戸籍謄本をコンビニで取得!本籍地以外でのやり方・利用時間


弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

戸籍謄本は、マイナンバーカードがあれば、土日や夜間でも最寄りのコンビニで取得可能です。

ただし、本籍地が遠方の場合は「事前の利用登録」が必要となり、即日発行ができないケースがあるため注意が必要です。

この記事では、戸籍謄本を取得するためにコンビニごとの具体的な操作手順や手数料、本籍地以外で取得する方法、エラーで取れない時の対処法について、弁護士がわかりやすく解説します。

コンビニで戸籍謄本を取得する条件と必要なもの

コンビニで戸籍謄本を請求する条件

以下の(ア)〜(ウ)の条件をすべて満たす場合には、戸籍謄本をコンビニで取得することができます(戸籍謄本のコンビニ交付)。

  • (ア)マイナンバーカード(個人番号カード)を持っていること
    又は
    スマホ用電子証明書が搭載されたスマートフォンを持っていること
  • (イ)本籍地のある市区町村がコンビニ交付に対応していること
  • (ウ)コンビニの店舗が対応している(コンビニに設置されたマルチコピー機(キオスク端末)がコンビニ交付に対応している)こと

戸籍謄本をコンビニで取得したい場合には、事前にこれらの条件を確認することが大切です。

 

戸籍謄本をコンビニで取得するために必要なもの

戸籍謄本をコンビニで取得するために必要なものは、次のとおりです。

  • 顔写真付きのマイナンバーカード

又は

  • スマホ用電子証明書を搭載済みのスマートフォン

 

注意点:取得する上で多いトラブル

①マイナンバーの通知カード(顔写真のついていない紙製のカード)では手続きをすることができません。

戸籍謄本をコンビニで取得したいけれどもマイナンバーカードを持っていないという場合には、マイナンバーカードの申請から始める必要があります。

 

② ユーザーがコンビニに行ってから「暗証番号が分からない」「ロックされてしまった」というトラブルが発生しています。

コンビニでの取得の際は利用者証明用電子証明書の暗証番号(4桁の数字)が必須です。

また、暗証番号を3回ミスすると、マイナンバーカードにロックがかかり、コンビニでの証明書交付サービスが利用できなくなります。

ロックを解除するには、役場での手続きが必要となるため間違えないよう注意しましょう。

参考:マイナンバーカード総合サイト|申請・受取方法/申請状況確認

 

 

戸籍謄本・戸籍抄本とは

「戸籍」とは、日本人が生まれてから亡くなるまでの身分関係(出生、婚姻、離婚、認知、氏の変更などの個人の身分の変動のことをいいます。)を登録した記録のことで、本籍地のある市区町村役場で保管されています。

 

戸籍謄本とは?

「戸籍謄本」とは、戸籍に記載されている全員の身分関係を証明する書面のことをいいます。

なお、戸籍の情報が電子データで管理されるようになった現在では「戸籍全部事項証明書」といいます。

 

戸籍抄本とは?

これに対し、「戸籍抄本」とは、ある戸籍に記録されている一部の人の身分事項を証明する書類(戸籍の一部分の写し)のことです。

戸籍抄本の正式名称は「戸籍個人事項証明書」です。

戸籍抄本をコンビニで取得する方法については以下のページで詳しく解説しています。

 

こんなケースではどちらが必要?

戸籍謄本は、相続人の調査、公正証書遺言の作成、相続放棄、相続税の申告、相続不動産の登記等、相続に関する手続きで必要となります。

家族全員の身分関係を証明する手続きに必要となります。

戸籍抄本は、年金の請求、国家資格の受験・国家資格の登録、生命保険・簡易保険の請求等で必要となります。

特定の個人の情報が必要なケースに利用されます。

 

 

戸籍謄本を取得できるコンビニとは?

