早く離婚したい!離婚する方法と注意点
早く離婚したい場合は、できるだけ離婚調停や離婚訴訟は避け、協議離婚で解決するようにしましょう。
相手と協議にならない場合、離婚専門の弁護士に交渉を依頼することも検討するとよいでしょう。
離婚問題は進め方を間違えると、解決まで長期間を要することがあります。
この記事では、できるだけ早く離婚を進めるための方法や、注意すべきポイントについて、実際の相談事例をもとに、弁護士が詳しく解説します。
離婚問題でお困りの方はぜひ参考になさってください。
相談事例
私は、数ヶ月前から職場の女性と交際をしています。妻とは、数年前からセックスレスで、家庭内別居状態です。
私は、妻と離婚し、交際している女性と再婚したいと考えています。
早く離婚を成立させるためにはどのように進めればいいですか。
離婚する方法
離婚するためには、大きく分けて3つの方法があります。
協議離婚
協議離婚とは、裁判所を利用せず、夫婦の話し合いで離婚条件を決めて、離婚届を出すというものです。
離婚調停
離婚調停とは、当事者間の紛争について、裁判所(調停委員会)の仲介によって、当事者が互いに譲歩し合い、合意による解決を目指す手続です。
離婚調停を申し立てると、通常、1か月から2か月に1度の頻度で行われます。
内容は、当事者の言い分を相互に聴きながら、可能であれば調整していくというものです。
調停の回数は、ケース・バイ・ケースですが、平均的には3回~5回程度です。
そのため、申立から解決までに、長い場合には6か月から1年以上かかる場合もあります。
すなわち、調停を利用したとしても、早期に解決ができるとはいえません。
しかも、調停は平日の日中しか開催されませんので、仕事をされている方は、調停の期日に仕事を休まなければなりません。
したがって、すぐに調停を申立てることは得策とはいえません。
離婚訴訟
訴訟とは、当事者間の紛争について、裁判所の判断を仰ぐことで解決する手続です。
訴え提起から判決までは長期間を要します。
さらに、判決をもらっても、相手方が控訴すれば、確定しないので、さらに裁判は続くことになり、解決まで長期間を要します。
弁護士に依頼する場合
弁護士に依頼する場合には、弁護士が交渉窓口になりますので、本人同士で直接話し合うことはなくなり、離婚条件の交渉についても、弁護士が代理して交渉を行います。
また、協議段階であれば、弁護士が代理人となって、相手方と頻繁に話し合うことも可能ですので、調停の場合よりも、早期の解決が期待できます。
さらに、離婚問題を専門とする弁護士は、知識や経験による早期の解決のためのノウハウを持っています。
弁護士に依頼するメリット等については、以下のページをご覧ください。
有責配偶者とは
不貞行為を行った配偶者を有責配偶者ということがあります。
有責配偶者から離婚請求がされた場合、裁判所は容易には離婚を認めません。
具体的には、次の要件を満たす必要があります。
- 別居期間が長期間に及んでいること
- 未成熟子が存在しないこと
- 相手方配偶者が精神的・社会的・経済的に極めて過酷な状態に置かれるなどの事情がないこと
婚姻関係破綻後の不貞行為
夫婦関係が破綻した後の不貞行為であれば、有責配偶者にあたらないと認定される可能性があります。
具体的には、判例上、有責配偶者からの離婚請求を制限するための要件として、有責行為と婚姻破綻との間に直接因果関係が存在することが必要であるとしています。
しかしながら「破綻」の時期や破綻に至った経緯などについては、不貞行為を行った者が主張・立証する必要があり、このような立証は容易ではないため、破綻の主張は容易に認められません。
不貞行為による慰謝料
一般に離婚の場合に支払われる慰謝料の額は、平均として200万円~300万円程度が多いです。
詳しくは以下のページをご覧ください。
今後の対応と離婚協議について
本件の場合、すぐに調停を申し立てることは得策とはいえません。
前述のとおり、調停・訴訟の場合には、どうしても長期間を要します。
そこで、離婚の意思が固いのであれば、まずは、別居することをお勧めします。
その際の注意点ですが、交際相手と同居するかたちでの別居はなるべく避けるべきです。
なぜなら、交際相手と同居していることが相手方に知られた場合、有責配偶者と認定される可能性が高いからです。
そうすると、有責配偶者からの離婚請求となってしまい、離婚請求は容易に認められなくなるからです。
別居した後は、協議離婚の話を切り出し、相手方の離婚についての考えを確認した後、離婚について双方で話しあうことが良いでしょう。
この際、相手方が離婚の申出を拒んだ場合には、相手方がなぜ離婚を拒否するのかを知る必要があります。
仮に、今後の生活に不安がある等の理由であれば、一定程度の財産給付(財産分与、婚姻費用等)を約束するなどで、相手方の今後の生活に対する不安を取り除くことが必要です。
本件の場合、本来であれば、不貞行為を行った有責配偶者ですので、高額な慰謝料を支払わなければならない立場にあります。
このような立場にあることを踏まえ、相手方の今後の生活のために、ある程度譲歩した財産給付を提案してみてはいかがでしょうか。
それでも、結論が出ないまま、協議は平行線ということも考えられます。
弁護士に依頼する場合には、弁護士が窓口になりますので、相手方との交渉も全て弁護士が行うことになります。
相手方との話し合いに不安がある方や今後の離婚協議の進め方に不安がある方は、一度、離婚を専門とする弁護士に相談することをお勧めします。
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