理不尽な怒りや暴言をはく夫とのスピード離婚を成立させたSさんの事例
世帯年収:400万円
婚姻期間:27年
解決方法:協議
子どもなし
離婚を切り出した
相手:40代自営業者
Sさんは、平成4年に夫と結婚しました。
結婚してすぐの頃、夫婦関係は良好でしたが、価値観の違いや、夫のギャンブル、そして何より夫がすぐカッとなる性格であったため、Sさんは自分の意見を夫に伝えることができなくなってしまいました。
一度はやり直そうとしたものの、一度離れたSさんの気持ちが戻ることはありませんでした。
一方で、夫からのあたりがきつく、Sさんはうつ状態にまでなってしまいました。
途方にくれたSさんでしたが、状況を打破するために思い切って別居を実行し、その2か月後に離婚へ向けて当事務所の離婚弁護士に相談しました。
弁護士は、Sさんの代理人として、夫に協議離婚の申入書を送付し、離婚の協議をしたいことを通知しました。
始めは夫本人から弁護士に連絡がありましたが、横柄な態度はもちろん、Sさんを人格的に否定する言動が多く見受けられました。
本人が対応する場合は感情的になりやすいため、あえて弁護士に相談することをこちらから勧めました。
そうしたところ、夫も代理人弁護士を立てて回答してきました。
回答書には、Sさんを非難するかのような内容が書かれていました。
もっとも、夫の代理人弁護士も専門家ですので、おそらく夫の感情的なガス抜きも含めて文章を作成しているのではないかという可能性がうかがえました。
そこで夫の代理人弁護士に連絡をしたところ、やはり代理人自身が本人の感情コントロールに苦慮していることが明らかになりました。
そこで、夫の代理人弁護士と協力関係を築きながら、なんとか夫が離婚に合意する方法を模索していきました。
Sさんは、別居をする前に、夫に対して、「財産は何もいらないから早く離婚してほしい。」ということを伝えていました。
現に、夫は会社経営者であったものの、経営がうまくいっている様子はなかったため、財産分与を求めないという方針を取りました。
夫から辛く当たられてきた日々を考えれば、財産分与に時間をかけるよりも、一日でも早く離婚を実現して新たな人生をスタートさせる方がSさんにとって一番よい選択でした。
そのため、財産分与の請求をする姿勢を見せつつも、最終的にはこちらが譲歩するような形を作り、受任後3か月でのスピード離婚を実現することができました。
本件のメインの争点について解説します。
離婚について
裁判所が離婚を認めるのは5つの場合に限定されています。
すなわち、①相手方の不貞行為、②悪意の遺棄、③3年以上生死不明、④回復の見込みのない精神病、⑤婚姻を継続しがたい重大な事由の5つです。
本件は、主に⑤が問題になる事案でした。
ただ、夫からの暴言といったものは立証が難しく、証拠がなければうやむやにされてしまうケースがほとんどです。
また、同居期間に対して別居期間がかなり短かったため、裁判所の判断からは離婚が認められにくい事案でした。
相手がすぐに感情的になるようなケースについては、主張してくる内容のすべてに反論をしても、火に油を注ぐだけで功を奏さないことが多くあります。
そのため、相手の言い分に耳を傾けながら、その感情を受け止める姿勢を見せることも早期離婚の実現に必要となります。
財産分与について
本件では、相手が自身の会社の株式を有している可能性がありました。
上場株式でない場合、その財産評価の仕方については争いがでやすい部分です。
争いが出るということは最終的な合意点を見出すまでにも時間がかかるということです。
財産分与で多くを見込めない状況下において、あえて時間をかけるメリットがあるかどうかはケースバイケースです。
時間をかけることにメリットが見いだせない場合は、思い切って請求をしないという選択肢を取ることも十分考えてよいところといえます。
財産分与について、詳しくはこちらをご覧ください。
株式の財産分与についてはこちらをご覧ください。
離婚問題については、当事務所の離婚弁護士まで、お気軽にご相談ください。
なぜ離婚問題は弁護士に相談すべき?弁護士選びが重要な理由とは?
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離婚 | ○成立 |
解決金 | 700万円(増額) |