解決事例

前妻のお子さんと円満に早期解決ができたXさんの事例

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。
なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

状況

被相続人 87歳で死亡(男性Iさん) 遺産:不動産及び預貯金3300万円程度
相続人 配偶者Xさん、子どもAさん、Bさん、Cさん、Dさん
相談者 Xさん

 

 

相談の経過

Xさんは、夫のIさんが死亡し、預貯金等を引き出すために戸籍を取得したところ、Iさんの前妻のお子さんがおり、その方々が相続人となることを知りました。

戸籍しかし、Xさんは前妻のお子さんとは交流がなく、そもそもどこに住んでいるかすら分からない状態であったうえ、連絡が取れたとしても話し合いができるか分からない状態でした。

また、早期に解決できないと、Iさんの遺産が引き出せない状態であったため、生活も困難となってしまう可能性すらありました。

そこで、困ったXさんは、今後のことについて、弁護士に相談しました。

 

弁護士の関わり

役所

Xさんから相談を受けた弁護士は、まずは相続人を確定させ、その相続人がどこに住んでいるかを調査するために、戸籍やその附票を取得しました。

そして、相続人が4人いること、福岡だけではなく、県外に住んでいる相続人もいることが分かりました。

弁護士は、お子さんたちがどのような人かは分からないので、丁寧にお願いをする書面を作成して、前妻のお子さんたちに連絡を試みました。そして、AさんとBさんとは連絡が取れ、早期に合意を取り付けることに成功しました。

しかし、Cさんについては、書面は届くものの連絡が取れず、Dさんに至っては宛名人不在で書面が返ってきてしまうという状況でした。

握手をする男性Cさんについては、書面が届いているため、弁護士自らその居宅に赴き、何度も連絡を試みました。そうすると、数回の訪問を経た後に、Cさんからは連絡をもらうことができ、相続については放棄をすることを約束してもらうことができました。

一方、Dさんについては、宛名人不在だったため、他の相続人への聞き取りなどをしていきましたが、結局所在は不明だったため、Dさんの代わりに遺産分割の話し合いに加わる不在者財産管理人という人を裁判所に選任してもらわざるを得ない状況となりました。

しかし、改めて戸籍の附票を取り直したところ、Dさんが新しい住所地を届け出ていることが分かり、結果としてDさんとも連絡をとることができ、合意を取り付けることができました。

遺産分割案は、Xさんに有利なものでしたが、あえてその事実は隠さずに丁寧に説明をすることで、A~Dさんには納得をしてもらうことができました。

そして、最終的にXさんは、通常の遺産分割よりも1000万円近く多く取得することができたうえ、たった半年で解決することができたのです。

 

 

補足

時計相続に当たっては、思いもよらぬ相続人がでてきて、遺産分割の話し合いが紛糾することがあります。そうなって、協議がまとまらず調停に移行すると、1~2年が過ぎてしまうことがほとんどです。調停が終わるまでは亡くなった方の預貯金は使えませんから、Xさんのように財産を一方の手元に集めておいているような場合には生活に困ってしまうが少なくありません。

このように協議が紛糾する原因としては、相手方への不信が挙げられます。不信を生まないためには、事情を丁寧に説明するとともに、財産資料を開示し透明性を確保することが重要です。

今回のケースは、そのような丁寧な説明が功を奏した事例と言えます。

弁護士また、弁護士は机に座っての仕事だと思われがちですが、相手方が連絡をくれないような場合や、当事務所の場合は、必要な場合に現地に赴くこともしばしばあります。今回は、通常であれば連絡がつかないため調停に移行しての解決を考えるところですが、そこを足しげく相手の家まで行くことで解決を得た事例でした。

相続人の調査や相手方への説明の方法など、最終目標や相手に合わせた弁護士の活動が必要になります。今回のケースは、弁護士を就けることで、当初は難しいと思われていたXの有利な遺産分割案での解決と、早期の解決を両方得られた事案でした。

また、今回の相続で自らが亡くなった際の相続に備えて、Xは遺言を作成することにし、その作成までサポートしましたので、次の紛争を防ぐことにもつながっています。

相続分は法律で決まっていますが、納得を得る説明や話し合い次第で変えることができますので、まずは弁護士に相談することが大事です。

 

 

なぜ遺産相続のトラブルは弁護士に依頼すべき?

続きを読む

まずはご相談ください
初回相談無料