財産分与の弁護士費用とは?相場やケース別具体例を解説
財産分与を伴う離婚事案の弁護士費用は、具体的な状況によって異なりますが、概ね「20万円以上」となることが多いです。
離婚に伴い結婚生活で築いた財産を分け合うことを財産分与といいます。
財産分与を適切に行うためには専門知識が必要ですので、弁護士への依頼を検討される方も多いでしょう。
その際に気になるのが弁護士費用がどの程度かかるかということです。
そこで、ここでは財産分与を弁護士に依頼する場合の弁護士費用について、相場やケース別の具体例をご紹介しながら解説していきます。
財産分与の弁護士費用の相場
弁護士費用は、弁護士への依頼内容によって異なります。
また、法律事務所によっても異なります。
現在、弁護士費用は自由化されており、各法律事務所が独自に定めているためです。
もっとも、以前は弁護士費用に関して、弁護士会としての基準がありました(旧弁護士報酬基準)。
弁護士費用が自由化された現在においても、この旧弁護士報酬基準を踏襲している事務所も多いかと思います。
したがって、弁護士費用の相場としてはこの旧弁護士報酬基準を参考にするとよいでしょう。
旧報酬基準は、離婚事件の弁護士費用に関して、次のように定めています。
依頼する内容 | 着手金 | 報酬金 |
---|---|---|
交渉又は調停 | 20万円から50万円 ※交渉を依頼した後に調停を依頼する場合は2分の1の金額 |
20万円から50万円 |
裁判 | 30万円から60万円 | 30万円から60万円 |
財産分与、慰謝料等を請求する場合の加算金額 | ・経済的な利益の額が300万円以下の場合 経済的利益の8% ・300万円を超え3000万円以下の場合 経済的利益の5% + 9万円 ・3000万円を超え 3億円以下の場合 経済的利益の3% + 69万円 ・3億円を超える場合 経済的利益の2% + 369万円 |
・経済的な利益の額が300万円以下の場合 経済的利益の16% ・300万円を超え3000万円以下の場合 10% + 18万円 ・3000万円を超え3億円以下の場合 6% + 138万円 ・3億円を超える場合 4% + 738万円 |
※経済的利益とは、相手から受け取る金銭等や、相手の請求を減額した分などをイメージされるとよいでしょう。
引用元:旧弁護士報酬基準
このように、旧弁護士報酬基準では、財産分与の請求をする場合、経済的利益(財産分与により得られた金額又は減額した金額)に応じて報酬が算定される定めになっています。
財産分与で得られる金額は、0円の事件もあれば、億単位の事件もあります。
そのため、財産分与の弁護士費用の金額は、人によって大幅に異なることになります。
また、財産分与の請求だけではなく、離婚や慰謝料、養育費の請求なども依頼した場合は、それらについても弁護士費用が加算されていくことになります。
そのため、最終的な金額を一概に示すことは難しいですが、具体的な状況を前提とした場合、ある程度の金額を予測することは可能です。
そこで、後に当事務所の弁護士費用を前提にケース別のシミュレーションをご紹介します。
是非参考になさってください。
財産分与の弁護士費用の内訳
ここでは、弁護士費用の内訳について簡単に解説していきます。
弁護士費用の内訳は、法律相談料、着手金、報酬金、日当・実費となっています。
法律相談料
通常、弁護士に正式に依頼する前には法律相談が実施されます。
法律相談で弁護士が事情を聴き、その場でアドバイスをしたり、見通しを立てたり、方針を説明したりします。
この法律相談にかかる費用が法律相談料となります。
30分5000円程度の場合が多いですが、初回の相談に限り無料にしている事務所などもあります。
着手金
着手金とは、弁護士に依頼したとき最初に支払うお金のことです。
結果の成功・不成功にかかわりなく、弁護士に動いてもらうために必要になるお金です。
旧弁護士報酬基準では、財産分与については着手金も経済的利益に応じて加算されると定められていました。
しかし、依頼する時点では経済的利益を見通すことが難しいこともあります。
そのため、実際の各事務所の料金体系においては、財産分与を請求する・しないにかかわらず固定額になっていたり、財産分与の請求をする場合の加算分が固定額になっていたりすることが多いです。
報酬金
報酬金は、弁護士に依頼した事件が終了したときに支払うお金です。
結果の成功・不成功や成功の度合いに応じて金額が異なってきます(成功報酬)。
財産分与の場合は、財産分与で得られた金額又は減額できた金額の数十パーセントとの定めになっているのが通常です。
