離婚したいと思ったら準備すべきこと!離婚に強い弁護士が解説

  
弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

離婚したい…でも、何から始めればいい?

「離婚」の二文字が頭をよぎった時、それは想像以上に複雑な道のりの始まりかもしれません。

夫婦関係の解消だけでなく、親権、養育費、財産分与、慰謝料など、解決すべき問題は山積みです

「何から手をつければいいのかわからない…」

そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?

このページでは、離婚を考えている方がまず知っておくべき基本的な情報を網羅しました。

離婚のメリットやデメリット、離婚する前に準備すべきこと、離婚の進め方、離婚をする前にしてはいけないこと、その他離婚したい方に共通する疑問にお答えします。

離婚は人生の大きな転換期です。

感情的になりがちな状況だからこそ、正しい知識を身につけ、冷静かつ有利に離婚を進めることが重要です。

ぜひ、このページの情報をご自身の状況と照らし合わせながら、今後の行動指針を立てるためにお役立てください。

離婚したい理由ランキング

現在、離婚について検討されている方は、他の人達はどのような理由で離婚に踏み切っているのか気になっていらっしゃるのではないでしょうか。

下表は、当事務所に離婚相談でお越しになられた方々の統計データをまとめたものとなります(ランキングトップ10を抽出しています。)。

女性側

順位 離婚理由 総数に対する割合
1位 性格の不一致 35%
2位 精神的虐待 27.8%
3位 異性関係(相手) 19.9%
4位 その他 16.3%
5位 性的不調和 10.5%

 

男性側

順位 離婚理由 総数に対する割合
1位 性格の不一致 36%
2位 精神的虐待 10.3%
3位 異性関係(自分) 9.5%
その他 9.5%
5位 両親との不和 8.3%

このデータによれば、離婚の理由は様々ですが、男女ともに性格の不一致がトップであることがわかります。

「不倫などの深刻な状況ではなくても、離婚に踏み切る方が意外に多い」と感じるのではないでしょうか。

離婚理由のランキングについて詳しくはこちらもご覧ください。

 

 

離婚が認められる条件

日本では、相手が同意してくれれば、裁判所を通すことなく離婚することができます

これを協議離婚といいます。

しかし、相手が離婚に応じてくれない場合、最終的には裁判所に判断してもらうことが必要となります。

離婚を検討するとき、「仮に裁判になった場合に離婚できるのか」をおさえておくべきです。

裁判所が離婚を認めるのは、以下の5つのいずれかに該当する場合に限られます(民法770条1項)。

裁判所が離婚を認める5つケース
  1. 1.配偶者に不貞な行為があったとき
  2. 2.配偶者から悪意で遺棄されたとき
  3. 3.配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
  4. 4.配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
  5. 5.その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

引用元:民法|e−GOV法令検索

ワンポイント:婚姻を継続し難い重大な事由とは?

これは夫婦関係が破綻し、回復の見込みがないことを意味します。

他の4つと比べて、抽象的な表現となっています。

離婚の理由は様々であり、それらをすべて法律に規定することは困難です。

そのため、1.から4.が当てはまらないような事案でも、カバーできるように規定されたものです。

もっとも、あくまで他に匹敵するほどの、重大な理由がある必要があります。

例えば、相手から暴力をふるわれて大ケガをした、相手が重大な犯罪を犯した、などが考えられます。

また、別居期間が長期間に及んでいるようなケースも、「婚姻を継続し難い重大な事由」にあてはまります。

そして、ここでいう「長期間」は個々の事案ごとに異なります。

筆者の経験上、結婚期間が短いなどの場合を除くと通常は3年程度が必要と思われます。

 

 

どのように離婚を進めていけばいい?

次に、離婚を決意したときどのように進めていけばよいかを解説しましょう。

離婚の手続きの流れ

離婚は基本的には以下の流れで進めていくことをおすすめしています。

離婚の手続きの流れ図

離婚を成立させるための手続としては、離婚協議、離婚調停、離婚裁判があります。

離婚協議は裁判所を通さずに当事者間で離婚の条件を話し合うという手続です。

離婚調停は裁判所での話し合いとなります。

離婚裁判は話し合いではなく、裁判官に離婚について判断してもらうという手続です。

 

何から始めればいいの?

