離婚後の生活が不安な方へ【弁護士が解説】
離婚を決意したら、その後の生活も一変します。
どんな生活が待っているのか、ある程度認識しておかないと、後で色々な壁にぶつかる可能性があります。
後悔しないためにも、離婚後の生活について、予想されることを理解しておきましょう。
離婚後の想定される生活は男女別で大きく異なります。
また、子供の有無、仕事の内容などでも異なります。
そこで、以下ではタイプ別に分けて、想定されることを解説いたします。
女性特有の離婚後の生活について
家計のシミュレーションについて
離婚後の生活の不安は、漠然としたものです。
すなわち、生活していけるかどうかが「わからない」ことから不安を感じていらっしゃるかと思います。
離婚後に入ってくるお金の内容とその金額(収入)、出ていくお金の内容とその金額(支出)がわかれば、「わからない」という漠然とした不安はなくなるでしょう。
そこで、このような場合、離婚後の予測家計表をつけることをお勧めしています。
離婚後の生活保障
上記の家計表をつけてみると、離婚後に生活していけるかどうかがわかると思います。
仮に、支出のほうが収入よりも大きいということになると、生活が破綻してしまいます。
この場合、支出を見直すか、収入を増やすことができるかを検討しなければなりません。
収入を増やすためには、仕事をしたり、もっと待遇がいい仕事に変える、ということがまずあげられます。
しかし、実際には簡単にはいかない場合も多いでしょう。
このような場合、公的扶助を検討すべきです。
離婚後に母子家庭となった場合、様々な公的な扶助があるためこれらが離婚後の生活を保障してくれます。
住まいの確保について
女性の方で、離婚後に引っ越しを考えている方は、まず、生活場所を確保しなくてはなりません。
もし、近くに頼れる両親がいれば、一緒に住むことで経済的にも負担がかかりませんし、子供がいる場合は見てくれる人が側にいることは何よりも励みになります。
一方、新しい住まいを借りるとなると、敷金や礼金、毎月の家賃、家具類の購入などで、それなりに費用もかかってきます。
民間のマンションやアパートでは経済的に厳しいのであれば、家賃が安い県営住宅や市営住宅を探すと良いでしょう。
子供がいない女性の離婚後の生活
子供がいない専業主婦の方の場合、離婚後は就職を検討されると思います。
女性は男性と比較して、一度家庭に入ってしまうと、再就職が難しくなることが予想されます。
特に、ご年配の方の場合は仕事の選択肢が狭まることがあります。
しかし、女性だからといって、定職につけないということはないはずです。
気になる会社があれば、積極的にエントリーされてみてください。
思うように仕事が見つからない場合、キャリアカウンセラーにご相談されてみると良いでしょう。
また、離婚専門の弁護士の中には、キャリアについても相談に対応してくれる方もいらっしゃいます。
このような方であれば親身に話を聞いてくれると思います。
子持ち女性の離婚後の生活
子供がいる場合、今後大きな影響を与えるのが養育費となります。
そのため、養育費については、適切な額を確実に受け取れるようにしてください。
養育費の適正額については、離婚弁護士に相談されることで診断してくれるでしょう。
また、確実に受け取るために公正証書の作成をお勧めいたします。
公正証書を作成しておくと、今後、万一相手が養育費を支払ってくれない場合、強制執行が可能となります。
パート主婦の離婚後の生活
これまでパートをされてきた方については、正社員となることを検討されてください。
正社員は給与などの待遇面がよく、安定性もあります。
もちろん、仕事の責任や働く時間が長くなるため、小さい子供がいると難しい面もあります。
しかし、昨今は労働法令の改正によって、育児中の従業員に対する時間外労働の制限などの措置が取られており、以前よりは正社員として働きやすくなっていると思います。
また、働き方改革により、柔軟な勤務体制を取る会社も増えています。
男性特有の離婚後の生活
自宅の処分
もし、結婚中に自宅を購入された場合、その自宅の処分が問題となります。
処分の方法としては、
- ① 自分が住み続ける
- ② 相手に財産分与する
- ③ 売却する
のどれかになるでしょう。
住宅ローンが残っている場合は、財産分与や売却は難航することが予想されます。
年金分割の影響について
厚生年金保険等に加入されている場合、離婚時に年金分割を行うことが多いです。
年金分割とは、離婚する際、夫婦が加入していた厚生年金の保険料給付実績のうち、報酬比例部分(基礎年金部分は対象外とされています)について、多い方(多くは夫)から少ない方(多くは妻)へ分割する制度です。
年金分割は、基本的に50%が認められるため、将来の年金受取額に大きな影響を与えます。
具体的な手取り額については収めた保険料や期間によって異なるため一概にいえません。
しかし、年金保険事務所に行けば、仮に年金分割をした場合の影響についてシミュレーションしてくれるようですので、気になる方は年金事務所に行かれてみることをお勧めいたします。
子供がいる男性の離婚後の生活
子供がいる男性が離婚して相手が親権を取得すると、多くの場合、養育費を支払うこととなります。
離婚後の家計を考える際に、この養育費の負担はとても大きくなります。
そのため、養育費の適正額を算定することが重要です。
まとめ
以上、離婚後の生活について、詳しく解説しましたが、いかがだったでしょうか。
離婚すると生活環境が一変するため、不安を抱えている方が多いかと思います。
しかし、どのように変わるのかを事前に理解し、一つ一つ対応することで不安は払拭できます。
もし、不安に感じるようであれば、離婚専門の弁護士にご相談されてみてください。
多くの弁護士は、法律以外の生活に関することでも親身になって聞いてくれると思います。
この記事が離婚問題でお困りの方にとってお役に立てれば幸いです。
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