日当、実費
日当とは、弁護士が調停のために裁判所に出向くなど、事務所を離れたときの手当として支払われる費用のことです。
実費とは、弁護士が事件処理をするうえで必要になった費用のことで、通信費、コピー代、交通費、書類の収集費用、収入印紙代などです。
項目 | 内容 | 支払時期 |
---|---|---|
法律相談料 | 法律相談の費用 | 相談時:正式な依頼前 |
着手金 | 弁護士に依頼するとき最初に支払われる費用 | 依頼時 |
報酬金 | 結果に応じて支払われる費用 | 終了時 |
日当 | 弁護士が事務所を離れたときの手当 | 終了時又はその都度 |
実費 | 弁護士が事件処理をするうえで必要になった費用 | 終了時又はその都度 |
ケース別のシミュレーション
ここからは、具体的にどのくらいの弁護士費用がかかるのか、ケース別にシミュレーションしながら解説していきます。
シミュレーションにおいては、イメージしやすいように当事務所の弁護士費用を前提とすることにします。
当事務所の弁護士費用はこちらからご覧ください
※あくまで一例であり、個々の状況によって増減することがあります。
具体的な金額については事務所で弁護士が見積書をお示ししますのでお気軽にご相談ください。
財産分与についてどのような取り決め方をするかによって、弁護士への依頼内容が異なり、弁護士費用も異なることになります。
そこで、ここでは弁護士への依頼内容ごとにケースを設定し、シミュレーションしていくことにします。
財産分与の取り決め方としては、まずは当事者間で話し合い(協議・交渉)、話し合いができない場合や話し合いがまとまらない場合は裁判所の手続きを利用することになります。
裁判所の手続きには、調停・審判・訴訟の3つがあります。
調停は裁判所で話し合って取り決める手続きであり、審判と訴訟は、調停での話し合いで取り決めることができなかった場合に、裁判官が結論を出す手続きです。
離婚前の場合は訴訟(離婚裁判)で離婚についての判断とともに財産分与の判断をもらうことになり、離婚後の場合は審判で財産分与の判断のみをもらうことになります。
弁護士への依頼内容と以下でご紹介する各ケースの対応関係は次のとおりです。
時期 | 状況 | 弁護士への依頼内容 | ケース | |
---|---|---|---|---|
請求(増額) | 減額 | |||
離婚前 | 離婚を求めるとともに財産分与の取り決めをする | 代理交渉(離婚・財産分与について) | Aさん | Cさん |
離婚調停 | Eさん | Gさん | ||
離婚訴訟(離婚裁判) | Iさん | Jさん | ||
離婚後 | 財産分与の取り決めをする | 代理交渉(財産分与について) | Bさん | Dさん |
財産分与の調停 | Fさん | Hさん | ||
財産分与の審判 | Fさん | Hさん |
弁護士による代理交渉の場合
代理交渉とは、裁判所を通さずに弁護士が代理人となって相手と直接交渉し、解決を目指すものです。
財産分与を増額するケース
妻:Aさん(依頼者)
夫:相手方
↓代理交渉
得られた結果
離婚の成立
財産分与100万円
弁護士費用
着手金:22万円(税込)
報酬金:33万円(税込)
報酬金の内訳
離婚の成立:22万円
財産分与の増額:100万円×11%=11万円
※金額は消費税を含めたものとなります。
元妻:Bさん(依頼者)
元夫:相手方
↓代理交渉
得られた結果
財産分与100万円
弁護士費用
着手金:22万円(税込)
報酬金:11万円(税込)
報酬金の内訳
財産分与の増額:100万円×11%=11万
財産分与を減額するケース
妻:相手方
夫:Cさん(依頼者)
↓代理交渉
得られた結果
離婚の成立、財産分与の減額100万円
弁護士費用
着手金:22万円(税込)
報酬金:33万円(税込)
報酬金の内訳
離婚の成立:22万円
財産分与の減額:100万円×11%=11万
元妻:相手方
元夫:Dさん(依頼者)
↓代理交渉
得られた結果
財産分与の減額100万円
弁護士費用
着手金:22万円(税込)
報酬金:11万円(税込)
報酬金の内訳
財産分与の減額:100万円×11%=11万
財産分与の調停を弁護士に依頼した場合
「調停」とは、裁判所で話し合って合意による解決を目指す手続きです。
離婚前の場合は離婚調停を申し立て、離婚の話と一緒に財産分与についても話し合うことになります。
離婚後の場合は、財産分与の調停を申し立て、財産分与についてのみを話し合うことになります。
調停対応を弁護士に依頼すると、弁護士が代理人として調停に出席し、解決まで全面的にサポートをしてくれます。
