20年別居した夫から多額の解決金を受け取り離婚した妻Gさん

弁護士法人デイライト法律事務所 弁護士  
別居20年離婚事例
ご相談者Gさん
職業:自営業
世帯年収:約850万円
解決方法:協議
子どもあり
離婚を切り出した

相手:60代自営業

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

サポート無 サポート有 増額利益
離婚 不成立 成立
慰謝料・財産分与 0円 650万円 650万円
不動産 Hさん名義 Gさん名義 不動産時価相当額
年金分割 なし あり あり

別居20年を経過し、夫との離婚を望んだGさん

時計Gさんがご相談に来られた際は、別居をしてすでに20年近くが経過していました。

夫婦関係が破綻していることは法的な観点からも明らかでしたが、きっかけがなく月日が過ぎてきたという状況でした。

Gさんはもちろん、すでに成人しているお子さんも辛い思いをしてきたとのことでした。

そこで、Gさんは、きちんとHさんとの関係を清算すべく、弁護士に依頼をされました。

 

 

双方は裁判を望まず、弁護士が関わり円満解決へ

まずは、Hさんに書面を送付し、Gさんの意向を伝えました。

当初のGさんの意向全てを受け入れることは難しいが、何らかの形で責任を取らなければならないと考えている、というのがHさんの意向でした。

そこで、Hさんに弊所に来ていただき、双方のどこに言い分の食い違いがあるのか、Hさんにもしかるべき言い分がないか、真摯に意見を聞き続けました。

最終的に、双方の言い分の食い違う点が解消されることはありませんでした。

ただ、裁判手続きをしてまで協議を続けることは双方にとって負担ですし、本人もそれを望んではいませんでした。

マンションそこで、現在Gさんが居住しているHさん名義のマンションの残ローンをHさんに一括で負担してもらうとともに、Gさん名義に変更することで、大枠での解決の方向に進んでいくことができました。

同居期間もある程度あったので、年金分割も求め、すべて円満に解決することができました。

 

 

解説

法的問題

今回の紛争では、数年以上前の不貞や暴力の事実が指摘されました。

不貞行為がなされた場合、その配偶者は、他方配偶者に慰謝料を支払わなければなりません。その額は200万円~300万円になります。

もっとも、数年以上の月日が経過してしまうと、その期間離婚をしなかった = 婚姻関係に影響を与えていない = 不貞については宥恕(許した)と裁判所に評価される可能性が高まります。

したがって、請求をするならなるべく早い段階が望ましいです。

暴力について、不貞行為程の慰謝料請求権が発生することはまれですが、夫婦で口論になった末にお互いに手を出していた、という状況だと、一方だけに責任があるとは言い切れません。

そうでなかったとしても、多くの方が病院に行かないままで終わらせています。

夫婦関係での暴力は内部的なものですので、できるだけ客観的な資料を残しておくことが必要です。

また、今回の紛争では、最終的に不動産の名義書き換えが行われました。

不動産を購入する際は、当該不動産を担保にして抵当権が設定されている場合がほとんどです(要は、ローンが支払えなくなったら、購入した家を差し押さえられ、売却されてしまうということです。)。

解決案としてローンの全額支払いがなされ、その名義を変更してもらう場合は、必ず抵当権を登記簿上から抹消しておくことを忘れてはいけません。

 

裁判所が離婚を認める場合

離婚訴訟において、裁判所が離婚を認めるのは、民法所定の離婚原因がある場合です。

離婚原因について、くわしくはこちらをごらんください。

 

 





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