利用できる店舗(セブン・ローソン・ファミマなど)

戸籍謄本は、マルチコピー機(キオスク端末)が設置されている全国の主要なコンビニエンスストア等で取得可能です。

【主な利用可能店舗】
  • セブン-イレブン
  • ローソン
  • ファミリーマート
  • ミニストップ
  • イオンリテール(スーパー) など全国約5万6000店舗(2025年現在)

※単なるコピー機ではなく、タッチパネル式の「マルチコピー機」が設置されている店舗に限られます。

自宅や職場の近くの店舗が対応しているかどうかは、以下の公式サイトから確認できます。

参考:コンビニ交付利用できる店舗情報

 

各コンビニごとの店舗検索方法

主要なコンビニごとの、マルチコピー機設置店舗の探し方は以下の通りです。

 

セブン-イレブン

「店舗検索」画面にて、「条件から絞り込む」→「マルチコピー機」にチェックを入れて検索してください。

参考:セブンイレブン

 

ファミリーマート

「店舗検索」画面にて、「設備・取り扱いサービス」→「マルチコピー機」にチェックを入れて検索してください。

参考:ファミリーマート

 

ローソン

「店舗検索」画面にて、検索条件の「マルチコピー機」にチェックを入れて検索してください。

参考:ローソン

 

 

コンビニで戸籍謄本を取得するやり方

コンビニで戸籍謄本を取得する方法は、本籍地の市区町村に住所がある場合と住所がない場合とで異なります。

本籍地の市区町村に住所がある場合、戸籍謄本の取得は次の2つのステップで完了します。

  1. ① コンビニ交付を利用できるか確認
  2. ② 戸籍謄本の取得

※マイナンバーカードを持っていない場合には、別途マイナンバーカードの取得手続きが必要となります。

 

STEP①:コンビニ交付を利用できるか確認

住所のある本籍地の市区町村がコンビニ交付に対応しているかを確認します。

各市区町村がコンビニ交付に対応しているかどうかは、以下のサイトで確認することができます。

参考:コンビニ交付利用できる市区町村

本籍地(住所)のある地域・都道府県・市区町村の順に選択して絞り込むと、取得に利用できるカード(マイナンバーカード・住基カード)や取得可能な証明書、取得可能な店舗(提供店舗)などの一覧が表示されます。

「取得可能な証明書」として表示される一覧に「戸籍」が含まれている場合(「◯」がついている場合)、コンビニで戸籍謄本を取得することができます。

参考:コンビニエンスストア等における証明書等の自動交付(コンビニ交付)ホームページ

 

STEP②:戸籍謄本の取得

 

①メニューを選択
マルチコピー機の画面で「行政メニュー」→「証明書交付サービス」の順にタッチ。

②カードをセットして読み取る
マイナンバーカードまたはスマホ用電子証明書を搭載済のスマートフォンを置きます。

③証明書の種類を選択
「お住まいの市区町村の証明書」を選びます。 ※本籍地が住所と同じ場合

④暗証番号を入力
4桁の数字(利用者証明用電子証明書の暗証番号)を入力し、本人確認を行います。
3回間違えるとロックされるので正確に入力しましょう。
※iPhoneの場合、暗証番号の入力の代わりに生体認証(Face IDまたはTouch ID)を利用できます。

⑤カードを取り外す
画面の指示に従い、カード又はスマホを忘れずに取り外します。

⑥「戸籍証明書」を選択して部数を入力
一覧から「戸籍証明書」(※戸籍抄本もここに含まれます)を選び、必要な部数を入力します。

⑦ 最終確認と支払い
表示された内容を確認して確定し、料金を投入口に入れます。

⑧印刷・受け取り
戸籍謄本が印刷されます。

 

 

 

本籍地の市区町村に住所がない場合

本籍地の市区町村に住所がない場合、戸籍謄本の取得には次の4つのステップを踏む必要があります。

  1. ① コンビニ交付を利用できるか確認
  2. ② 利用登録申請
  3. ③ 利用状態確認
  4. ④ 戸籍謄本の取得

※マイナンバーカードを持っていない場合には、別途マイナンバーカードの取得手続きが必要となります。

 

STEP①:コンビニ交付を利用できるか確認

本籍地のある市区町村がコンビニ取得に対応しているかを確認します。

本籍地のある市区町村に住所がある場合と同じ方法で確認を行います(以下のサイトで確認をします)。

利用できる市区町村は以下で検索できます。

参考:コンビニ交付利用できる市区町村

「取得可能な証明書」として表示される一覧に「戸籍(本籍地)」が含まれている場合には、コンビニで戸籍謄本を取得することができます。

 