もっとも、調停は裁判所を利用した手続きであり、裁判所のペースで進みますので、解決までに時間がかかります。
また、裁判所への出頭や裁判所とのやり取りなど、弁護士の対応事項も増えるため、代理交渉の場合よりも弁護士費用が高くなるのが通常です。
そこで、当事務所では、まずは代理交渉での解決を目指し、それでも解決できない場合に調停を利用することをおすすめしています。
そのため、代理交渉の依頼をした後に、引き続いて調停対応の依頼をするというケースが多いです。
その場合、改めて調停サポートの着手金が全額必要になるわけではなく、代理交渉の着手金との差額分のみが追加で必要になります。
それを踏まえ、以下では代理交渉後に調停のサポートを依頼する場合の例をご紹介していきます。
財産分与を増額するケース
妻:Eさん(依頼者)
夫:相手方
↓代理交渉から離婚調停へ移行
得られた結果
離婚の成立、財産分与100万円
弁護士費用
着手金:22万円+22万円(税込)
報酬金:44万円
着手金の内訳
※離婚調停移行時に追加着手金として(+22万円)
報酬金の内訳
離婚の成立:33万円
財産分与の増額:100万円×11%=11万円
元妻:Fさん(依頼者)
元夫:相手方
↓代理交渉から財産分与の調停へ移行
得られた結果
財産分与100万円
弁護士費用
着手金:22万円+22万円(税込)
報酬金:11万円
着手金の内訳
※財産分与の調停移行時に追加着手金として(+22万円)
報酬金の内訳
財産分与の増額:100万円×11%=11万円
財産分与を減額するケース
妻:相手方
夫:Gさん(依頼者)
↓代理交渉から離婚調停へ移行
得られた結果
離婚の成立、財産分与の減額100万円
弁護士費用
着手金:22万円+22万円(税込)
報酬金:44万円
着手金の内訳
※離婚調停移行時に追加着手金として(+22万円)
報酬金の内訳
離婚の成立:33万円
財産分与の減額:100万円×11%=11万円
元妻:相手方
元夫:Hさん(依頼者)
↓代理交渉から財産分与の調停へ移行
得られた結果
財産分与の減額100万円
弁護士費用
着手金:22万円+22万円(税込)
報酬金:11万円
着手金の内訳
※財産分与の調停移行時に追加着手金として(+22万円)
報酬金の内訳
財産分与の減額:100万円×11%=11万円
財産分与の審判を弁護士に依頼した場合
「審判」とは、裁判官が当事者双方の言い分や提出資料を考慮して、決定を出す手続きです。
財産分与の調停は、話し合いによる解決ができなかった場合、調停手続きは「不成立」として終了し、その後自動的に「審判」という手続きに移行します。
審判対応を弁護士に依頼した場合、弁護士が代理人として審判期日に出廷し、解決のサポートをしてくれます。
通常は調停対応を依頼していた弁護士に引き続き審判対応も依頼することになります。
調停から審判へ移行する際、追加の弁護士費用が生じるか否かは、各事務所の料金体系によりことなります。
当事務所の場合は、調停から審判に移行する場合には追加費用は発生しません。
したがって、先に紹介したFさん及びHさんは、調停で解決できなかった場合、審判に移行することになりますが、弁護士費用は調停で解決できた場合と同じ金額となります。
訴訟(離婚裁判)を弁護士に依頼した場合
訴訟とは、裁判官が当事者双方の主張や提出証拠を踏まえて判断(判決)を下す手続きです。
離婚前に、離婚調停で財産分与を話し合ったものの合意がまとまらなかった場合は、離婚訴訟(離婚裁判)で決着をつけることになります。
離婚調停は、話し合いがまとまらない場合には基本的に「不成立」終了し、その後いずれかの当事者が改めて訴訟を起こし、訴訟の中で財産分与についての判断をもらうことになります。
財産分与の調停のように自動的に審判に移行することはありません。
なお、訴訟を起こした後、裁判の途中で和解(話し合い)をすることによって解決することも可能です。
訴訟対応を弁護士に依頼した場合、弁護士が代理人として訴訟に出廷し、全面的に解決(和解も含む)のサポートをしてくれます。
訴訟は、法律で定められた手続きに沿って厳格に進められるので、弁護士の対応事項はさらに増えることになります。
そのため、弁護士費用は調停対応を依頼する場合よりも割高になります。
妻:Iさん(依頼者)
夫:相手方
↓代理交渉から離婚調停を経て離婚訴訟に移行
得られた結果
離婚の成立、財産分与100万円
弁護士費用
着手金:22万円+22万円+22万円(税込)
報酬金:44万円(税込)
着手金の内訳