通常は、いきなり「離婚裁判」を起こすことができず、先に「離婚調停」を行う必要があります。

これを調停前置主義(ちょうていぜんちしゅぎ)といいます。

また「離婚協議」は必ず実施しなければならないものではありません。

離婚協議を経ずに「離婚調停」を申し立てることは可能です。

しかし、当事務所では、可能なかぎり協議離婚での解決をおすすめします

「離婚調停」と「離婚裁判」は、いずれも裁判所を通じて、手続をすすめることになるため、通常はとても時間がかかります。

すなわち、離婚調停は半年から1年程度、長くなると数年を要するケースもあります。

また、離婚裁判は1年を超えることがほとんどです。

このような長期間にわたって、紛争状態が続くと、精神的に強い人でも大変な苦労を強いられます。

また、時間や労力がかかるため、弁護士に依頼した場合、協議離婚の依頼と比べて費用が高くなってしまう場合が多いでしょう。

したがって、まずは協議離婚から始めることをおすすめします。

これらの簡単な特長とメリットやデメリットをまとめると下表のとおりとなります。

協議離婚(当事者同士の話し合い)
メリット デメリット
  • 柔軟な解決の可能性がある
  • スピード解決の可能性
  • 負担が少ない
  • 相手が応じないと合意できない
  • 冷静な話し合いが難しい
調停離婚(裁判所での話し合い)
メリット デメリット
  • 相手と直接顔を合わせる必要がない
  • 柔軟な解決の可能性がある
  • 時間がかかる
  • 負担が大きい
  • 相手が応じないと成立しない
裁判離婚(裁判所による命令)
メリット デメリット
  • 相手が応じなくても決着がつく
  • 柔軟性がない(※)
  • 時間がかかる
  • 負担が大きい

※一般的な傾向であり事案によって異なります

 

 

離婚の影響とは?メリットやデメリットは?

離婚を考えたとき「これまでと何が変わるのか?」と不安に感じている方が多いです。

そこで、この項目では離婚のメリットやデメリットを明確にしたいと思います。

離婚のメリット 離婚のデメリット
  • 相手が原因となっている悩みから解放される
  • 新しい生活を始められる
  • 冷め切った夫婦関係からの脱出できる
  • 新しい恋愛ができる
  • 経済的な安定を得づらくなる
  • 働く必要性が高くなる
  • 世間体が悪くなる
  • 孤独になる
  • 親権を取れない可能性

※執筆者の経験にもとづく主観的なものであり、具体的な状況によって異なります

以下、くわしく見てみましょう。

 

離婚の4つのメリット

①相手が原因となっている悩みから解放される

離婚することにより、不倫問題、DV、浪費、親族との不和、相手の親の介護などから解放されることになります。

②新しい生活を始められる

離婚をすれば家事や相手の世話から解放され、相手の顔色をうかがうこともなくなります。

これまでできなかった趣味に挑戦したり、旅行したりすることができるようになるでしょう。

③冷め切った夫婦関係からの脱出できる

長い結婚生活の中で夫婦関係が冷め切っているというケースは珍しくはありません。

離婚によりそのような状態から脱出しのびのびと暮らすことができます。

④新しい恋愛ができる

離婚をすれば新しい恋愛や再婚をすることもできます。

 

離婚の5つのデメリット

①経済的な安定を得づらくなる

このデメリットは女性に多い傾向です。

すなわち、女性については、ご自身が専業主婦やパートタイマーで、家計は夫が支えている(支えていた)という方も多いと思われます。

離婚すると夫の経済力に頼ることはできなくなるため、自身に充分な収入や資産がないと経済的に不安定になるというデメリットがあります。

②働く必要性が高くなる

これまで専業主婦だった方は、離婚後は夫の経済力に頼れなくなるため、自分で収入を得る必要性が高くなります。

③世間体が悪くなる

最近では離婚は決して珍しいものではなくなってきているものの、離婚により世間体が悪くなることを気にする方もいらっしゃいます。

④孤独になる

これは男性に多い傾向です。

すなわち、男性の場合は、これまで仕事を中心に生活や人間関係を構築してきたという方も多いと思われます。

離婚後の一人暮らしと定年退職が重なると、一層孤独になってしまうケースもあります。

⑤親権を取れない可能性

子供がいる場合、離婚の際に親権者を決めなければなりません。

したがって、親権を取得できない可能性があります。

 

 

