遺産分割協議書の書き方・見本等

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

遺産分割協議書とは

遺産分割とは、被相続人(亡くなった方)が死亡時に有していた遺産について、個々の遺産の権利者を確定させるための手続をいい、遺産分割協議書は、その合意内容が記された書面のことをいいます。

法律上、法定相続分というものがありますが、遺産について、誰が、何を承継するかは決まっていません。

法定相続分について、詳しくはこちらのページを御覧ください。

そこで、遺産について、終局的な帰属を確定する必要があります。

遺産には、現金や預貯金のほか、不動産、貴金属等の動産、株式、ゴルフ会員権など様々なものがあります。

これらについて、遺産分割協議書にどのように記載すればいいか、相続の専門家でないと難しいと思われます。

また、適切な内容の遺産分割協議書を作成しておかないと、後々トラブルとなる可能性もあります。

そこで、ここでは遺産分割協議書について、書き方の例をご紹介します。

なお、見本の使用は、相続問題に直面されている当事者個人の方及び弁護士のみとさせていただきます。

他士業その他の事業者の方に対しては、弁護士法違反(非弁活動)のおそれがあるため、無断使用を一切認めておりません。

 

 

遺産分割協議書(数次相続)

この書式は、遺産分割において、数次相続が発生している場合のサンプルです。

相続人の数は3人で、そのうちの1人が遺産である不動産を全部取得する場合に、他の相続人に対して代償金を支払うケースを題材にしています。

遺産分割において、相続人が複数で遠方にいるなどの場合、当事務所の弁護士は遺産分割協議証明書という形式を活用する場合が多いのですが、相続人が一同に会して遺産分割を行うような場合は遺産分割協議書で合意しても良いでしょう。

遺産分割の方法についてくわしくはこちらをごらんください。

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遺産分割協議書(生前の預貯金の使い込みの場合)

この書式は、預貯金の使い込みがある事案において、相手方が使い込みを認めている場合に使用する遺産分割協議書のサンプルです。

預貯金の使い込みは、その精算方法を具体的に明記することがポイントとなります。

預貯金の使い込みについては、こちらもごらんください。

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遺産分割協議書(死後の預貯金の使い込みの場合)

この書式は、死後、相続人の1人が預貯金を使い込んだ事案において、相手方が使い込みを認めている場合に使用する遺産分割協議書のサンプルです。

預貯金の使い込みは、その精算方法を具体的に明記することがポイントとなります。

預貯金の使い込みについては、こちらもごらんください。

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遺産分割協議書(遺留分侵害がある場合)

この書式は、遺留分の侵害あるケースで、遺産分割協議で解決する場合のサンプルです。

遺留分の侵害がある場合、具体的な侵害の割合を明示することがポイントとなります。

遺産が不動産の場合は、登記手続や代償金についても記載することとなります。

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遺産分割協議書(収益物件を共有して賃料を得る場合)

この書式は、賃貸に出している収益物件があるケースで、当該マンションを共有して賃料を取得する場合のサンプルです。

遺産に1棟のマンションなどの不動産がある場合、不動産業者に管理を委託することが一般的です。

そのようなケースでは、賃料収入の割合や不動産管理に要するコストについての責任分担について、遺産分割協議の中で話し合い、書面に残しておいたほうがトラブルを防止できます。

また、不動産を共有する場合、遺産分割後にすぐに共有物の分割請求をされると意味がありません。

そこで、このサンプルでは、5年間共有物の分割請求を行わないと合意条項を設けています。

収益物件の遺産分割協議については、こちらもごらんください。

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遺産分割協議書(マンションを共有して賃料を取得する場合)

この書式は、賃貸に出しているマンションがあるケースで、当該マンションを共有して賃料を取得する場合のサンプルです。

遺産に不動産がある場合、基本的に共有する遺産分割はお勧めしていません。

しかし、現状すぐに分割できない事情があったり、収益物件として魅力がある場合もあります。

このような場合、共有して賃料を取得することも選択肢として十分考えられます。

不動産を共有する場合、遺産分割後にすぐに共有物の分割請求をされると意味がありません。

そこで、このサンプルでは、5年間共有物の分割請求を行わないと合意条項を設けています。

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遺産分割協議書(賠償金・損害賠償請求権がある場合)

