子供二人の養育費はいくらになる?【弁護士が事例で解説】
養育費算定表と異なる金額で解決できますか?
調停はなるべく避けたい場合どうすればいいですか?
このような場合の対処法について、当事務所の弁護士が実際の相談事例をもとに解説しますので参考にされてください。
世帯年収:1300万円
婚姻期間:18年
解決方法:協議
子どもあり (2人)
離婚を切り出した
相手:会社員(年収約700万円)
Eさんは夫と18年前に結婚し、子どもを二人授かりました。
夫の年収は約700万円、Eさんの年収は約600万円でした。
ある日、夫の不貞行為が発覚し、Eさんは、離婚を決意し、子ども達は自分独りで育てていくことにしました。
そして、夫に離婚を切り出しましたが、夫は離婚に応じないと言い張りました。
弁護士は、Eさんから依頼を受け、夫に協議離婚の申し入れを行い、交渉を始めました。
当初、夫は離婚には絶対に応じないという回答でした。
しかし、夫に不貞の証拠を突きつけ、裁判も辞さないという強気のスタンスで交渉を続け、離婚に応じさせました。
粘り強い交渉の結果、子供二人の養育費として月額10万円での合意が成立しました。
養育費の計算方法
養育費は、法律上、いくらにしなければならないという決まりはありません。
そのため、当事者双方が合意すれば、金額はいくらでも構いません。
しかし、通常、養育費をもらう側(権利者)は、少しでも高い養育費を望みますし、養育費を支払う側(義務者)は、少しでも安い養育費を望みます。
このような場合、裁判所では、標準算定方式という計算方法により、権利者と義務者の基礎収入及び子供の数と年齢によって、養育費を算定して決定します。
このような計算を簡易迅速に行えるようにしたのが養育費算定表です。
養育費算定表は、子供の年齢と数によって、それぞれ早見表があり、これに父母の収入(給与所得者の場合は年収、自営業者の場合は所得)を当てはめると、養育費の適正額を判断できるつくりになっています。
養育費算定表とわかりやすい算出方法については、こちらのページで解説しています。
事例の夫婦の場合、双方の年収からすると、算定表上の適正額は、月額8万円ほどとなりました。
算定表と異なる養育費は可能?
上記のとおり、事例の夫婦の場合、算定表上の適正額は、月額 8万円ほどでした。
しかし、この事例では、最終的に月額 10万円での合意となりました。
このように、算定表と異なる金額での解決は決して少なくありません。
この事案は、夫が不貞行為を行なっており、いわゆる有責配偶者に該当しました。
そのため、仮に、離婚裁判となっていれば、離婚だけではなく、慰謝料の請求も可能でした。
慰謝料について、詳しくはこちらのページを御覧ください。
通常の相場を上回る養育費は、慰謝料の一環として、養育費への上乗せとして支払ってもらうことで合意が成立しました。
この事例のように、養育費算定表はあくまで参考であり、事案の内容に応じて、養育費の額を調整するケースはたくさんあります。
例えば、夫から妻への財産分与を求めない代わりに、養育費をゼロとする事案、通常の算定表の2倍程度の養育費を合意した事案など、様々な解決事例があります。
相場を上回る養育費を短期間で取得できた事例はこちらをご覧ください。
まとめ
養育費は、権利者側、義務者側の双方にとって、とても重要な制度です。
そのため、事案の特殊性を踏まえた適切な内容の養育費を決める必要があります。
したがって、算定表を鵜呑みにせず、妥当な額を判断する必要があります。
しかし、その妥当な金額に適切に判断するのは決してかんたんではありません。
また、妥当な金額を判断したとしても、相手方との交渉が難航することが多々あります。
そのため、可能であれば離婚の専門家に相談し、進めていかれたほうがよいでしょう。
当事務所では、離婚問題に注力した弁護士のみで構成される離婚事件チームがあり、離婚に関する様々な情報やノウハウを共有しており、離婚問題に苦しむ方々を強力にサポートしています。
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依頼結果:
慰謝料 | 150万円(150万円増額) |