離婚を考えたときに準備すべき6つのこと

離婚を考えたときは、以下の6つのポイントを検討してください。

離婚を考えたときに準備すべき6つのこと

 

①離婚できるか否かを検討する

日本では、夫婦がともに離婚に同意し、離婚届を役場に提出すれば、法律上離婚が成立します。

したがって、あなたと相手が離婚に同意すれば、離婚できるということになります。

他方で、もし、あなたか相手が「離婚したくない」と言ったらどうなるのでしょうか。

夫婦のいずれか一方が離婚に応じない場合、最終的には離婚訴訟を提起し、裁判所の判断を仰がなければなりません。

ここで、重要なのは「裁判所がどのような場合に離婚を認めるか」ということです。

裁判所が離婚を認めるのは以下の5つの場合に限定されています。

  1. ① 相手方に不貞行為があったとき
  2. ② 相手方から悪意で遺棄されたとき
  3. ③ 相手方の生死が3年以上明らかでないとき
  4. ④ 相手方が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
  5. ⑤ その他婚姻を継続し難い重大な理由※があるとき
    ※「婚姻を継続し難い重大な理由」とは、長期間の別居、DVなどがあげられます。

裁判所が離婚を認める5つの場合についてくわしくはこちらをご覧ください。

ご自身のケースが上記の5つのどれかに当てはまるか否かをチェックしてみてください

判断が難しい場合、離婚専門の弁護士に相談すると良いでしょう。

以上をまとめると、下図のようになります。

ワンポイント:離婚できる?

現在、相手が離婚(夫婦関係の解消)について一応了承していたとしても、後述する離婚条件によっては今後、離婚に応じないと言ってくる可能性があります。

例えば、夫婦双方とも離婚に異論はないが、親権について意見が一致しないケースです。

日本では親権者を父母のどちらかに決めなければ、離婚が認められていません。

また、養育費や面会交流などの条件面において、合意が得られないケースも、最終的には離婚が成立しない可能性が高いため注意が必要です。

 

②別居の準備をする

夫婦のいずれかが離婚することを決意している場合、正式に離婚が成立する前に、別居をするケースが多いです。

衣食住の場所が変わるため、様々な手続きが必要となります

以下のチェックリストを参考になさってください。

下の二つを追加しています

チェックリスト:別居を先行する場合
項目 検討すべき場合 相談窓口・備考
配偶者よりも収入が少ない場合、子連れで別居する場合など 弁護士
詳しい解説はこちら
別居する側である場合 不動産会社など
別居する側で、現在と異なる市区町村へ引っ越しをするとき 役場
別居する側で、同一市町村内へ引っ越しをするとき 役場
引越し先へ郵便物を転送してもらいたいとき 郵便局
詳しい解説はこちら
働いている場合 職場
子どもが学校に通っている場合 学校

 

別居中の婚姻費用について

別居が始まると、離婚が成立するまでの間、収入が少ない方(通常は妻側が多い)は収入が多い方(通常は夫側が多い)に対し、生活費を請求できます

この生活費のことを婚姻費用といいます。

婚姻費用の相場は、夫婦の収入や子どもの有無・数・年齢によって異なります。

婚姻費用は一度正式に合意すると、後々簡単には変更できません。

そのため、婚姻費用については適正額を調べておくことがとても重要です。

婚姻費用の適正額について、くわしくは下記のページで解説していますので参考になさってください。

 