STEP②:利用登録申請

本籍地のある市区町村に住所がない場合には、本籍地のある市区町村に対して、事前にコンビニ交付の利用登録申請をする必要があります。

利用登録申請の方法には、(ア)マルチコピー機(キオスク端末)による申請または(イ)インターネット端末(ICカードリーダーを装備したパソコン)からの申請の2つの方法があります。

この記事では、(ア)マルチコピー機による申請の方法をメインに解説します。

マルチコピー機の操作手順は次のとおりです。

  1. ① 「行政メニュー」→「証明書の交付」の順に選択します。
  2. ② 「利用登録申請」を選択します。
  3. ③ 本籍地の地域、都道府県、市区町村を順に選択した後、本籍地の市区町村以降を入力します。
  4. ④ 戸籍筆頭者の氏名を入力します。
  5. ⑤ 画面の指示にしたがって、連絡先の電話番号、生年月日、マイナンバーカードに記載されている有効期限(西暦の4桁)を順に入力します。
  6. ⑥ マイナンバーカードに記載されているセキュリティコード(マイナンバーカードの顔写真の下に記載されている4桁の数字のことです。)を入力します。
  7. ⑦ 端末のカード置き場にマイナンバーカードをセットして、暗証番号(マイナンバーカードの交付時に設定した4桁の数字です。)を入力します。
  8. ⑧ マイナンバーカードを取り外します。
  9. ⑨ 申請内容を確認し、問題がなければ確定ボタンを押します。
  10. ⑩ 申請番号が表示されますので、申請番号をメモするなどしてください。

申請番号はマルチコピー機で印刷することもできます(有料です)。

なお、インターネット端末(ICカードリーダーを装備したパソコン)による申請を行う場合には、事前にICカードリーダーを購入して自宅のパソコンに接続した上で、 戸籍証明書交付の登録申請サイトの利用登録申請画面から手続きを行ってください。

利用登録申請画面はこちらをご覧ください。

参考:利用登録申請

 

STEP③ 利用状態確認

本籍のある市区町村での利用登録が完了すると、コンビニ交付のサービスを利用できるようになります。

利用登録が完了しているかどうかは、以下の手順で確認することができます。

  1. ① 本籍地の市区町村へ利用登録申請の完了時に表示された申請番号(利用申請時にメモまたは印刷したもの)を用意します。
  2. ② 戸籍証明書交付の登録申請サイトの利用登録状況確認画面へアクセスします。
    利用登録申請画面はこちらをご覧ください。

参考:利用登録申請

  1. ③ 利用登録申請の完了時に表示された申請番号を入力して、「登録状況確認」をクリックします。
  2. ④ ステータスが「利用登録完了」になっていれば、コンビニで本籍地の戸籍謄本を取得することができます。

 

STEP④戸籍謄本の取得

コンビニ交付に対応しているマルチコピー機が設置されている店舗へ行き、マルチコピー機の端末を操作して戸籍謄本を取得します。

取得の手順は、基本的に本籍地の市区町村に住所がある場合と同様です。

ただし、戸籍謄本を取得する市区町村(必要な証明書)を選択する際に、「お住まいの市区町村と本籍地が異なる方の戸籍関連証明書」を選択します(※機種によって表示は異なる場合があります)

※誤って「お住まいの市区町村の証明書」を選択すると、戸籍謄本を取得できない場合がありますので、ご注意ください。

 

 

戸籍謄本をコンビニで取得可能な時間・手数料

利用時間|土日・祝日・夜間は取得できる?

戸籍謄本をコンビニで取得できる時間は、土日祝日に関係なく、毎日6:30〜23:00の間です。

ただし、市区町村によっては利用時間が制限されている場合があります。

詳しくは、以下のページで本籍地の市区町村を検索し、「提供時間に関する備考」をご確認ください。

市区町村の検索は以下から

参考:コンビニ交付利用できる市町村

 

手数料はいくらかかる?