※離婚調停移行時に追加着手金として(+22万円)、離婚訴訟移行時に追加着手金として(+22万円)
報酬金の内訳
離婚の成立:33万円
財産分与の増額:100万円×11%=11万円
妻:相手方
夫:Jさん(依頼者)
↓代理交渉から離婚調停を経て離婚訴訟に移行
得られた結果
離婚の成立、財産分与の減額100万円
弁護士費用
着手金:22万円+22万円+22万円(税込)
報酬金:44万円(税込)
着手金の内訳
※離婚調停移行時に追加着手金として(+22万円)、離婚訴訟移行時に追加着手金として(+22万円)
報酬金の内訳
離婚の成立:33万円
財産分与の減額:100万円×11%=11万円
財産分与の強制執行を弁護士に依頼した場合
強制執行とは、裁判所の手続きや公正証書で財産分与の取り決めをしたにもかかわらず、取り決めどおりの支払いがされない場合に、支払義務者の財産を差し押さえるなどして強制的に支払わせる手続きです。
弁護士に強制執行を依頼した場合、弁護士が代理人として強制執行の手続きを行ってくれます。
具体的な弁護士費用については、依頼する事務所の料金体系や、財産分与の取り決めを依頼した弁護士にそのまま依頼するか、新たな弁護士に依頼するか等によって異なります。
当事務所でも、財産分与の問題をもともと依頼されていたか、強制執行のみのご依頼かなどにより費用が異なりますので、具体的な金額についてはご相談時にお見積もりをお渡ししております。
財産分与の弁護士費用に関するQ&A
財産分与の弁護士費用は誰が払うべきですか?
弁護士に依頼した方が支払うことになるのが原則です。
弁護士費用は決して安価ではないため、特に離婚を決意した原因(不倫や暴力など)が相手にある場合は、相手のせいで負担を強いられたものとして、相手に支払ってもらいたいと思うかもしれません。
しかし、ご自身が依頼した弁護士に対する弁護士費用は、相手に支払ってもらうことはできないのが原則です。
ただし、法的に請求することが原則できないということであり、相手が支払うことに同意するのであれば、相手に支払ってもらって何の問題もありません。
そのため、話し合いの中で相手に対して弁護士費用を負担してもらいたいと要求することは可能です。
要求しても受け入れてもらえないことがほとんどですが、相手の落ち度(不倫など)が大きい場合や、相手がすぐに離婚したいと思っている場合などは、取引できる場合があります。
熟年離婚の場合の弁護士費用はどうなりますか?
弁護士費用が高額化する場合が多いです。
熟年離婚の場合、結婚期間が長い(概ね20年以上)ため、夫婦で築いてきた財産が高額になっていることが多いです。
そのため、財産分与における経済的利益も高額になる傾向にあります。
弁護士報酬は経済的利益に応じて算定されるため、熟年離婚の場合は弁護士費用も高額になる傾向にあるといえます。
参考までに統計上で結婚期間が20年以上の夫婦の財産分与の金額を見てみると、約半数以上が600万円以上であり、1000万円以上の件数も約3割を超えています。
(分母は離婚の成立又は調停に代わる審判事件のうち、財産分与の取り決めありの件数から算定不能のものを除いた件数)。
例えば、財産分与で1000万円を得た場合、報酬金が経済的利益の11%との定めであれば、財産分与についての報酬金だけで110万円となります。
もっとも、熟年離婚の場合は、離婚後の生活のためにも財産分与を適切に行うことが非常に重要であり、弁護士に依頼するメリットが多くあります。
熟年離婚の場合は、長い結婚生活で夫婦の財産が複雑化していること、お互いに離婚後・老後の生活に不安を抱きやすいことなどから、財産分与の範囲、分与割合、分与方法などで揉める可能性が高いです。
一つ一つのポイントについて法的観点から適切に対処しなければ、もらえるはずの財産をもらうことができなかったり、渡さなくてよい財産を渡してしまったりして、後で後悔してしまうこともあります。
弁護士に依頼することにより、そのような事態を回避することができます。
また、相手と直接やり取りせずに済むので肉体的・精神的な負担も軽減することもできます。
さらに、財産分与の金額が高額化しやすいということは、弁護士に依頼して適正な金額を獲得することができれば、弁護士費用を支払っても手元に十分なお金を確保できる可能性も高いということです。
そのため、熟年離婚の場合にこそ弁護士への依頼を検討されることをおすすめいたします。
依頼前の法律相談で詳細な見積もりを出してもらうようにすれば、大体の予算感もつかめますので、費用面も含めてまずは相談されることをおすすめいたします。
弁護士費用を払えないときはどうすればいいですか?