③離婚したときの条件を確認する

離婚を考えたときに重要なことは「離婚したらどうなるのか」をイメージできることです。

ここでは、子どもがいない家庭と子どもがいる家庭に分けて、離婚したときの条件面について、解説します。

子どもがいない家庭

財産分与の金額を調べる

財産分与とは、夫婦が同居して築いてきた財産を離婚時に分ける制度のことを言います。

財産分与の割合は基本的には2分の1です。

例えば、夫名義の財産が500万円で、妻名義の財産が100万円とすると、それぞれ300万円ずつ取得することが可能となります。

( 500万円 + 300万円 )× 2分の1 = 300万円

妻名義の財産は100万円ですので、妻は夫に対して、残りの200万円を請求できます。

財産分与においては、①対象となる財産をもれなく調査すること、②財産を適切に調査すること、の2点がとても重要となります。

①対象となる財産をもれなく調査する

預貯金や不動産のほかにも、現金、株式その他有価証券、保険金、自動車、貴金属などが財産分与の対象となります。

また、退職金がある会社に勤めている場合、退職金の一部が財産分与の対象となる可能性があるため注意が必要です。

さらに、相手が資産を隠している場合や資産を開示しない場合、財産調査が難航する傾向です。

なお、結婚前から持っている財産や結婚後でも親から贈与を受けた財産については、特有財産と言って、財産分与の対象とならない可能性があるためこの点も注意しましょう。

②財産を適切に調査する

不動産、非上場会社の株式や自動車等はその時価を適切に評価することが重要なポイントとなります。

不動産については、固定資産評価額ではなく、時価査定を行います

非上場会社の株式は、株価が公開されていないため、会社の決算報告書をもとにその時価を適切にします。

財産分与を適切に行うためには専門知識と豊富な経験が必要となります。

そのため、財産分与については離婚問題に強い専門家のサポートを受けることをおすすめいたします。

 

慰謝料の金額を調べる

例えば、夫婦のいずれか一方が不倫をしたようなケースでは、慰謝料の支払いが問題となります。

裁判となったときの不倫慰謝料の相場については、200万円〜300万円程度と考えられます。

しかし、慰謝料の金額は、被害者への影響の度合い(結婚していた期間や子供の有無等)、不倫の悪質性(不貞行為の頻度や態様、期間等)などによって大きく異なります。

また、示談交渉の場合の不倫慰謝料の金額については、上記金額よりもさらに幅が広く、数十万円の場合もあれば、中には1000万円を超えるケースもあります。

したがって、慰謝料の適正額については、離婚問題に強い弁護士に相談されることをおすすめいたします。

 

年金分割がどうなるかを調べる

年金分割とは、離婚する際、夫婦が加入していた厚生年金の保険料給付実績のうち、報酬比例部分(基礎年金部分は対象外とされています)について、多い方(多くは夫)から少ない方(多くは妻)へ分割する制度です。

年金分割は、基本的に50パーセントの分割が認められます。

結婚している期間が長くなると、年金分割は夫婦が将来受け取る年金額に大きな影響を与えるため、分割可能か否かについて、離婚問題に強い弁護士に相談しましょう。

 

子どもがいる家庭

子どもがいるご家庭の場合、上記に加えて、以下の点について検討しましょう。

親権をどうするか検討する

未成年子どもがいる場合、離婚に際して父母のいずれを親権者とするかを決めなければなりません。

この点について、父母間に争いがないのであれば問題ありませんが、両者とも譲らない場合は、裁判所がどのようにして親権者を決めるのかを押さえておくべきです。

子どもが小さいケースでは、多くの場合、母親が有利となります。

しかし、父親が親権者となるケースもあるため一概にはいえません。

裁判所は、親権について、下記の具体的事情をもとに判断していると考えられます。

父母の側の事情
監護に対する意欲と能力、健康状態、経済的・精神的家庭環境、居住・教育環境、子に対する愛情の程度、実家の資産、親族・友人等の援助の可能性など
子の側の事情
年齢、性別、兄弟姉妹関係、心身の発育状況、従来の環境への適応状況、環境の変化への対応性、子自身の意向など

親権の獲得方法について、くわしくは下記のページをご確認ください。

 

養育費の相場を調べる

父母のいずれが親権者として子どもを育てていくかを検討したら、次に、養育費の金額がいくらになるかを調べましょう。

養育費は、基本的には離婚後、子どもが20歳になるまで毎月支払われるもので、子供のための生活費です。

養育費の適正額は、父母の収入や子供の数・年齢をベースに判断されます。

また、養育費の終期(いつまで支払われるか)については、基本は20歳までですが、大学進学時に延長するケースもあります。

 

面会交流の頻度や方法を検討する

面会交流とは、離婚後、親権者とならない親が子どもと会うなどして交流することです。

多くは父親の権利となりますが、上で解説したように父親が親権者となるケースもあります。

この場合は母親の権利となります。

離婚問題を扱う中で様々な点が問題となりますが、とりわけ面会交流は対立が激しくなって争いになることもしばしばあります。

面会交流に関しては、頻度や面会交流の方法(面会交流の実施場所や子どもの受け渡しの方法など)などを検討します。

子どもが小さい場合は月に1回程度の頻度で合わせるケースが多いです。

子どもがある程度の年齢(小学校高学年程度)に達していると、特に回数の取り決めをせずに自由に合わせるケースも見受けられます。

もっとも、子どもの状況によっては特別なルールを設けることもあります。

面会交流は子どもの人格形成にも影響を与える重要な制度ですので、くわしくは離婚問題に強い弁護士に相談なさると良いでしょう。

 

