別居中の生活費をくれない夫から婚姻費用獲得に成功した妻Tさん
解決方法:調停
子どもあり (3人)
離婚を切り出した
離婚を決意し別居を始めたTさん
Tさんには、年収約700万円夫との間に、3人の子どもがいました。
しかし、夫と喧嘩ばかりの毎日に離婚を決意し、子どもを連れて実家へ帰りました。
そして、夫との離婚交渉を当事務所へご依頼されました。
弁護士の交渉で生活費をくれない夫から婚姻費用の受け取りに成功
弁護士は、Tさんの代理人として、夫に協議離婚の申し入れを行い、同時に、婚姻費用を内容証明郵便で請求しました。
当初、夫は離婚自体には応じてもよいと答えましたが、婚姻費用や養育費は支払わないと主張しました。
そこで、離婚調停と婚姻費用の調停を同時に申立てました。
その結果、別居してから約半年後に離婚が成立し、半年分の未払い婚姻費用として90万円、養育費として月額14万円を受け取れる内容で調停が成立しました。
解説
婚姻費用とは
婚姻費用とは、婚姻共同生活を営む上で必要な一切の費用をいいます。
具体的金額については、夫婦それぞれの収入を基礎として算定表を活用して算出されます。
ただし、子が私立の学校に通っている等の特別な費用が発生している場合は別途考慮が必要であり、必ずしも算定表どおりの婚姻費用が発生するとは限らないことに注意が必要です。
算定表は裁判所のHPをご覧ください。
引用元:平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について|裁判所
具体的金額については婚姻費用計算シュミレーターをご活用ください。
未払婚姻費用を獲得するために
相手方が婚姻費用を支払ってくれない場合には、今後の婚姻費用に加え、未払婚姻費用を獲得するために婚姻費用分担請求の調停又は審判を申し立てる必要があります。
ただし、裁判所は当然に過去の婚姻費用(未払婚姻費用)を認めてくれるわけではなく、婚姻費用の発生始期が争いになることは少なくありません。
実務上、婚姻費用の発生始期は「請求時」とされ、婚姻費用の調停を申し立てた時点や、内容証明郵便をもって婚姻費用の分担を求める意思を表明した時点を婚姻費用の発生始期とされることが多いです。
なお、婚姻費用の審判において請求時前の婚姻費用が認めてもらえない場合でも、財産分与において考慮される可能性があります。
過去の婚姻費用を認めてもらえない可能性が高い場合も、一度弁護士に相談されることをお勧めいたします。
婚姻費用の審判において、未払婚姻費用を支払えという趣旨の審判がでるときは一括での支払いが前提とされています。
未払婚姻費用については、本来既に支払っているはずの費用ですから、一括で支払うのは当然のようにも思えますが、未払期間が長い場合等は一括での支払いが困難になることも考えられます。
調停では未払婚姻費用を分割で支払う旨の合意も可能であるため、一括払いが困難な場合には調停での解決を目指す必要があるでしょう。
なぜ離婚問題は弁護士に相談すべき?弁護士選びが重要な理由とは?
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依頼結果:
婚姻費用 | 月額24万円(月額12万円増額) |