弁護士に分割払いの可能性を尋ね、相談してみるとよいでしょう。
通常、弁護士費用の支払いは一括で求められます。
しかし、依頼内容、経済的利益が得られる見通しによっては、柔軟に対応してもらえる場合もあります。
特に財産分与の場合は、夫婦の財産を半分ずつ分けるというのが基本的な考え方として定着しているため、夫婦の財産の全容が把握できれば経済的利益の大体の見通しは立てることができます。
経済的利益が高額になる見込みがある場合は、着手金の分割払いや、着手金を減額して成功報酬を増額するなどの対応も想定されるので、相談してみるとよいでしょう。
また、いきなり調停のサポートを依頼するのではなく、まずは代理交渉を依頼して、できる限り交渉で解決してもらうようにするのもよいでしょう。
代理交渉の方が調停のサポートよりも弁護士費用が割安であることが多いです。
交渉で解決できず、調停に進む場合でも、調停サポートの着手金と代理交渉の着手金の差額のみが追加で必要になると設定されている場合も多いです。
そのため、代理交渉を依頼したことが無駄になることはありません。
なお、「法テラス」という機関の「民事法律扶助」という制度を利用することも1つの選択肢となります。
これを利用すると法テラスが弁護士費用の立て替えを行ってくれるため、手元にまとまったお金がなくても弁護士に依頼することができます。
ただし、デメリットも踏まえた上で慎重に検討されるとよいでしょう。
メリット | デメリット |
---|---|
・弁護士費用を立て替えてもらえる(手元にまとまったお金がなくても弁護士に依頼することができる) ・法テラスを利用しない場合よりも弁護士費用が安くなることが多い |
・利用条件を満たしている必要がある ・審査には手間と時間がかかる ・立替費用は返済していく必要がある ・依頼できる弁護士の範囲が限られる |
特に注意したい点は、法テラスを利用する場合、法テラスに勤務する弁護士か、法テラスと契約している弁護士にしか依頼することができないということです。
弁護士といっても取扱分野は様々であるため、限られた範囲で財産分与の問題に詳しい弁護士を探すのは困難な場合が多いでしょう。
財産分与を含め離婚問題についてよりよい解決をするためには、離婚に関する専門知識を持っていることに加え、離婚問題特有のノウハウや経験があることも必要になります。
法テラスを利用できることのみを理由に専門外の弁護士に依頼すると、満足のいく結果が得られない可能性もあります。
また、離婚問題は非常にプライベートな問題であり、弁護士との相性も重要になってきます。
そのため、弁護士は弁護士費用だけでなく、専門性や相性などを見て慎重に選ぶことが大切です。
まとめ
以上、財産分与を弁護士に依頼する場合の弁護士費用について、相場やケース別の具体例をご紹介しながら解説しましたが、いかがだったでしょうか。
財産分与を弁護士に依頼する場合の弁護士費用は、財産分与の取り決め方法や経済的利益によって大きく異なります。
具体的な金額については、法律相談の際に見積もりを出してもらうようにされてください。
いずれの場合であっても弁護士費用は決して安いものではありません。
しかし、財産分与では対立や難しい問題が生じやすいため、適切な解決のためには弁護士に依頼して慎重に進めることをおすすめします。
そして、弁護士を選ぶ際は費用面以外も注目することが大切です。
当事務所では、離婚問題を専門に扱うチームがあり、財産分与の問題について強力にサポートしています。
LINE、Zoomなどを活用したオンライン相談も行っており全国対応が可能です。
財産分与の問題については、当事務所の離婚事件チームまで、お気軽にご相談ください。
この記事が、財産分与の問題にお悩みの方にとってお役に立てれば幸いです。
なぜ離婚問題は弁護士に相談すべき?弁護士選びが重要な理由とは?