この書式は、遺産に賠償金がある場合の遺産分割協議に使用する書式です。

被相続人が第三者から車で轢かれるなどして死亡した場合、被相続人は当該第三者に対して不法行為に基づく損害賠償請求権を取得し、その損害賠償請求権は相続人が取得すると考えられています。

このような可分債権については、理論上、遺産分割の対象とはならず、各々が個別に権利行使して債権を回収することも可能です。

しかし、債権回収前の場合、遺産分割協議時に、かかる損害賠償請求権についても協議書に明記しておいたほうが後々のトラブルを防止できる点でメリットがあります。

この書式はそのような場合に活用します。

賠償金(損害賠償請求権)がある場合の遺産分割協議については、こちらもごらんください。

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遺産分割協議書(動産:絵画、宝石、時計、車等)がある場合

この書式は、遺産に絵画、宝石、時計、車等の動産がある場合の遺産分割協議に使用する書式です。

通常動産は、経済的価値が低いため、遺産分割協議には明記せず、形見分けとして相続人や親しい友人等に分配されることが多い傾向です。

しかし、動産の中には、宝石や絵画、高級自動車などのように経済的価値が高いものがあり、これらについては遺産分割協議書に記載しないと、後々トラブルとなる可能性があります。

そのため、これらについては、遺産分割協議書に、十分に特定できるように明記すべきです。

動産(絵画、宝石、時計、車等)の遺産分割協議については、こちらもごらんください。

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遺産分割協議書(土地の境界・通行権を合意する場合)

この書式は、袋地があり、かつ、境界が不明確な土地を遺産分割する場合のサンプルです。

袋地がある場合、法律上当然に袋地通行権(囲繞地通行権)が認められています。

また、境界が不明確な場合、境界確定訴訟や筆界特定制度により境界を特定することが可能です。

しかし、後日、トラブルとなるのを防止するために、遺産分割協議書に袋地通行権や境界の特定方法を定めておくべきです。

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遺産分割協議書(株式がある場合)

この書式は、遺産に株式がある場合の遺産分割協議に使用する書式です。

株式には、上場会社の株式のケースと、非上場会社の株式のケースがありますが、この書式は両方を対象とした内容です。

遺産に株式がある場合、当該会社の株主名簿の書き換えをしないと権利行使ができません。

遺産分割協議書は、株主名簿の書換の資料としても必要です。

この書式はそのような場合に活用します。株式がある場合の遺産分割協議については、こちらもごらんください。

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遺産分割協議書(借地権がある場合)

この書式は、遺産に借地権付きの自宅がある場合の遺産分割協議に使用する書式です。

借地権は、土地などの目に見える財産と異なり、物理的に触ることができないため、遺産として認識しづらいという特性を有しています。

しかし、借地権も財産権であり、遺産分割の対象となるので、遺産分割協議が必要となります。

遺産分割協議書には、借地権を特定するため、対象となる土地の情報(所在、地番、地目、地積)を明記するようにしましょう。

借地権がある場合の遺産分割協議については、こちらもごらんください。

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遺産分割協議書(賃料収入がある場合)

この書式は、遺産に賃貸用マンションがあって、被相続人の死後賃料が生じている場合の遺産分割協議に使用する書式です。

収益物件の賃料は、遺産そのものではなく、遺産から生じた果実であり、本来は遺産分割の対象とはなりません。

しかし、家裁実務においては、相続人全員が同意していれば、遺産分割の対象とすることが可能です。

また、民事訴訟を提起する場合、解決までに長年月を要するなど、当事者の負担が大きくなります。

そこで、可能な限り、遺産分割の対象とすることをお勧めします。

遺産分割協議書には、賃料を特定するため、対象となる不動産の情報を明記するようにしましょう。

賃料収入がある場合の遺産分割協議については、こちらもごらんください。

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遺産分割協議書(ゴルフ会員権がある場合)