④必要な証拠の収集をする

離婚事案では、上述した様々な離婚条件を決めていかなければなりません。

そのとき、相手から虚偽の主張をされると証明できずに適切な離婚給付を受けることができないケースが見受けられます。

例えば、相手に財産分与を求める場合、相手から当該財産の存在を否定されると、財産分与を受けることができなくなる可能性があります。

そのため、財産分与においては、夫婦の財産を漏れなく調査しておくことが重要となります。

下表は離婚条件ごとの典型的な証拠をまとめたものです。

ご参考にされてください。

離婚条件 証拠となり得るもの
親権 監護の実績の証明資料(母子手帳、育児日記、写真など)
養育費 収入の証明資料(サラリーマンの場合は源泉徴収票、自営業の場合は確定申告書の控え等、所得・課税証明書など)
慰謝料(不貞行為) 相手方の不貞行為の証明資料(調査会社の報告書、メールのやり取り、SNSの書き込み、録音データなど)
慰謝料(暴力) 診断書、日記、写真(負傷の部位)、警察への被害届など
財産分与 預貯金(通帳のコピーや金融機関からの郵便物)、不動産(固定資産の納税通知書、査定書)、住宅ローン(返済計画表)、保険(保険証券)、有価証券(証書)
婚姻費用 収入の証明資料(サラリーマンの場合は源泉徴収票、自営業の場合は確定申告書の控え等)

何が重要な資料となるかは、個別具体的な状況に応じて異なります。

そのため参考程度にとどめ、詳しくは離婚専門の弁護士にご相談されてください。

 

⑤精神的に自立する

離婚についての覚悟

離婚による様々な変化について、十分にイメージができたら、最後に今一度、離婚するか否かを慎重に考えましょう。

特に、あなたが離婚を求める側の場合、相手に離婚を切り出すと、もう後には戻れないかもしれません。

そのため「離婚」という言葉は、一時の感情に流されて口にすべきではありません

適切に離婚するための準備を終えたら、最後に「夫婦関係の修復」について、話し合ってみてはいかがでしょうか。

DVや精神的虐待があるようなケースでは難しいかもしれませんが、性格の不一致が離婚の理由という場合、再度の話し合いで改善する場合もあります。

「離婚することになってもよい」との覚悟をもった上で話をすると、その覚悟が相手方に伝わり、相手方も自分の態度を真摯に反省してくれることもあり得ます。

そして、「雨降って地固まる」の言葉通り、良い夫婦関係を取り戻せる場合もあります。

もし、修復が難しいご状況であれば、離婚する覚悟をもって、準備した通りに新しい明日へ進んでいきましょう

離婚を切り出すタイミングは?

あなたが離婚を考えている側の場合、上で解説したように、離婚を切り出すタイミングは「離婚する覚悟ができたとき」です。

もし、離婚することに迷いがあるのであれば、1人で悩まず、専門家に相談なさることをおすすめいたします。

心のケア

離婚問題に直面すると、精神的にもつらく感じることがあります。

そのような場合は、決して無理をせずに専門家のカウンセリングを受けて見られてはいかがでしょうか。

離婚専門の法律事務所の中には、法律相談だけでなく、依頼者のメンタル面についてもサポートしている事務所もあります。

精神的な面で不安なことがあれば、お気軽にご相談なさってください。

離婚問題に真剣に取り組んでいる事務所であれば、誰よりもあなたに寄り添い、解決に向けてサポートしてくれるはずです。

また、友人や親族に良き相談相手がいれば、その方を精神的な支えとされてもよいでしょう。

 

⑥離婚弁護士に相談する

以上、離婚で準備すべきことについて、一般的な解説をしました。

離婚に直面されている方の状況は様々であり、最善の対策は個々人によって異なります

例えば、これまでの経緯、年齢、仕事、収入、財産の状況、家族の状況、性格、価値観等によって、設定すべき目標(Goal)とそのための戦略は違います。

したがって、この記事の内容は参考程度として、離婚問題に強い弁護士に相談なさることを強くおすすめいたします。

 

