいといえます。
例えば、夫と浮気相手が2人でラブホテルに出入りする場面の写真(興信所による調査報告書)などです。
もっとも、必要な証拠や、証拠の集め方は、事案によって異なります。
また、証拠を集める際には、違法な行為をしないように注意をする必要もありますので、専門の弁護士にアドバイスをもらいながら慎重に進めることをおすすめいたします。
POINT② 別居する際は婚姻費用を請求する
離婚せずにひとまず別居するという場合は、婚姻費用を求めることができる場合があります。
婚姻費用とは、夫婦や子どもの生活のためのお金であり、夫婦の収入に応じて分担されるべきものとされています。
そのため、夫の方がご自身よりも収入が多い場合は、婚姻費用を請求することができます。
婚姻費用の金額は、夫婦間で自由に決めることができますが、一般的には家庭裁判所で婚姻費用を決める際に参照される「婚姻費用算定表」をもとに算出した金額を目安にすることが多いです。
離婚を前提に別居する場合であっても、離婚条件等について合意がまとまらなかったり、裁判所の手続き(調停や訴訟)を利用することになった場合は、離婚成立までに年単位で時間がかかるケースもあります。
そのため、別居する際には婚姻費用を請求し、きちんと支払ってもらうようにすることが重要です。
また、できる限り別居する前に取り決めをしておくか、別居後でもできる限り速やかに請求を出すことも重要です。
婚姻費用は、原則として請求した時点からしかもらえないというのが裁判所の考え方となっています。
別居時から請求時まで間が空いた場合、その期間に対応する婚姻費用は、相手が任意に応じてくれない限りは遡って支払ってもらうことはできないので注意が必要です。
POINT③ 離婚後の条件面の見通しを立てる
先にも解説しましたが、離婚する場合は条件面の見通しを立てることがポイントとなります。
条件面とは、具体的には慰謝料、財産分与、年金分割、子どもがいる場合は親権、養育費、面会交流に関するものとなります。
適切な条件については、夫婦の財産状況、夫の年収、子どもの年齢・人数などにより異なりますので、専門の弁護士に相談しながら慎重に検討されることをおすすめいたします。
女性の方は、離婚によって経済状況や子どもの生活環境などが変わることについて、大きな不安を抱えていることが多く、そのために、夫の浮気に悩まされながらも離婚に踏み切れないという場合もあります。
その場合でも、離婚する場合の条件面の見通しを立てることで離婚の準備を進めていくことができるケースもありますので、まずは、離婚問題に強い弁護士に相談されることをおすすめいたします。
POINT④ 離婚問題に詳しい弁護士へ相談する
夫の浮気にお悩みの場合は、離婚問題に詳しい弁護士に相談することをおすすめいたします。
夫が浮気している疑いがある場合や、実際に浮気が発覚した場合、冷静に対応することは難しいものです。
しかし、感情的になって行動してしまうと、ご自身の不利益にもなりかねませんので、まずは状況を法律的に整理してもらい、証拠の収集方法や、今後の見通しについてアドバイスをもらうとよいでしょう。
いずれの対処をする場合であっても、弁護士のサポートを得ることにより、適切な解決につなげることができます。
浮気相手に慰謝料を請求する場合や、誓約書を求める場合は、弁護士に代理人として対応してもらうことにより、感情的な対立によるトラブルを防止できるというメリットもあります。
夫と関係を修復する場合も、弁護士を入れてきちんと対処することにより、浮気の再発防止につながりやすくなるでしょう。
夫と離婚をする場合は、離婚の準備から適切な条件での離婚成立まで、全般的にサポートを得ることができます。
まとめ
以上、夫の浮気を見分ける方法、浮気が発覚した場合の対処法、押さえておくべきポイントなどについて解説しましたが、いかがだったでしょうか。
夫の浮気が発覚した場合のショックは大きく、冷静に対応することはなかなか難しいものです。
しかし、感情的になって行動してしまうと、ご自身の不利益になる場合もあります。
まずは、証拠を押さえ、今後の方針についてよく考えることが大切です。
いずれの対処をする場合であっても、適切な解決をするためには専門知識や交渉のノウハウが不可欠となります。
そのため、夫の浮気に悩まれている場合は、まずは専門の弁護士に相談されることをおすすめいたします。
当事務所では、離婚問題を専門に扱うチームがあり、不倫問題について強力にサポートしています。
LINE、Zoomなどを活用したオンライン相談も行っており全国対応が可能です。
不倫問題については、当事務所の離婚事件チームまで、お気軽にご相談ください。
この記事が、不倫問題にお悩みの方にとってお役に立てれば幸いです。
なぜ離婚問題は弁護士に相談すべき?弁護士選びが重要な理由とは?