戸籍謄本を市町村役場の窓口で取得する場合の料金については、政令と各市町村の条例によって、全国一律450円(1通あたりの金額です。)と定められています。

これに対して、戸籍謄本をコンビニで取得する場合の料金は、各市区町村によって金額設定が異なります(条例の定めが異なります)。

戸籍謄本をコンビ二で取得する場合の料金はおおむね350円〜400円の間で設定されており、窓口で取得する場合の料金よりも安く設定している市区町村が多いようです。

 

 

コンビニで戸籍謄本が「取れない」原因と対処法

「戸籍謄本がコンビニで取れない」というトラブルが多く発生しています。

ここでは、その原因と対処法をご紹介します。

 

市区町村の対応状況

原因

そもそも、本籍地の市区町村が戸籍謄本のコンビニ交付に対応していない可能性があります。

対処法
  • 当該市区町村の窓口に電話をかけて確認する
  • 対応状況についてのまとめサイトで確認する

対応状況についてのまとめサイトはこちら

参考:コンビニ交付利用できる市区町村

 

マイナンバーカードに関するもの

原因
  • 誤ってマイナンバーカード以外のカードを使用している
  • マイナンバーカードの外部または内部が破損している
  • スマホの場合は電子証明書を搭載していない
対処法
  • マイナンバーカードを確認する
  • スマホの場合は電子証明書を搭載する

電子証明書の申請はこちら

参考:01 スマホ用電子証明書の利用申請を行う|マイナポータル

 

サービス提供時間に関するもの

原因

戸籍謄本をサービス提供時間(6:30〜23:00)外で取得しようとした。

対処法

サービス時間内に手続きをする。

 

事前の手続き漏れ

原因

本籍地のある市区町村に住所がない場合に、コンビニ交付の利用登録申請をしていない、または市区町村側での利用登録が完了していない。

対処法
  • 利用登録申請をする

利用登録申請はこちらをご確認ください。

参考:戸籍証明書交付の利用登録申請|証明書交付サービス<コンビニ交付>

 

マルチコピー機に関するもの

原因
  • 戸籍謄本の交付を受けたいのに「戸籍証明書交付の利用登録申請」を選択している
  • 本籍地のある市区町村に住所があるのに「他市区町村の証明書(お住まいの市区町村以外の証明書)」を選択している
  • 本籍地のある市区町村に住所がないのに「お住まいの市区町村の証明書」を選択している
  • マルチコピー機のカード置き場にマイナンバーカードがきちんと置かれていない。
  • マルチコピー機やカードリーダーが故障している、またはメンテナンス中である。
対処法
  • マルチコピー機の操作方法を店員の方に確認する

 

 

戸籍謄本とコンビニについてのQ&A

相続手続きでコンビニの戸籍謄本は使える?


相続手続きにおいても、コンビニから取得した戸籍謄本は使えます。
なお、相続手続きの具体例としては、公正証書遺言の作成、相続放棄、相続税の申告、相続不動産の登記、相続人の調査、遺産分割調停の申し立て等があげられます。

 

 

 

まとめ

一定の条件を満たしている場合には、戸籍謄本をコンビニで取得することができます。

具体的には、(ア)マイナンバーカード(個人番号カード)を持っていること、(イ)本籍地のある市区町村がコンビニ交付に対応していること、(ウ)コンビニに設置されたマルチコピー機(キオスク端末)がコンビニ交付に対応していること、という3つの条件を満たすことが必要です。

戸籍謄本をコンビニで取得するやり方は、本籍地のある市区町村に住所があるかどうかによって異なります。

本籍地のある市区町村に住所がない場合には、事前に利用登録申請を行うことが必要です。

戸籍謄本をコンビ二で取得する場合の料金はそれぞれの市区町村によって異なりますが、おおむね350円〜400円の間で設定されており、窓口で取得する場合(全国一律450円)よりも安く設定されていることが多いです。

本籍地のある市区町村に住所がある場合、戸籍謄本をコンビニで取得するのにかかる時間は5分〜10分程度です。

コンビニ交付の利用登録申請(本籍地のある市区町村に住所がない場合に必要な手続き)にかかる時間は5日程度、マイナンバーカードの取得にかかる時間は1ヶ月半〜2ヶ月程度です。

当事務所では、戸籍謄本の取得の代行もうけたまわっております。

戸籍謄本の取得とあわせて相続人の調査などが必要となる場合には、相続問題にくわしい弁護士が対応させていただきますので、まずはお気軽にご相談ください。

あわせて読みたい
ご相談の流れ

 

 


[ 相続Q&A一覧に戻る ]

なぜ遺産相続のトラブルは弁護士に依頼すべき?

続きを読む

まずはご相談ください
初回相談無料