 

離婚をする前にしてはいけないこと

離婚をする前にしてはいけないこと

離婚する前にしてはいけないことがいくつかあります。

例を挙げると、以下のようなことがあります。

1. 適切な条件を調べずに離婚する

離婚においては親権、養育費、財産分与、慰謝料、年金分割などの適切な条件を検討すべきです。

これらの諸条件を調べずに、焦って離婚届けを提出したり、離婚協議書・公正証書等にサインをすると、後から取り消しができず、取り返しのつかないことになるおそれがあります。

離婚する前に、できるだけ離婚専門の弁護士に相談するようにしましょう。

 

2. 証拠を集めずに行動する

例えば、不倫の事案では、不貞行為の証拠がない状況で、相手に不倫を問い詰めると、後から慰謝料を請求できなくなるおそれがあります。

仮に裁判なった場合、立証責任は被害者(不倫をされた側)になるので、相手が不倫を認めない場合、慰謝料が認めてもらえないだけでなく、離婚判決も棄却される可能性があります。

不倫だけでなく、様々な面で証拠は重要となるため、行動する前に、離婚専門の弁護士にご相談されることを強くお勧めいたします。

 

3. 不利な状況で別居する

離婚では、正式に離婚が成立する前に、別居を先にされる方がとても多いです。

しかし、よく考えずに別居すると、後から不利な立場になってしまうことがあります。

例えば、親権の取得を希望する場合に、子供をおいて自分だけ別居すると、親権で争ったときに負けてしまうかもしれません。

状況しだいではありますが、別居の前に、離婚専門の弁護士に相談し、不利になることがないかを確認されることをお勧めいたします。

上記の他に、離婚する前にしてはならないことについてはこちらをご覧ください。

 

 

離婚をスムーズに進める5つのポイント

離婚をスムーズに進める5つのポイント

離婚は上で解説したように大きな影響が考えられます。

したがって、離婚すると決めた場合、まず準備をしましょう

準備を十分にしたかどうかによって、離婚条件の結果にも、その後の人生にも大きな違いが出てきます。

どのように準備するか、以下でご説明します。

①離婚専門の弁護士に相談する

離婚を決めたら、離婚を切り出す前に、離婚を専門とする弁護士に相談しましょう。

それぞれの人の状況に応じて、どのように離婚準備をしたらよいかについて、アドバイスをしてくれることでしょう。

 

②別居を検討する

離婚する前に別居するかどうかも、検討する必要があります。

DVやモラハラのある事案では、早急に加害者と別居して物理的な距離を確保する必要がある場合もあります。

しかし、別居はタイミングを誤ると困ったことになる可能性があります。

親権や財産分与の基準時、立証活動などに影響があるのです。

また、別居に際し、預貯金を引き出していくかどうかも、検討すべき点です。

特に、相手方名義の貯金を引き出すと、相手方も感情的になって話し合いがこじれてしまう可能性があります。

そのため、別居するか否かを考える際には、離婚問題に精通した弁護士に相談することをお勧めします。

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別居を弁護士がサポート

 

③離婚の成否、金銭的な問題等を検討する

上で解説したように、離婚に際しては下記について検討しておくことが必要です。

  • 相手方が離婚を拒否して裁判となっても離婚が認められそうか
  • 財産分与、慰謝料、養育費、年金分割はどうするか
  • 公的扶助を受けることができるか
  • 子供の親権者、面会交流、戸籍はどうするかなど

 

④証拠、資料の収集をする

財産分与や親権、慰謝料、養育費に関連する証拠や資料の収集も大切な準備です。

できる限り離婚を切り出す前に、もれなくそろえるようにしましょう。

 

⑤離婚協議書を作成する

離婚の条件がまとまったら、離婚協議書を作成しましょう

離婚について話し合う前でも、離婚協議書の案をあらかじめ作成しておくと、話し合いが必要な点の見落としを防ぐことができます。

離婚協議書の案を作成するときは、当事務所で公開しているひな形や自動作成機を参照してもよいですが、これらでは個々のケースの特殊性には対応できません。

一度専門の弁護士に相談されることをお勧めします。

 

 

離婚を切り出すタイミングは?