この書式は、遺産にゴルフ会員権がある場合の遺産分割協議に使用する書式です。

ゴルフ会員権は、土地などの目に見える財産と異なり、物理的に触ることができないため、遺産として認識しづらいという特性を有しています。

しかし、ゴルフ会員権も財産権であり、遺産分割の対象となるので、遺産分割協議が必要となります。

遺産分割協議書には、権利内容を特定するため、契約相手の会社名、ゴルフ場の名称、ゴルフ会員権の種類、会員番号を明記するようにしましょう。

ゴルフ会員権がある場合の遺産分割協議については、こちらもごらんください。

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遺産分割協議書(葬式費用の取り決めがある場合)

相続においては、葬式費用が香典を上回り、御遺族に負担が発生する場合があります。

この書式は、葬式費用等を御遺族が負担する場合に、遺産分割協議書の中で取り決めをする際に使用する書式です。

葬式費用等は、死後に発生するものであり、本来は「遺産」ではありません。

しかし、相続人全員が納得しているのであれば、その負担額や精算方法を明記しておいた方が権利義務が明確となり、遺産承継はスムーズに行きます。

遺産分割協議書には、権利内容を特定するため、各相続人の負担額や支払い方法などを明記するようにしましょう。

葬式費用がある場合の遺産分割協議については、こちらもごらんください。

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遺産分割協議書(祭祀・仏壇・お墓がある場合)

祭祀の承継や祭祀財産については、民法897条に規定があります。

同条によれは、祭祀承継者について被相続人(亡くなった方)の指定がなく、慣習が不明な場合、家裁が決めると規定されています。

しかし、実務上、相続人間で祭祀承継者を決めることは多く、争いがない場合、わざわざ家裁に判断してもらう必要はありません。

このような場合、トラブル防止の観点から、遺産分割協議書の中に祭祀承継者を明記しておくことをお勧めしています。

遺産分割協議書には、祭祀承継者だけではなく、仏壇等の祭祀財産の帰属についても明記するとよいでしょう。

祭祀・仏壇・お墓がある場合の遺産分割協議については、こちらもごらんください。

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遺産分割協議書(貸金債権がある場合)

被相続人が第三者にお金を貸している(貸金債権がある)場合、当該貸金債権は当然に遺産分割の対象とはなりません。

しかし、相続人がそれぞれの法定相続分に応じて別々に貸金を回収するのは煩雑です。

そのため、相続人全員の合意で貸金債権を遺産分割の対象とする方法を検討すべきです。

また、合意については、後々のトラブル防止のため、口頭ではなく、書面で行うべきです。

その際、債権譲渡通知についても明記しておきましょう。

貸金債権がある場合の遺産分割協議については、こちらもごらんください。

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遺産分割協議書(特別受益の持戻免除がある場合)

この書式は、特別受益の持戻免除の意思表示があるケースで、遺産分割協議で解決する場合のサンプルです。

生前贈与などがある場合、通常は持戻しを行ってから遺産分割協議を行いますが、被相続人が持戻免除の意思を表示していることがあります。このような場合、遺産分割協議書において、持戻免除についても明記しておくことがポイントとなります。

また、本件は遺産に不動産が含まれているケースを前提としています。遺産に不動産があり、当該不動産の時価が具体的相続分を超えている場合、代償金の支払いなども検討する必要があります。

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遺産分割協議書(国税庁)

この書式は国税庁の遺産分割協議書のテンプレートです。

縦書きでわかりにくいのですが、行政の正式なテンプレートを使いたい方のために、当事務所でワード版を作成しております。

国税庁の遺産分割協議書については、こちらのページもご覧ください。

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遺産分割協議書(法務局)

この書式は法務局の遺産分割協議書のテンプレートです。

不動産登記申請用ですので、遺産が不動産の場合しか対応できませんが、行政の正式なテンプレートを使いたい方のために、当事務所でワード版を作成しております。

法務局の遺産分割協議書については、こちらのページもご覧ください。

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まとめ

弁護士以上、遺産分割協議書の書き方について、遺産の種類や問題となるケースごとに見本をご紹介いたしました。

相続が争族とならないようにするために、ご紹介した見本がお役に立てれば幸甚です。

ただし、見本はあくまでサンプルです。

個々のケースによって、最適な遺言書の内容は異なりますので、より詳しくは専門家にご相談ください。

 
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