まず、注意しなければならないのは、一時的な感情で「離婚」という言葉を口にすべきではないということです。

離婚という言葉を発すると、後に戻ることができなくなるおそれがあります。

したがって、離婚意思が固まった後に、離婚を切り出すべきです。

具体的なタイミングについてはケースによって異なります。

例えば、DVやモラハラ被害者の方については、別居日を打ち合わせておき、その日に弁護士から連絡文書(協議離婚の申入書)が届くようにすることがあります。

また、離婚を切り出す前に、必要な証拠を準備しなければならないケースもあります。

そのため、くわしくは離婚に強い弁護士に相談なさった方がよいでしょう。

 

 

離婚に関するQ&A

お金がないとき、離婚を諦めるべき?

離婚後の生活で不安を感じるのは、多くの場合お金の問題です。

特に、専業主婦やパートの方など、現在収入が少なく経済的に相手方に頼っている場合、離婚後は相手方からの経済的支援は大幅に減る(子供がない場合には、なくなる)ことがほとんどなので、離婚前にしっかりと計画を立てることが必要です。

離婚後の生活設計を考える際には、離婚後の収入と支出を想定し、予測家計表を作成してみるとよいです。

予測家計表を作ってみると、生活費が足りるか足りないか、足りない場合はいくら足りないか、といったことが具体的にわかります。

そうすれば、次のことが明確になり、対策が立てやすくなります。

  • どの支出なら減らすことができるか
  • 仕事からの収入をどれだけ増やす必要があるか
  • 公的扶助を受けるか
  • 慰謝料や財産分与をどれだけ確保する必要があるか

なお、当事務所では家計表のサンプル・書式をホームページ上に公開しており、無料で閲覧・ダウンロードが可能です。

 

相手に非がない場合も離婚できる?

夫婦の一方が離婚を考えるにいたる場合には、相手にも多少落ち度があるのが通常です。

しかし、不倫や暴力、暴言などの目立った落ち度まではない、ということもあろうかと思います。

むしろ、家事も負担しているし、子供の相手もしているし、経済的にもよく稼いでいて浪費もしない・・・と、世間からみれば非があるとは思えない、という場合もあるかもしれません。

しかし、そんな相手でも、結婚して生活を共にしていれば、うまく説明できなくても、なんとも言えない違和感、不快感、いらだちを感じ、離婚したいと思う場合もあります。

その背景には、暴言などとはまた違った、当事者でも意識しにくいモラハラが潜んでいる可能性もあります。

一度、相手方について不快に思う点をメモにまとめたり、日記に書いておくなどしてみましょう

客観的に状況を見てもらうため、弁護士に相談してみるのも良いと思います。

また、協議離婚であれば、相手方に目立った非がなくとも可能です。

離婚したい理由をしっかり説明できるように準備し、冷静に話してみましょう。

協議離婚をしたい場合でも、弁護士に交渉を依頼することも可能です。

一度、弁護士に相談してみるのもよいでしょう。

 

相手が離婚に応じてくれないときはどうすればいい?

相手方が離婚の協議に応じてくれない場合は、交渉を弁護士に依頼してみてはいかがでしょう?

弁護士が間に入ることで、話し合いが進むこともあります

それでも話がまとまらない場合は、裁判所に調停を申し立てることになります。

調停では、調停委員などが間に入り、双方が合意できるように話し合いをサポートしてくれます。

調停でも決着がつかなければ、訴訟をすることになります。

調停でも訴訟でも、相手方が応じてこないからといって手続が止まってしまうことはありません。

詳しくは、以下のページをご覧ください。

 

 

まとめ

離婚したいと思ったときにすべきことなどについて解説しました。

離婚したいときもっとも重要なことは、それがあなたにとってベストな選択肢かを適切に判断するということです。

そのためには離婚するメリットやデメリットをご自身の状況に照らして検討することが必要となります。

また、離婚するときには、様々な準備が必要です。

金銭的なこと、子供の親権や面会交流のこと、別居のタイミング・・・など、色々なことを考えなければなりません。

離婚専門の弁護士は、こうした離婚の準備について豊富な経験があり、適切なアドバイスをすることが可能です。

当事務所には離婚事件に注力する弁護士のみで構成される専門チームがあり、離婚したいと思っている方々を強力にサポートしています。

離婚したいと思ったら、一度当事務所の離婚弁護士までお気軽にご相談ください。

 

 

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